• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X09
管理番号 1314476 
審判番号 取消2015-300274 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-04-15 
確定日 2016-04-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第5202667号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5202667号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成19年7月12日に登録出願,第9類「業務用テレビゲーム機,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第41類「電子出版物の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,音楽の演奏,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,インターネット・携帯電話等による通信を用いて行うゲームの提供」を指定商品及び指定役務として,平成21年2月6日に設定登録されたものである。
なお,本件の審判請求の登録日は,平成27年5月1日である。

第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取り消す,審判費用は,被請求人の負担とする,との審決を求め,審判請求書,弁駁書及び口頭審理陳述要領書等において,その理由及び答弁に対する弁駁等を要旨次のように述べ,甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品及び指定役務について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により,その登録は取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)商標的使用に該当しないこと
ア 商標的使用の一般論
商標的使用といえるためには,標章(本書面において「標章」とは,登録商標と外形的に同一であり,商標としての機能を果たしているものだけでなく,その機能を果たしていないものも含む。)が形式的に使用されているだけでなく,商標の本質的機能である出所識別機能を発揮する態様で使用されていることが必要である。そして,実際の使用態様が,品質(内容)を表したに過ぎない記述的なものにとどまる場合には,出所識別標識として使用されておらず,商標的使用に該当しない。
レコードを指定商品とする場合,標章の表示が,アーティスト名を表示したにすぎない場合には,その標章はレコードの品質(内容)を表したものにすぎず(平成25年12月17日判決,知財高裁平成25年(行ケ)第10158号,平成22年2月3日審決・取消2009-300759号参照),出所識別標識としての使用がなく,商標的使用に該当しない。
イ 乙第1号証について
乙第1号証は,「Star Line/Smile」という曲を格納したシングルCDのジャケットであり,ジャケット下部に,本件商標と外形上同一のロゴマーク(以下「本件標章」という。これには本件商標と社会通念上同一の標章も含まれる。)が表示されている。
CDを選ぶ需要者にとって,曲名とアーティストが重要な選択要素であり,通常CDのジャケットにはこれらの情報が記載されるところ,乙第1号証の表示態様からすれば,表示に接する者は,「Star Line/Smile」という楽曲を演奏・歌唱しているアーテイストが「GENKI ROCKETS」であると認識することが明らかである。以上より,本件標章は,アーティスト名を表示する品質(内容)表示機能を有するにすぎず,出所識別機能を有するものではない。
したがって,乙第1号証の本件標章の表示は,出所識別標識として機能しておらず,商標的使用に該当しない。
ウ 乙第2号証について
乙第2号証を見ると,「30年後の18歳・LUMIがフロントアクトを務めるコンセプチュアル・バンド=元気ロケッツが放つ,世代/ジャンル/国境までも越えて広がる最新型のメッセージ!」として,本CDのアーティスト(バンド)が「元気ロケッツ」であると表示されており,本件標章はアーティスト名の表示であることが明らかである。
これに対して,デザイン化された「a」の白抜き文字とともに「avex trax」と表示するロゴ(以下「avexロゴ」という。)があり,さらに「発売・販売元:エイベックス・マーケティング株式会社」(以下「エイベックス・マーケティング」という。)との表示がある。まさにこれが本CDの販売者である「出所」を表している(平成16年7月14日審決・取消2003-30720号参照)。
したがって,乙第2号証の本件標章の表示は,出所識別標識として機能しておらず,商標的使用に該当しない。
エ 乙第5号証について
乙第5号証は,本件標章が女性の顔の頬部に表示されており,アルバム「Smile」のアーティストの表示であることが明らかである。乙第2号証と同様,本アルバムの出所識別機能は,avexロゴが果たしている。
したがって,乙第5号証の本件標章の表示は,出所識別標識として機能しておらず,商標的使用に該当しない。
オ 乙第6号証について
乙第6号証も乙第5号証と同様に,本件標章が表示されているが,使用態様からみて,「Star Line/Smile」のアーティストの表示であることが明らかである。出所識別機能は,avexロゴが果たしている。
したがって,乙第6号証の本件標章の表示は,出所識別標識として機能しておらず,商標的使用に該当しない。
カ 以上より,被請求人提出の上記証拠について,本件標章の表示は,アーティストを明らかにし,商品の品質(内容)を表わす機能を有するにとどまり,出所識別標識として機能しておらず,商標的使用に該当しない。
(2)使用許諾を基礎づける証拠の不存在
本審判において被請求人が立証責任を負うのは,「被請求人と,本件商標の使用者との間の使用許諾の有無」である。乙第3号証及び乙第4号証はこれを証明する証拠に当たらない。
以上より,被請求人が,エイベックス・ミュージック・クリエイテイヴ株式会社(以下「エイベックス・ミュージック」という。)等に対して,本件商標の使用を許諾したことを認めるに足りる証拠はない。
(3)結論
以上によれば,被請求人提出の全ての証拠について,被請求人または被請求人から使用許諾を受けた者が,本件商標について商標的使用を行ったことを認めるに足りる証拠はない。
3 口頭審理陳述要領書(平成27年11月10日付け)
(1)取消対象商標は出所識別機能を有していないこと
ア 請求人引用判例について
被請求人提出の口頭審理陳述要領書における主張の概要は,Genki Rocketsというアーティストが著名でないため,知財高裁平成25年10158号判決の射程の範囲外であるというものと解される。なお,以下便宜上,標章としての表示を「Genki Rockets」とし,アーティストとしての表示を「元気ロケッツ」という。
しかし,同判決は,「極めて著名であること」を識別力否定の要件としているのではなく,「当該商標に接する者が,レコード等の指定商品の内容を表示したものと認識するかどうか」という判断過程において,「LADY GAGA」が広く知られているアーティストであることを認定し,当該商標は商品の内容表示になっており,出所識別機能を果たしていないと判断したものである。つまり著名でないがゆえに出所識別機能を果たすとのことを認定したものではない。
すなわち,著名でなければ,商標に接する者は,これが出所を表すものかどうか分からない状態といえる。したがって,著名でないことをもって,出所識別機能を有するとはいえない。
イ 元気ロケッツについて
特許庁は,平成27年1月5日,標準文字からなる商標「Genki Rockets」(商願2014-075190・登録第5759948号)について,「この商標登録出願に係る商標は,・・・著名な音楽ユニット『Genki Rockets』の文字よりなるものである」とし,商標法第4条第1項第8号(他人の著名な芸名を含む商標)に骸当する旨認定し,拒絶理由通知を発した(甲1)。すなわち,特許庁は,アーティストとしての元気ロケッツが著名であると認定した。
ウ 被請求人の示した証拠について
被請求人が示した証拠はいずれも「元気ロケッツ」のコンテンツを収めたレコ?ド等に「Genki Rockets」の標章をジャケットやレコ?ド等の帯に目立つように付したものであるから,これらの使用態様は,レコード等の品質表示機能を果たす標章の付され方である。
エ 小括
以上より,被請求人の示した証拠に係るレコ?ド等に付された本件取消対象商標に接した者は,商品の品質表示であると認識するので,本件取消対象商標は,出所識別機能を果たしておらず,商標的使用が認められない。なお,元気ロケッツは著名なアーティストといえるのでなおさらである。
(2)取消対象商標は他のアーティストのコンテンツには付されていないこと
被請求人は,本願商標に接することにより,エイベックス・ミュージックないしキューエンタテインメント株式会社(以下「キューエンタテインメント」という。)という出所を認識することになるから,出所識別機能を果たしている旨主張する。
しかし,仮に,被請求人の論理により出所が識別できたと認める場合があるとしても,被請求人の主張は誤りである。
なぜなら「Genki Rockets」はレコ?ド等の品質(誰の音楽かなど)を表わす機能が直接的な機能であり,そのレコ?ド等のコンテンツが実際に元気ロケッツの音楽である場合に需要者は出所を認識しているにすぎない。つまりレコード等のコンテンツが元気ロケッツ以外である場合にまで「Genki Rockets」との文字列によって出所の認識がなされることはない。したがって,「Genki Rockets」の文字列は商標的機能を果たしていない。これを裏付けることとして,エイベックス・ミュ?ジックないしキューエンタテインメントが,元気ロケッツの音楽を収めたレコ?ド等以外には「Genki Rockets」の文字列を用いない点が挙げられる。
すなわち「Genki Rockets」の文字列が出所表示機能を実際に果たしていると被請求人自身が考えているのであれば,元気ロケッツ以外のアーティストのコンテンツのレコ?ド等に,「Genki Rockets」の文字列を使用していることを主張するはずである。しかしこのような主張は行われていない。そのことは,「Genki Rockets」の文字列からなる標章には出所表示機能が存在しないと被請求人自身が考えているからに他ならない。
(3)乙第7号証及び乙第8号証について
被請求人より提出された乙第7号証及び乙第8号証についても,レコ?ドの内容を表示したにとどまり,出所の表示にあたらず,出所識別機能を果たしておらず商標的使用に該当しない。
(4)使用許諾について
使用許諾の証拠が不存在であるとの点について,従前の主張のとおりである。
4 上申書(平成28年1月6日付け)
「元気ロケッツ」なる文字列がアーティスト名を表わしている点については争いがない。
被請求人は,アーティスト名は,品質(内容)表示機能を発揮するとしても,同時に出所識別機能を発揮し得る旨を主張している(なお,出所「識別」機能は,厳密には出所「表示」機能のことを意味すると考えられる。)。
しかし,アーティストという品質(内容)表示が出所表示機能を発揮し得るという評価が可能だとすると,例えば特定のアーティストが所属会社を変更した場合,当該アーティスト名の表示が,直ちに別会社(当初の所属会社)を表示するものと評価されることになる。
商標の出所表示機能は,商標の間接的な機能であってはならず直接的な機能でなければならない。直接的な機能でなければ出所と商標との関係が社会的にみて強固で信頼できる関係であると認められないからである。強固で信頼できる関係でなければ,つまり品質を介してのみ出所表示機能を発揮できるような商標の場合には社会的な流通秩序の維持を図るには不十分である。つまり,品質表示(アーティスト名の表示)から間接的に出所の認識ができたとしても,これが商標法が求めている商標の出所表示機能の発揮ということはできない。本件商標は,この出所表示機能を発揮していないのであるから,被請求人が主張する使用によっては標章の表示に信用が化体しているとはいえず,独占権として保護すべき理由もない。

第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,答弁書及び口頭審理陳述要領書等において,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
1 答弁の理由
(1)使用者
本件商標は,商標権者であるキューエンタテインメント,及びエイベックス・ミュージックによって,曲名StarLine,曲名Smileを格納する録音済みコンパクトディスクに商標として使用されている。
この録音済みコンパクトディスクはAmazonのネット販売を通して販売されたものである。
このウェブサイトを開き,画面のStarLine/Smileの商品をクリックするとこの商品が出てくる。この透明なコンパクトディスクケースのフロントジャケットの左端にはロケットの図柄,アルファベットでGENKI ROCKETS,このGENKI ROCKETSの右上段に「元気ロケッツ」の商標が印刷されている。この商標は,登録された商標と同一の商標である。インターネット画面からプリントしたフロントジャケットをここに,乙第1号証として添付する。
また,コンパクトディスクケースのサイドキャップあるいはラベル帯といわれる(乙2)には,ロケットの図柄が上段に,アルファベットのGENKI ROCKETSがその右側に一列に大きく表示されている。この商標は,本件商標と社会的に同一の商標である。
さらに,サイドキャップの黒枠の中には,このコンパクトディスクの発売・販売元であるエイベックス・マーケティングの社名が印刷されている。エイベックス・マーケティングは,キューエンタテインメントから商標を使用許諾されている会社であり,平成26年7月1日の商号変更により,「エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ株式会社」となったことを,平成26年6月24日付のエイベックス・グループ・ホールディングス株式会社の子会社の商号変更に関するお知らせで立証する(乙3)。
なお,エイベックス・ミュージックの現住所は,エイベックス・グループのHPのグループ会社一覧の画面のプリントアウトで立証する(乙4)。
(2)使用時期
CDジャケットの裏面及びCDROMの表面には,Cを丸で囲むマーク(Copyright(著作権)を表す。以下「丸Cマーク」という。)の後ろに,「Q Entertainment Inc.」(キューエンタテインメント)の名前があり,Pを丸で囲むマークの後ろに印刷年を示す「2008,AVEX ENTERTAINMENT INC.」と印刷されている。したがって,商標の使用は,CDが製造された年である2008年には始まり,現在にかけてアマゾンのウェブサイトに展示され,そこを通して販売され提供されている(乙5,乙6)。
(3)使用商品
この商標が使用されている商品は「録音済みコンパクトディスク」であり,これは,本件商標の指定商品の「レコード」に対応する。
(4)商標権者と使用者との関係
この録音済みコンパクトディスクの発行者のエイベックス・ミュージックは,本商標権者のキューエンタテインメントから,商品「録音済みコンパクトディスク」に本件商標の使用許諾を受けている通常使用権者である。
したがって,本件商標は,その指定商品に商標権者及び通常使用権者によって取消審判請求前から使用されている。
2 口頭審理陳述要領書(平成27年10月28日付け)
(1)合議体の暫定的見解に対する意見
通常使用権の許諾について
通常使用権者としての使用許諾は,書面又は口頭の形式をとりうる。商標権者は,口頭により,エイベックス・ミュージックを本件商標の通常使用権者として使用許諾している。使用許諾があったことは2008年頃からエイベックス・ミュージックがレコード(録音済コンパクトディスク)に本件商標を表示している(乙2,乙5,乙6)ことから争いのない事項である。
イ 本件商標の使用について
本件商標の使用は,商標法第2条第3項第1号又は同第8号に少なくとも該当する。
乙第1号証,乙第2号証,乙第5号証,乙第6号証では,レコード(録音済コンパクトディスク)という商品又は商品の包装に標章を付する行為が確認できる。これは,商標法第2条第3項第1号の使用に該当するものである。
また,上記乙号証に係るAmazonでのレコード(録音済コンパクトディスク)のネット販売の態様(乙1)は,レコード(録音済コンパクトディスク)という商品の広告等を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する。これは商標法第2条第3項第8号の使用に該当するものである。
なお,本件商標は,CDが製造された年である2008年(乙2,乙5,乙6)から,現在にかけてAmazonのウェブサイトに展示・広告され(乙1),そこを通してCDが販売され提供されることによって継続的に使用されている。
(2)請求人提出の平成27年8月11日付け弁駁書の主張に対する意見
商標の機能には,出所表示機能,品質保証機能,広告宣伝機能があると一般に解されているところ,請求人は,弁駁書において,判決を引用し,本件商標には出所識別標識としての機能がなく,商標的使用に該当しないと主張している。
しかしながら,当該判例は「LADY GAGA」という極めて著名な歌手名の事例であって,本件商標にはその射程は及ばない。
当該判例においては「・・・表示された人の名称やグループ名が,著名な歌手名・音楽グループ名である場合には,取引者,需要者は,これを商品の品質(内容)とのみ認識し,それとは別に,当該商品の出所を表示したものと理解することは通常困難であると認められる。」と結論付けられている。
よって,LADY GAGAのような極めて著名な歌手名,音楽グループ名ではない場合,歌手名・音楽グループ名を見た取引者,需要者は,その歌手名,音楽グループ名を通じて商品の出所についても認識する。
例えば,本件商標を見た取引者,需要者は,歌手名,音楽グループ名により,商品の品質(内容)を認識するとともに,その出所である「エイベックス・ミュージック」又は「キューエンタテインメント」を認識する。
特に,歌手名・音楽グループの所属先等出所(エイベックス・ミュージック又はキューエンタテインメント)が有名であればあるほど,歌手名,音楽グループ名を見た取引者,需要者は,その歌手・音楽グループの所属先等の出所を連想しやすい。
請求人は,「・・・『発売元・販売元:エイベックス・マーケティング株式会社』との表示がある。まさにこれが本CDの販売者である『出所』を果たしている(省略)。」,「・・・出所表示機能はavexロゴが果たしている」と主張しているが,本件商標と共に「エイベックス・ミュージック」又は「キューエンタテインメント」を継続的に使用することによって,取引者,需要者は本件商標を見てその出所を認識できるようになることから,本件商標に出所表示機能がないという請求人の主張は失当である。
このように,本件商標には出所識別機能としての機能があり,商標的使用に該当する。
さらに付言すると,「LADY GAGA」のような極めて著名な例を除き,歌手名,音楽グループ名の商標が識別標識として使用される。
したがって,本件商標について出所識別標識としての機能があることは否定できるものではなく,商標的使用に該当する。
(3)証拠の追加と使用事実の証明
ア 乙第7号証について
乙第7号証は,キューエンタテインメントのホームページの一部コピーである。これには,「2007年7月4日CD発売!元気ロケッツのCD,デビュー曲のHeavenly Starと新曲Breezeが収録された『Heavenly Star/Breeze』が2007年7月4日に発売されました。全国のCD販売店およびCD通販サイトなどでご購入いただけます。」という文章と共に本件商標が表示されている。また,ページ左上部には「Q?」のロゴの下に「Q ENTERTAINMENT」との記載がある。
当該商標の使用は,商標権者が,本件商標の指定商品である「レコード」(録音済コンパクトディスク)という商品の広告等を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する。これは商標法第2条第3項第8号の使用に該当するものである。
なお,本件商標を当該ホームページで見た取引者,需要者は,「Q ENTERTAINMENT」との表示があることから,「キューエンタテインメント」と本件商標との関連性について認識し,ひいては本件商標をみた際に商品の出所についても認識することができる。
このように,本件商標には出所識別標識としての機能があり,商標的使用に該当する。
イ 乙第8号証について
乙第8号証は,エイベックス ホームページの一部コピーである。ページ上部には本件商標の表示とともに,「Q ENTERTAINMENT Inc.」及び「avex music creativeInc.」の表示がある。そして本件商標が表示されている楽曲について,CD販売の広告,楽曲のダウンロード販売の広告がなされている。
ここで,本件商標の指定商品には,「レコード」,「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル」が含まれている。録音済コンパクトディスク(CD)は「レコード」に該当し,楽曲のダウンロード販売にかかる楽曲データは「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル」に該当する。
当該商標の使用は,「エイベックス・ミュージック」又は「キューエンタテインメント」が,「レコード(録音済コンパクトディスク)」又は「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル」という商品の広告等を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する。これは商標法第2条第3項第8号の使用に該当するものである。
なお,本件商標を当該ホームページで見た取引者,需要者は,上記の表示があることから,「エイベックス・ミュージック」又は「キューエンタテインメント」と本件商標との関連性について認識し,ひいては本件商標を見た際に商品の出所について認識することができる。
このように,本件商標には出所識別標識としての機能があり,商標的使用に該当する。
3 上申書(平成27年12月11日付け)
(1)「(1)取消対象商標は出所識別機能を有していないこと」に対する反論
ア 「ア 請求人引用判例について」に対する反論
請求人は,知財高裁平成25年(行ケ)10158号事件の判決に基づき,本件商標の出所識別機能を否定している。しかしながら,そもそも,当該事件で対象となった「LADY GAGA」は,世界的に著名な歌手名からなる標準文字の商標であるのに対して,本件商標は,Genki Rockets(元気ロケッツ)の装飾的な文字とロケットをあしらった図形からなるロゴマークの商標である。
標準文字の場合とは異なり,本件商標のようなロゴマークの場合,提出済の各証拠での本件商標の使用態様からも明らかなように,取引者,需要者は,単に歌手名を表示しているのではなく商標として使用しているということを容易に認識できる。
よって,当該事件の判決は,本件の射程外である。
また,上記の点を措いても,提出済の各証拠から明らかなように,被請求人は,本件商標と共に商標権者又は通常使用権者の名称を継続的に使用しており,当該使用によって,取引者,需要者は本件商標を見た際にその出所(つまり商標権者又は通常使用権者)を認識できるようになるので,本件商標は出所識別機能を有する。
さらに,請求人は「著名でなければ,商標に接する者は,これが出所を表すものかどうか分からない状態といえる。」と述べているが,先に説明したとおり,本件商標と共に商標権者又は通常使用権者の名称を継続的に使用することによって,その出所を認識できるようになるため,当該主張は誤りである。
イ 「イ 元気ロケッツについて」に対する反論
請求人は,甲第1号証を根拠として「特許庁は,アーティストとしての元気ロケッツが著名であると認定した。」と述べているが,これは一人の審査官の主観であり,現状,特許庁の「日本国周知・著名商標検索」データベースに,本件商標が登録されておらず,特許庁がそのような認定をしたとの主張は誤りである。
また,仮に日本国で著名であるとしても,世界的に極めて著名な「LADY GAGA」とその著名性の程度は異なるものであるため,このような観点からも,知財高裁平成25年(行ケ)10158号事件の判決の射程外である。
ウ 「ウ 被請求人の示した証拠」及び「エ 小括」に対する反論
請求人は,「被請求人が提出した証拠はいずれも「Genki Rockets」の商標をジャケットやレコード等の帯に目立つように付したものである」と述べているが,乙第7号証,乙第8号証では,本件商標が(CDジャケットの絵柄等とは別に)単体でウェブページ上に表示されているため,請求人の認識は誤りである。
さらに,請求人は「・・・付したものであるから,これらの使用態様は,レコード等の品質表示機能を果たす標章の付され方である。」,「・・・本件取消対象商標に接した者は,商品の品質表示であると認識するので,本件取消対象商標は,出所識別機能を果たしておらず,・・・」と述べている。
ここで,請求人は,「品質表示であると認識するので・・・出所識別機能を果たしておらず」というように品質表示機能と出所識別機能とがあたかも排他的なものであるかの主張を行っているが,両者は排他的な関係にあるものではない。
そして,本件の争点は,提出済の各証拠における本件商標の使用態様が商標的使用に該当するか否か(すなわち,出所識別機能を発揮しているか)であるので,品質表示機能の有無は問題とはならない。そして,既に主張しているとおり,本件商標と共に商標権者又は通常使用権者の名称を継続的に使用することによって,その出所を認識できるようになることから,出所識別機能を有するものである。
(2)「(2)取消対象商標は他のアーティストのコンテンツには付されていないこと」に対する反論
請求人は,「仮に,被請求人の論理により出所が識別できたと認める場合があるとしても,被請求人の主張は誤りである。なぜなら,『Genki Rockets』はレコード等の品質(誰の音楽かなど)を表す機能が直接的な機能であり,そのレコード等のコンテンツが実際に元気ロケッツの音楽である場合に需要者は出所を認識しているにすぎない。つまりレコード等のコンテンツが元気ロケッツ以外にある場合にまで『Genki Rockets』との文字列によって出所の認識がなされることはない。」と主張している。
続いて,請求人は,「(商標的機能を果たしていないことを)裏付けることとして,・・・,元気ロケッツの音楽を収めたレコード等以外には『Genki Rockets』の文字列を用いない点が挙げられる。すなわち,『Genki Rockets』の文字列が出所識別機能を実際に果たしていると被請求人自身が考えているのであれば,元気ロケッツ以外のアーティストのコンテンツのレコード等に,『Genki Rockets』の文字列を使用していることを主張するはずである。しかしこのような主張は行われていない。」と主張している。
しかしながら,請求人は「レコード等のコンテンツが元気ロケッツ以外にある場合にまで『Genki Rockets』との文字列によって出所の認識がなされることはない」などと述べているが,そもそも,本件商標は「Genki Rockets」との文字列ではなく,Genki Rockets(元気ロケッツ)の装飾的な文字とロケットをあしらった図形からなるロゴマークであるので,請求人の主張は本件商標の出所識別機能の有無に関して無意味である。
また,上記の点を措いても,本件の争点は提出済の各証拠における本件商標の使用態様が商標的使用に該当するか否かなのであるから,レコード等のコンテンツが元気ロケッツ以外にある場合に出所の認識がなされるかどうか,といった議論は無意味である。
さらに,どの商品・役務に本件商標を付するかは商標権者又は通常使用権者の裁量によるものにすぎないので,元気ロケッツ以外のアーティストのコンテンツのレコード等における本件商標の使用の有無は,本件商標の出所識別機能の有無に対して何の影響も与えるものではない。
(3)「(3)乙7及び8号証について」に対する反論
本件商標と共に商標権者又は通常使用権者の名称を継続的に使用することによって,その出所を認識できるようになることから,出所識別機能を有している。よって,請求人の主張は誤りである。
なお,請求人は「レコードの内容を表示したに留まり・・・」と述べているが,被請求人はレコードのみならず音楽ファイルについても証拠(乙8)を提出していることを付言する。また,乙第7号証及び乙第8号証については本件商標が(CDジャケットの絵柄等とは別に)単体でウェブページ上に表示されていることも併せて付言する。
(4)「(4)使用許諾について」に対する反論
通常使用権の許諾があることは疑いのない事項である。実際,通常使用権者として許諾がないのであれば,商標権者は使用停止を求めるはずであるが,2008年頃から継続的にエイベックス・ミュージックがレコード等に本件商標を継続的に表示していることから許諾があることは明らかである。
(5)証拠の追加と使用事実等の証明
ア 本件商標を付したコンパクトディスク(CD)の販売行為及び当該CDの在庫について
乙第9号証は,本件商標の通常使用権者であるエイベックス・ミュージックから,商標権者であるキューエンタテインメントへ支払われた,2015年1月?2015年3月までの印税計算書の一部である。
商品No「AVCD-31392」で特定される商品が,乙第1号証?乙第6号証に係るCDである(乙1の2ページ目の本件商標に係るロゴマーク下方,乙2のバーコード上方,乙6のCD表面記載の英字右下部を参照)。
乙第9号証の商品No「AVCD-31392」の欄から明らかなように,出荷枚数は「1」を示している。よって,要証期間内にCDの販売行為があったことが証明されるとともに,在庫が存在していたことも証明された。
したがって,本件商標は,商標法第2条第3項第1号,同第8号の使用はもちろんのこと,商標法第2条第3項第2号の使用(商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡等する行為)にも該当する。
イ 乙第8号証が要証期間内の証拠であることの証明について
乙第8号証についてインターネットアーカイブを発見できなかったものの,乙第9号証を用いて乙第8号証が要証期間内から存在していたものであることを説明する。
商品No「AVCD-31392」で特定される商品は,税込価格が1,234円,税抜価格が1,143円と記載されている。税抜価格1,143円に消費税8%分の91円分を加算した金額が税込価格1,234円となっている。
一方,乙第8号証に記載の商品No「AVCD-31392」で特定される商品は,税込1,200円と表示されている。ここで,2014年4月に消費税が5%から8%へと変更になったことは周知の事実である。税抜価格1,143円に消費税5%分の57円を加算すると1,200円となる。
すなわち,価格表示は消費税増税前の記載のままとなっているという事実が認識できる。ウェブページを消費税増税後(2014年4月以降)に作成したとすると,当然8%をベースに金額を記載するはずである。
したがって,当該ウェブページは,消費税増税前(2014年4月よりも前)から存在していたことになる。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠について
(1)乙第1号証について
乙第1号証の1枚目は,インターネット通信販売を行っているAmazonのウェブページであって,これには,「Star Line/Smile」をタイトルとするCD(録音済みコンパクトディスク:以下「元気ロケッツCD」という。)が,そのCD写真と共に掲載され,販売されているものである。
また,その2枚目は,上記元気ロケッツCDのフロントジャケットであり,これには,女性シンガーの写真と共に,薄い灰色で「Genki Rockets」の文字が表示され,その上に重ねて,黒色で目立つように本件商標と少し間隔を開けて「Star Line」の文字が表示されている。そして,該写真の左横には,本件商標の構成中の「元気ロケッツ」の文字がない商標(以下「使用商標」という。)が表示され,その下には,「AVCD-31392」の品番が表示されている。
なお,1枚目のAmazonのウェブページの印刷日は,2015年7月14日である。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は,上記元気ロケッツCDのサイドキャップであり,これには,使用商標が表示されるとともに「Star Line/Smile」のタイトルが表示されている。
また,黒い帯部分には,「発売・販売元」として,「エイベックス・マーケティング株式会社」の社名が印刷されており,製造等については,Cを丸で囲むマーク(いわゆる「Copyright(著作権)」の表示)の後ろに,「Q Entertainment Inc.」の社名と,Pを丸で囲むマーク(いわゆる「原盤権(レコード製作者の権利)」の表示)の後ろに印刷年を含む「2008,AVEX ENTERTAINMENT INC.」の社名が印刷されている。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は,平成26年6月24日付けのエイベックス・グループ・ホールディングス株式会社による「子会社の商号変更に関するお知らせ」の書面である。
これには,エイベックス・マーケティングが「エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ」になったことが記載されている。
(4)乙第5号証について
乙第5号証は,上記した「Star Line/Smile」をタイトルとする元気ロケッツCDのリアジャケットであり,これには,女性シンガーの顔写真と共に,その顔の上に重ねて,黒色で目立つように本件商標が表示され,これと少し離れた位置に白抜きで「Smile」の文字が表示されている。
(5)乙第6号証について
乙第6号証は,上記元気ロケッツCD本体の写真であり,これには,使用商標と少し間隔を開けて「Star Line/Smile」の文字が表示されている。
(6)乙第8号証について
乙第8号証は,エイベックス・ミュージックのウェブページである。これには,使用商標の表示とともに,「(丸Cマーク)Q Entertainment Inc.」及び「(丸Cマーク 2015)avex music creative Inc.」の表示がある。
そして,乙第1号証における元気ロケッツCD(品番:AVCD-31392)について,商品写真とともに,「2008.6.11 on sale!」,「¥1,200(税込)」の記載及び商品紹介等がなされるとともに,他の商品について,「MUSIC DOWNLOAD」等の記載もなされており,CD販売の広告,楽曲のダウンロード販売の広告がなされている。
(7)乙第9号証について
乙第9号証は,「印税計算報告書」とされるものであるところ,これは,2015年5月30日付けでエイベックス・ミュージックからキューエンタテインメントへ支払われた,原盤印税についての2015年1月?2015年3月までの印税計算について報告されたものである。
そして,その1枚目の表中には,「L.No」の欄に「00030910」及び「契約内容」の欄に,「元気ロケッツ /Star Line/Smile」の記載がある。
また,2枚目の表中には,「L.No」の欄に「00030910」,「アーティスト/タイトル」の欄に「元気ロケッツ/Star Line」,「商品No」の欄に「AVCD-31392」及び「出荷枚数」の欄に「1」の記載がある。
2 前記1によれば,以下のとおり判断できる。
(1)使用者について
被請求人は,乙第1号証及び乙第2号証等で特定される元気ロケッツCDの発行者であるエイベックス・ミュージックは,本商標権者のキューエンタテインメントから,商品「録音済みコンパクトディスク」に本件商標の使用許諾を受けている通常使用権者である旨主張している。
そして,元気ロケッツCDのサイドキャップには,使用商標が表示されるとともに,黒い帯部分には,「発売・販売元」として,エイベックス・ミュージックの旧社名である「エイベックス・マーケティング株式会社」の社名が印刷されており,また,製造等については,商標権者である「Q Entertainment Inc.」の社名が記載されており,両者には密接な業務上のつながりが認められるものである。
そうすれば,エイベックス・ミュージックは,商標権者のキューエンタテインメントから,商品「録音済みコンパクトディスク」に本件商標の使用について,黙示の使用許諾を受けていた通常使用権者であるとみて差し支えないものである。
(2)使用商標及び使用役務について
元気ロケッツCDは,2008年6月11日に発売(乙8)されたものであり,Amazonのウェブページでは,2015年7月14日に販売(乙1)されていたものである。
そして,乙第8号証によれば,エイベックス・ミュージックのウェブページにおいて,その1頁目の左上に使用商標が表示されており,その内容中には,元気ロケッツCD(品番:AVCD-31392)について,商品写真とともに,商品紹介等がなされて,CD販売の広告,楽曲のダウンロード販売の広告がなされている。
そうすると,通常使用権者であるエイベックス・ミュージックは,同人のウェブページによって,商品「録音済みコンパクトディスク」の販売等についての広告を行っていたものであって,当該商品は,本件審判の請求に係る指定商品中「レコード」の範ちゅうに含まれる商品である。
(3)社会通念上同一の商標について
乙第8号証のエイベックス・ミュージックのウェブページにおいて表示されている使用商標は,本件商標の構成中の「元気ロケッツ」の文字がない商標である。
しかしながら,本件商標の欧文字部分の「GEnKIROCKETS」と該「元気ロケッツ」の文字部分とは,欧文字と漢字・片仮名に相互に変換できる同一性を失わない文字の関係にあるといえるものであって,その他の部分は同一性があるものであるから,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。
(4)使用時期について
乙第8号証のエイベックス・ミュージックのウェブページには,「(丸Cマーク 2015)avex music creative Inc.」の表示があり,2015年(平成27年)に存在していることが見て取れるものであり,また,その内容には,2008年(平成20年)6月11日に発売された元気ロケッツCDが掲載され,Amazonのウェブページでは,2015年(平成27年)7月14日において販売(乙1)されていた状況を鑑みれば,本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という。平成24年5月1日?平成27年4月30日までの期間。)において,当該ウェブページが存在していたことは優に推認できるものである。
(5)小括
上記(1)ないし(4)によれば,本件商標の通常使用権者は,要証期間内に同人のウェブページにおいて,その指定商品中「レコード」に含まれる商品の「録音済みコンパクトディスク」について,本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を表示していた事実が確認できるものであるから,通常使用権者の上記行為は,「商品又は役務に関する広告,・・・に標章を付して・・頒布・・する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものと認められる。
(6)請求人の主張について
請求人は,「レコードを指定商品とする場合,標章の表示が,アーティスト名を表示したにすぎない場合には,その標章はレコードの品質(内容)を表したものにすぎず,出所識別標識としての使用がなく,商標的使用に該当しない。よって,本件標章の使用は,アーティスト名を表示する品質(内容)表示機能を有するにすぎず,出所識別機能を有するものではないから,商標的使用に該当しない。」旨を主張する。
しかしながら,本件商標は,ロケットをモチーフとしたかのような図形と「元気ロケッツ」及び「GEnKIROCKETS」の文字からなる構成であって,これは,単なるアーティスト名を表示した標章ということはできないものである。すなわち,アーティスト名,歌手名等の「名称」は,文字のみによって表示するのが通常であって,図形を含む標章は「名称」ではない。
よって,請求人の主張は,その前提において失当である。
3 むすび
以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,通常使用権者がその請求に係る指定商品中「レコード」に含まれる「録音済みコンパクトディスク」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認められる。
したがって,本件商標の登録は,その請求に係る指定商品について,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)




審理終結日 2016-02-29 
結審通知日 2016-03-02 
審決日 2016-03-16 
出願番号 商願2007-78623(T2007-78623) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 前山 るり子浦辺 淑絵 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 榎本 政実
井出 英一郎
登録日 2009-02-06 
登録番号 商標登録第5202667号(T5202667) 
商標の称呼 ゲンキロケッツ、ゲンキ、ロケッツ、ジイ 
代理人 下山 治 
代理人 大塚 康徳 
代理人 工藤 一郎 
代理人 高柳 司郎 
代理人 大塚 康弘 
代理人 木村 秀二 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ