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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W070910 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W070910 審判 査定不服 商6条一商標一出願 取り消して登録 W070910 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W070910 |
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管理番号 | 1320303 |
審判番号 | 不服2016-3480 |
総通号数 | 203 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2016-11-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-03-07 |
確定日 | 2016-10-11 |
事件の表示 | 商願2014-23080拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第7類、第9類及び第10類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成26年3月26日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同27年6月17日付け及び同年9月29日付けの手続補正書並びに当審における同28年7月15日付け手続補正書をもって別掲2のとおりの指定商品に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。 (1)商標法第6条第1項及び第2項について 本願に係る指定商品のうち、平成27年9月29日付け手続補正書により補正された補正後の指定商品中「人型双腕で調理をなす調理ロボット,人型双腕で皿へ料理の盛付をなす盛付ロボット,人型双腕で料理を運ぶ給仕ロボット,人型双腕で洗い済み食器を食器棚へしまう整頓ロボット,人型双腕をなす衣類折り畳みロボット,人型双腕で洗濯した衣類のハンガーかけ・はずしロボット,人型双腕の品物片付けロボット,人型双腕の書類整理ロボット,電気通信機器・電子計算機を装備し留守番・見張り・異常時の通報・健康管理の機能を備えた上半身を持つ移動式又は固定式人型ロボット」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められないものであり、また、そのため、本願は、政令で定める商品及び役務の区分に従って商品を指定したものと認めることもできない。したがって、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本願商標は、登録第4654744号商標(以下「引用商標1」という。)、登録第5491571号商標(以下「引用商標2」という。)及び登録第5518366号商標(以下「引用商標3」という。これらをまとめていう場合は、以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 なお、引用商標は、その概要が別掲3ないし5のとおりであって、それらの商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)商標法第6条第1項及び第2項について 本願は、その指定商品について、前記1のとおり補正された結果、その指定商品の内容及び範囲が明確なものになったと認められる。 その結果、本願の指定商品は商標法第6条第1項及び第2項の規定の要件を具備するものとなった。 (2)商標法第4条第1項第11号について ア 本願商標 本願商標は、別掲1のとおり、黄色で表した「C」、「b」及び「t」並びに紺色で表した2つの「o」の欧文字を「Cobot」と横書きし(以下「文字部分」という。)、その下部に黄色の円弧の一部(以下「図形部分」という。)を表した構成からなるところ、本願商標は、文字と図形との結合商標と認識されるものである。 そして、本願商標の構成中の文字部分は、本願指定商品である「ロボット」を取り扱う業界において、別掲6のとおり、該文字が「コボット」と称呼され、「協働(協力)ロボット」の意味合いで使用されている事実がある。 そうすると、本願商標は、文字部分から「コボット」の称呼及び「協働(協力)ロボット」の観念を生ずるというのが相当である。 イ 引用商標1 引用商標1は、別掲3のとおり、「コボット」の片仮名及び「COVOT」の欧文字を二段書きしてなるところ、該文字は辞書に掲載されていないことから、特定の語義を想起しない造語として認識され、引用商標1からは特定の観念は生じないものである。 そして、引用商標1は、上記の構成からなるところ、上段に記載された片仮名が下段の欧文字の読み方を特定しているものとみるのが自然であるから、引用商標1からは「コボット」の称呼が生ずるというのが相当である。 ウ 引用商標2及び3 引用商標2及び3は、別掲4及び5のとおり、「KOBOT」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は辞書に掲載されていないことから、特定の語義を想起しない造語として認識され、両商標からは特定の観念は生じないものであり、また、該文字に相応して、「コボット」の称呼を生ずるものである。 エ 本願商標と引用商標1との比較 本願商標及び引用商標1は、共に「コボット」の称呼を生ずるものであるから、両商標は「コボット」の称呼を共通にするものである。 次に、外観についてみるに、両商標の構成は、それぞれ上記ア及びイのとおりであり、図形部分又は片仮名文字及び色彩の有無並びに中間における「b」と「V」の相違を有することから、外観において、両者は、判然と区別し得るものである。 また、観念については、本願商標は、「協働(協力)ロボット」の観念を生ずるのに対し、引用商標1からは特定の観念を生じないものであるから、両商標は、観念においても相紛れるおそれのないものである。 そうしてみると、本願商標と引用商標1とは、称呼において共通するとしても、外観においては、判然と区別し得るものであり、また、観念においても、相紛れるおそれはないものであるから、その称呼、外観、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標をそれぞれ同一又は類似の商品に使用しても、その出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当であり、両商標は、非類似の商標というべきである。 オ 本願商標と引用商標2及び3との比較 本願商標及び引用商標2及び3は、共に「コボット」の称呼を生ずるものであるから、両商標は「コボット」の称呼を共通にするものである。 次に、外観についてみるに、両商標の構成は、それぞれ上記ア及びウのとおりであり、図形部分及び色彩の有無、語頭における「C」と「K」の相違並びに「C」又は「K」以外の文字の大文字と小文字の差異を有することから、外観において、両者は、判然と区別し得るものである。 また、観念については、本願商標は、「協働(協力)ロボット」の観念を生ずるのに対し、引用商標2及び3からは特定の観念は生じないものであるから、両商標は、観念において相紛れるおそれのないものである。 そうしてみると、本願商標と引用商標2及び3とは、称呼において共通するとしても、外観においては、判然と区別し得るものであり、また、観念においても、相紛れるおそれはないものであるから、その称呼、外観、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標をそれぞれ同一又は類似の商品に使用しても、その出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当であり、両商標は、非類似の商標というべきである。 カ 小括 以上によれば、本願商標と引用商標とは、これらを同一又は類似する商品に使用しても、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)まとめ 上記(1)及び(2)のとおり、本願が商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶理由は解消し、また、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではないから、これらを理由として本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標(色彩については、原本参照のこと。)) 別掲2(本願商標に係る指定商品) 第7類「人型包装用ロボット,人型双腕で道具を持って拭き掃除掃き掃除をなす家庭用清掃ロボット,人型双腕で調理をする食品加工用ロボット,人型双腕で皿へ料理の盛付をする家庭用ロボット,人型双腕で料理を運ぶ家庭用ロボット,人型双腕で箱などの容器へ納める品物詰合せロボット,人型双腕で衣類を押さえ糸を通した針を操作する裁縫ロボット,人型双腕で洗い済み食器を食器棚へしまう家庭用ロボット,人型双腕をなす衣類折り畳みする家庭用ロボット,人型双腕で洗濯した衣類のハンガーかけ・はずしする家庭用ロボット,人型双腕の品物片付け家庭用ロボット,人型双腕の書類整理する家庭用ロボット,人型双腕の生地等の切断ロボット,人型双腕の洗濯物への糊付ロボット,人型双腕の部品組立作業補助ロボット,人型双腕の部品組立段取準備ロボット」 第9類「電気通信機器・電子計算機を装備し留守番・見張り・異常時の通報・健康管理を行う上半身を持つ移動式又は固定式の人型ロボット(産業用・医療用・遊戯用のものを除く。),人型防災監視用ロボット」 第10類「人型の介護用ロボット,人型の介助用ロボット,人型のリハビリテーション支援用ロボット,人型の介護支援用ロボット」 別掲3(引用商標1) ・商標の構成: ・登録出願日: 平成14年5月22日 ・設定登録日: 平成15年3月20日 ・指定商品: 第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,プリント基盤搬送ロボット,液晶用ガラス基盤搬送ロボット,シリコンウエハー搬送ロボット,フォトマスク搬送ロボット,その他の荷役機械器具,漁業用機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,ミシン,農業用機械器具,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,陶工用ろくろ,プラスチック加工機械器具,真空蒸着装置,スパッタリング装置,CVD装置,その他の真空薄膜製造装置,集積回路製造装置,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),風水力機械器具,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電気ミキサー,修繕用機械器具,機械式駐車装置,乗物用洗浄機,消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),芝刈機,電動式カーテン引き装置,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,電機ブラシ」 別掲4(引用商標2) ・商標の構成: 「KOBOT」(標準文字) ・登録出願日: 平成23年12月14日 ・設定登録日: 平成24年5月11日 ・指定商品: 第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」 第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,車いす」 第28類「遊園地用機械器具(「業務用テレビゲーム機」を除く。)」 別掲5(引用商標3) ・商標の構成: 「KOBOT」(標準文字) ・登録出願日: 平成23年9月2日 ・設定登録日: 平成24年8月31日 ・指定商品: 第12類「ゴルフ用カート」 別掲6(「cobot」及び「コボット」の用例(下線は、当合議体が付加。)) (1)「weblio英和辞典・和英辞典」のウェブサイトにおいて、「cobot」の項目に、「コンピューター用語辞典での『cobot』の意味」の見出しの下、「コボット」及び「参照 ・collaborative robot=協力ロボット」との記載があり(http://ejje.weblio.jp/content/cobot)、「collaborative robot」のリンク先には、「協力ロボット 人間の特定の作業を助けるために設計される自律的なロボット。」との記載がある(http://ejje.weblio.jp/content/collaborative+robot)。 (2)2016年1月20日付け「日刊工業新聞」(8頁)に、「リノさんのロボット社会論(7)協働ロボットの登場と日本に学ぶ教訓」の見出しの下、「協働ロボット(コボット)は新しい作業機械であり、伝統的な産業ロボットでもサービスロボットのどちらでもない。・・・現在では少なくとも10の有力ロボットメーカーが、適応性や価格、状況認識、人間工学的などの面で優れたコボットを提供している。」との記載がある。 (3)「SHOGAKUKAN LANGUAGE WORLD」のウェブサイトにおいて、「石山宏一の新語ウォッチング」の項目中に、「今月の新語ファイル」の「英和編 cobot コボット」の見出しの下、「cobot(発音は「コボット」)とは collaborative(「コラボラティブ」)とrobot(「ロボット」)の合成語(portmanteau) で『工場などで特定な作業をする人間を側面から物理的に援助する最新型の人間の形をした (humanoid) ロボット』を指す新語」との記載がある。 (http://l-world.shogakukan.co.jp/colum/watching131.html) (4)「ライフロボティクス株式会社」のウェブサイトにおいて、2016年3月8日付けの「報道関係各位」と題する報道発表記事中に、「ライフロボティクス 、第三者割当増資による総額約5億円調達完了のお知らせ」の見出しの下、「ライフロボティクスは、『人を支援するコ・ロボットの開発と提供を通して、人が新たな価値を創造することに貢献します。』というミッションのもとに、従来のロボット技術・概念に固執せず、顧客視点からコ・ロボット本来が持つべき機能・性能を追求しております。今後も、2016年1月から販売を開始したピッキング用コ・ロボットCOROの販売促進とCOROの更なる開発を進め、世界中で急拡大しているコ・ロボット市場のリーディングカンパニーを目指します。・・・【用語説明】・コ・ロボット(Co-Robot)とは、協働ロボット(Collaborative Robots)のこと。コボット(Cobot)とも呼ばれる。」との記載がある。 (https://liferobotics.jp/attach/news_n0015_001.pdf) (5)「UNIVERSAL ROBOTS」のウェブサイトにおいて、「どちらを選べばいいの?」の項目中に、「どちらのロボットにしようか迷っています。UR3、UR5それとも UR10?」の見出しの下、「当社の製品モデルはすべて、広範囲の用途に対応し、優れた価値を発揮するように設計された、非常に柔軟性のある軽量6軸ロボットアームです。協働ロボット(いわゆるコボット)は、可搬重量の上限に基づいて分類されます。」との記載がある。 (http://www.universal-robots.com/ja/%E8%A3%BD%E5%93%81%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%83%E3%83%97/%E3%81%A9%E3%81%A1%E3%82%89%E3%82%92%E9%81%B8%E3%81%B9%E3%81%B0%E3%81%84%E3%81%84%E3%81%AE/) (6)「NTN TECHNICAL REVIEW No.82(2014)」のウェブサイトにおいて、「[製品紹介] ロボット用軽量軸受 Lightweight Bearing for Robot」の見出しの下、「3.1 コボティクス」の項目中に、「コボティクスとは,Collaborative robotの略語であるコボット(Cobot)からの由来であり,人に囲まれた環境で稼動する共存型ロボット技術である.・・・コボットは協働する人や他のロボットが近づいたことを察知し,接触せずに自ら考えて作業する.また,コボットは自動車の自動運転や運転補助のような動作を行う.例えば,人の作業内容を感知して自ら人の補助を行い,動作も変化させることができる.」との記載がある。 (http://www.ntn.co.jp/japan/products/review/pdf/NTN_TR82_P068.pdf) |
審決日 | 2016-08-30 |
出願番号 | 商願2014-23080(T2014-23080) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
WY
(W070910)
T 1 8・ 262- WY (W070910) T 1 8・ 261- WY (W070910) T 1 8・ 91- WY (W070910) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 岩本 和雄、大渕 敏雄 |
特許庁審判長 |
今田 三男 |
特許庁審判官 |
藤田 和美 田中 幸一 |
商標の称呼 | コボット |
代理人 | 特許業務法人銀座マロニエ特許事務所 |