• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1322518 
異議申立番号 異議2016-900180 
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-07-12 
確定日 2016-11-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第5839513号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5839513号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5839513号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「Soy’s simple life」の欧文字を横書きしてなり、平成27年11月17日に登録出願、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,通信販売による商品の売買契約の取次ぎ,その他の商品の売買契約の媒介・取次ぎ・代理,通信販売のカタログによる広告,その他の広告業,商品の販売に関する情報の提供」を指定役務として、同28年3月11日に登録査定、同年4月8日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、以下の4件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらをまとめて「11号引用商標」という場合がある。)。
(1)登録第2167772号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SIMPLE LIFE」の欧文字よりなり、昭和62年2月19日に登録出願、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、平成1年9月29日に設定登録され、その後、同22年1月20日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第4271764号商標(以下「引用商標2」という。)は、「Simple Life」の欧文字を標準文字により表してなり、平成10年2月5日に登録出願、第35類「商品の販売に関する情報の提供」を指定役務として、同11年5月14日に設定登録されたものである。
(3)登録第4373159号商標(以下「引用商標3」という。)は、「SIMPLE LIFE」の欧文字よりなり、平成10年12月10日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き,つけづめ,つけまつ毛,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨」、第8類「手動工具,手動利器,かつお節削り器,角砂糖挟み,缶切,くるみ割り器(貴金属製のものを除く。),スプーン,フォーク,電気かみそり及び電気バリカン,ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,マニキュアセット」及び第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済のえん麦,脱穀済の大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,酒かす」及び第5類、第15類、第24類、第26類、第27類、第29類、第31類ないし第34類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同12年4月7日に設定登録されたものである。
(4)登録第5316612号商標(以下「引用商標4」という。)は、「SIMPLE LIFE」の欧文字よりなり、平成21年2月9日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同22年4月16日に設定登録されたものである。
2 申立人が、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、以下の4件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらをまとめて「15号引用商標」という場合がある。)。
(1)登録第4126816号商標(以下「引用商標5」という。)は、「SIMPLE LIFE」の欧文字及びその上部に振り仮名を付すように小さく表した「シンプル ライフ」の片仮名を横書きしてなり、平成8年10月7日に登録出願、第25類「被服,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同10年3月20日に設定登録されたものである。
(2)登録第4246343号商標(以下「引用商標6」という。)は、「SIMPLE LIFE」の欧文字よりなり、平成9年5月7日に登録出願、第16類「紙類,文房具類,紙製ごみ収集用袋,紙製手ふき,印刷物,写真立て,写真」、第20類「家具,葬祭用具,ベンチ,クッション,座布団,まくら,マットレス,せんす,買物かご,きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),工具箱(金属製のものを除く。),盆(金属製のものを除く。),ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),ハンガーボード,スリーピングバック,帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),揺りかご,竹製の包装用容器」、第22類「原料繊維,編みひも,網類(金属製又は石綿製のものを除く。),布製包装用容器,天幕,日よけ,登山用又はキャンプ用テント,ザイル」、第25類「被服,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「運動用具,おもちゃ,人形,ビリヤード用具,囲碁用具,釣り具,ドミノ用具」を指定商品として、同11年3月5日に設定登録されたものである。
(3)登録第4360169号商標(以下「引用商標7」という。)は、「SIMPLE LIFE」の欧文字よりなり、平成11年3月29日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同12年2月10日に設定登録されたものである。
(4)登録第5079353号商標(以下「引用商標8」という。)は、「SIMPLE LIFE」の欧文字よりなり、平成19年3月29日に登録出願、第9類「眼鏡」、第14類「身飾品,宝玉及びその模造品,時計,キーホルダー」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,愛玩動物用被服類」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第24類「織物,布製身の回り品,敷布,布団,布団カバー,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」を指定商品として、同年9月21日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第51号証(枝番を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、11号引用商標(甲2?甲5)に類似する商標をその抵触する指定商品に使用するものである。
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標の構成態様に照らしたときには、「Soy’s」、「simple」、「life」という3つの語により構成されていると容易に認識し得るところであり、これらの各語より生ずる意味合い、すなわち、「大豆の」、「シンプル(簡素)」、「ライフ(生活)」をもってしても、その全体から特定の意味合いを看取し得るものではない。
このことは、本件商標の全体を一連一体のものとして認識されなければならないという特段の事情は存在しないことを意味する。また、本件商標の全体より生じる称呼は10音と冗長である。
さらに考察すると、その構成中の「simple life」の2語からは「シンプルライフ(簡素な生活)」という意味合いが容易に看取できるものであり、本件商標にあっては、「Soy’s」と「simple life」の2つの部分に分離して認識されるとみるのが妥当である。また、最近では、小売店やオンラインショップにおいて、豆乳や大豆由来の成分を含む化粧品や石けん等、並びに、豆乳や大豆を材料とした飲料や加工食品が多数販売されている実情にも照らすと(甲10、甲11)、「Soy’s」の語は、本件指定役務との関係で、小売等役務の提供の用に供される物(小売等役務の取扱商品)の原材料や品質を表示するにすぎない文字と容易に認識させるものである。
したがって、本件商標中の構成文字において、「Soy’s」の文字は、本件指定役務中の小売等役務の取扱商品の原材料等を表示する文字にすぎず、それ以外の「simple life」の部分が取引者・需要者に強い印象を与えると考えられることから、本件商標からは当該部分に相応する「シンプルライフ」の称呼を生じる。
他方、11号引用商標は、いずれも欧文字で「SIMPLE LIFE」を横書きにし、又は、片仮名「シンプルライフ」を併記して二段書きにして構成されるものであり、いずれからも「シンプルライフ」の称呼を生じる。
したがって、本件商標の「simple life」の部分と11号引用商標は、その称呼を同じくし、その外観・観念も相紛らわしいことから、本件商標は、11号引用商標に類似する。
(2)指定商品・指定役務の類否について
本件商標に係る指定役務中の「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についてみると,これらの小売等役務の取扱商品は引用商標の指定商品に含まれていることから、これらの指定役務は引用商標1、3及び4に係る指定商品と抵触するものである。
また、本件商標に係る指定役務中の「商品の販売に関する情報の提供」は、引用商標2に係る指定役務と抵触するものである。
(3)小括
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は、その構成中に「simple life」の欧文字を含んでおり、その登録出願時及び登録査定時において、申立人が所有し、かつ、長年使用してきた15号引用商標(甲6?甲9)との関係で、申立人の業務に係る商品と出所混同を生じるおそれがある。
(1)本件商標と15号引用商標との類似性の程度について
1(1)で述べたとおり、本件商標は、その構成中の「simple life」の文字部分において、15号引用商標と外観・観念・称呼を共通にするものである。
また、前述したように、本件商標は、「Soy’s」と「simple life」が取引者・需要者に分離して認識され得るものであり、最も強く訴える部分は「simple life」の文字である状況に照らすと、本件商標を全体として見た場合にも15号引用商標とは相紛らわしいものであり、出所混同を生じるほどに類似する商標であるといえる。
(2)15号引用商標の周知著名性及び独創性の程度について
15号引用商標は、申立人の所有に係る登録商標であり、本件商標の登録出願日以前より今日に至るまで、申立人の業務に係る商品を表示するものとして全国的な周知・著名性を獲得しているものである。
ア 申立人及び15号引用商標について
申立人は、1902年に創業した衣料品販売会社を前身として100年以上の歴史を誇り、現在数十以上のアパレルブランドを展開する国内有数のアパレル企業である(甲12?甲14)。
15号引用商標に係る「SIMPLE LIFE」は、申立人の取扱商品に係るアパレルブランドであり、比較的若い年代の男女を対象として1970年代半ばに販売が開始されて以来、約40年間にわたって申立人の主力ブランドとして堅調な売上を維持し続け、現在に至るまで幅広い年代層の消費者に支持を得てきた(甲15?甲19)。
現在、申立人は、15号引用商標「SIMPLE LIFE」を付した「被服」等の商品を全国の店舗やオンラインショップを通じて販売しており(甲21?甲23)、近年では中国や台湾にもその販売市場を拡大し(甲24)、日本にとどまらない周知・著名性を獲得している。2014年及び2015年には、繊研新聞において百貨店バイヤーズ賞にランクインされたことからも、本ブランドが取引者・需要者から相当な信頼を獲得していることが理解される(甲25、甲26)。
イ 15号引用商標を使用した商品の販売数・売上について
過去5年間のメンズ及びレディースの売上金額の合計は、2011年(平成23年)は、9,564,256,000円、2012年(平成24年)は、9,288,104,000円、2013年(平成25年)は、8,387,383,000円、2014年(平成26年)は、8,026,658,000円、2015年(平成27年)は、7,798,037,000円である(甲27)。
これらの資料によれば、申立人が15号引用商標を付した商品をかなりの数量販売している事実が推察され、15号引用商標が日本国内において周知性を有していることは明らかである。
ウ 15号引用商標の広告宣伝の内容及び規模について
申立人は、15号引用商標に係る「SIMPLE LIFE」に関し、広告宣伝の一環として、大手企業及び人気キャラクターとのコラボキャンペーンを数多く実施してきたほか(甲28?甲34)、大手百貨店と提携した合同フェアを定期的に開催し(甲35?甲39)、その販売促進活動に力を入れてきた。
さらに、シーズン毎に充実した商品カタログを発行し(甲40?甲42)、雑誌にも広告掲載を行うことで(甲43?甲47)、幅広い消費者層への認知度を高めている。
(3)本件商標の指定役務と申立人の業務に係る商品・役務との間の性質、用途又は目的における関連性の程度について
本件商標の指定役務「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と申立人の業務に係る「被服」等とは,主として日常生活における衣食や衛生に関するものを取り扱うという点において共通している。
また、本件商標の指定役務「通信販売による商品の売買契約の取次ぎ,その他の商品の売買契約の媒介・取次ぎ・代理,通信販売のカタログによる広告,その他の広告業,商品の販売に関する情報の提供」については、申立人の業務に係る「被服」等を販売促進する手段である点において共通するものと考えられる。
したがって、双方の指定商品・指定役務は、密接な関連性を有するものである。
(4)商品・役務の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情について
本件商標の指定役務と申立人の業務に係る商品は、上記(3)の関連性から、いずれも一般的な個人の消費者を対象として提供されるものであるため、その取引者・需要者は相当程度共通しているといえる。
また、取引の実情を考慮すると、最近のアパレルショップにおいては、被服、履物、かばん類、雑貨等だけではなく、「化粧品・歯磨き及びせっけん類」といった商品も併せて取り扱うことが一般的になりつつあり(甲49、甲50)、さらに、店舗にカフェやレストランが併設されて、「飲食料品」等が提供される店舗形態となっている店も存在している(甲51)。
したがって、本件商標をその指定役務に使用するときは、その取引者・需要者において出所混同を生じるおそれがある。
(5)本件商標の指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力
本件商標の指定役務は、上記(4)のとおり、一般的な個人の消費者を対象としており、価格帯も高額ではないと考えられることから、購入時における取引者・需要者の注意力はさほど高くないと考えられるものである。
(6)小括
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、「Soy’s simple life」の欧文字を横書きしてなるものであって、「Soy’s」、「simple」及び「life」の各文字間に半角程度のスペースがあるものの、全体として同じ書体、同じ大きさでまとまりよく表されており、その構成中の特定の文字部分が強く支配的な印象を与えるものではないから、視覚上一体的に把握されるものといえる。
また、上記各語は、「Soy」が「大豆」、「’s」が英語の所有格を示す用法、「simple」が「簡素な」、「life」が「生活」を意味する親しまれた英語であって、全体として「大豆による簡素な生活」という程の一連の意味合いを把握させるものである。
さらに、これから生じる「ソイズシンプルライフ」の称呼もよどみなく一連に称呼することができるものである。
したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、一体のものとして認識され把握されるとみるのが自然である。
申立人は、甲第10号証及び甲第11号証を提出して、「Soy’s」の語は、本件指定役務との関係で、小売等役務の提供の用に供される物(小売等役務の取扱商品)の原材料や品質を表示するにすぎない文字と容易に認識させると主張している。
しかしながら、上記証拠によれば、紹介されている商品が大豆から抽出されたダイズエキス、含有成分のイソフラボン、豆乳を配合していることは確認できるものの、「Soy’s」又は「soy」の語が上記商品の原材料や品質を表示するものとして使用されておらず、「Soy’s」の語が原材料等を表示するものと認識させるということもできない。
そうすると、「soy」の文字が「大豆」の意味を有するとしても、本件商標を構成する「Soy’s」の文字が本件商標の指定役務(小売等役務)の取扱商品の原材料や品質を認識させるとはいうことができず、上記の申立人の主張は採用することができない。
(2)11号引用商標について
11号引用商標は、それぞれ前記第2のとおりの構成のものであって、これらからは、「シンプルライフ」の称呼及び「簡素な生活」の観念が生じるものである。
(3)本件商標と11号引用商標との類否について
本件商標は、その構成中に「Soy’s」の文字を有することで、11号引用商標とは外観において十分に区別できるものである。
また、本件商標から生じる「ソイズシンプルライフ」の称呼と11号引用商標から生じる「シンプルライフ」の称呼とは、「ソイズ」の音の有無により互いに聞き分けることができるものである。
さらに、両者は、観念においても、「大豆による簡素な生活」と「簡素な生活」との明確な差異を有するものである。
以上からすれば、本件商標と11号引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
甲第12号証ないし甲第48号証を総合して検討すると、申立人の被服ブランド「SIMPLE LIFE(シンプルライフ)」は、1975年に発表されたこと、繊研新聞社主催の2014年春夏及び2015年度の百貨店バイヤーズ賞のレディス・ミセス部門にランクインしたことが確認できることから、被服の取引者、需要者の間においては一定程度知られているものということができる。
しかしながら、その販売実績については、例えば2015年の売上金額が約78億円であることが確認できるものの、被服分野での市場シェア等は明らかでなく、広告宣伝については、販売開始後1年間にピーターフォンダ氏をCMに起用したことや、例えば2015年の広告宣伝費用総額が約2千万円であることなどが確認できるにすぎず、宣伝広告の具体的な実績(期間及び規模等)は明らかでない。
そうすると、提出された証拠方法からは、15号引用商標「SIMPLE LIFE」は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(被服等)を表示するものとして、取引者、需要者の間において広く知られていたものとまでは認めることができない。
そして、本件商標は、その構成中に「simple life」の欧文字を含んでいるとしても、一体のものとして認識、把握されること、前述のとおりである。
してみれば、本件商標を本件商標権者がその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が、申立人商品を連想、想起することはなく、該役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 まとめ
以上、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとは認められないから、その登録は、同法第43条の3第4項に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)


異議決定日 2016-11-14 
出願番号 商願2015-112881(T2015-112881) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W35)
T 1 651・ 263- Y (W35)
T 1 651・ 262- Y (W35)
T 1 651・ 271- Y (W35)
最終処分 維持  
前審関与審査官 豊瀬 京太郎 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 田中 亨子
板谷 玲子
登録日 2016-04-08 
登録番号 商標登録第5839513号(T5839513) 
権利者 株式会社豆腐の盛田屋
商標の称呼 ソイズシンプルライフ 
代理人 本宮 照久 
代理人 中村 行孝 
代理人 柏 延之 
代理人 佐藤 泰和 
代理人 朝倉 悟 
代理人 國分 孝悦 
代理人 永井 浩之 
代理人 高田 泰彦 
代理人 宮嶋 学 
代理人 矢崎 和彦 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ