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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W44
審判 査定不服 観念類似 登録しない W44
審判 査定不服 外観類似 登録しない W44
管理番号 1310790 
審判番号 不服2014-6542 
総通号数 195 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-04-09 
確定日 2016-01-14 
事件の表示 商願2012- 97661拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第44類「外科医業,レーザーによる眼科手術,眼の疾患・疾病の治療」を指定役務とし,2012年6月1日に米国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成24年12月3日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録第5410956号商標(以下「引用商標」という。)は,「KXL」の文字を標準文字で表してなり,平成22年9月17日に登録出願,第9類「コンタクトレンズ,コンタクトレンズの部品及び付属品,コンタクトレンズ用容器」,第10類「医療用機械器具」,第16類「新聞,雑誌,書籍,その他の印刷物」,第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」,第42類「眼科治療方法又は診断方法に関する調査又は研究,視力矯正方法又は視覚矯正方法に関する調査又は研究,医薬品・化粧品または食品の試験・調査又は研究,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用のプログラムの提供,ウェブサイトの作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与」及び第44類「医業,健康診断,調剤,医療情報の提供,美容,医療用機械器具の貸与」を指定商品及び指定役務として,同23年5月13日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は,別掲1のとおり「KXL II」の文字を書してなるところ,その構成中前半の「KXL」の文字部分と後半の「II」の文字部分の間には半角程度の空白を介してなるから,前半と後半の文字部分は視覚上明確に分離して看取されるものである。
そして,本願商標は,その構成中後半の「II」の文字は,「ローマ数字の2」を表したものと認められる。
さらに,ローマ数字は,原審において説示のとおり,商品及び役務を取り扱う各種業界において,商品の型式,規格,品番及び役務の質等を表示するための記号,符号等として,取引上,普通に使用されている一類型と認められるものである。このことは,本願商標の指定役務である医学の分野においても同様に,ローマ数字が,病気の種類,物質の種類等を分類するための記号,符号として使用されていることは,別掲2に示す事実からも確認できるところである。
これより,本願商標の構成中,自他役務の出所識別標識としての機能を果たし得るのは,「KXL」の文字部分というべきである。そして,本願商標は,その構成全体として特定の観念を生じる等,「KXL」の文字部分と「II」の文字部分を常に一体のものとしてのみ把握しなければならないとする格別の事情も見出し得ない。
そうすると,本願商標は,その構成中「KXL」の文字部分が取引者,需要者に対し強く支配的な印象を与えるものと認められることから,当該文字部分のみを抽出し,他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
してみれば,本願商標は,その構成全体より生じる称呼のほか,「KXL」の文字部分より「ケイエックスエル」の称呼をも生じ,また,当該「KXL」の文字部分は,辞書等に掲載もないことから,特定の観念を生じない一種の造語として認識されるものである。
他方,引用商標は,前記2のとおり,「KXL」の文字を標準文字で表してなるものであるから,その構成文字に相応して「ケイエックスエル」の称呼を生じるものであり,また,本願商標と同様に,特定の観念を生じないものである。
そこで,本願商標の構成中の「KXL」の文字部分と引用商標とを比較すると,両者は,いずれも特定の観念を生じるとはいえないことから,観念においては比較することができないとしても,外観においては,本願商標の要部である「KXL」の文字部分と引用商標の構成文字とを共通にするものであって,称呼において,「ケイエックスエル」の称呼を同一とするものであることからすれば,本願商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念を総合勘案すれば,両者は,相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
そして,本願商標の指定役務の「外科医業,レーザーによる眼科手術,眼の疾患・疾病の治療」は,「医業」に属するものと認められるから,本願商標の指定役務と引用商標の指定役務中の「医業」の役務は,同一又は類似の役務である。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
なお,請求人は,「引用商標に対して不使用取消の審判請求をした。」旨述べて審理の猶予を願い出ていたが,請求人がした不使用取消審判(取消2014-300353)は,平成27年1月20日に引用商標の登録を維持する審決がなされており,引用商標の商標登録原簿によれば同年6月23日に当該不使用取消審判に関する審決の確定登録がなされているものであるから,審理を進めることとした。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標


別掲2 本願商標の指定役務を取り扱う業界における取引の実情を示す例
本願商標の指定役務を取り扱う業界において,ローマ数字が病気の種類,物質の種類等を分類するための記号・符号として使用されている実状として,「南山堂 医学大事典」(株式会社 南山堂発行)には,以下の記載が認められる。
(1)「IL-5(インターロイキン5)」の見出しの下,「B細胞増殖因子(BCGF II)」との記載がある。
(2)「気分」の見出しの下,「従来躁うつ病気と呼ばれたこれらの疾患(障害)はDSM-IIIでは感情障害と呼ばれ,さらにDSM-III-R,DSM-IVでは気分障害ICD-10でも気分(感情)障害と呼ばれる。DSM-IVでは気分障害は双極性障害とうつ病性障害に分けられ,前者はさらに双極I型障害,双極II型障害(中略)に分類される。」との記載がある。
(3)「クラスII抗原」の見出しの下,「クラスI抗原と同様にα2ドメインとβ2ドメインが免疫グロブリン様構造をとる。クラスII抗原は,B細胞,マクロファージ,活性化T細胞,胸腺上皮細胞(中略)として知られ,」との記載がある。
(4)「血小板機能異常症」の見出しの下,「膜糖タンパクGP Ibが減少,(中略)GP I上にあるものと推測されるに至った。(中略)血小板膜糖タンパク(GP IIb/IIIa)の欠損のためとされている。」との記載がある。

審理終結日 2015-07-06 
結審通知日 2015-07-31 
審決日 2015-08-11 
出願番号 商願2012-97661(T2012-97661) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W44)
T 1 8・ 263- Z (W44)
T 1 8・ 261- Z (W44)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 前山 るり子
早川 文宏
商標の称呼 ケイエックスエルツー、ケイエックスエルニ、ケイエックスエル 
代理人 北口 貴大 
代理人 城山 康文 
代理人 岩瀬 吉和 
代理人 永岡 愛 

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