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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X30
管理番号 1317193 
審判番号 取消2015-300412 
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-06-08 
確定日 2016-07-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第5151249号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5151249号商標(以下「本件商標」という。)は、「スターリ」の文字を標準文字で表してなり、平成19年9月10日に登録出願、第30類「アイスキャンデー,アイスクリーム,シャーベット,チューイングガム,ゼリー菓子,ムース,プリン,その他の菓子,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,即席菓子のもと」のほか、第5類、第29類、第31類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同20年7月18日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成27年6月22日である。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第30類「アイスキャンデー,アイスクリーム,シャーベット,チューイングガム,ゼリー菓子,ムース,プリン,その他の菓子」(以下「本件審判の請求に係る指定商品」という場合がある。)について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由として、本件商標は、その指定商品中の上記指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである旨述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
なお、請求人は、後記第3の被請求人の答弁に対し、弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第15号証を提出した。
1 通常使用権者の適格性について
(1)被請求人である「スターリ ミルク バイオロジックス, インコーポレイテッド」(以下「スターリ社」という。)は、1958年に米国で設立された免疫ミルクの研究開発機関である。
また、スターリジャパン株式会社(以下「スターリジャパン社」という。)は、スターリ社の商品の日本における販売代理店として、2008年に設立され(乙第1号証及び乙第2号証)、スターリ社の代表取締役であるコン・スターリング(Con F. Sterling)は、スターリジャパン社の取締役である(乙第3号証)。
(2)スターリ社は、スターリジャパン社が設立された2008年以来、同社に対し、本件商標に係る商標権の全ての範囲について、日本国内における本件商標の使用を許諾している(乙第4号証)。
また、本件商標は、スターリ社と「エスエムビーアイ アジア グループ リミテッド」(以下「SMBI社」という。)との共有に係るものであるが、SMBI社も同様に、2008年以来、スターリジャパン社に対し、本件商標に係る商標権の全ての範囲について、日本国内における本件商標の使用を許諾している(乙第5号証)。
(3)上記(1)及び(2)によれば、スターリジャパン社は、本件商標の通常使用権者である。
2 通常使用権者による使用
(1)スターリジャパン社は、本件商標と社会通念上同一の商標「スターリアイスミルク」を商品「アイスミルク」の包装について使用している(乙第6号証)。
ここで、「アイスミルク」とは、含有する乳成分の割合に応じて厚生労働省により定められた、アイスクリームの種類別の名称の一つである(乙第7号証)。
また、スターリジャパン社は、本件商標と社会通念上同一の商標「スターリアイスミルク」を商品「アイスミルク」の広告について使用している(乙第8号証)。
(2)上記商品「アイスミルク」を含め、スターリジャパン社の商品を購入するには、あらかじめ会員登録を行う必要があり(乙第9号証)、商品購入希望者は、事前に同社のホームページ又は電話等を通じて会員登録を行い、同社あてに注文書(乙第10号証)をFAX送信する又は電話することにより、商品を注文する。
(3)スターリジャパン社は、2014年12月の20日及び22日に、それぞれ、顧客から上記「アイスミルク」の1箱(12個入り)の注文書(乙第11号証、乙第13号証)を受領し、いずれも同月中に納品した(乙第12号証、乙第14号証)。
(4)「アイスミルク」とは、上述のとおり、アイスクリームの種類別の名称の一つであり、また、「WIPO Madrid Goods and Service Manager」に登録されている商品表示であって、我が国の特許庁でも受入可能である(乙第15号証)。
そうすると、スターリジャパン社の使用商標「スターリアイスミルク」は、その構成中の「アイスミルク」の文字部分が使用に係る商品の普通名称を表すものであり、前半の「スターリ」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。
したがって、上記使用商標の構成中、自他商品の識別標識として機能する「スターリ」の文字部分は、本件商標と構成文字を同一とするものであるから、該使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標といえるものである。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者により、本件審判の請求に係る指定商品中の第30類「アイスクリーム」について使用されたことが明らかである。
したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断
1 請求人の提出に係る証拠並びに被請求人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標は、スターリ社とSMBI社の共有に係るもの(甲第1号証)であるところ、両社は、2008年以来、スターリジャパン社に対し、日本国内において本件商標を使用する権利を認めている(乙第4号証及び乙第5号証)。
(2)スターリジャパン社は、会員登録された顧客に対し、製品を販売している(乙第9号証)ところ、同社は、「スターリアイスミルク」と称する免疫ミルク「サステナ」を原材料とする商品「アイスミルク」を取り扱っている(乙第8号証)。「アイスミルク」とは、アイスクリーム類(乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって、乳固形分3.0%以上を含むもの(はつ酵乳を除く)をいう。)のうち、「乳固形分10.0%以上 うち乳脂肪分3.0%以上」のものを指す(乙第7号証)。
(3)スターリジャパン社は、2014年(平成26年)12月頃に、上記「スターリアイスミルク」を数量限定で販売する旨の記載がある書面(注文書を兼ねたもの)を作成、頒布したところ、同年12月20日、顧客から該書面による注文がなされ、その後、同月内に、顧客へ商品を納品した(乙第10号証ないし乙第12号証)。
2 上記1において認定した事実によれば、スターリジャパン社は、本件商標の通常使用権者といえる。
また、スターリジャパン社は、本件審判の請求の登録前3年以内である2014年(平成26年)12月に、自己の販売に係る「スターリアイスミルク」と称する商品「アイスミルク」について、顧客向けの広告をしたことが認められる。
そして、上記商品の名称である「スターリアイスミルク」の構成中、「アイスミルク」の文字部分は、商品の普通名称を表したものといえるから、該名称において、自他商品識別機能を果たし得るのは「スターリ」の文字部分とみるのが相当であるところ、該「スターリ」の文字部分は、本件商標と同一のつづりからなるものであって、同一の称呼を生じるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
さらに、商品「アイスミルク」は、上記1(2)のとおりの商品であるから、本件審判の請求に係る指定商品中の第30類「その他の菓子」の範ちゅうに属するものと認められる。
してみれば、本件商標の通常使用権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項第8号にいう行為)をしていたものと認められる。
3 むすび
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標の通常使用権者が、本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条第1項の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-05-10 
結審通知日 2016-05-13 
審決日 2016-05-24 
出願番号 商願2007-95977(T2007-95977) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X30)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 高橋 幸志
田中 敬規
登録日 2008-07-18 
登録番号 商標登録第5151249号(T5151249) 
商標の称呼 スターリ 
代理人 スターリジャパン株式会社 
代理人 伊東 忠重 
代理人 西川 巌 
代理人 伊東 忠彦 
代理人 スターリジャパン株式会社 
代理人 伊東 忠彦 
代理人 大貫 進介 
代理人 伊東 忠重 
代理人 大貫 進介 

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