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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z42
管理番号 1318213 
審判番号 取消2014-300942 
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-11-21 
確定日 2016-08-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第4514915号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4514915号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成12年7月18日に登録出願、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」を含む第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成13年10月19日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成26年12月10日である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定役務中、上記に記載のとおりの本件審判の請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張する。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標権者は、本件審判請求の登録前3年(以下「本件要証期間」という。)以内に日本国内においてその請求に係る指定役務について本件商標の使用をしている事実があり、本件審判請求は成り立たない。
(1)「第42類 電子計算機のプログラムの設計・作成または保守」の使用について
ア 商標権者は、横須賀モアーズシティのメール送信先となるWEB会員を登録するために、横須賀モアーズシティのためのウェブサイトの作成または保守を行っている。
MORE’S/CITY/横須賀モアーズシティのホームページ(乙1の1)を開き、「メルマガ会員登録」の画像ボタンを押すと、モアーズシティWEB会員の登録説明画面(乙1の2)が表示される。「Web会員規約のご確認」の画像ボタンを押すと、「Web会員規約のページ」(乙1の3)が表示され、「第13条サービスの代行 1.当サービスは、株式会社日本コンサルタントグループの提供するふーぷeメールプロモーションシステムを利用して配信しています。」と表示される。この「Web会員規約のページ」(乙1の3)の下端部には「株式会社岡田屋2000年12月1日施行」と記載されているが、この横浜岡田屋(乙2)は、「横浜岡田屋モアーズ」「川崎岡田屋モアーズ」「横須賀モアーズシティ」「相模大野岡田屋モアーズ」を運営している企業であり、株式会社日本コンサルタントグループは、2000年12月1日施行以降、全ての店舗に「ふーぷeメールプロモーションシステム」を提供し、現在も継続している。
現在も継続していることは、請求書(乙8)によれば、横須賀モアーズシティとの取引において、2013/05/25、2013/09/25の各請求書のプロジェクト名に「ふ?ぷシステムご利用及びホームページサポート」と記載された料金請求金額が記載されている。
以上のように、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しており、この使用は、商標法第2条第3項第7号又は第8号の使用に該当する。
イ 具体的には、横須賀モアーズシティのWEB会員登録のためには、商標権者が提供したWEB会員登録画面(乙3)を表示し、パスワード、名前、生年月日、性別、E-Mailを送信し、モアーズシティWEB会員登録を行う。この会員登録ページのURLは、対応するサーバーのローカルディスク画面(乙4)に示すように、「index.vbhtml」が2013/10/01に更新され、「img」が2013/06/04に作成され、「pc.vbhtml」が2013/07/19に更新されていることがわかる。
ウ コマンドプロンプト(乙5)の左右の画面によれば、「client.ncg.hoop.ne.jp」をおいているWEBサーバーのIPアドレスと、「client.ncg.hoop.ne.jp」にPINGした際に変換されるIPアドレスが同じ[210,169,203,230]であることが見て取れる。
このIPアドレスのサーバーに会員登録ページのファイルが置いてあり、そのファイルのタイムスタンプは、2013年のものとなっている。これからも明らかなように、登録から3年以内に会員登録ページを更新し、横須賀モアーズシティに提供したことを表している。
エ 証明書(乙6)によれば、上記会員登録ページのURLは、「Geo Trust DV SSL CA」が発行したSSL(Secure Socket Layer)キーを取得しており、2014/08/07から有効になっている。このように、定期的に証明書を更新して保守を行っている。
オ 以上の事実から、商標権者は、本件要証期間内に日本国内において「ふ?ぷ」という商標を付した「ウェブサイトの作成または保守」の業務を行っており、その取消請求に係る指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成または保守」については、本件商標を使用をしている。
(2)第42類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」の使用について
ア 「PC向けE-mailプロモーション」(乙7)
この「PC向けE-mail」(乙7)は、横須賀モアーズシティその他の顧客に、「ふ?ぷeメールプロモーションシステム操作手順書」として配布されるもので、その全頁の右肩上に「◎ふ?ぷシステム」と表示され、「販促メール」用の電子計算機用プログラムの表示画面に「◎ふ?ぷ」という商標名で提供しており、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しており、商標法第2条第3項第3号、第4号又は第7号の使用に該当する。
イ 役務取引での使用
(ア)請求書(乙8)によれば、横須賀モアーズシティとの取引において、2013/05/25と、2013/09/25の各請求書のプロジェクト名に「ふ?ぷシステムご利用及びホームページサポート」と記載された料金請求金額が記載されている。
(イ)請求書(乙9)によれば、株式会社テンコーポレーションとの取引において、2013/11/25と、2014/02/25の各請求書のプロジェクト名に「ふ?ぷeメールプロモーションシステム利用料」と記載された料金請求金額が記載されている。
株式会社日本コンサルタントグループは、これら請求書(乙8、乙9)に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付し、第42類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」についての使用をしており、この使用は、商標法第2条第3項第7号又は第8号の使用に該当する。
2 以上のとおりであるから、本件要証期間内において商標権者がその請求に係る指定役務について本件商標の使用をしていることは、明白である。

第4 当審の判断
1 被請求人の主張及びその提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証の1ないし3は、「MORE’S/CITY/横須賀モアーズシティ」(株式会社横浜岡田屋(乙2)、以下「横須賀モアーズシテイ」という。)のホームページであるところ、その「メルマガ会員登録」における会員規約には、当該メールサービスは、平成12年12月1日から、商標権者の「ふーぷeメールプロモーションシステム」(以下「本件システム」という。)を利用していることが記載されている。
そして、上記「メルマガ会員登録」の「モアーズシティWEB会員登録」画面(乙3)、ローカルディスク画面(乙4)及びそのコマンドプロンプト(乙5)の表示からすると、当該「モアーズシティWEB会員登録」用プログラムが、商標権者により、平成25年6月、7月及び10月に更新されていることを認めることができる。
また、商標権者は、上記、横須賀モアーズシティ宛てに、本件システムの利用及びホームページサポート(期間:平成25年4月26日?5月25日、8月26日?9月25日)について、それぞれ、平成25年5月25日及び9月25日付けで「請求書」を発行している(乙8)。さらに、商標権者は、株式会社テンコーポレーション宛てに、本件システムの利用(期間:平成25年10月26日?11月25日、平成26年1月26日?2月25日)について、それぞれ、平成25年11月25日及び平成26年2月25日付けで「請求書」を発行している(乙9)。
そうすると、商標権者は、平成12年12月頃から、横須賀モアーズシティのメルマガ会員用プログラムに係る本件システムを作成し提供してきたものであること、その後、平成25年に、商標権者は、本件プログラムを更新していることを認めることができる。そして、平成25年5月及び9月頃、横須賀モアーズシティは、これを利用し、また、本件システムに係るホームページの保守を受けていたこと、及び株式会社テンコーポレーションは、平成25年11月及び平成26年2月頃、本件システムを利用していたことが認められる(乙9)。
(2)商標権者は、平成24年5月に、本件システムの顧客の担当者用のマニュアル「ふ?ぷeメールプロモーションシステム操作手順書 PC向けE-mailプロモーション 作成手順編」(以下「本件説明書」という。乙7)を作成したものであり、その作成時以降、顧客に配付したとみて差しつかえないものであって、本件説明書に係る本件システムが顧客に提供されていたものといえる。
そして、本件説明書の記載内容からすると、本件システムに顧客がログインした後には、本件システムの画面に「◎ふーぷ」(以下「使用商標」という。)が表示されることが認められる。
2 判断
商標権者は、本件要証期間前から、本件システムを顧客に提供していたものであり、平成25年5月から平成26年2月にかけて、顧客はその利用に係るプログラムの更新又はホームページのサポートを受けていたものであって、当該プログラムの更新は、商標権者による「電子計算機のプログラムの保守」と認め得るものであり、また、顧客による本件システムの利用は、商標権者による「電子計算機用プログラムの貸与」と認められる。
また、本件システムは、顧客のログイン後に、常に視認できる画面に「◎ふーぷ」(使用商標)の表示がされる。
そうすると、商標権者は、本件要証期間内に、使用商標のもとに、本件審判請求に係る「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」の範疇の役務と認められる「電子計算機のプログラムの保守」及び「電子計算機用プログラムの貸与」を行ったものといえる。
そして、本件商標は、別掲のとおり、「◎」と「子供がまわして遊ぶ輪」を表す「ふーぷ」及び「hoop」の文字からなるものであるところ、使用商標は、「◎」と「ふーぷ」からなるものであり、その文字部分は本件商標の文字部分と同一の称呼及び観念を生じるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標というべきである。
したがって、商標権者は、本件要証期間内である平成25年5月から平成26年2月頃、本件審判請求に係る指定役務に含まれる「電子計算機のプログラムの保守」及び「電子計算機用プログラムの貸与」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、その役務の提供の用に供するものに付して使用していたものと認めることができる。
以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その請求に係る役務について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものである。
したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定役務について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)



審理終結日 2016-05-30 
結審通知日 2016-06-02 
審決日 2016-06-30 
出願番号 商願2000-80070(T2000-80070) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井出 英一郎 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 藤田 和美
堀内 仁子
登録日 2001-10-19 
登録番号 商標登録第4514915号(T4514915) 
商標の称呼 フープ 
代理人 特許業務法人第一国際特許事務所 
代理人 古澤 俊明 

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