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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201513171 審決 商標
異議2014900150 審決 商標
不服201411133 審決 商標
不服201319154 審決 商標
不服20146311 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W30
管理番号 1319255 
審判番号 不服2015-12853 
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-07-06 
確定日 2016-08-15 
事件の表示 商願2014-94748拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「地中海」の文字と「メディテラニアン」の文字とを上下二段に横書きしてなり、第30類「調味料,香辛料」を指定商品として、平成26年11月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海』を意味する『地中海』の文字と、『地中海』を意味する英語『mediterranean sea』の音訳の一部であり、上記の地中海を直感させる『メディテラニアン』を普通に用いられる方法で表してなるところ、その指定商品との関係で、地中海は、その産地又はその原材料の産地を表すものと認識させる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、需要者は、地中海周辺地域産の商品又は地中海周辺地域産の原材料からなる商品であること、すなわち、商品の産地、品質(原材料産地)を表したものと認識するというのが相当であるから、本願商標は、指定商品の産地、品質を普通に用いられる方法で表示してなるものにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、本願商標を構成する「地中海」の文字が「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」の意味であることを表す事実及び本願の指定商品を含む飲食料品の産地を認識させるものとして使用されている事実、「メディテラニアン」(「MEDITERRANEAN」)の文字が「地中海」を認識させる語として使用されている事実を発見したので、該事実について、別掲1ないし3のとおり、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成28年3月31日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、これに対する意見を求めた。

4 請求人の意見
請求人は、上記証拠調べ通知に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「地中海」の文字と「メディテラニアン」の文字とを上下二段に横書きしてなるものであるところ、その構成態様は、格別特異なものではなく、普通に用いられる方法で表示したものといえる。
そして、その構成中、上段の「地中海」の文字は、前記3の証拠調べ通知で示した別掲1の事実を踏まえると、「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」であることを一般に認識させるといえるものであり、同じく証拠調べ通知で示した別掲2の事実から、本願の指定商品を含む飲食料品の分野において、「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」である「地中海」の周辺地域を産地とする商品や「地中海」の周辺地域を産地とする原材料を有する商品に使用されていることが認められる。
また、本願商標の構成中、下段の「メディテラニアン」の文字は、同じく証拠調べ通知で示した別掲3の事実から、「地中海」を認識させるものとして使用されていることが認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標から「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」の「地中海」を容易に想起し、その商品が「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」である「地中海」又はその周辺地域を産地とする商品や「地中海」又はその周辺地域を産地とする原材料を使用した商品であると認識するにとどまるとみるのが相当であるから、本願商標は、商品の産地、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 「地中海」の文字が「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」の意味であることを表している事実
(1)「広辞苑(第六版) 岩波書店発行」の「地中海」の項に「(Mediterranean Sea)ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海。」との記載がある。
(2)「大辞泉(増補・新装版) 小学館発行」の「地中海」の項に「(Mediterranean Sea)ヨーロッパ・アフリカ・アジアの三大陸に囲まれた海。」との記載がある。
(3)「大辞林(第三版) 三省堂発行」の「地中海」の項に「(Mediterranean Sea)ヨーロッパ・アジア・アフリカの三大陸に囲まれた、東西に細長い内海。」との記載がある。
(4)「国語大辞典(新装版) 小学館発行」の「地中海」の項に「ヨーロッパ・アジア・アフリカの三大陸に囲まれ、東はスエズ運河により紅海・インド洋に、西はジブラルタル海峡により大西洋に通じる海域。」との記載がある。
(5)「コンサイス外国地名事典(第3版) 三省堂発行」の「地中海」の項に「Mediterranean Sea 北と西はヨーロッパ、南はアフリカ、東はアジアにより囲まれる地中海。」との記載がある。
(6)2010年9月9日の「朝日新聞(夕刊)」の6ページに「博物館で地中海の旅 26日まで東京都内で特別展」の見出しの下、「オリーブとワイン。古代の地中海世界で育まれ、さまざまな文化の中で愛好されてきた2種の飲食物をテーマにした特別展『地中海古代クルーズ』が、東京・池袋のサンシャインシティにある古代オリエント博物館で開かれている。・・・入り口を通ると、倉庫に見立てた復元住居に、シリアやフランスなど地中海周辺から出土したアンフォラ(ワインなどを入れた容器の一種)が並ぶ。展示は紀元前3000年ごろのギリシャのキクラデス文化から2?3世紀のシリアのパルミラまで数千年を概観する。」との記載がある。
(7)「JTB」のウェブサイトに、「JTBクルーズの旅」の項目内に「JTBクルーズバリュー 【ロイヤル・プリンセス】 地中海・エーゲ海横断クルーズ 18日間」の見出しの下、「ツアーのポイント (1) アテネを出航後、エーゲ海のサントリーニ島へ。十字軍ゆかりのマルタ島、イベリア半島バルセロナまで8ヵ国を巡ります。」との記載がある。
(https://www.jtb.co.jp/cruise/tour1/search/?type=3&cid=6&dir=&country=157&year=&month=&keyword=)
(8)「JTBグランドツアー」のウェブサイトに、旅行の見出しとして「ギリシャからイタリアへ 地中海クルーズ11日間」との記載がある。
(http://www.jtb-grandtours.jp/tour/western_europe/greece/2015a8319.html)
(9)「近畿日本ツーリスト」のウェブサイトに、「地中海クルーズ 東京発」の見出しの下、「地中海クルーズへ行こう! 開放感あふれる南欧ムードを満喫するなら、地中海クルーズがおすすめ。・・・ジェノバ発着やベニス発着のものがあり、イタリアのほかギリシアやトルコ、フランス、スペインなど近隣の国に立ち寄るプランなど様々なルートで運航されています。」との記載がある。
(http://holiday.knt.co.jp/b/2100300311/)
(10)「Cruise Planet」のウェブサイトに、「地中海・エーゲ海クルーズ一覧」の見出しの下、「地中海いちおしコース」の旅行プランとして「コスタディアデマ 美しき南フランスとスペイン・イタリア周遊地中海クルーズ10日間」との記載がある。
(http://www.cruiseplanet.co.jp/tiikitityuukai.htm)
(11)「BS-TBS」のウェブサイトに、「地球バス紀行」の2014年3月13日に放送された「バルセロナ発 地中海の味巡り」の番組紹介のページにおいて、「スペイン第2の都市・バルセロナ」見出しの下、「チュロスをおいしく頂いた後、チュロス屋の店主に、地中海の新鮮な魚介が食べられる海沿いの町『ロセス』を勧められます。」、「地中海の港町・ロセス」の見出しの下、「おいしい魚介料理を求めてロセスの港に行くと、地中海料理レストランのシェフと出会います。」、「ワインの町・ベジエ」の見出しの下、「ベジエの周辺は古くからワインの産地として知られていますが、そこに地中海が育てたおいしい白ワインがあるというのです。・・・その地中海ワインはワイナリーで直売しているとのこと。・・・そこで、地中海ワインを飲ませてもらえることに。・・・牡蠣と地中海ワインの相性はバッチリ。素敵な食べ合わせを教えてもらいました。」及び「ブイヤベース発祥の町・マルセイユ」の見出しの下、「地中海のおいしさを堪能しながら、旅を締めくくります。」との記載がある。
(http://www.bs-tbs.co.jp/bus/150.html)

別掲2 「地中海」が、本願の指定商品を含む飲食料品の産地を認識させるものとして使用されている事実
(1)「SUPER DELIVERY」のウェブサイトにおいて、商品名「【デルタサル】地中海シーソルト 細粒(500g)」について、「地中海の太陽と風の力を借りて生み出された天日塩です。」との記載がある。
(http://www.superdelivery.com/p/r/pd_p/4326952/)
(2)「厳選食品 安心堂」のウェブサイトに、「スペイン・イビサ島から生まれたブランド『POSIDONIA』 地中海一きれいな海の塩」の商品の紹介において、「複合遺産の島 イビサ島」の見出しの下、「地中海一美しいと言われる透き通るキレイな海と、輝く太陽、心地良い風により作り出されるイビサ島のお塩はほどよく水分を含んでおり、まるで雪のような柔らかさと、やさしい海の香り、純粋で鮮烈な雑味のない味わいが特徴です。」との記載がある。
(http://www.anshindo-d.jp/item_search/rootCategoryId,464/)
(3)「a-soken アレルギー生活改善総合研究所」のウェブサイトに、「地中海のミネラル塩」の見出しの下、「地中海のミネラル塩の商品説明」の項目に「南イタリアの海水を、現地の伝統的な入浜式塩田で長時間かけて乾燥、結晶化したこだわりの自然塩です。」との記載がある。
(http://www.a-soken.com/item/NO-110070.html)
(4)「楽天市場」のウェブサイト内における「ビーライフショップ」のページに、商品「地中海の天日塩 700g 創健社」の紹介において、「南イタリアの海水を現地の伝統的な天日塩田で長時間かけて天日乾燥・結晶化した、まろやかなうまみの塩」との記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/blife/a_sk_110898/)
(5)「楽天市場」のウェブサイト内における「よかいち 楽天市場店」のページに、商品「地中海産トマト粉末100% 100g 【ユニマットリケン】」の紹介において、「『地中海産トマト粉末100% 100g』は、イタリア・スペイン等の地中海沿岸で収穫された完熟トマトをゴールドスプレードライ製法により粉末にした、とまと100%の粉末です。」との記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/yoka1/4903361670164/)
(6)「オーガニックスパイスの専門店 VOXSPICE」のウェブサイトに、「SPICE STORY スパイス物語」の項目内において、「●【スパイスの魅力】古代ローマの料理家も認めたオレガノ」の見出しの下、「■オレガノは地中海生まれのスパイス」として「オレガノとはヨーロッパの地中海沿岸地方が原産のシソ科の多年草、およびそれから作られるスパイスのことで、香辛料として以外にハーブやアロマオイルとしても使われています。」との記載がある。
(http://voxspice.jp/spicestory/column11.php)
(7)「地中海フーズ」のウェブサイトに、「【INAUDI】アンチョビフィレ 190g」の商品の紹介において「商品特徴:」として「地中海で獲れたカタクチイワシを厳選し、職人技による丁寧な手作業で仕上げました。瓶詰の際に使われる塩はシチリアの海塩を使用しております。」及び「原産国:イタリア」との記載がある。
(http://www.chichukaifoods.com/c10344/)
(8)「Mマート」のウェブサイトに、「■【不定貫】地中海産天然本マグロ天身 サク取り納品【こだわりの逸品】」の見出しの下、「生(原)産地:スペイン」との記載がある。
(https://www.m-mart.co.jp/search/item.php?type=buybuyc&id=harasuisan&num=40)
(9)「TFOODS.COM」のウェブサイトに、商品「バラル/ブラックオリーブ(ギリシャ風)120g」の紹介において、「バラル社製オリーブ製品」の見出しの下、「ギリシャ風に加工した黒オリーブの瓶詰め。地中海沿岸で栽培された大粒の黒オリーブを贅沢に使用した逸品です。」及び「■生産国:フランス」との記載がある。
(http://store.tfoods.com/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=21038)
(10)「ワタル株式会社」のウェブサイトに、「Food Bussiness 食品事業」の項目内において、「Rocca Antica/ロッカアンティカ(イタリア)」の見出しの下、「そして、紀元前の歴史の中で、現在のイタリア、スペイン、トルコ、チュニジア、モロッコ、ポルトガルなど地中海沿岸一帯に広がりました。・・・現在、地中海沿岸では、さまざまな品種のオリーブをその地域の気候や土質にあわせ栽培しています。・・・ロッカアンティカは、地中海沿岸(トルコ、ギリシャ、スペイン、イタリアなど)のエキストラヴァージン オリーブと精製オリーブオイルをブレンドした、ピュア オリーブオイルです。」との記載がある。
(https://wataru.co.jp/category/food/ra/)
(11)「日欧商事株式会社」のウェブサイトに、「ワイナリーの紹介」の項目内において、「セッテソリ SETTESOLI」の見出しの下、「シチリアの中心地である、アグリジェント県メンフィの丘陵地に位置するセッテソリ協同組合は、1965年の設立。セッテソリ社の造るワインは力強くかつ繊細な香りとフレッシュで調和の取れた味わいが特徴で、地中海産ワインの中でも独特の特徴を持つものとして知られている。これらのワインはシチリアの照りつける太陽の下で自然に成熟したブドウを厳選して造られる。」との記載がある。
(http://www.jetlc.co.jp/brand/winery_info/w_introduction?WineryM_SEQ=27)

別掲3 「メディテラニアン」(「MEDITERRANEAN」)の文字が「地中海」を認識させる語として使用されている事実
(1)「サプマートU.S.A.」のウェブサイトにおいて、商品名「EPICUREAN ORGANICSメディテラニアンシーズニング」について、「一振りで、本格的な地中海料理に変身!」の記載があり、「商品説明」の項に「美食家のためのオーガニックスパイス!地中海料理には欠かせない、華やかなアロマが食欲をそそります。」との記載がある。
(http://www.supmart.com/sp/search/?htpid=24797)
(2)「サプマートU.S.A.」のウェブサイトにおいて、商品名「クスクス・メディテラニアン・カリーミックス」について、「地中海風のカレー味のクスクスミックスです。」、「地中海風カレースタイルのスパイスをセットしました。」との記載がある。
(https://www.supmart.com/search/?htpid=28302)
(3)「なんでも酒屋カクヤス」のウェブサイトにおいて、商品名「フラガタ スナックオリーブ メディテラニアン風」について、「おすすめポイント」の項に、「スペイン産マンザニラオリーブに、赤ピーマン、ガーリック、スパイスを加えた、彩りの良い風味豊かな地中海風のスナックオリーブです。」との記載がある。
(http://www.kakuyasu.co.jp/ec/disp/CSfLastGoodsPage_001.jsp?GOODS_NO=90253)
(4)「H.I.S.」のウェブサイトにおいて、「株式会社ウォーターマークホテル長崎」のホテル開業を伝える「Press Release」中に、「オーストラリア人総料理長が腕を振るうオールデイ・ダイニングのメディテラニアンレストラン(地中海レストラン)、ティーラウンジ、バーの他、最新設備を備えた3つの会議室を併設しております。」との記載がある。
(http://www.his.co.jp/material/pdf/n_gr_20110607.pdf)
(5)「Cruise Planet」のウェブサイトにおいて、「地中海の魔法 7泊8日(MEDITERRANEAN MAGIC)」の見出しの下、「7泊8日で地中海を堪能。メノルカ島やマルセイユ、モンテカルロなど、地中海の美しい数々の港を巡り、映画『ローマの休日』の舞台として有名なスペイン広場のあるチべタベッキアへと向かいます。」との記載がある。
(http://www.cruiseplanet.co.jp/eur/co_sea_qs_150414.html)
(6)「PRINCESS CRUISES」のウェブサイトにおいて、「地中海クルーズ MEDITERRANEAN」の見出しの下、「ギリシャ、ローマ、キリスト教。地中海は、文明を生み育ててきました。その海を現代の豪華客船が古都をたどるように進んでいきます。」との記載がある。
(http://www.princesscruises.jp/destinations/mediterranean/)
(7)「無垢フローリング専門卸」のウェブサイトにおいて、「MEDITERRANEAN PINE/地中海松」の見出しの下、「産地:ポルトガル 地中海松は日本の松に比べ、背が高く真っ直ぐに立っていて、下枝がないのが特徴です。」との記載がある。
(http://www.asahi-trade.jp/paneling/mediterraneanpine.html)


審理終結日 2016-05-30 
結審通知日 2016-06-10 
審決日 2016-06-23 
出願番号 商願2014-94748(T2014-94748) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内田 直樹 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 松浦 裕紀子
田中 亨子
商標の称呼 チチューカイメディテラニアン、チチューカイ、メディテラニアン 
代理人 秋元 輝雄 
代理人 吉澤 大輔 

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