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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W03 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W03 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W03 |
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管理番号 | 1314528 |
審判番号 | 不服2015-22631 |
総通号数 | 198 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2016-06-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-12-24 |
確定日 | 2016-05-23 |
事件の表示 | 商願2015-14893拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲のとおりの構成からなり,第3類,第21類及び第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成27年2月19日に登録出願され,その後,指定商品及び指定役務については,審判請求と同時に提出された同年12月24日付けの手続補正書により,第3類「せっけん類,化粧品」に補正されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,拒絶の理由に引用した登録第5349967号商標(以下「引用商標」という。)は,「THE-FARM」の文字を標準文字で表してなり,平成22年2月3日に登録出願,第3類「せっけん類,香料類,化粧品」,第41類「娯楽のための貸し農園の提供,観光牧場の提供」及び第43類「宿泊施設の提供,レストランでの飲食物の提供,キャンプ場の提供」を指定商品及び指定役務として,同年9月3日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標 本願商標は,別掲のとおり,二重線による円図形の中央よりやや下部に,円図形内に収まるように帯状の線を水平に配し,その帯状の線の中に白抜きで「FARM」の欧文字が書され,その背後に3枚の葉からなる植物の図形が配された構成からなるものであって,その構成より,文字部分と図形部分とは明瞭に区別して認識することができるものである。 そして,本願商標中の「FARM」の文字部分は,「ファーム」と発音し,「農場」を意味する平易な英語(ジーニアス英和辞典第5版)である一方,本願商標中の図形部分から,直ちに特定の称呼及び観念は生じないものである。 そうすると,本願商標は,文字部分と図形部分とからなる結合商標であるところ,両部分は,外観上明瞭に区別して認識することができること,かつ,観念的なつながりも認められないことからすると,本願商標の文字部分と図形部分は,これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められないものであるから,それぞれが独立して商品の出所識別標識として機能し得るものと認められる。 したがって,本願商標からは,その構成中の「FARM」の文字部分に相応して,「ファーム」の称呼及び「農場」の観念を生じるものである。 (2)引用商標 引用商標は,上記2のとおり,「THE」及び「FARM」の欧文字を「-」(ハイフン)を介して「THE-FARM」と一連に標準文字で表してなるものであり,その構成文字は,同じ書体,同じ大きさで等間隔にまとまりよく一体に表されているものであって,その構成文字全体から生じる「ザファーム」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。 そして,本願商標の構成中の「THE」の文字部分は,「その,この,あの,例の」を意味する英語の定冠詞であり,また,同構成中の「-」(ハイフン)は,「2語以上の単語,または接頭辞,selfなどのついた単語を1つの語(複合語)として表記する」(以上,前掲英和辞典)ものであるから,当該文字部分の意味及びハイフンの機能からすれば,本願商標に接する取引者,需要者が,「THE-」の部分を捨象して「FARM」の文字部分のみに着目するというより,むしろ本願商標全体をもって一体のものと認識,把握するとみるのが自然である。 そうすると,引用商標からは,「ザファーム」の称呼及び「(その)農場」の観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標の要部である「FARM」の文字部分と引用商標とを対比すると,まず,外観については,両者は,「THE-」の有無という顕著な差違を有するから,外観は明らかに相違する。次に,称呼については,両者は,本願商標が3音,引用商標が4音構成と比較的短い称呼にあって,最も聴取しやすい語頭音における「ザ」の有無の明確な差異を有するものであり,この差異音が両称呼に与える影響は決して小さなものとはいえないから,それぞれを一連に称呼した場合には,語調,語感を異にし,互いに聴別し得るものである。そして,観念については,両商標は,「農場」の観念を共通にする。 そうすると,本願商標の要部である「FARM」の文字部分と引用商標とは,「農場」の観念が同一であるとしても,両者の外観は著しく相違し,かつ,称呼においても相紛れるおそれはないものである。 そして,本願商標のその他の構成要素を勘案しても,両商標が類似の商標であると判断すべき特段の事情は見いだせない。 したがって,本願商標と引用商標とは,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に考察すると,商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない非類似の商標というべきである。 (4)まとめ 以上のとおり,本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標) |
審決日 | 2016-04-26 |
出願番号 | 商願2015-14893(T2015-14893) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
WY
(W03)
T 1 8・ 262- WY (W03) T 1 8・ 261- WY (W03) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小松 里美 |
特許庁審判長 |
田中 幸一 |
特許庁審判官 |
冨澤 武志 早川 文宏 |
商標の称呼 | ファーム |
代理人 | 坂口 信昭 |
代理人 | 坂口 吉之助 |