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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W16 審判 全部申立て 登録を維持 W16 審判 全部申立て 登録を維持 W16 |
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管理番号 | 1309832 |
異議申立番号 | 異議2015-900194 |
総通号数 | 194 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2016-02-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2015-06-15 |
確定日 | 2016-01-21 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5754186号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5754186号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5754186号商標(以下「本件商標」という。)は,「HOLDER IN HOLDLER」の欧文字を標準文字で表してなり,平成26年12月1日に登録出願,第16類「紙類,文房具類,印刷物」を指定商品として,同27年3月6日に登録査定,同月27日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5636629号商標(以下「引用商標」という。)は,「HOLDER IN」の欧文字を標準文字で表してなり,平成25年8月6日に登録出願,第16類「紙類,文房具類,書画,印刷物,写真,写真立て,紙製又はプラスチック材料で被覆された紙製の包装容器及び包装材料,事務用又は家庭用ののり及び接着剤」を指定商品として,同年12月13日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は,引用商標を構成する「HOLDER IN」と全く同一の文字に続けて,「HOLDER」の文字を表してなるものである。 ここで,「ホルダー」の語は,以前より特許庁が国際分類第16類の指定商品の表示として許容しているとおり(甲3ないし甲5),本件商標の指定商品に係る分野における商品の普通名称を表示するものである。 また,「HOLDER」の文字は,「ホルダー」の英語表記であると需要者,取引者に容易に認識される平易な英単語である。 したがって,「HOLDER」の文字は,商品の普通名称を表示するものと認識されるものである。 そして,本件商標における当該「HOLDER」の文字は,標準文字によるものである。 以上より,本件商標は,引用商標と全く同一である「HOLDER IN」の文字に,商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示したものを続けた構成よりなるものである。 ここで,本件商標の指定商品に係る取引においては,例えば,「ハードホルダー」,「クリアーホルダー」,「スーパーハードホルダー」,「三つ折りホルダー」,「インデックスホルダー」,「マグネットホルダー」,「就活ホルダー(登録商標)」,「キングホルダー(登録商標)」,「多穴ホルダー」,「ジャケット(登録商標)ホルダー」,「カラーホルダー」,「フラップ(登録商標)ホルダー」,「Mホルダー」,「BLホルダー」,「Lホルダー」及び「CLホルダー」などのように,「○○ホルダー」といった表現を用いて,様々なタイプの「ホルダー」の種別等が区別されている実情がある(甲6)。 加えて,引用商標「HOLDER IN」又はその読みをそのまま片仮名文字で表してなる商標「ホルダーイン」が,本件商標の出願日(平成26年12月1日)より前の同年2月14日より,本件商標の指定商品に包含され,かつ,「ホルダー」と類似する商品「クリアーファイル」について使用されている事実が存する(甲7)。さらには,当該「HOLDER IN」又は「ホルダーイン」商標が付された商品は,現実の商取引において好評を博している(甲8)。 前記のような実情を踏まえれば,引用商標と全く同一である「HOLDER IN」の文字に,商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示したものを続けた構成よりなるにすぎない本件商標は,これを商品「ホルダー」に使用した場合,引用商標と同一の出所に係る商品であるかのごとく取引者,需要者の間に誤認混同を生じるおそれがあるというのが相当である。 したがって,本件商標は,「ホルダーインホルダー」の一連の称呼のみならず,「HOLDER IN」の文字部分に相応する「ホルダーイン」のみの称呼をも生じるものであって,本件商標と引用商標は,称呼を共通にする類似の商標である。 そして,本件商標と引用商標の指定商品は,前記第1及び第2のとおりであるから,類似するものである。 以上より,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反にして登録されたものであるから,その登録は取り消されるべきである。 2 むすび 以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反にして登録されたものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は,前記第1のとおり,「HOLDER IN HOLDLER」の欧文字を標準文字で表してなるところ,構成各文字は同じ書体,同じ大きさ,等間隔をもって,まとまりよく一体的に表されているものである。 そして,本件商標は,その構成中の2つの「HOLDER」の文字は,当該文字の読みを片仮名表記した「ホルダー」の文字とともに,「所有者,入れ物,支える道具」等を意味する親しまれた語であって,本件商標の指定商品中の「文房具類」との関係では,請求人のあげる「ハードホルダー」,「クリアーホルダー」等(甲6)のほかにも例えば,「IDカードホルダー」,「ノートパッドホルダー」,「ペンホルダー」「印鑑ホルダー」及び「名刺用ホルダー」等のように様々な別種の商品が存在することから,当該文字が有する「入れ物,支える道具」の意味より,これに即した商品の名称や商標の一部に,あるいはこれらの商品をまとめて呼ぶ場合などに使用されることの多い語である。このことから,「HOLDER」の文字は,「文房具類」との関係において,商品の普通名称とまではいえないが,自他商品の識別標識としての機能は有しないか,極めて弱いものといえる。 次に,「IN」の語は,「?の中に」等の意味する日常親しまれた英語の前置詞,副詞であって,通常,当該語の前後に他の語を伴って語句を形成する用法で使用されている語であることから,本件商標の構成中の「IN」の文字部分が,これ単独で看者の注意を強く引くとはいえない。 また,称呼については,本件商標の構成文字全体から生じる「ホルダーインホルダー」の称呼も10音と特段冗長ともいえず,無理なく一連に称呼し得るものであり,観念については,「HOLDER」及び「IN」の各文字は,それぞれ,「所有者,入れ物,支える道具」及び「?の中に」等の意味を有する平易な英語であるとしても,結合することによって一体のまとまった観念が生じるものとはいえない。 そうすると,本件商標は,(ア)外観上まとまりよく,その構成の「HOLDER」,「IN」,「HOLDER」の各文字は自他商品の出所識別標識としての機能において軽重の差も認められず,いずれかの文字が看者に強く支配的な印象を与える事情も見出せないこと,(イ)その構成文字全体から生じる「ホルダーインホルダー」の称呼も無理なく一連に称呼し得ることよりすれば,本件商標は,全体として特定の観念を生じない一種の造語として看取されるものであって,いずれかの文字部分のみが着目され記憶されることのない,全体が不可分一体のものとして,取引者,需要者に認識されるというのが自然である。 してみれば,本件商標は,「HOLDER IN HOLDLER」の文字全体で取引に資されるとみるべきであるから,本件商標は,「ホルダーインホルダー」の称呼のみを生じ,特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標 イ 引用商標の称呼及び観念 引用商標は,前記第2のとおり,「HOLDER IN」の欧文字を標準文字で表してなるところ,構成各文字は同じ書体,同じ大きさ,等間隔をもって,まとまりよく一体的に表されているものであるから,その構成文字に相応して「ホルダーイン」を生じ,かかる構成においては,これに接する取引者,需要者は,特定の観念を生じない一種の造語を表したものと認識し,把握するとみるのが自然である。 (3)本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標とは,それぞれ,前記第1及び第2のとおりの構成からなるところ,「HOLDER IN」の文字部分を共通にするとしても,本件商標は3語からなり,引用商標は2語からなるものであるから,外観において,一見して区別し得る差異を有するものである。 また,本件商標から生じる「ホルダーインホルダー」の称呼と,引用商標から生じる「ホルダーイン」の称呼とは,構成音数及び構成音や末尾における「ホルダー」の音の有無という顕著な差異を有するから,両称呼は,明確に聴別し得るものである。 さらに,観念においては,本件商標及び引用商標は,親しまれた既成の観念を有しないものであるから,本件商標と引用商標とを比較することはできない。 してみれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 (4)小括 以上のとおり,本件商標は,引用商標とは非類似の商標であるから,その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。 2 請求人の主張について 申立人は,本件商標中の「HOLDER IN」の文字に続く「HOLDLER」の文字部分は,本件商標の指定商品に係る取引においては,「○○ホルダー」といった表現を用いて,様々なタイプの「ホルダー」の種別等が区別されている実情があり(甲6),引用商標と全く同一である「HOLDER IN」の文字に,商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示したものを続けた構成よりなるにすぎない本件商標は,これを商品「ホルダー」に使用した場合,引用商標と同一の出所に係る商品であるかのごとく取引者,需要者の間に誤認混同を生ずるおそれがある旨主張する。 しかしながら,前記1(1)のとおり,本件商標の構成中の2つの「HOLDER」の文字は,本件商標の指定商品中「文房具類」の関係から,文房具類の一商品を示す普通名称であるとまではいえないものであるから,自他商品の出所識別標識としての機能において軽重の差も認められず,本件商標のいずれかの部分が看者に強く支配的な印象を与える事情も見出せない。そのほか,本件商標から,「HOLDER IN」の文字部分のみをもって取引に資されるというべき特段の事情は見いだせない。 したがって,申立人の主張は,採用することができない。 3 まとめ 以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきでものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2016-01-13 |
出願番号 | 商願2014-101016(T2014-101016) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(W16)
T 1 651・ 261- Y (W16) T 1 651・ 263- Y (W16) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 椎名 実、山ノ内 智晴 |
特許庁審判長 |
田中 幸一 |
特許庁審判官 |
早川 文宏 前山 るり子 |
登録日 | 2015-03-27 |
登録番号 | 商標登録第5754186号(T5754186) |
権利者 | セキセイ株式会社 |
商標の称呼 | ホルダーインホルダー |
代理人 | 川口 嘉之 |
代理人 | 石塚 勝久 |