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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z14
管理番号 1310884 
審判番号 取消2014-300503 
総通号数 195 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-03-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-07-08 
確定日 2015-12-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第564116号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第564116号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,昭和34年11月2日に登録出願,第36類「足袋、靴下、その他本類に属する商品」を指定商品として,同36年1月10日に設定登録され,その後,平成15年7月23日に,指定商品を第14類「貴金属製ボンネットピン,ネクタイ止め,ネクタイピン,宝石ブローチ,カフスボタン」並びに第24類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ,さらに,同23年2月1日に,商品及び役務の区分を第14類,第24類及び第25類に減縮する商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
本件審判の請求の登録は,平成26年7月24日にされている。
2 請求人の主張
(1)請求の趣旨
請求人は,本件商標の指定商品中,第14類の全指定商品について登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証を提出している。
(2)請求の理由
本件商標の指定商品中,第14類の全指定商品については,継続して3年以上,日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により,取り消されるべきものである。
なお,請求人は,答弁書に対して,何ら応答していない。
3 被請求人の主張
(1)答弁の趣旨
被請求人は,結論同旨の審決を求める,と答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし同第8号証(枝番号を含む。)を提出している。
(2)答弁の理由
ア 本件商標は,本件審判の請求の登録前3年以内に,日本国内において,商標権者がその請求に係る指定商品中の「カフスボタン,ネクタイピン」について使用をしている。その理由は,以下のとおりである。
イ 被請求人は,カフスボタン及びネクタイピンの注文書(2014年6月10日付)を,株式会社フカシロに送付した(乙1の1及び2)。
カフスボタンの注文書には,株式会社フカシロの付した商品コード「61M91099」,被請求人の付した商品コード「AG06413」,希望納期「2014年7月1日」,数量「10個」,単価「7200円」,合計「72000円」の記載がある(乙1の1)。
ウ 被請求人は,カフスボタン及びネクタイピンの注文に伴い,これらの商品を包装する包装箱に,本件商標を刻印する旨の飾り箱刻印指示書を,2014年6月12日に,株式会社フカシロの玉木氏に渡した。この飾り箱刻印指示書には,本件商標に係るカフスボタン及びネクタイピンの飾り箱の全面中央に,本件商標である「飛行機のイラスト/VANGUARDの語」を白でシルク印刷する旨が記載されている(乙2)。
エ 被請求人は,2014年7月1日に,カフスボタン及びネクタイピンの納品を,株式会社フカシロから受け,同時に2014年7月1日付け納品書を受け取った(乙3の1及び2)。例えば,カフスボタンの納品書には,伝票NO.「03283561」,株式会社フカシロの商品コード「61M91099」,数量「10個」,単価「7200円」,合計「72000円」の記載がある(乙3の1)。
オ その後,被請求人は,株式会社フカシロから平成26年7月31日付け請求書を受け取った(乙4)。この請求書には,2014年7月1日付け納品書の伝票番号「03283561」の金額が「72,000円」であることが記載されている。
なお,被請求人の在庫管理システムのデータ上でも,2014年7月1日付けで株式会社フカシロから本件商標に係るカフスボタン(被請求人の商品コード:06413)及びネクタイピン(被請求人の商品コード:06414)が入庫されたこと(乙5の1及び2),これによって,仕入先の株式会社フカシロに対し,同年8月31日に,103,680円を支払うことになっていることが示されている(乙5の3)。この支払金額「103,680円」の内訳は,「(ネクタイピン単価:2,400円 × 数量:10個 + カフスボタン単価:7,200円 × 数量:10個) × 消費税加算:1.08」である。
カ これらのカフスボタン及びネクタイピンについては,被請求人の直営店「VAN Base」の店頭で,2014年7月2日以降販売されている(乙6ないし乙8)。
キ 以上のとおり,本件商標の商標権者である被請求人は,本審判請求の登録前3年以内に日本国内において,その請求に係る指定商品中の「カフスボタン,ネクタイピン」について本件商標を使用している。
4 当審の判断
(1)事実認定
証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証の1及び2は,被請求人による2014年(平成26年)6月10日付けの株式会社フカシロへ発注したカフスボタン及びネクタイピンの注文書であり,その注文書には,カフスボタンのものに,型番「イシカフスLBBC080-D」,商品コード「61M91099」,被請求人の付した商品コード「AG06413」,希望納期「7月1日」,数量「10」,単価「7,200.0」及び金額「72,000」の記載並びにカフスボタンの写真の添付(乙1の1)が,ネクタイピンのものに,型番「タイバーT11」,商品コード「63M40312」,被請求人の付した商品コード「AG06414」,希望納期「7月1日」,数量「10」,単価「2,400.0」及び金額「24,000」の記載並びにネクタイピンの写真の添付(乙1の2)が確認できる。
イ 乙第2号証は,平成26年6月12日に,被請求人が株式会社フカシロの玉木晶浩氏に渡した「VANGUARD タイバー,カフス飾り箱刻印指示書」であり,その指示書には,本件商標と社会通念上同一と認められる飛行機の図形と「VANGUARD」の欧文字よりなる標章(当該標章の下段に「※刻印版下」との記載がある。),黒地の飾り箱と思われる写真,当該飾り箱の側面に当該標章を刻印する位置を示す図,刻印の色と印刷方法の指示と認められる「白 シルク印刷」の記載が確認できる。
ウ 乙3号証の1及び2は,2014年(平成26年)7月1日付けの株式会社フカシロによる被請求人あての納品書であり,その納品書には,伝票NO.として,カフスボタンのものには「03283561」の,ネクタイピンのものには「03283541」の記載とともに,それぞれ,商品コード,品名,数量,単価,合計が記載されているが,これは,乙第1号証の注文書に記載された商品コード,型番,数量,単価,納品金額と一致していることが確認できる。
エ 乙第4号証は,平成26年7月31日付けの株式会社フカシロによる被請求人宛の請求書であるが,その請求書に記載の月日,伝票番号,金額は,それぞれ,乙3号証の納品書に記載の納品日,伝票NO.納品金額と一致していることが確認できる。
オ 乙第5号証の3は,被請求人の在庫管理システムによる仕入先元帳のプリントアウトであるが,「AGVANGUARDカフス」及び「AGVANGUARDネクタイピン」の商品コードとしてそれぞれ記載された「06413」及び「06414」の5桁の数字は,乙第1号証の注文書に,被請求人の付した商品コードとして記載の「AG06413」及び「AG06414」の末尾5桁の数字と一致し,他に記載の掛仕入れの日付,仕入数量,仕入単価,仕入金額は,それぞれ,乙3号証の納品書記載の納品日,数量,単価,合計と一致していることが確認できる。
カ 乙第6号証は,被請求人のホームページにおけるショップリストのプリントアウトであるが,これより,被請求人の商品を扱う店舗として,東京都台東区に「VAN Base」の名称の店舗の存在が確認できる。
キ 乙第7号証は,被請求人が,直営店である「VAN Base」のものと主張する,2014年(平成26年)8月28日撮影の写真であるが,店内の壁面には,照明の中に「VAN」が浮き出るような看板及びその看板の下段に据えられた棚が写されており,この看板及び棚は,乙第6号証のショップリストに掲載された店舗「VAN Base」の紹介写真に写されている看板及び棚と同じものと認められる。(乙第7号証の写真が,被請求人の直営店「VAN Base」である旨の主張に疑義は生じない。)
そして,当該写真には本件商標と社会通念上同一と認められる標章が付された黒地の飾り箱に収められたカフスボタン及びネクタイピンが値札と共に展示されていることが確認できる。
ク 乙第8号証は,被請求人による商品の移動伝票であるが,これによれば,乙第5号証に商品コード「06413」及び「06414」,名称「AGVANGUARDカフス」及び「AGVANGUARDネクタイピン」と記載された商品が,2014年(平成26年)7月2日に,被請求人から,被請求人の直営店である「VAN Base」に移動したことが推認できる。
(2)判断
上記(1)で認定した事実によれば,被請求人は,2014年(平成26年)6月10付けで,株式会社フカシロに対して,カフスボタン及びネクタイピンを手配するよう発注したことが認められる。
また,被請求人は,平成26年6月12日に,株式会社フカシロに対して,「VANGUARD タイバー,カフス飾り箱」の側面に,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を刻印することを指示していることが認められる。
そして,当該飾り箱とともにカフスボタン及びネクタイピンは,平成26年7月1日に納品され,翌2日には,被請求人の直営店である東京都台東区の「VAN Base」に,同商品を移動させ,その後,同店舗に同商品を展示したものと推認できる。
これより,被請求人は,本件無効審判の請求の登録前3年以内である平成26年7月2日頃には,商品「カフスボタン,ネクタイピン」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を当該商品の包装に付して,日本国内において,同商品を展示し,販売していたことが推認できる。
そして,商品「カフスボタン,ネクタイピン」は,本件商標の取消しに係る指定商品中,第14類「カフスボタン,ネクタイピン」と同一の商品である。
(3)結論
以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に,日本国内において,本件商標権者がその請求に係る指定商品中,第14類「カフスボタン,ネクタイピン」について,本件商標の使用をしていたことを証明したものと認めることができる。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきではない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 2015-07-31 
結審通知日 2015-08-05 
審決日 2015-08-18 
出願番号 商願昭34-32205 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z14)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田中 幸一
田村 正明
登録日 1961-01-10 
登録番号 商標登録第564116号(T564116) 
商標の称呼 バンガード 
代理人 中嶋 伸介 
代理人 藤沢 昭太郎 
代理人 藤沢 則昭 

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