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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W43
審判 一部申立て  登録を維持 W43
審判 一部申立て  登録を維持 W43
審判 一部申立て  登録を維持 W43
管理番号 1320428 
異議申立番号 異議2016-900120 
総通号数 203 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-11-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-05-12 
確定日 2016-10-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第5825417号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5825417号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5825417商標(以下「本件商標」という。)は,「愛活\愛カツ」の文字を横書きしてなり,平成27年6月8日に登録出願,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」,第43類「レストラン・軽食堂・喫茶店・簡易食堂及びファーストフード店における飲食物の提供」及び第45類「インターネットのウェブサイトによる恋愛相談に関する情報の提供,ファッション情報の提供,結婚に関するカウンセリング及び指導,結婚又は婚礼に関する情報の提供,結婚相談所における異性の紹介に関する情報の提供,パーティー形式を利用した結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,インターネットによる友人探し及び紹介のための情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供に関する情報の提供,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,個人に関する情報の提供,個人の身元又は行動に関する調査,占い,身の上相談,衣服の貸与,装身具の貸与」を指定役務として,平成27年12月25日に登録査定、同28年2月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5650653号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成25年9月12日に登録出願,第41類「コンピュータネットワークを介した教育情報の提供,コンピュータネットワークを介した音楽の演奏,コンピュータネットワークを介した音楽の演奏に関する情報の提供,コンピュータネットワークを介したゲーム・動画・画像・音楽・音声の提供,コンピュータネットワークを介したゲーム・動画・画像・音楽・音声の提供に関する情報の提供,携帯電話機又は簡易型携帯電話機による通信を用いて行うゲーム・動画・画像・音楽・音声の提供,携帯電話機又は簡易型携帯電話機による通信を用いて行うゲーム・動画・画像・音楽・音声の提供に関する情報の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供,電子出版物の提供,電子出版物の提供に関する情報の提供,図書及び記録の供覧,図書及び記録の供覧に関する情報の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営に関する情報の提供,演芸の上演,演芸の上演に関する情報の提供,演劇の演出又は上演,演劇の演出又は上演に関する情報の提供,音楽の演奏,音楽の演奏に関する情報の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)に関する情報の提供,娯楽施設の提供,娯楽施設の提供に関する情報の提供」及び第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供に関する情報の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎに関する情報の提供,飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供,動物の宿泊施設の提供,動物の宿泊施設の提供に関する情報の提供,保育所における乳幼児の保育,保育所における乳幼児の保育に関する情報の提供,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。)に関する情報の提供,会議室の貸与,会議室の貸与に関する情報の提供,展示施設の貸与,展示施設の貸与に関する情報の提供」を指定役務として,同26年2月21日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号によりその登録は取り消されるべきである旨申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は,その構成文字に相応して,「アイカツ」の称呼を生じる。また,引用商標は,自他役務識別標識として強く支配的な印象を取引者,需要者に与える「アイカツ!」の文字部分から「アイカツ」の称呼が生じ、その「アイカツ」の称呼は,アニメ作品である「アイカツ!」の長年にわたるテレビ放送などと相まって周知著名化している。
そうすると,本件商標及び引用商標は,共通の称呼「アイカツ」を生じ,また,本件商標の指定役務中の「第43類 レストラン・軽食堂・喫茶店・簡易食堂及びファーストフード店における飲食物の提供」(以下「本件申立てに係る指定役務」という。)は,引用商標の指定役務中の「飲食物の提供」と抵触するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
アニメ作品「アイカツ!」の長年にわたるテレビ放送や劇場版の公開,あるいは,このアニメ作品の関連グッズなどが取り上げられることにより,引用商標の「アイカツ」の称呼は,周知著名化している。取り上げ対象は,アニメ作品「アイカツ!」とコラボした「マクドナルド」の飲食物にも及んでいる。
してみれば,引用商標と類似する本件商標を本件申立てに係る指定役務について使用するときは,その取引者,需要者が,申立人又は申立人グループ会社の業務に係る役務であるかのように,役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,その指定役務中,本件申立てに係る指定役務について,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから,取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,前記1のとおり,「\」(バックスラッシュ)を介して「愛活」の文字と「愛カツ」の文字を横書きにしてなるところ,その構成中の「\」(バックスラッシュ)部分は,「ウインドウズの英語版で,フォルダーのパス名の区切りに用いられる」(デジタル大辞泉)等を意味するものであるから,本件商標の場合,「愛活」の文字部分と「愛カツ」の文字部分とを区切るための記号を表したと理解されるとみるのが相当である。
また,本件商標中の「愛活」の文字部分と「愛カツ」の文字部分とが一体となって,我が国で親しまれた熟語的意味合いを生ずるものではない。
さらに,これらの文字部分は,いずれも「アイカツ」との同一の称呼を生じるものであり,簡易迅速を旨とする商取引の実際にあっては,これを単に「アイカツ」と省略して称呼する場合も決して少なくないものと認められる。
そうすると,本件商標は,外観及び称呼のいずれの点からみても,構成文字全体を常に一連一体のものとして把握,認識しなければならない特別の理由は見いだせないばかりか,むしろ,後半部の「愛カツ」の文字部分は,前半部の「愛活」の文字部分の読みを特定するための別表記とも看取されるものであって、かつ、強調するために付加されたものと理解される場合が多いといえるものであるから,該「愛活」及び「愛カツ」の文字部分がそれぞれ印象付けられるというのが相当である。
してみると,本件商標は,構成文字全体を読んだ場合の「アイカツアイカツ」の称呼が生ずることを否定することができないとしても,本件商標より生ずる自然の称呼は,「愛活」及び「愛カツ」の文字部分より生ずる「アイカツ」であるということができる。また,「愛活」の文字より「愛の活動」なる漠然とした意味合いを理解させる場合があるとしても,具体的な観念を有するとまではいえない。
したがって,本件商標は,「アイカツ」の称呼を生ずるものであって,特定の観念を有しないものというのが相当である。
イ 引用商標
引用商標は,別掲のとおり,中央部に大きく「アイカツ」の文字を白地の背景に赤色で表し,かつ,これらの文字の周囲を青色の細い線で囲み,これらの文字の末尾に,赤色と黄色で表され,周囲を青色の細い線で囲んだ流れ星風図形が付加されており,上記「アイカツ」の文字のうちの「カツ」の文字及び流れ星風図形の下に,青色のリボン状図形配し,該図形内に「アイドルカツドウ!」の文字を白色で横書きに表してなり,その他,「アイカツ」の文字部分の上下には,カードの図形がそれぞれ4枚ずつ描かれた構成よりなるものである。
そして,引用商標において,中央部に大きく赤色で表された「アイカツ」の文字は,看者の注意を強く引く部分であり,また,その下に配された「アイドルカツドウ」の文字より,該「アイカツ」の文字部分が「アイドルカツドウ」の略語を表したと理解されるといえる。
そうすると,引用商標は,その構成中,顕著に表された「アイカツ」の文字部分が取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから,これより,「アイカツ」の称呼を生ずるものであって、特定の観念は生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との対比
本件商標と引用商標とは、外観においては、本件商標は前記アのとおりの構成態様からなり、引用商標は,前記イのとおり、図形と色彩を組合せた構成態様からなるから、外観上、明らかに相違するものである。
また、称呼においては、本件商標及び引用商標から、それぞれ「アイカツ」の称呼を生じるから,両者は,称呼上,同一のものである。
さらに,観念においては,本件商標は,前記アのとおり,「愛活」の文字より「愛の活動」なる漠然とした意味合いを理解させる場合があるとしても,具体的な観念を有するとまではいえないものであり,一方,引用商標の「アイカツ」の文字は,「アイドルカツドウ」の略語を表したと理解されるものであっても、「アイカツ」の文字からは,特定の観念は生じないものである。
エ 「飲食物の提供」の分野における取引の実情
本件商標の指定役務中の本件申立てに係る指定役務と引用商標の指定役務中の「第43類 飲食物の提供」は,同一又は類似の役務と認められる。
そして,「飲食物の提供」は,一般的には,その主たる需要者である一般の消費者が提供場所に出向いて,提供に係る店舗の看板やメニュー等に表示された商標を直接見る場合が多いといえる。
してみれば,本願商標と引用商標とは,「アイカツ」の称呼を共通にするとしても,外観において顕著に相違し明確に区別できるものであって,また,観念において比較することができないことから,両商標の比較において,称呼の共通性が外観における差異を凌駕するものとはいい難く,外観,称呼及び観念を総合的に判断すると,両商標は,互いに紛れるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標の周知性
(ア)申立人及びその親会社である株式会社サンライズ(これらを合わせていうときは,以下「申立人ら」という。)は,「アイカツ!」のタイトル名で,女児向けアニメのテレビ番組,映画を制作し,テレビにおいては,テレビ東京系列で,2012年(平成24年)10月8日から2016年(平成28年)3月31日まで,概ね週1回放送されたこと,上記アニメ番組のテレビ放送に伴い,番組のDVD,番組で流れる曲などを収録したCDやアルバムなどが発売されたこと,映画は,「劇場版 アイカツ!」との題名で,2014年(平成26年)12月13日に,全国150スクリーンで公開され,翌14日の2日間で興行収入が約1億7,272万円,動員数約15万6,900人になり,映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第5位を記録したこと,これらのテレビ番組,映画の紹介には,引用商標が表示されたこと(甲3,甲4,甲6),「日経トレンディ」(2013年11月4日,日経BP社発行)には,「2013 ヒット商品ベスト30」と題する記事において,「アイカツ!」が13位にランキングされ,「ヒットの概要」欄には,「カードは5,000万枚出荷。新規キャラが73億円の巨大市場に急成長。リアリティとファッションが女子小学生の乙女心をつかんだ」と記載されていること(甲5),「ザテレビジョン」(2014年11月14日,株式会社KADOKAWA発行)には,「アイカツ!特大号」が発行され,引用商標が大きく表示されたこと(甲6),その他,様々な商品の販売促進として引用商標を表示したチラシやポスターなどが本件商標の登録出願日(平成27年6月8日)前に頒布されたこと(甲7,甲8),などを認めることができる。
そして,申立人は,引用商標に関連する飲食物の提供を行う「アイカツカフェ」は,2015年10月に,申立人の関連会社である株式会社ナムコ(以下「ナムコ」という。)が期間限定で営業している旨主張し、甲第9号証を提出している。
甲第9号証には,「Cafe&BarアニON STATION」,「@namco_anion」、「アイカツ!コラボカフェ」,「カフェタイム土曜日の回が完売です。ありがとうございます!日曜日の回も残り少なくなっておりますのでお早めお願いします。」及び「19:44-2015年9月22日」などの記載がある。
(イ)前記(ア)の事実によれば,引用商標は,申立人らの制作に係る女児向けアニメのテレビ番組・映画の題名を表示するものとして,若しくは,申立人らの制作に係る女児向けアニメそのものを象徴する標章として,本件商標の登録出願日には既に,女子小学生を中心とした需要者,テレビ放送・映画関連の取引者の間には,一定程度の周知性を獲得していたものと認めることができ,その周知性は,本件商標の登録査定日(平成27年12月25日)においても継続していたものと認められる。
しかし、申立人の主張する「2015年(平成27年)10月」は,本件商標の登録出願日以後の時期であるばかりか,甲第9号証をもって,引用商標が,いわゆる一般的な飲食物の提供を表示するものとして使用されているものとは認め難いところであり,仮に甲第9号証より,ナムコが期間限定で飲食物の提供を行っていると推測されるような場合があるとしても,甲第9号証のみをもってしては,ナムコが本件商標の登録出願日前より需要者に向けて広く宣伝広告をしていたものとは認められず,引用商標がナムコの業務に係る飲食物の提供を表示するものとして,本件商標の登録出願日前より,その需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができない。
イ 出所の混同
引用商標は,申立人らの制作に係る女児向けアニメのテレビ番組・映画の題名を表示するものとして,若しくは,申立人らの制作に係る女児向けアニメそのものを象徴する標章として,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,女子小学生等の需要者,テレビ放送・映画関連の取引者の間には,一定程度の周知性を獲得していたものと認めることができる。
しかしながら,前記ア(イ)のとおり、引用商標については,本件商標が使用される本件申立てに係る指定役務の分野においては、本件商標の登録出願日前より需要者に向けて広く宣伝広告をしていたものとは認められない。
したがって、引用商標は,本件申立てに係る指定役務の分野においては、本件商標の登録出願日前より需要者に広く知られているものとは認められない。
そして,本件商標と引用商標とは,前記(1)のとおり商標において類似しない別異のものである。
ウ 小活
以上によれば,本件商標に接する取引者,需要者は,引用商標を想起ないし連想することはないというべきであるから,本件商標を本件申立てに係る指定役務について使用しても,該役務が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように,役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,本件申立てに係る指定役務について,商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標)


(色彩については、原本参照。)
異議決定日 2016-10-05 
出願番号 商願2015-57934(T2015-57934) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W43)
T 1 652・ 271- Y (W43)
T 1 652・ 262- Y (W43)
T 1 652・ 263- Y (W43)
最終処分 維持  
前審関与審査官 豊瀬 京太郎 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 山田 正樹
榎本 政実
登録日 2016-02-12 
登録番号 商標登録第5825417号(T5825417) 
権利者 株式会社TOBE
商標の称呼 アイカツアイカツ、アイカツ 
代理人 田中 治幸 

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