ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない(当審拒絶理由) W3940 |
---|---|
管理番号 | 1317233 |
審判番号 | 不服2015-21075 |
総通号数 | 200 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2016-08-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-11-27 |
確定日 | 2016-07-14 |
事件の表示 | 商願2015- 1174拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「サイクルステーション」の文字を標準文字で表してなり、第39類「道路情報の提供,駐輪場の提供,駐輪場の管理,自転車の貸与,車椅子の貸与,電気の供給,旅行者の案内」及び第40類「電池の貸与」を指定役務として、平成27年1月8日に登録出願されたものである。 2 当審における拒絶の理由 当審において、請求人に対し、平成28年2月29日付けで通知した拒絶の理由は、別掲に示すとおりである。 3 当審における拒絶の理由に対する意見 前記2の拒絶理由通知に対して、請求人からは何らの意見、応答もない。 4 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり「サイクルステーション」の文字を標準文字で表してなるものである。 そして、別掲の拒絶の理由のとおり、本願商標は、これをその指定役務中、「道路情報の提供,駐輪場の提供,駐輪場の管理,自転車の貸与,旅行者の案内」に使用しても、取引者、需要者は、「サイクリング観光の休憩場又は自転車の貸与場所若しくは駐輪場」程の意味合いを理解するにとどまるというのが相当であるから、単に、役務の質、提供の場所等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認められる。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(当審における拒絶理由通知) 本願商標は、「サイクルステーション」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「サイクル」の文字は、「自転車」の意味を有する語であり、「ステーション」の文字は、「停車場」の意味(いずれも株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)を有する語であるから、全体として、「自転車の停車場」の意味合いが容易に想起されるものといえる。 ところで、本願の指定役務を取り扱う業界において、「サイクルステーション」の文字が、「サイクリングの休憩場又は自転車の駐輪場」等の意味合いで使用されている実情が、請求人が提出した第5号証ないし第9号証のほかに、以下のインターネット情報及び新聞記事情報から窺えるものである。 「サイクルステーション」の文字の使用例 (1)「公益社団法人千葉県観光物産協会」のウェブサイトにおいて、「サイクルステーション情報」の見出しの下、「快適なサイクリングを応援するサイクルステーション」として、「『サイクルステーション』とは、サイクリングの途中でトイレ、食事、水分補給などのために気軽に立ち寄ることができるサイクリストのための休憩スポットです。各ステーションにはサイクルラックが設置されています。ぜひご活用ください。」の記載がある。 (http://maruchiba.jp/osusume/cycle-tourism/station.html) (2)「奈良県」のウェブページにおいて、「ジョギング&サイクリングステーション」の見出しの下、「《サイクルステーション》」として、「自転車メンテナンススペース等を整備/吉野・明日香方面等への周遊観光の拠点としてご利用ください。※工具の貸し出しもございます。」の記載がある。 (http://www.pref.nara.jp/20163.htm) (3)「スルガ銀行」のウェブサイトにおいて、「CYCLE STATION(サイクルステーション)」の見出しの下、「サイクルステーションとは」として、「自転車愛好者のお客さまのための秘密基地。 (主な設備)駐車場/ピット/化粧室/キッチンスペース/DVDプレイヤー/シャワールーム(男女別)※/ロッカー※ 」の記載がある。 (http://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/tenpo/cyclestation.html) (4)「美山自転車の聖地プロジェクト事務局」のウェブサイトにおいて、「京都美山サイクルステーション建設計画」の見出しの下、「サイクルステーションの主な役割」として、「●情報提供サービス●サイクリングガイド●クラブハウス●サイクリストの拠点施設●地元住民向けのサイクリングイベント●商品の展示および物販(町内からの発信)●交通安全・自転車の教育拠点・・・など」の記載がある。 (http://www.cyclingmiyama.com/seeds/) (5)「青梅市トライアスロン協会」のウェブサイトにおいて、「東京サイクルステーションネットワーク」の見出しの下、「各サイクルステーションには下記の条件が整っています。・・・自転車乗り歓迎ムード/居心地の良い休憩スペース/自由に使えるトイレ/自由に使える水道/救急箱(消毒液、バンドエイドなど)/空気入れ/工具箱/バイクラック」の記載がある。 (http://www.kfctriathlon.jp/html/project_cycle_station.html) (6)「阿蘇内牧温泉 蘇山郷」のウェブサイトにおいて、「蘇山郷サイクルステーションの紹介」の見出しの下、「フロアポンプ、自転車ラック、自転車用倉庫完備。阿蘇サイクリングコースも案内可。自転車でのお越しをお待ちしています。」の記載がある。 (http://www.sozankyo.jp/news/cycle.php) (7)「取手市」のウェブサイトにおいて、「取手市営自転車駐車場」の見出しの下、「サイクルステーションとりで(CST)」として、「利用方法/定期利用(1か月・3か月・6か月)と一時利用と短時間利用/注意 空き状況により利用できないことがあります」、「申込方法/サイクルステーションとりで(CST)を利用希望の方は現地での受付になります。また、機械式駐輪場を申し込む場合には、現地で自転車の検査が必要になりますので、自転車を持参ください。」の記載がある。 (https://www.city.toride.ibaraki.jp/index.cfm/8,4413,21,184,html) (8)「公益財団法人えひめ産業振興財団」のウェブサイトにおいて、「駐車場案内」の見出しの下、「サイクルステーション モンキーズ」として、「営業時間/午前7時?午後12時」、「ご利用料金/1回につき 自転車100円、バイク200円」、「貸し自転車一日300円」の記載がある。 (http://town.ehime-iinet.or.jp/parking/index.asp?P_DSP=34) (9)「自転車ロッカー/AGサイクルステーション」のウェブサイトにおいて、「AGサイクルステーションとは?」の見出しの下、「■自転車愛好者にとっての最寄駅=ステーションに/弊社の駐輪場サービスが、自宅から目的地へ移動される自転車利用者にとっての最寄駅=ステーションになれれば良いと思っています。」の記載がある。 (http://ag-cycle-station.com/outline/) (10)「袋井市観光協会」のウェブサイトにおいて、「サイクルステーション」の見出しの下、「遠州和の湯 駐輪場に袋井市第1号の自転車用ラックを設置しました。15台程度のバイクを留めることができます。/フロアポンプ、専用工具をご用意いたしました。」の記載がある。 (http://www.fukuroi-kankou.jp/wp/?p=2209) (11)2001年(平成13年)5月21日付け「日本経済新聞」(夕刊、18頁)に、「第13集自転車に乗って(3)『脱クルマ社会』へ一歩(暮らしの叙景)」の見出しの下、「秋田県北部の二ツ井町は『自動車一辺倒の生活の見直し』を掲げ、三年前から自転車のリサイクルに取り組んできた。駅前や商店街など町内十カ所に各十台収容のサイクルステーションを設け、自由に乗り回せるようにしている。」の記載がある。 (12)2010年(平成22年)9月15日付け「日本経済新聞」(地方経済面神奈川、26頁)に、「横浜市体育協、スポーツ施設に駐輪場。」の見出しの下、「財団法人、横浜市体育協会は15日、横浜・みなとみらい21地区のスポーツ施設内に駐輪場『サイクルステーション』を開業する。屋内施設に自転車を駐輪できるほか、ロッカーや更衣室、シャワーも利用できる。健康志向の高まりを背景に自転車通勤者の利用を見込む。」の記載がある。 (13)2010年(平成22年)10月1日付け「日本経済新聞」(地方経済面栃木、42頁)に、「宇都宮市、『自転車の街』へ企画続々、レンタルや市街地レース。」の見出しの下、「これに先立ち、JR宇都宮駅西口にロードレーサーが休憩や着替えに使える拠点『宮サイクルステーション』が完成、10月2日昼に開業式典を開く。一連の企画は9月30日に市が示した『自転車のまち推進計画』素案にも盛り込んだ。」の記載がある。 (14)2012年(平成24年)2月22日付け「日本経済新聞」(地方経済面千葉、39頁)に、「自転車で観光どうぞ、千葉県内自治体、起伏少ない地形生かす。」の見出しの下、「千葉県は2012年度予算案に『サイクルツーリズム推進事業』として1600万円を計上した。市町村などが自転車のメンテナンスや休憩のための『サイクルステーション』の整備や、サイクリングのモデルコースを設定する際などに補助する。」の記載がある。 (15)2012年(平成24年)8月17日付け「日本経済新聞」(地方経済面北陸、8頁)に、「涼を走る新幹線のその先へ(3)北陸鉄道??休日の利用者増へ知恵。」の見出しの下、「廃駅となった白山下駅は自転車のメンテナンスや休憩のための『サイクルステーション』になっている。サイクリングを楽しむ県外の団体の利用客もいるという。」の記載がある。 (16)2014年(平成26年)5月17日付け「日本経済新聞」(夕刊、4頁)に、「琵琶湖・淡路島…各地に登場、施設充実??自転車で一周、名物コース(おでかけナビ)」の見出しの下、「自然の中を風を切って走るサイクリング。体力づくりにもなることから人気は高まる一方で、各地に名物コースが登場している。いずれのコースにもレンタルなどをするサイクルステーションがある。特別な準備をしていかなくても楽しめるのはもちろん、人々の憩いの場になっている」の記載がある。 (17)2014年(平成26年)8月13日付け「日本経済新聞」(地方経済面四国、12頁)に、「自転車組み立て、松山空港に施設、サイクリング向け。」の見出しの下、「サイクルステーションは松山空港ビルが国交省大阪航空局松山空港事務所と協力してターミナルビル東端に確保した。自転車を航空機で運ぶ場合は通常、車輪を取り外して専用袋に入れるなどする。ステーションには自転車スタンドと空気入れが常設され、工具も無料で貸し出す。更衣室も設置しており、愛好家は到着後さっそくサイクリングに出かけられる。」の記載がある。 (18)2014年(平成26年)8月20日付け「日経MJ(流通新聞)」(7頁)に、「秩父1市4町、自転車シェア、観光振興、乗り捨ても。」の見出しの下、「【さいたま】秩父地域おもてなし観光公社(埼玉県秩父市)は、秩父市など1市4町で自転車を貸し出すサイクルシェアを始めた。秩父地域6カ所にサイクルステーションを設け、借りた自転車は他のステーションでも返却できるようにした。」の記載がある。 (19)2015年(平成27年)3月2日付け「日経MJ(流通新聞)」(6頁)に、「自転車で浜名湖、快適に、周辺官民、フル回転、6駅に整備拠点、4月に新組織。」の見出しの下、「天竜浜名湖鉄道は今月月末までに自転車の組み立てやパンクなどのアクシデントに対応できるよう、整備用の工具や空気入れを貸し出す『サイクルステーション』を設ける。自転車を止めるためのスタンドも含め、天竜二俣、三ケ日など主要6駅に配置する。」の記載がある。 (20)2015年(平成27年)4月18日付け「日本経済新聞」(地方経済面北陸、8頁)に、「GWは北陸へ、新顔続々、歴史博物館改装、5階層の立体迷路…、新幹線効果定着狙う。」の見出しの下、「自転車のレンタルや修理ができるサイクルステーション5カ所を設け、一部に子供用の自転車も置く。休憩所のカフェ14カ所も設置した。」の記載がある。 そうとすれば、「サイクルステーション」の文字からなる本願商標を、その指定役務中、「道路情報の提供,駐輪場の提供,駐輪場の管理,自転車の貸与,旅行者の案内」に使用しても、「サイクリング観光の休憩場又は自転車の貸与場所若しくは駐輪場」程の意味の語であることを理解させるにすぎないものであるから、その役務の質、提供の場所等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 |
審理終結日 | 2016-05-12 |
結審通知日 | 2016-05-17 |
審決日 | 2016-05-30 |
出願番号 | 商願2015-1174(T2015-1174) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
WZ
(W3940)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 齋藤 貴博 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 大井手 正雄 |
商標の称呼 | サイクルステーション |
代理人 | 徳田 佳昭 |
代理人 | 野村 幸一 |