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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W0344
審判 査定不服 商品と役務の類否 登録しない W0344
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W0344
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W0344
審判 査定不服 外観類似 登録しない W0344
管理番号 1321354 
審判番号 不服2015-650011 
総通号数 204 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-02-12 
確定日 2016-08-02 
事件の表示 国際登録第1177489号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第3類,第5類及び第44類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として,2013年1月25日にフランス国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2013年(平成25年)7月22日に国際登録出願されたものであり,その後,指定商品及び指定役務については,原審における同26年8月29日付け手続補正書により,第3類「Nail polish;nail polish base coats;nail polish removers;cuticle oils and emollients;cuticle removal preparations;nail care preparation.」及び第44類「Manicure and pedicure services.」とされた。
2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の(1)ないし(4)のとおりであり,その商標権はいずれも現に有効に存続している。
(1)登録第4727185号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成14年7月23日登録出願,第3類「身体防臭用化粧品,その他の化粧品」を含む第1類ないし第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同15年11月21日に設定登録された。
(2)登録第4825300号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成からなり,平成16年4月9日登録出願,第3類「化粧品」を含む第1類ないし第5類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同年12月10日に設定登録された。
(3)登録第4939534号商標(以下「引用商標3」という。)は,「KURE」の欧文字を標準文字で表してなり,平成17年4月26日登録出願,第3類「化粧品」を含む第1類ないし第5類,第9類,第12類,第16類及び第37類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同18年3月24日に設定登録された。
(4)登録第5192747号商標(以下「引用商標4」という。)は,「KURE」の欧文字を標準文字で表してなり,平成19年6月29日登録出願,第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として,同20年12月26日に設定登録された。
(以下,これらをまとめていうときは,「引用商標」という場合がある。)
3 当審における手続の経緯
請求人は,審判請求書において,引用商標の商標権者と交渉を進めている旨述べ,審理の猶予を申し出ていたところ,相当の期間を経過しても,引用商標の移転等の事実が認められなかったため,審判長は,平成27年10月2日付けで,具体的な交渉状況に係る回答書を求める審尋を発したが,請求人は,その審尋に対して何ら応答していない。
4 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は,別掲1のとおり,「Kure」と「BAZAAR」の欧文字を上下二段に併記してなるところ,上段に書された「Kure」欧文字と,下段に書された「BAZAAR」の欧文字とは,横幅をそろえ近接した態様で書されているものの,やや間隔を置いて上下二段に分けて表記されていること,文字の大きさ及び書体がいずれも相違していること,上段の「Kure」の欧文字は,語頭の「K」の文字のみ大文字で表され,残りの文字が小文字で構成されているのに対して,下段の「BAZAAR」の欧文字が全て大文字により構成されていることから,両者は,外観上明瞭に区別して認識されるものである。
このように,上段の「Kure」の欧文字は,下段の「BAZAAR」の欧文字に比して,視覚上強い印象を与えるものであるところ,「Kure」の欧文字は,このつづりからなる英語その他の外国語としてなじみのある単語は見当たらないから,特定の意味を有しない造語と認められる一方,「BAZAAR」の欧文字は,「(東洋諸国の)市場,バザール,商店街」等を意味する英語であり(ジーニアス英和辞典第5版),これを原語とする外来語「バザー(バザール)」としてもよく知られている(広辞苑第6版)ことから,本願商標の指定商品との関係では,その意味内容から,単に商品の販売場所を表したものと認識されるとみるのが相当であり,商品の出所識別標識としての機能は果たし得ないというべきである。
そうすると,本願商標を構成する「Kure」部分と「BAZAAR」部分とは,視覚上明確に分離されており,かつ,「Kure」部分の方が目立つ態様で表された構成態様からなること,観念的にも密接な関連性を見いだせないことから,これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものということはできず,本願商標において「Kure」部分の欧文字は,独立して取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識としての機能を果たし得る要部であるといえる。
したがって,本願商標を構成する上段の「Kure」の欧文字部分を要部として抽出し,この文字部分のみを他人の商標(引用商標)と比較して商標の類否を判断することは許されるというべきである。
そして,本願商標の要部である「Kure」の欧文字部分は,上記のとおり,特定の意味を有しない造語であるところ,これよりは,ローマ字読みした「クレ」の称呼及び英語風に「キュア」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標
引用商標1は,別掲2のとおり,黒く塗り潰された横長の六角形内に,白抜きで「KURE」の欧文字を横書きしてなり,引用商標2は,別掲3のとおり,横長の長方形の上辺中央に重ねられた,黒く塗り潰された横長の六角形内に,白抜きで「KURE」の欧文字を横書きしてなるところ,引用商標1及び2は,その構成上,文字部分を図形部分と分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないから,引用商標1及び2の商標中の文字部分に相応して,上記(1)のとおり,「クレ」及び「キュア」の称呼が生じ,特定の観念は生じないというのが相当である。
また,引用商標3及び4は,「KURE」の欧文字を標準文字で表してなるから,上記と同様に,「クレ」及び「キュア」の称呼が生じ,特定の観念は生じないというのが相当である。
(3)本願商標と引用商標の類否等
本願商標の要部である「Kure」の欧文字部分と引用商標とを対比すると,両者は,外観において相違するとしても,文字部分のつづりは同一であるから,その限りにおいて近似した印象を与えるものであり,かつ,「クレ」及び「キュア」の称呼を同一にするものであって,観念において区別することもできないものであるから,これらを総合勘案すれば,互いに類似する商標というべきである。
そして,本願商標の指定商品と,引用商標の指定商品又は指定役務中の上記2で明示した化粧品関連の商品・役務とは,同一又は類似するものと認められる。
(4)小括
以上によれば,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標であり,その指定商品も引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似するものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(5)請求人の主張について
請求人は,本願商標は,一体不可分のものとして把握されるべきであるから,これよりは,「キュアバザー(ル)」又は「クレバザー(ル)」の一連の称呼のみが生じる旨主張し,これを裏付けるものとして,過去の審決例等を提出している(甲第1ないし6号証)。
しかしながら,請求人が挙げる事例は,いずれも本願商標の構成態様とは異なっている。また,そもそも,商標の類否判断は,登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において,個別具体的に判断されるものであるから,請求人の挙げた商標登録の例などがあるからといって,本願商標も必ず登録されるものであるということにはならない。
したがって,請求人の主張は,採用できない。
(6)むすび
以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似するものであり,その指定商品も引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 【別記】



審理終結日 2016-02-19 
結審通知日 2016-03-01 
審決日 2016-03-22 
国際登録番号 1177489 
審決分類 T 1 8・ 265- Z (W0344)
T 1 8・ 261- Z (W0344)
T 1 8・ 262- Z (W0344)
T 1 8・ 264- Z (W0344)
T 1 8・ 263- Z (W0344)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 野口 智代白鳥 幹周 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 冨澤 武志
田村 正明
商標の称呼 キュアバザー、クレバザー、キュア、バザー、クレ 
代理人 恩田 誠 

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