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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 審判 全部申立て 登録を維持 審判 全部申立て 登録を維持 |
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管理番号 | 1319358 |
異議申立番号 | 異議2016-900051 |
総通号数 | 202 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2016-10-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-02-22 |
確定日 | 2016-09-08 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5807964号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5807964号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5807964号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成27年6月10日に登録出願、第25類「靴下,被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年10月28日に登録査定、同年11月20日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)。 (1)国際登録第509993号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2007年(平成19年)1月16日に国際商標登録出願(事後指定)、第25類「Clothing, footwear, headgear; protective covers for footwear and headgear.」並びに第18類、第20類及び第22類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年9月12日に設定登録されたものである。 (2)登録第2324652号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、昭和63年6月30日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年7月31日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、また、平成14年5月15日に指定商品を第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものである。 3 登録異議の申立ての理由 本件商標及び引用商標は、共に「動物の足跡」を模した図形であり、その構成態様から共に「ドウブツノアシアト」又は「アシアト」の称呼及び「犬又はこれに類する動物の足跡」の観念を生じるものである。したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれも類似し、指定商品についても抵触があるので、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、全体が山吹色で塗りつぶしてなる図形で、底面に凹みのある丸みを帯びた山型図形を下部に配し、その上部に前記山型図形の凸部に沿うように、概ね同じ形及び大きさの縦長楕円形を4つ、ほぼ等間隔で放射状に配してなるものである。 そして、かかる構成においては、本件商標から特定の観念を生じると直ちに理解されるというよりも、むしろ全体をもって一種の幾何図形を表したものと理解、認識されるものといえるから、本願商標からは、特定の称呼及び観念は生じないというのが相当である。 (2)引用商標 引用商標は、別掲2及び3のとおり、全体が黒塗りの図形で、不整形の山型図形を下部に配し、その上部に、4つの形が異なる不整形の歪形図形を、そのうち中央の2つの歪形図形が若干上部に突出した状態で前記山型図形の凸部に沿うように配し、これらの4つの歪形図形の上部には、それぞれ不整形の小さな三角形とおぼしき図形を配して構成され、これらは、右斜めおおよそ45度の角度に傾斜して配されているものである。 そして、引用商標の構成から、前記山型図形は獣類の足裏の肉瘤を、また、上部の4つの歪形図形はその足指を、また、先端の小さな三角形はその爪を表したかのように看取され、これらは全体として、「爪のある獣類の足跡」を表したものと理解させるものといえるから、引用商標からは、「爪のある獣類の足跡」程の観念を生じるものの、取引に資されるべき特定の称呼は生じないというのが相当である。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標とを比較してみると、外観については、いずれも山型図形を下部に配し、その上部に、該山型図形の凸部に沿うように4つの図形を配している点で共通するところがあるものの、引用商標は4つの歪形図形の上部に小さな三角形とおぼしき図形を有する点、本件商標は全体がなめらかな曲線で描かれている一方、引用商標は全体が不整形な輪郭で描かれている点、本件商標における4つの縦長楕円形は、概ね同じ形及び大きさで、ほぼ等間隔で放射状に表されている一方、引用商標における4つの歪形図形はそれぞれ形が異なっており、中央2つの図形もやや上部の高い位置に配されている点など、それらの構成態様には明らかな差異を有するものであり、本件商標と引用商標とは、外観上、明確に区別できるものである。 次に、称呼については,本件商標及び引用商標は共に称呼は生じないものであるから、称呼上、比較することはできない。 また、観念においては、本件商標からは特定の観念は生じないものであるのに対し、引用商標からは「爪のある獣類の足跡」の観念が生じるものであるから、観念において相紛らわしい商標ということはできない。 以上によれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても何ら相紛れるおそれのない非類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (4)申立人の主張について 申立人は、本件商標及び引用商標は、共に「動物の足跡」を模した図形であり、また、過去の審決例を挙げ、その構成態様から共に「ドウブツノアシアト」又は「アシアト」の称呼が生じるなど、本件商標と引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれも類似するものである旨主張する。 しかしながら、引用商標は、全体が不整形な輪郭で描かれており、かつ、4つの歪形図形の上部に三角形の爪とおぼしき図形が描かれているなど、獣類の足跡を写実的に表したものであると看取されるのに対し、本件商標は、全体がなめらかな曲線で描かれたかなり抽象的な図形であって、一見して直ちに「獣類の足跡」を模した図形であると理解されるものとはいい難く、むしろ、全体をもって一種の幾何図形を表したものと理解、認識されるを相当というべきは、上記(1)で述べたとおりである。また、申立人が挙げた審決例は、いずれも本件商標とは、商標の構成態様において異なるものであるから、事案を異にするというべきであり、申立人の主張は採用することができない。 (5)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標。色彩については、原本参照。)![]() 別掲2(引用商標1) ![]() 別掲3(引用商標2) ![]() |
異議決定日 | 2016-08-30 |
出願番号 | 商願2015-55202(T2015-55202) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
()
T 1 651・ 262- Y () T 1 651・ 263- Y () |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 椎名 実 |
特許庁審判長 |
田中 幸一 |
特許庁審判官 |
真鍋 伸行 酒井 福造 |
登録日 | 2015-11-20 |
登録番号 | 商標登録第5807964号(T5807964) |
権利者 | 株式会社ラルカンシェル |
代理人 | 都築 健太郎 |
代理人 | 齋藤 宗也 |
代理人 | 山崎 和香子 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 平野 泰弘 |
代理人 | 杉本 明子 |