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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y09 |
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管理番号 | 1323625 |
審判番号 | 取消2016-300011 |
総通号数 | 206 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-02-24 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2016-01-08 |
確定日 | 2016-12-12 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2703019号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第2703019号商標(以下「本件商標」という。)は、「BAMBOO」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年12月11日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成7年1月31日に設定登録され、その後、平成18年3月1日に、指定商品を第9類「レコード」とする指定商品の書換登録され、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録(予告登録)は、平成28年1月21日である。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その登録に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。 2 弁駁 請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。 1 本件商標の使用について 本件商標の商標権者は、平成24年(2012年)3月21日に発売したジャズの音楽CD(アーティスト名「カサンドラ・ウィルソン」アルバム名「ブルー・スカイ」、以下「本件商品」という。)のレコードレーベルとして本件商標「BAMBOO」を使用している。 レコードレーベルは、レコード会社にとって、アーティストのジャンルや音楽性の違いによってグループ分けされた部門(ブランド)を表すものであり、自他商品を識別するための重要な役割を果たす商標である。 そして、本件商品は、本件商標に係る指定商品「レコード」に含まれるものであり、商標権者は、本件商品に発売から現在に至るまで継続して、本件商品パッケージの背ラベルに、本件商標と社会通念上同一と認められる商標「Bamboo」を付して販売している。これは、商標法第2条第3項第1号の商標の使用に該当する。 また、本件商品1点が、本件審判請求の登録日前3年以内(以下「要証期間」という。)の平成27年(2015年)5月7日に、埼玉県にある「LHE HMVインターネットフルフィルメントセンター」に出荷され、受領された事実がある。本件商品の品番は「UCCU-6204」であり、これが売上票に記載されたものと一致することから、要証期間内に、日本国内において、本件商標を付した本件商品が出荷されたことが確認できる。これは、商標法第2条第3項第2号の使用に該当する。 さらに、音楽コンテンツデータを提供している「CDJournal」のウェブサイトにおいて、本件商品について「本作は日本制作レーベルBambooの記念すべき第1弾録音作品」と紹介されている。そして、上記ウェブサイトから取り扱い店にリンクが貼られており、タワーレコードや山野楽器のサイトより本件商品を購入する手続きへ進むことができる。よって、本件商品は、本件商品が発売された平成24年(2012年)3月21日以降、インターネットを介して商品を購入できる状態であったことは明白である。これは、商標法第2条第3項第8号に該当にするものである。 2 むすび 以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定商品「レコード」について、商標法第2第3項第1号、同項第2号及び同項第8号に該当する使用がなされていることが明らかである。 第4 当審の判断 1 認定事実 証拠及び被請求人の主張によれば、以下の事実が認められる。 (1)乙第1号証から乙第3号証は、本件商品のジャケット正面、背ラベル、裏面の写真であり、それらに写された本件商品の背ラベルに「Bamboo」、「CASSANDRA WILSON」、「BLUE SKIES」及び「UCCU-6204」の記載が、裏面に「UCCU-6204」、「12・3・21」の記載とともに、本件商品が商標権者により販売される旨を表示する「Marketed & Distributed by UNIVERSAL MUSIC LLC」の記載がある。 (2)乙第4号証は、売上票の写しであるが、当該売上票に、受注日として「15/05/06」発行日として「15/05/07」の記載が、商品等の記載欄の23行目には商品番号の項目に「UCCU 6204」の記載が、出荷数の項目に「1」の記載が、お得意先名の欄に「HMVインターネット・フルフ」の記載が、「単価は構成単位で表示しています。」と記載された欄には「70780090」の記載がある。また、売上票の右下の欄には「ユニバーサル M」の記載があり、当該記載は商標権者の名称を省略して記載したものと推認できる。 (3)乙第5号証は、配達受領書の写しであるが、上段の配達受領書には、受領書上段中央に「15年05月07日」の記載が、お届け先欄には「HMV インターネッ/トフルフィルメントセンター」の記載が、記事欄(伝票No.)の7行目中央に「070780090(03)」の記載があり、当該数字の「70780090」部分は、乙第4号証の「単価は構成単位で表示しています。」と記載された欄の数字と一致する。また、当該配達受領書の受領印の欄に「HMV PDC」という受領印が捺印されている。 (4)乙第7号証は、2016年2月5日にプリントアウトした「TOWER RECORDS ONLINE」のウェブページの写しであるが、該ウェブページには、乙第1号証の写真と同一と認められるCDの写真と、その右側に「ブルー・スカイ」、「Cassandra Wilson」、「国内」、「SHM?CD」、「販売中 お取り寄せ」、「発売日 2012年03月21日」、「規格品番 UCCU-6204」、「レーベル Bamboo」、「価格 ¥1,851」の記載がある。 2 判断 上記1によれば、商標権者は、タイトル「BLUE SKIES」及び品番「UCCU-6204」で特定される本件商品に、本件商標と社会通念上同一と認められる「Bamboo」の文字を表示し、平成24年(2012年)3月21日に発売した。 商標権者は、顧客の「LHE HMVインターネットフルフィルメントセンター」より、平成27年(2015年)5月6日に品番「UCCU-6204」で特定される本件商品を受注し、同年5月7日に本件商品を配達、顧客が受領したことがうかがえる。 また、本件商品は、平成28年(2016年)2月5日においても「TOWER RECORDS ONLINE」のウェブページ等において販売されていることからすれば、本件商品は、要証期間前の平成24年(2012年)3月21日の発売から、要証期間内の同27年(2015年)5月ごろを含め、要証期間経過後の同28年(2016年)2月5日に至るまでの期間、継続して販売されていたものと認めて差し支えない。 そして、本件商品は「録音済みのコンパクトディスク」と認められ、当該商品は、本件審判請求に係る指定商品「レコード」の範囲に属する商品であるから、これに本件商標と社会通念上同一の標章と認められる「Bamboo」の文字を付することは、商標法第2条第3項第1号に定める標章の「使用」に該当する。 3 まとめ 以上のとおり、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内である平成27年5月ころ、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる商品「録音済みのコンパクトディスク」について、本件商標と社会通念上同一と認められる標章の使用を証明したということができる。 したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2016-10-17 |
結審通知日 | 2016-10-20 |
審決日 | 2016-11-01 |
出願番号 | 商願昭62-138748 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Y09)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
今田 三男 |
特許庁審判官 |
小松 里美 田中 幸一 |
登録日 | 1995-01-31 |
登録番号 | 商標登録第2703019号(T2703019) |
商標の称呼 | バンボー |
代理人 | 特許業務法人YKI国際特許事務所 |
代理人 | 橋本 千賀子 |
代理人 | 塚田 美佳子 |
代理人 | 長谷 玲子 |