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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201513171 審決 商標
不服2016260 審決 商標
不服201513765 審決 商標
不服20159313 審決 商標
不服201516550 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W24
管理番号 1314518 
審判番号 不服2015-7668 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-04-24 
確定日 2016-05-06 
事件の表示 商願2014- 72148拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「HYBRID UMOU」の欧文字と「ハイブリッドウモウ」の片仮名を上下二段に普通に用いられる方法で横書きしてなり,第24類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし,平成26年8月28日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同27年1月20日付けの手続補正書をもって「羽毛布団,羽毛布団用布団カバー,羽毛布団用の布団側,羽毛まくら用カバー,羽毛を用いた毛布」と補正されたものである。

2 当審における拒絶理由
当審において,請求人に対し,平成27年10月23日付けで,本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして,要旨以下のとおりの拒絶の理由を通知し,期間を指定して,これに対する意見を求めた。
本願商標は,上記1のとおりの構成文字及び指定商品よりなるところ,その構成中の「HYBRID」及び「ハイブリッド」の文字は,「異種のものを組みあわせたもの」を意味するものとして親しまれた語であって,「UMOU」及び「ウモウ」の文字は,本願商標の指定商品の関係から「羽毛」を認識させるものであるから,本願商標は,全体として「羽毛と異種のものを組みあわせたもの」程度の意味合いを容易に想起させるものである。
そして,別掲に示す当審における職権調査によれば,本願指定商品を取り扱う業界において「ハイブリッド羽毛」の文字は,布団の詰め物として羽毛と合成繊維等の異なる材料を機能的に組み合わせて構成した商品を示すものとして認識・使用されていることが認められる。
これより,本願商標を,その指定商品に使用しても,これに接する取引者・需要者は,本願商標を,「ハイブリッド羽毛」の欧文字及び片仮名表記であると想起し,商品の品質を表示するものとして認識するにすぎず,自他役務の識別標識とは認識されないもといわざるを得ないから,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審における拒絶の理由に対する請求人の意見
請求人は,上記2の「拒絶理由」に対して,平成26年7月11日付け意見書を提出し,要旨以下の主張をしている。
本願商標は「HYBRID UMOU」の欧文字と「ハイブリッドウモウ」の片仮名を上下2段に表示してなるところ,各構成文字が同書,同大,同間隔をもって書されていて,外観上まとまりよく一体的に表現されており,また,これより生ずる「ハイブリッドウモウ」の称呼も,よどみなく一連に称呼し得るものである。
かかる構成態様からすれば,本願商標は構成文字全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そうだとすれば,その構成文字の「HYBRID」及び「ハイブリッド」若しくは「UMOU」及び「ウモウ」の文字が,それぞれ,上記説示の意味合いで理解され,使用されている場合があるとしても,これらを組み合わせた本願商標の構成文字全体から具体的な商品の品質等を認識させるものとはいい得ないものである。
次に,合議体は,職権調査の結果に基づいて,「ハイブリッド羽毛」は「『布団の詰め物として羽毛と合成繊維等の異なる材料を機能的に組み合わせて構成した商品』を示すものとして認識・使用されていることが認められる」としている。
しかしながら,職権調査によって明らかになった事実は,「ハイブリッド羽毛布団」,「ハイブリッド羽毛ふとん」,「羽毛&羊毛ハイブリッド掛け布団」,「ハイブリッド羽毛肌掛フトン」及び「ハイブリッド羽毛側」が,本願指定商品を取り扱う業界において,商品の品質を表示するものとして,取引上使用されている場合があることを示すものであり,「ハイブリッド羽毛」そのものではない。
さらに,職権調査によって明らかになった事実は,「ハイブリッド羽毛布団」等の使用事実を示すものに過ぎず,「HYBRID UMOU」の欧文字又は「ハイブリッドウモウ」の片仮名が本願指定商品を取り扱う業界において,取引上,一般に使用されているという事実ではない。
したがって,本拒絶の理由は,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当すると判断した論理の過程を的確に示したものということはできず,本願商標を拒絶する理由とはなり得ないものである。

4 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標中の「HYBRID」及び「ハイブリッド」の文字は,「異種のものを組みあわせたもの」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味するものとして親しまれた語であって,また,「UMOU」及び「ウモウ」の文字は,本願商標の指定商品の関係から「羽毛」を認識させるものであるから,これらの文字を結合し「HYBRID UMOU」及び「ハイブリッドウモウ」と書した本願商標は,全体として「羽毛と異種のものを組みあわせたもの」程度の意味合いを容易に想起させるものである。
そして,別掲に示す事実に照らせば,本願商標の指定商品である「羽毛布団」等を取り扱う業界においては,布団の中綿として,中央部分に羽毛,両端にはマイクロファイバー綿を使用している商品「布団」について「ハイブリッド羽毛布団」の表示が使用されていること(別掲の1),さらに,詰め物として中央部分に羽毛及び側部分にポリエステルを用いた商品「布団」(別掲の2,3及び5ないし10),並びに,上層部分に羽毛及び下層部分にウールを用いた商品「布団」(別掲の4)について「ハイブリッド羽毛ふとん」等の表示が使用されていることが認められる。
これより,本願指定商品を取り扱う業界においては,布団の詰め物として羽毛と合成繊維等の異なる材料を機能的に組み合わせて構成した商品「布団」について,「ハイブリッド羽毛布団」又は「ハイブリッド羽毛ふとん」の表示を使用している実情が認められることから,当該表示中の「ハイブリッド羽毛」の部分が,「羽毛と合成繊維等の異なる材料を機能的に組み合わせたもの」程の意味合いにおいて,商品「布団」についての品質を表示するものといえる。
そして,「ハイブリッド羽毛」より生ずる意味合いは,これとその称呼を同じくする本願商標より想起させる「羽毛と異種のものを組みあわせたもの」の意味合いにも相応するものである。
そうすると,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者(一般の需要者を含む。)は,本願商標を,「ハイブリッド羽毛」の欧文字及び片仮名表記であると想起し,「ハイブリッド羽毛」と同様にその商品について「羽毛と合成繊維等の異なる材料を機能的に組み合わせて構成した商品」又は「羽毛と合成繊維等の異なる材料を機能的に組み合わせて構成した商品用のもの」程度の意味合いを極めて容易に認識するというべきである。
このように,本願商標は,商品の品質を表示するものとして認識される蓋然性が高く,また,本願商標の態様上顕著な特徴は認められない。そうすると,本願商標は,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって,自他商品の識別標識としての機能を有しないものといわざるを得ない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,本願商標の指定商品に係る取引者・需要者の間では,「HYBRID UMOU」の欧文字又は「ハイブリッドウモウ」の片仮名が本願商標の指定商品を取り扱う業界において,取引上,一般に使用されているという事実は見受けられない一方,職権調査によって明らかになった事実は,「ハイブリッド羽毛布団」等の使用事実を示すものに過ぎず,「HYBRID UMOU」の欧文字又は「ハイブリッドウモウ」の片仮名が本願商標の指定商品を取り扱う業界において,取引上,一般に使用されているという事実ではない旨主張する。
しかしながら,商標法第3条第1項第3号は,取引者,需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき,それ故に登録を受けることができないとしたものであって,該表示態様が,商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか,現実に使用されている等の事実は,同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年9月4日東京高裁平成12年(行ケ)第76号)から,たとえ,「HYBRID UMOU」の欧文字又は「ハイブリッドウモウ」の片仮名が,その指定商品を取り扱う業界において,商品の品質等を表示するものとして,実際に使用されている事実が存在していないとしても,取引者,需要者によって,当該商品の品質等を一般に認識するものといえるならば,本願商標が商品の品質等を表示するものであると認定,判断することの妨げにはならない。そして,本願商標が,その指定商品について商品の品質等を表示するものであると認識されることは,上記(1)のとおりである。
イ 請求人は,「HYBRID」又は「ハイブリッド」の語と普通名称や原材料表示からなる他の登録商標の実例を挙げて,本願商標と同様の結合商標が多数登録されている旨主張するが,登録出願に係る商標が登録され得るか否かの判断は,指定商品・役務等の取引の実情を考慮し,当該商標の全体の構成に基づいて,個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであるから,請求人主張に係る登録商標の実例は,上記判断を左右するものではない。
ウ したがって,上記の請求人の主張はいずれも採用できない。
(3)まとめ
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標の指定商品を取り扱う業界における「ハイブリッド」の文字の使用について,当審における職権調査によれば,以下の事実が認められる。
1 「Debut!通販」のウェブサイトにおいて,「ハイブリッド羽毛布団2点セット」の見出しの下,布団の写真とともに「羽毛を使っているのにリーズナブル。その秘密は,布団の中央に羽毛を集めた特殊設計。就寝時に体の上になる中央部分に羽毛,両端はマイクロファイバー綿を使用して冷気をシャットアウト。価格を抑えながらも品質も保っています。」及び「■掛布団/150×210cm●側地:ポリエステル100%(ピーチスキン加工)●中綿:ホワイトダックダウン70%,スモールフェザー30%・0.6kg,マイクロファイバー0.8kg」との記載がされている。
2 「シャディ Gift&Shopping」のウェブサイトにおいて,「両サイドポリわた入ハイブリッド羽毛ふとん」の見出しの下,布団の写真とともに「材質」の項に「●ふとんがわ=ポリエステル80%・綿20%・詰めもの=(中央)ダウン50%・スモールフェザー50%(約0.6kg)・(両サイド)ポリエステル100%(約0.8kg)」との記載がされている。
3 「ポンパレ モール」のウェブサイトにおいて,「カテキン加工ハイブリッド羽毛ふとん SUG-16557 【送料無料】」の見出しの下,布団の写真とともに「●ふとんがわ=ポリエステル100%・詰めもの=(センター部分)ダウン50%・フェザー50%(約0.2kg)・(サイド部分)ポリエステル100%(約0.4kg)」との記載がされている。
4 「YAHOO! JAPAN ショッピング」のウェブサイトにおいて,「快眠ふとん*まくらの羽島」の見出しの下,布団の写真とともに「羽毛&羊毛 ハイブリッド掛け布団」の項に「●詰め物(上層):ポーリッシュ(ポーランド産)ホワイトグースダウン90%,フェザー10% 1.0kg●詰め物(下層):ウール100%(西川牧場)0.5kg」との記載がされている。
5 「大進オンライン」のウェブサイトにおいて,「ハイブリッド羽毛ふとん」の見出しの下,布団の写真とともに「ハイブリッド羽毛ふとん の商品内容」の項に,「●ふとんがわ=ポリエステル100%・詰めもの=(中央)ダウン50%・スモールフェザー50%(約0.1kg)・(両サイド)ポリエステル100%(約0.3kg)」との記載がされている。
6 「amazon.co.jp プライム」のウェブサイトにおいて,「ティツィアナ・ガロ ハイブリッド羽毛ふとんピンク TF-2180」の見出しの下,布団の写真とともに「●素材 側地/ポリエステル100% 中綿/センター:ダウン50%・スモールフェザー50%(0.2kg)●サイド:ポリエステル100%(0.3kg)」との記載がされている。
7 「HANNE」のウェブサイトにおいて,「ハイブリッド羽毛ふとん&掛カバーHUF-2625」の見出しの下,布団の写真とともに「材質:ふとん:(側地)ポリエステル100%,(詰めもの中央)ダウン50%・スモールフェザー50%(0.4kg),(詰めものサイド部分)ポリエステル100%(0.8kg),掛カバー:ポリエステル65%・綿35%」との記載がされている。
8 「NETSEA」のウェブサイトにおいて,「【代引不可】両サイドポリわた入ハイブリッド羽毛ふとん 寝具」の見出しの下,布団の写真とともに,「商品詳細 規格」の項に,「カラー:素材:●ふとんがわ=ポリエステル80%・綿20%・詰めもの=(中央)ダウン80%・スモールフェザー20%(約0.6kg)・(両サイド)ポリエステル100%(約0.8kg)」との記載がされている。
9 「香典返し専門店 創贈館」のウェブサイトにおいて,「両サイドポリわた入 ハイブリッド羽毛ふとん(グリーン)(28%off)」の見出しの下,布団の写真とともに,「ふとんがわ ポリエステル80% 綿20% 詰めもの (中央)ダウン80% スモールフェザー20%(約0.8kg)」との記載がされている。
10 「Wonderful Watch Shop」のウェブサイトにおいて,「四紀季行 ハイブリッド羽毛肌掛フトン2枚セット (S-SAHT-14-2)【ギフト好適品/激安】」の見出しの下,布団の写真とともに,「●フトンガワ=ポリエステル100%・詰メモノ=(中央)ダウン50%・フェザー50%(約0.2kg)・(両サイド)ポリエステル100%(約0.4kg)」との記載がされている。
11 「日刊繊維総合紙 繊維ニュース」のウェブサイトにおいて,「2014年04年14日(月曜日)午後1時57分」及び「日刊繊維総合紙 繊維ニュース」の見出しの下,「ふとん地製造卸が展示会/新羽毛側 多様に提案/高機能素材やニットも」の見出しの下,「ふとん地製造卸の展示会が8?11日,大阪市内でそれぞれ開かれた。各社とも盛況で,高騰・不足する羽毛に対応した羽毛ふとん用生地・側(中わたを入れる前の半製品)や,機能性を高めた商材を提案した。(中略)エスジーテックは合成繊維の生地,側でまず展開する。また側を2層に分けて上層に人工羽毛,下層に羽毛を充填できるTTCハイブリッド羽毛側などを提案した。」との記載がある。
審理終結日 2016-02-25 
結審通知日 2016-03-07 
審決日 2016-03-23 
出願番号 商願2014-72148(T2014-72148) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W24)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 齋藤 貴博小松 里美 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 前山 るり子
早川 文宏
商標の称呼 ハイブリッドウモウ、ハイブリッドウモー、ハイブリッド 
代理人 特許業務法人スズエ国際特許事務所 

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