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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W38 審判 全部申立て 登録を維持 W38 |
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管理番号 | 1315897 |
異議申立番号 | 異議2016-900009 |
総通号数 | 199 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2016-07-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-01-08 |
確定日 | 2016-05-23 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5799071号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5799071号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5799071号商標(以下「本件商標」という。)は、「メディアひかり」及び「MEDIA光」の文字を二段に書してなり、平成27年1月29日に登録出願、第38類「光ファイバーケーブルを用いた電気通信(放送を除く。),インターネット又はその他の電気通信ネットワークを利用した音声・文字・映像・画像データ及びこれらの組合せからなるデータの伝送交換,電話による通信,移動体電話による通信,移動体電話・電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供,無線LANによる通信ネットワークへの接続の提供,移動体電話・電子計算機端末による無線LANへの接続の提供,電子計算機端末その他の通信機器による通信,人工衛星による通信,電子メール通信,複数宛先に同時に送信する電子メール通信,電子メールの自動転送,電子データの自動転送,電子掲示板通信,チャット形式による電子掲示板通信,付加価値通信網による通信,不特定多数者の同時通話を可能とする電話による通信,ボイスメール通信,テレビ会議用通信端末による通信,国内外の提携事業者の設備を利用して行う移動体電話・電子計算機端末による通信,電子商取引のための携帯電話による通信,その他の電気通信(「放送」を除く。),インターネットによる映像及びそれに伴う音声その他の音響を送る放送,インターネットによる音声その他の音響を送る放送,ケーブルテレビジョン放送,電気通信(「放送」を除く。)に関する情報の提供,移動体電話・電子計算機端末による通信若しくはその他の通信手段を利用した音楽・映像・画像・文書・メッセージ・文字情報・その他のデータの送信又はこれらに関する情報の提供,放送,放送及び放送番組表に関する情報の提供,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与,電話加入権の貸与,電話帳記載情報の提供」を指定役務として、同年8月21日に登録査定され、同年10月9日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。 (1)「メディア」、「MEDIA」の語に識別力がない点について 本件商標の指定役務(以下「本件指定役務」という。)において、「メディア」、「MEDIA」の語に識別力がないことは、「特許情報プラットフォーム『商品・役務名検索』における『メディア』、『第38類』の検索結果」が示すとおり(甲2)、「インターネット及びその他メディアにおけるプラットフォーム及びポータル経由による電気通信」など、また「メディア」の一種で、多メディアを用いた伝達方式を示す「マルチメディア」が多数例示されていることから明らかである。 (2)「光」、「ひかり」の語に識別力がない点について 「光」、「ひかり」の語は、「光ファイバー(回線)を利用した通信サービス」を意味するものとして普通に用いられており、本件指定役務において識別力を有しない点については、審決(甲3)に記載されているとおりであって、かかる認識に基づき、異なった権利者に対し、文字「光テレビ」に異なったデザインを施した商標の併存登録が認められている(甲4?甲6)。 よって、「光」、「ひかり」の語も本件指定役務において識別力を有しないことも明白である。 (3)「光」と「メディア」が非常に密接な関係を有する語である点について 電気通信において、「光」と「メディア」が非常に密接な関係を有する語であることは、例えば証拠として提出したウェブサイト(甲7)からも、うかがえる。 (4)市場の実情について 市場の実情を示すものとして、インターネット上においても以下の事実が見受けられる。 インターネットの代表的な検索エンジンであるYahoo!で、本件商標の上段と同じ「メディアひかり」を検索すると、その殆どが本件商標権者の使用に係る記事である(甲8)。 しかし、「MEDIAひかり」として検索すると、ヒットするのは殆ど申立人の使用に係る記事となる(甲9)。 これらの事実から、「メディアヒカリ」の称呼を生じる標章を、本件指定役務に使用しているのは商標権者に限るものではないことは、明らかである。 (5)商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断について 本号に該当するか否かは、過去の審判決(不服2010-16069ほか)において繰り返し述べられているように、「我が国の取引者、需要者が品質(質)を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるものであり、実際に品質(質)を表示するものとして使用されていることまでは必要としない」のであるから、単に「メディアひかり」をインターネットで検索したときに、その殆どが商標権者のサイトであるということは、本号に該当するか否かの判断に影響を与えるものではない。 しかも、「メディアひかり」を同一称呼の「MEDIAひかり」に置き換えて検索すれば、ヒットするのは申立人のサイトが大部分、という事実があればなおさらである。 (6)片仮名・漢字の、平仮名・欧文字への書き換えについて 「メディア光」と片仮名と漢字で書すことが通常であるところ、これを「メディアひかり」、「MEDIAひかり」のように平仮名や欧文字に置き換えて書したとしても、それにより識別力が生じるものでない。 (7)むすび 本件商標は、「メディアひかり」及び「MEDIA光」の文字からなるところ、「メディア」、「MEDIA」、「ひかり」、「光」は識別力を有しない語であること、また、これらの語に係る実情については上記のとおりである。 そうすると、本件商標をその指定役務中、光ファイバー(回線)を用いたいずれの役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に役務の質を表示した語と認識するにとどまるから、本件商標は、自他役務識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、かつ、上記以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、商標登録を受けることができないものである。 3 当審の判断 (1)本件商標は、前記1のとおり、「メディアひかり」及び「MEDIA光」の文字からなるところ、その構成文字は、いずれも同書、同大、同間隔で、まとまりよく一体に表され、これから生じる「メディアヒカリ」の称呼も、格別冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。 (2)申立人提出の甲各号証及び職権調査によれば、本件商標の指定役務中、「光ファイバーケーブルを用いた電気通信(放送を除く。)」など、光ファイバー(回線)を用いた役務との関係において、「メディア」、「MEDIA」、「ひかり」及び「光」の各文字(語)は、いずれも自他役務識別標識としての機能がないか、極めて弱いものといえる。 しかしながら、「メディアひかり」及び「MEDIA光」の文字は、それぞれ「メディア」と「ひかり」及び「MEDIA」と「光」の語を結合してなるものと認識し得るものの、これらの語を組み合わせてなる「メディアひかり」及び「MEDIA光」の文字が、特定の意味合いを想起、認識させるものと認め得る証左は見いだせない。 そうとすれば、本件商標を構成する「メディアひかり」及び「MEDIA光」の各文字は、光ファイバー(回線)を用いた役務との関係においても、看者をして該役務の質を表示したものとして認識されることなく、むしろ「メディアひかり」及び「MEDIA光」の各構成文字全体をもって、特定の意味合いを有しない一体不可分の造語として認識、把握されるものと判断するのが相当である。 また、申立人の主張は、「メディアひかり」及び「MEDIA光」の文字が、本件指定役務について、具体的に如何なる役務の質を表すものであるのか明らかではないが、職権をもって調査するも、本件商標の登録査定時において、それらの文字が、本件指定役務の質等を表示するものとして一般に使用されている実情は発見できないし、役務の質等を表示するものと認識されるというべき事情、及び自他役務識別標識としての機能を有しないというべき事情も発見できなかった。 なお、申立人は、本件商標と同一称呼の「MEDIAひかり」を検索すると、ヒットするのは申立人のサイトが大部分であり、「メディアヒカリ」の称呼を生じる商標を使用しているのは商標権者に限るものではない旨主張しているが、申立人の使用のみによっては、該称呼を生じる文字が一般に使用されているとはいえない。 (3)してみれば、「メディアひかり」及び「MEDIA光」の文字からなる本件商標は、これをその指定役務中、「光ファイバー(回線)を用いた役務」に使用しても、自他役務識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。 また、本件商標がその指定役務の質を表示するものといえないものであるから、本件商標は、これをその指定役務に使用しても、役務の質の誤認を生じるおそれがあるものともいえない。 (4)したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する |
異議決定日 | 2016-05-11 |
出願番号 | 商願2015-7865(T2015-7865) |
審決分類 |
T
1
651・
13-
Y
(W38)
T 1 651・ 272- Y (W38) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 堀内 真一 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 平澤 芳行 |
登録日 | 2015-10-09 |
登録番号 | 商標登録第5799071号(T5799071) |
権利者 | メディアウェイブシステムズ株式会社 |
商標の称呼 | メディアヒカリ、メディア |
代理人 | 飯田 昭夫 |
代理人 | 上田 千織 |
代理人 | 安藤 敏之 |
代理人 | 江間 路子 |