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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W10
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W10
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W10
管理番号 1320314 
審判番号 不服2016-5073 
総通号数 203 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-04-06 
確定日 2016-10-14 
事件の表示 商願2015-19149拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「VascuFlex」の欧文字を標準文字で表してなり、第10類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成27年3月3日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同年9月9日付け手続補正書により、第10類「外科用・内科用・歯科用及び獣医科用の機器・器具及び装置,義肢・義眼及び義歯,医療用カテーテル・ガイドワイヤ・ステント並びにその部品及び附属品,整形外科用品,外科用縫合用材料,医療用機械器具」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5258696号商標(以下「引用商標」という。)は、「VASCULEX」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年5月1日に登録出願、第10類「医療用機械器具,医療用樹脂製チューブ」を指定商品として、同年8月21日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「VascuFlex」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、同じ書体、同じ大きさ、等しい間隔で外観上まとまりよく表されているものである。
また、本願商標は、語頭の「V」及び第6文字目の「F」を大文字で表し、その他の欧文字を小文字で表してなるところ、英単語を記載する場合、頭文字を大文字にし、その後に続く欧文字を小文字で表記することが広く一般に行われていることから、これに接する取引者、需要者は、本願商標が「Vascu」と「Flex」の2つの単語が結合されたものと認識するというのが相当である。
そして、その構成中「Vascu」の文字部分は、一般の辞書等に掲載のない語であり、「Flex」の文字部分は、「flexible」の略語として「曲げやすい。しなやかな」を意味する語であるところ、これらを結合した本願商標は、商標全体として、特定の意味合いを生ずるものではないことから、一種の造語として認識されるものである。
ところで、欧文字からなる造語の場合は、我が国で一般に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼されるところ、本願商標は、その構成文字のつづりからすれば、英語の読みに倣って称呼されるのが自然であるから、本願商標からは、その構成全体より「バスキュフレックス」の称呼が生じるものであり、また、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「VASCULEX」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、一般の辞書等に掲載のない語であることから、一種の造語と認められ、その構成文字に相応して、我が国で親しまれた英語の読みに倣って「バスキュレックス」の称呼を生じるものであり、また、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否
ア 称呼について
本願商標から生じる「バスキュフレックス」の称呼と引用商標から生じる「バスキュレックス」の称呼とを比較すると、その差異は、中間における「フ」の音の有無のみである。
そして、本願商標は、上記(1)で述べたとおり、「Vascu」と「Flex」の2つの単語が結合したものであると認識されることから、本願商標が称呼される際には、「バスキュ」と「フレックス」を区切るように称呼されるものといい得るものである。そのために、後半の「フレックス」の語頭音であり、両商標の称呼における差異音である「フ」の音は、明瞭に発音されるものということができる。
そして、本願商標は、8音という格別冗長とはいえない音構成であることからも、差異音である中間の「フ」の音が、称呼全体に及ぼす影響は少なくなく、両商標をそれぞれ称呼した場合には、全体の語調及び語感を異にし、互いに聴き誤るおそれのないものといわなければならない。
イ 外観について
本願商標は「VascuFlex」の構成からなり、引用商標は「VASCULEX」の構成からなるところ、両商標の外観を比較すると、語頭の大文字「V」を共通にするものの、続く「ascu」と「ASCU」及び語尾の「lex」と「LEX」は、小文字と大文字という差異がある。さらに、中間において大文字「F」の有無という差異を有し、これらの差異により取引者、需要者が受ける印象が大きく異なるものといえることから、両商標は、外観上相紛れるおそれはない。
ウ 観念について
両商標は、一種の造語として看取され、特定の観念を生じないものであることから、観念においては比較できないものである。
エ 小括
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、称呼及び外観において相違するものであるから、これらを総合的に勘案すれば、取引者、需要者に与える印象、記憶が異なり、両商標を同一又は類似の商品に使用した場合においても、商品の出所について混同を生ずるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願についての拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2016-10-03 
出願番号 商願2015-19149(T2015-19149) 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W10)
T 1 8・ 262- WY (W10)
T 1 8・ 263- WY (W10)
最終処分 成立  
前審関与審査官 豊田 純一鈴木 駿也 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 小松 里美
真鍋 伸行
商標の称呼 バスクフレックス、バスキュフレックス 
代理人 齋藤 宗也 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 山崎 和香子 

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