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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 010 |
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管理番号 | 1321299 |
審判番号 | 取消2015-300390 |
総通号数 | 204 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2016-12-22 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2015-05-29 |
確定日 | 2016-10-11 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4220673号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4220673号商標(以下、「本件商標」という。)は、「VIBRANT」の欧文字を横書きしてなり、平成8年11月5日に登録出願、第10類「聴力補助用中耳埋め込み式人工器官,その他の医療用機械器具,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,デンタルフロス,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓,家庭用電気マッサージ器,しびん,病人用便器,耳かき」を指定商品として、同10年12月11日に設定登録され、その後平成20年12月16日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 なお、本件審判請求の登録は、平成27年6月12日にされている。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中、第10類「聴力補助用中耳埋め込み式人工器官,その他の医療用機械器具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、本件審判の請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである。よって、請求の趣旨のとおりの審決を求める旨主張し、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 なお、請求人は、被請求人の答弁に対して何ら弁駁していない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由の要旨を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第18号証を提出している。 1 商標使用の事実1 乙第1号証は、被請求人が、商品「聴力補助用中耳埋め込み式人工器官」(製品番号:10892-001、シリアル番号:42403)(製品番号:50385、シリアル番号:008093)を国内において販売したことを示す、平成25年9月4日付の請求書である。 乙第2号証は、上記乙第1号証に記載された製品番号:10892-001、シリアル番号:42403の商品の包装ラベルである。 また、乙第3号証は、上記乙第1号証に記載された製品番号:50385、シリアル番号:008093の商品の包装ラベルであり、乙第2号証及び第3号証の包装ラベルには商標「VIBRANT」が付されている。 乙第2号証及び乙第3号証には「VIBRANT SOUNDBRIDGE SYSTEM」の表記があるが、当該商品は、被請求人のウェブサイトである乙第4号証及び乙第5号証に示されるように、中耳に埋め込むインプラント式の聴力補助器具である。インプラント部はVORP(vibrating Ossicular Prosthesis:振動耳小骨プロテーゼ)と呼ばれるが、乙第6号証に示されるように、当該VORPには商標「VIBRANT」が付されている。 商標法第50条第2項によれば、被請求人が、(1)審判の請求の登録前3年以内(以下「本件要証期間内」という。)に日本国内において、(2)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、(3)その請求に係る指定商品のいずれかについて、(4)登録商標の使用をしていることを証明すれば、被請求人は本件商標登録の取消を免れ得るものであって、提出した証拠(乙1ないし乙6)によって、その要件を満たすものである。 2 商標使用の事実2 乙第7号証は、被請求人が、商品「埋め込み式の骨伝導聴力補助用人工器官」(製品番号:50779、シリアル番号:005006)を国内において販売したことを示す、平成26年8月27日付の請求書である。 乙第8号証は、上記乙第7号証に記載された製品番号:50779、シリアル番号:005006の商品の包装ラベルである。 乙第8号証には「BONEBRIDGE」の表記があるが、当該商品は、被請求人のウェブサイトである乙第9号証及び乙第10号証に示されるように、インプラン卜式の骨伝導による聴力補助器具である。インプラント部はBCI(Bone Conduction Implant:骨伝導インプラント)と呼ばれるが、乙第11号証及び乙第12号証に示されるように、当該BCIには商標「VIBRANT」が付されている。 商標法第50条第2項によれば、被請求人が、(1)審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、(2)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、(3)その請求に係る指定商品のいずれかについて、(4)登録商標の使用をしていることを証明すれば、被請求人は本件商標登録の取消を免れ得るものであって、提出した証拠(乙7ないし乙12)によって、その要件を満たすものである。 3 その他の提出資料 被請求人による国内における医療用機械器具の販売の事実を示す、平成25年5月から平成26年8月の期間における請求書を、乙第13号証ないし乙第18号証として提出する。 4 結論 以上、上記1及び2において説明したとおり、被請求人は本件登録商標を本件要証期間内において、日本国内で商品「聴力補助用中耳埋め込み式人工器官,その他の医療用機械器具」に使用している。 第4 当審の判断 1 被請求人の主張及び提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。 (1)乙第1号証は、商標権者が、東京都千代田区所在の「Med-El Japan Co., Ltd」に宛てた2013年9月4日付の「Invoice」であり、商品の送り先を近畿大学医学部とする、製品番号「10892-001」及びシリアル番号「42403」の商品(1)と製品番号「50385」及びシリアル番号「008093」の商品等を対象とするものである。 また、乙第2号証は、乙第1号証に係る商標権者の製品包装ラベルとするものであるところ、該ラベルは、「VIBRANT SOUNDBRIDGE(R) SYSTEM」((R)は、Rの文字を○中に配したもの。)に係るものであり、そのバーコードの下には、「Model 502A」の記載があり、「03.Sep.2013」のスタンプの表示がある。 そして、ラベルの中段における「REF10892-001」及び「SN42403」の記載は、乙第1号証の商品(1)の製品番号及びシリアル番号と一致する。 そうすると、商標権者は、平成25年9月頃、乙第2号証に係る製品包装ラベルを使用して近畿大学医学部に送付する商品(1)を、「Med-El Japan Co., Ltd」に出荷したことが認められるものであり、その出荷先は、商標権者の日本法人であることが認められる(http://www.medel.com/jp/offices-worldwide)。 (2)乙第4号証及び乙第5号証は、被請求人のウェブサイトであり、「VIBRANT SOUNDBRIDGE」と称する「中耳に埋め込むインプラント式の聴力補助器具」が紹介されている。 そして、上記「VIBRANT SOUNDBRIDGE」(中耳に埋め込むインプラント式の聴力補助器具)は、その拡大画像(乙6)によれば、該製品に、「VIBRANT」の文字と、乙第2号証の商品(1)に係る「Model 502A」の記載と符合する「502A」の文字が表示されていることが確認できる。 したがって、乙第1号証及び乙第2号証に係る商品(1)は、「中耳に埋め込むインプラント式の聴力補助器具」であり、「VIBRANT」の文字が付されているものといえる。 2 上記1によれば、次のように認めることができる 商標権者の業務に係る「VIBRANT」の文字が付された「中耳に埋め込むインプラント式の聴力補助器具」は、平成25年9月頃、商標権者から、その日本法人を通じて、近畿大学医学部に納品されたものと推認し得るものであり、商標権者の日本法人が、本件要証期間内に当該商品を我が国に輸入したものと認めることができるものであって、この行為は、商標権者が「商品に標章を付したものを輸入する行為」をしたものといえる。 そして、上記商品に付された「VIBRANT」の文字は、本件商標と同一の綴り字からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。 また、上記「中耳に埋め込むインプラント式の聴力補助器具」は、外科手術をともなう聴力を補助する目的を持つ医療機器であるから、本件審判請求に係る指定商品「聴力補助用中耳埋め込み式人工器官,その他の医療用機械器具」の範疇に含まれる商品である。 したがって、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内にその請求に係る指定商品「聴力補助用中耳埋め込み式人工器官,その他の医療用機械器具」の範疇に属する商品に本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を付したものを輸入した(商標法第2条第3項第2号)ということができる。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標を使用していたことを証明したと認めることができる。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、請求にかかる指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2016-05-12 |
結審通知日 | 2016-05-17 |
審決日 | 2016-06-02 |
出願番号 | 商願平8-124995 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(010)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
堀内 仁子 |
特許庁審判官 |
小松 里美 今田 三男 |
登録日 | 1998-12-11 |
登録番号 | 商標登録第4220673号(T4220673) |
商標の称呼 | バイブラント、ビブラント |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 森本 久実 |
代理人 | 石田 昌彦 |
代理人 | 竹内 耕三 |
代理人 | 深見 久郎 |
代理人 | 稲葉 良幸 |