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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y42
管理番号 1321411 
審判番号 取消2015-300329 
総通号数 204 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-12-22 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-05-08 
確定日 2016-11-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第4999553号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4999553号商標の指定商品及び指定役務中、第42類「全指定役務」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4999553号商標(以下「本件商標」という。)は、「GATEMANAGER」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年4月19日登録出願、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第37類「建設工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,船舶の建造,船舶の修理又は整備,航空機の修理又は整備,自転車の修理,自動車の修理又は整備,鉄道車両の修理又は整備,二輪自動車の修理又は整備,映画機械器具の修理又は保守,光学機械器具の修理又は保守,写真機械器具の修理又は保守,荷役機械器具の修理又は保守,火災報知機の修理又は保守,事務用機械器具の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,電子応用機械器具の修理又は保守,電気通信機械器具の修理又は保守,土木機械器具の修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守,照明用器具の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守,理化学機械器具の修理又は保守,測定機械器具の修理又は保守,医療用機械器具の修理又は保守,銃砲の修理又は保守,印刷用又は製本用の機械器具の修理又は保守,化学機械器具の修理又は保守,ガラス器製造機械の修理又は保守,漁業用機械器具の修理又は保守,金属加工機械器具の修理又は保守,靴製造機械の修理又は保守,工業用炉の修理又は保守,鉱山機械器具の修理又は保守,ゴム製品製造機械器具の修理又は保守,集積回路製造装置の修理又は保守,半導体製造装置の修理又は保守,食料加工用又は飲料加工用の機械器具の修理又は保守,製材用・木工用又は合板用の機械器具の修理又は保守,繊維機械器具の修理又は保守,たばこ製造機械の修理又は保守,塗装機械器具の修理又は保守,農業用機械器具の修理又は保守,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具の修理又は保守,プラスチック加工機械器具の修理又は保守,包装用機械器具の修理又は保守,ミシンの修理又は保守,貯蔵槽類の修理又は保守,ガソリンステーション用装置の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,自転車駐輪器具の修理又は保守,業務用食器洗浄機の修理又は保守,業務用加熱調理機械器具の修理又は保守,業務用電気洗濯機の修理又は保守,乗物用洗浄機の修理又は保守,自動販売機の修理又は保守,動力付床洗浄機の修理又は保守,遊園地用機械器具の修理又は保守,美容院用又は理髪店用の機械器具の修理又は保守,水質汚濁防止装置の修理又は保守,浄水装置の修理又は保守,廃棄物圧縮装置の修理又は保守,廃棄物破砕装置の修理又は保守,潜水用機械器具の修理又は保守,原子力発電プラントの修理又は保守,化学プラントの修理又は保守,家具の修理,傘の修理,楽器の修理又は保守,金庫の修理又は保守,靴の修理,時計の修理又は保守,はさみ研ぎ及びほうちょう研ぎ,錠前の取付け又は修理,ガス湯沸かし器の修理又は保守,加熱器の修理又は保守,なべ類の修理又は保守,看板の修理又は保守,かばん類又は袋物の修理,身飾品の修理,おもちゃ又は人形の修理,運動用具の修理,ビリヤード用具の修理,遊戯用器具の修理,浴槽類の修理又は保守,洗浄機能付き便座の修理,釣り具の修理,眼鏡の修理,毛皮製品の手入れ又は修理,洗濯,被服のプレス,被服の修理,布団綿の打直し,畳類の修理,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,道路の清掃,貯蔵槽類の清掃,電話機の消毒,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。),医療用機械器具の殺菌・滅菌,土木機械器具の貸与,床洗浄機の貸与,モップの貸与,洗車機の貸与,電気洗濯機の貸与,衣類乾燥機の貸与,衣類脱水機の貸与,家庭用ルームクーラーの貸与,鉱山機械器具の貸与,暖冷房装置の貸与」及び第42類「気象情報の提供,建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務についての情報の提供,訴訟事件その他に関する法律事務についての情報の提供,登記又は供託に関する手続の代理についての情報の提供,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,社会保険に関する手続の代理,計測器の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,理化学機械器具の貸与,製図用具の貸与」を指定商品及び指定役務として、同年10月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び弁駁書において、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第42類の全指定役務について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、上記の指定役務については、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人は、その答弁書において自ら本件商標を「電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品」に使用していたと述べ、「電子計算機用プログラム」と「電子計算機用プログラムの提供」は類似するので、商品「電子計算機用プログラム」についての使用事実を立証すれば、役務「電子計算機用プログラムの提供」についての本件商標の使用を立証できたことになると主張している。
このように、本件商標の第42類の指定役務について使用してきたことの立証責任を負う被請求人自身が、本件商標を第42の指定役務について使用していないことを明言している。
そして、乙号証として提出された証拠方法も、全て第9類に属する「入退場管理用の電子計算機用プログラム」に本件商標が使用されていることを証するものであって、第42類の指定役務に使用されていることを何ら立証していない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のとおり主張し、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第15号証を提出した。
1 理由の要約
(1)商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、指定役務「電子計算機用プログラムの提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与」に類似する商品「電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品」に、商標「GATEMANAGER」を使用している。
(2)商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、指定役務「電子計算機用プログラムの提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与」に、商標「GATEMANAGER」を使用している。
2 請求が成り立たない理由
(1)本件商標の指定役務に類似する商品
第9類の商品「電子計算機用プログラム」と、第42類の役務「電子計算機用プログラムの提供」とは双方に類似するものであるから、商品「電子計算機用プログラム」の商標の使用の事実を立証すれば、役務「電子計算機用プログラムの提供」を立証できたことになる。
(2)本件商標の使用時の態様
本件商標は、標準文字「GATEMANAGER」であり、これは、「GATE」(ゲート、門を意味する)と「MANAGER」(マネージャー、管理者を意味する)とを組み合わせた造語であり、GATEMANAGERからは「ゲートマネージャー」の称呼を生じる。他方、被請求人が証拠として挙げる乙第1号証ないし乙第15号証では、標準的なフォントでの欧文字「GateManager」、ロゴ「GateManager」(GとMが大文字で、他の小文字とは異なるフォント色)を使用しているが、これらからも「ゲートマネージャー」の称呼を生じる。
本件商標の「GATEMANAGER」と、使用時の態様である「GateManager」、ロゴ「GateManager」では、大文字、小文字、フォント色、ロゴなどの若干の相違はあるが、外観類似といえるものである。仮に、外観類似でなくとも、上記のように双方とも称呼「ゲートマネージャー」では同一であり、本件商標の「GATEMANAGER」と使用時の態様である「GateManager」、ロゴ「GateManager」とは、称呼同一の関係にある。
よって、これら乙第1号証ないし乙第15号証の商標の使用態様は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用である。
(3)被請求人による本件商標の使用
ア 乙第1号証ないし乙第5号証について
乙第1号証ないし乙第5号証は、被請求人の商標「GateManager」を付した商品「電子計算機用プログラム」又は役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の広告を、要証期間内にインターネットを介して電磁的に提供したことを示している。
イ 乙第6号証について
乙第6号証は、被請求人が、商標「GateManager」を付した商品「電子計算機用プログラム」又は役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」のカタログが、2011年5月16日及びこれ以降にインターネットを介して電磁的に提供される状況に置かれていたことを示している。これは、乙第2号証の該当商品のアイコンや、乙第3号証の右側の「製品カタログ」をクリックすることで、乙第6号証のカタログがダウンロードされ表示される仕組みになっていたことが分かる。
ウ 乙第7号証について
乙第7号証は、披請求人が、商標「GateManager」を付した商品「電子計算機用プログラム」又は役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の広告を、2015年7月25日にインターネットを介して電磁的に提供していることを示している。現在でも被請求人は、当該商標を付して、当該商品や役務の広告を継続して行っている。
エ 乙第8号証について
乙第8号証は、被請求人が、商標「GateManager」を付した商品「電子計算機用プログラム」又は役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の広告を、2015年4月29日にインターネットを介して電磁的に提供したことを示している。
「退場管理システムGateManager Ver2.0 スピーディーな退場手続きを実現!ユーザー情報、車輛情報、会社情報の一括管理。GSA株式会社 スピーディーな入退場手続きを実現。バーコードを使って建設現場や工場の入退場情報を管理することのできる入退場管理システム 人退場管理システムGateManagerは、『カタログをダウンロード』よりご覧頂けます。」という商品・役務説明の文言が示される。
なお、乙第8号証ないし乙第14号証は、他社サイトであるが、被請求人が宣伝広告を目的としてその内容を管理するものであり、ここでの広告は、実質的に、被請求人が提供した広告とみなすことができる。
オ 乙第9号証について
乙第9号証は、被請求人が、商標「GateManager」を付した商品「電子計算機用プログラム」又は役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の広告を、2015年4月29日にインターネットを介して電磁的に提供したことを示している。
カ 乙第10号証について
乙第10号証は、カタログ提供宣伝ウェブサイト(他社サイト)での広告の引き合い情報を管理するページである。これは、乙第8号証や乙第9号証でカタログに興味を示し、カタログをダウンロードした引き合い会社(見込み客)の会社名、カタログ名(対象商品名)、カタログダウンロード日時、引き合い状況(具体的に検討中など)を記録したものである。
そして、これは、被請求人が、商標「GateManager」を付した商品「電子計算機用プログラム」又は役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の広告を、2015年4月29日にインターネットを介して電磁的に提供したことを示している。
キ 乙第11号証について
乙第11号証は、本件商標を付した商品又は役務に興味を持つ引き合い会社の「株式会社静鉄情報センター」が、乙第8号証や乙第9号証で示したウェブサイトを閲覧し、本件審判請求の登録前の2015年2月3日に被請求人の「入退場管理システムGateManager」のカタログをダウンロードしたことが記録されている。これは、被請求人による、本件商標を表示しての「指定役務又はこれに類似する商品」のカタログの電磁的方法による提供に当たる。乙第8号証ないし乙第14号証は、他社の提供するウェブサイトであるが、これらは、カタログ提供元の被請求人がユーザID、パスワードを持って管理・運用するものであり、ここでのカタログのダウンロードは、例えば、他社の百貨店の販売・展示場などで「商品メーカー」や「役務提供会社」が、カタログを頒布したり、広告したりする行為に相当する。即ち、被請求人が「カタログ」を「頒布」し、或いは「広告」をしたことに相当する。
ク 乙第12号証ないし乙第14号証について
乙第12号証ないし乙第14号証は、引き合い会社が、乙第8号証や乙第9号証で示したウェブサイトを閲覧し、要証期間内に被請求人の「入退場管理システムGateManager」のカタログをダウンロードしたことが記録されている。これは、本件商標を表示しての「指定役務又はこれに類似する商品」のカタログの電磁的方法による提供に当たる。これも乙第11号証と同様に、被請求人が「カタログ」を「頒布」したことに相当する。
ケ 乙第15号証について
乙第15号証は、乙第6号証が2011年5月16日に記録されたことを示すウェブサイトを表示したときのスクリーンショットである。2011年5月18日にキャッシュとして記録されたものであり、その後も、2015年4月頃までダウンロード可能であったものである。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠について
(1)インターネット広告
乙第1号証ないし乙第4号証、乙第8号証及び乙第9号証は、被請求人のウェブサイトの写しである。
ア 乙第1号証には、「取り扱い製品」の項目下に「通門管理」システムとしてロゴタイプの「GateManager」の文字が表示されている。
イ 乙第2号証には、ロゴタイプの「GateManager」の文字が表示された製品カタログの表紙の写真とともに、「GateManager」の文字及び「入退場管理システム、総ページ数:2ページ」の記載がある。
ウ 乙第3号証は、製品情報として「GateManager 入退場管理システム」が紹介されているウェブページであり、ロゴタイプの「GateManager」の文字が表示された包装箱の写真が掲載されている。
エ 乙第4号証には、「サポート製品一覧」の項目下にロゴタイプの「GateManager」の文字、ロゴタイプの「GateManager」の文字が表示された包装箱の写真及び「警備の協力サポーター データベースで入退場状況を一括管理! リアルタイムに入場状況を把握!」の記載がある。
オ 乙第8号証には、1様目に「入退場管理システム GateManager Ver2.0」の文字及びロゴタイプの「GateManager」の文字が表示された包装箱の写真が掲載され、2様目に「入退場管理システム GateManager」のカタログの表紙の写真が掲載されている。
カ 乙第9号証には、「入退場管理システム GateManager」のカタログの見開きの写真及び「入退場管理システム GateManager Ver2.0」の文字及びロゴタイプの「GateManager」の文字が表示された包装箱の写真が掲載されている。
(2)カタログ等
乙第6号証は、被請求人のロゴタイプの「GateManager」の文字が表示された「カタログ」の写しであり、「製品の特徴」、「運用イメージ」、「製品内容」及び「動作環境」が掲載されており、「製品内容」の項目下に「GateManager本体」の記載及びその内容物と思われる「ソフトCD-ROM、バーコードリーダー、リーダー付属品、プロテクト(HASP)、取扱説明書・マニュアル一式、ユーザー登録証明書」の記載があり、「動作環境」の項目下に「対応OS Windows XP、メモリ 512MB以上推奨、ソフトウェア .NET Framework2.0使用・・・」の記載がある。
乙第10号証ないし乙第14号証は、該カタログのダウンロードに関する証拠である。
2 判断
(1)使用商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「GATEMANAGER」の欧文字からなり、これより「ゲートマネージャー」の称呼及び「門の管理者」程の観念が生じるものである。
一方、被請求人が使用している商標は、標準的なフォントで表した「GateManager」の文字と色彩を施したロゴタイプの「GateManager」の文字であり、本件商標と同一の綴りであって、これより「ゲートマネージャー」の称呼及び「門の管理者」程の観念が生じるものである。
そうすると、両者は、外観において、大文字と小文字の違い、色彩及び文字フォントに相違があるとしても、同一の綴り字から構成され、同一の称呼及び観念を生じるものであるから、社会通念上同一の商標といえる。
(2)使用に係る商品又は役務について
前記1によれば、被請求人がそのウェブページにおける広告及びカタログに掲載している「GateManager」を名称とするものは、被請求人の製品として紹介され、商品としての包装箱が掲載されており、カタログにおける「GateManager本体」として「ソフトCD-ROM」等の記載、及び動作環境の記載内容からすれば、「入退場を管理するための電子計算機用プログラム」であると認められる。
一方、該電子計算機用プログラムをオンラインで利用できる等、被請求人が「電子計算機用プログラムの提供」をしていることを把握できる記載又は説明は一切ない。
そうすると、使用商標は、第9類「電子計算機用プログラム」について使用していることは認められるものの、取消請求に係る第42類の役務の提供、とりわけ、「電子計算機用プログラムの提供」について使用されたということはできない。
(3)まとめ
上記(1)及び(2)によれば、被請求人は、本件審判の請求に係る指定役務について、本件商標と社会通念上同一の商標の使用を証明したということはできない。
その他、被請求人が、本件審判の請求に係る指定役務のいずれかについて、要証期間内に本件商標又はこれと社会通念上同一の商標の使用をしたことを認め得る証左も見いだせない。
3 被請求人の主張について
被請求人は、「第9類の商品『電子計算機用プログラム』と、第42類の役務『電子計算機用プログラムの提供』とは双方に類似するものであるから、商品『電子計算機用プログラム』の商標の使用の事実を立証すれば、役務『電子計算機用プログラムの提供』を立証できたことになる。」旨主張しているが、商標法第50条第1項による審判の請求があった場合には、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないと規定されている(同条第2項)ところ、ここでいう「請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていること」とは、本件についていえば、「第42類の指定役務のいずれかについての登録商標の使用」であって、類似する商品及び役務についてまで登録商標の使用ということにはならない。
よって、被請求人の主張は失当である。
4 むすび
以上によれば、被請求人は、本件取消請求に係る第42類「全指定役務」について、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用している事実を証明したものということはできない。また、本件取消請求に係る指定役務について使用していないことについて正当な理由があると述べるものでもない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、結論掲記の役務について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-08-31 
結審通知日 2016-09-05 
審決日 2016-09-23 
出願番号 商願2006-36045(T2006-36045) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Y42)
最終処分 成立  
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
山田 正樹
登録日 2006-10-27 
登録番号 商標登録第4999553号(T4999553) 
商標の称呼 ゲートマネージャー、ゲート、マネージャー 
代理人 青木 篤 
代理人 藤原 英治 
代理人 田島 壽 

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