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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W2425
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W2425
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W2425
管理番号 1317152 
審判番号 不服2016-2673 
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-02-23 
確定日 2016-07-22 
事件の表示 商願2015-31137拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第24類「布製身の回り品,布団,布団カバー,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,カーテン,テーブル掛け」及び第25類「洋服,コート,セーター類,寝巻き類,下着,キャミソール,ティーシャツ,エプロン,えり巻き,靴下,ショール,スカーフ,手袋,マフラー,帽子」を指定商品として,平成27年3月20日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は,以下のとおりであり,現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4866977号商標(以下「引用商標1」という。)は,「FABRICK」の欧文字を標準文字で表してなり,平成16年9月30日に登録出願され,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,ティーシャツ,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ヘルメット,ナイトキャップ,帽子,ずきん,すげがさ」を含む,第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同17年5月27日に設定登録されたものであり,その後,同27年6月2日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4875126号商標(以下「引用商標2」という。)は,「FABRICK」の欧文字を標準文字で表してなり,平成16年9月30日に登録出願され,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,ストロー,盆(金属製のものを除く。),屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン」を含む,第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同17年6月24日に設定登録されたものであり,その後,同27年6月30日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第5638676号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成25年3月18日に登録出願され,第35類「布製身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む,第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同年12月20日に設定登録されたものである。
以下,上記(1)ないし(3)をあわせて「引用商標」という場合がある。

3 当審の判断
本願商標は,別掲1のとおり,「FABRIC’S」の欧文字を線の太さに緩やかな変化を持たせ,その線の端に飾り(セリフ)を有さないややデザイン化された書体で表してなるものである。
そして,本願商標を構成する欧文字は,「織物,布」の意味を有し,「ファブリック」と発音される単数形の英単語「FABRIC」に所有格の「’S」を付したものと容易に理解,認識されるものであるから,本願商標は,構成全体として把握され,これに相応した「ファブリックス」の称呼及び「織物の,布の」の観念を生じるものである。
他方,引用商標1及び2は,前記2(1)及び(2)のとおり,「FABRICK」の欧文字を標準文字で表してなるところ,該語は,既成の語として辞書等に載録されているものではなく,特定の観念を生じない一種の造語を表したものとみるのが相当であるから,引用商標1及び2からは,これを英語風に発音した「ファブリック」の称呼を生じるものであり,特定の観念を生じないものである。
また,引用商標3は,別掲2のとおり,青色で彩色され特定の事物を表したものとは理解され難い形状からなる図形と,黒色のゴシック体調の書体で表した「FABRIK」の欧文字とを横一連に配してなるところ,その構成中の図形部分は,特定の観念を生じないものであり,構成中の欧文字部分は,これを構成する「FABRIK」の語が,既成の語として辞書等に載録されているものではなく,特定の観念を生じない一種の造語を表したものとみるのが相当であって,図形部分も欧文字部分も,それぞれ自他役務の識別力を有するというべきものである。
そうすると,引用商標3は,これに接する取引者,需要者に,常に一体不可分のものであるとして認識されるとはいえないものであって,その構成中の「FABRIK」の欧文字部分を要部として抽出し,これを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものである。
してみれば,引用商標3は,その欧文字部分に相応して,これを英語風に発音した「ファブリック」の称呼を生じるものであり,特定の観念を生じないものである。
そこで,本願商標と引用商標1及び2の類否についてみるに,別掲1並びに前記2(1)及び(2)のとおり,本願商標を構成する「FABRIC’S」の欧文字と引用商標1及び2を構成する「FABRICK」の欧文字とは,語尾における「’S」と「K」の文字の違いから構成文字数が相違し,書体のデザインも異にするものであるから,外観上,見誤るおそれはないものである。
また,本願商標から生じる「ファブリックス」の称呼と引用商標1及び2から生じる「ファブリック」の称呼とは,語尾において「ス」の音の有無に差異を有するものであって,両称呼が5音と4音という比較的短い音構成からなることをも踏まえれば,上記の差異が,称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず,それぞれを一連に称呼するときは,全体の語調,語感が相違し,十分に聴別できるものである。
さらに,観念においては,本願商標からは「織物の,布の」の観念を生じるのに対し,引用商標1及び2からは特定の観念を生じないものであるから,両商標は,観念において相紛れるおそれはないものである。
次に,本願商標と引用商標3の類否についてみるに,別掲1及び2のとおり,本願商標と引用商標3の外観は,図形の有無において全く異なる構成からなるものであり,本願商標を構成する「FABRIC’S」の欧文字と引用商標3の「FABRIK」の欧文字部分の外観とを比較しても,語尾における「C’S」と「K」の文字の違いから構成文字数が相違し,書体のデザインも異にするものであるから,外観上,見誤るおそれはないものである。
また,本願商標から生じる「ファブリックス」の称呼と引用商標3から生じる「ファブリック」の称呼とは,上記のとおり,十分に聴別できるものである。
さらに,観念においては,引用商標3からは特定の観念を生じないものであるから,上記のとおり,両商標は,観念において相紛れるおそれはないものである。
そうすると,本願商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
してみれば,本願商標は,引用商標との関係において,商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本願商標


2 引用商標3(色彩は原本参照)



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審決日 2016-07-05 
出願番号 商願2015-31137(T2015-31137) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W2425)
T 1 8・ 261- WY (W2425)
T 1 8・ 263- WY (W2425)
最終処分 成立  
前審関与審査官 板谷 玲子小松 里美 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 根岸 克弘
平澤 芳行
商標の称呼 ハブリックス、ハブリックズ、ハブリック、ファブリックス、ファブリック 
代理人 田代 茂夫 

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