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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W14
審判 一部申立て  登録を維持 W14
審判 一部申立て  登録を維持 W14
管理番号 1309820 
異議申立番号 異議2015-900235 
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-07-13 
確定日 2016-01-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第5755350号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5755350号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5755350号商標(以下「本件商標」という。)は、「AirRing」の文字を標準文字で表してなり、平成26年5月15日に登録出願、第14類「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製靴飾り,時計」並びに、第9類、第35類、第36類、第41類、第42類、第43類、第44類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成27年4月3日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する国際登録第212584号商標(以下「引用商標」という。)は、「AIR KING」(「AIR」と「KING」の各文字の間に半文字程度の間隔を有する。)の文字をゴシック体で横書きしてなり、2008年(平成20年)9月23日に国際商標登録出願(事後指定)、第14類「Parts of clocks and watches and components thereof.」を指定商品として、平成21年11月13日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由
(1)本件商標と引用商標との類似
ア 外観
本件商標と引用商標は、共に7文字からなり、前方の「AIR」と後方の「ING」を共通にし、中間の「R」と「K」の1文字のみが相違する。
したがって、本件商標と引用商標は、外観上相紛らわしい類似の商標である。
イ 称呼
本件商標より生ずる「エアーリング」の称呼と引用商標より生ずる「エアーキング」の称呼は、共に(長音を除く)5音よりなり、前方の「エアー」と後方の「ング」を共通にし、聞き取りづらい中間に位置し、かつ、母音「i」を共通にする「リ」と「キ」の1音のみが相違する。
したがって、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似し互いに聞き誤るおそれがある。
ウ 以上のとおり、本件商標と引用商標は、外観及び称呼において類似する商標である。
(2)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類似
本件商標の指定商品中、第14類「時計」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、第14類「時計」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
ア 本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、標準文字で「AirRing」と表してなるものであるところ、該文字は、「空気」などを意味する英語「Air」と「(1)輪、指輪、(ボクシングなどの)試合台、(2)鳴る、響く」など、比較的多くの意味を有する英語「Ring」の2語を結合したものであって、両語は、それぞれ一般によく知られているものといえる。しかし、両語が結合されて、我が国において親しまれた熟語的意味合いが生ずるものではなく、上記のとおり、「Ring」の語は、比較的多くの意味を有するものであるから、本件商標からは、特定の意味合いが生ずるものとはいえない。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「エアーリング」の称呼を生ずるものであって、特定の観念を有しない造語を表したと理解されるとみるのが相当である。
イ 引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、ゴシック体で「AIR KING」の文字を横書きしてしてなるものであるところ、該文字は、「空気」などを意味する英語「AIR」と「王、国王、(トランプの)キング」などを意味する英語「KING」の2語を結合したものであって、両語は、それぞれ一般によく知られているものといえる。しかし、両語が結合されて、我が国において親しまれた熟語的意味合いが生ずるものではなく、「空気の王様」程度の意味合いを表したと理解されないこともないが、明確な意味を有するとまではいえず、一種の造語を表したと認識される場合が多いとみるのが相当である。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「エアーキング」の称呼を生ずるものであって、特定の観念を有しない造語よりなるものである。
ウ 本件商標と引用商標との対比
(ア)外観
本件商標は、標準文字で、語頭の「A」と第4文字の「R」が大文字で表され、他の文字は小文字で表されており、文字全体の書体は同一で、等間隔で表されているものである。これに対し、引用商標は、ゴシック体で、すべての文字を大文字で、かつ、「AIR」と「KING」の各文字の間に半文字程度の間隔を空けて表されているものである。
そうすると、両商標は、大文字と小文字で構成されているか、あるいは、大文字のみで構成されているかの相違点、書体における相違点、文字全体が等間隔で表されているか、あるいは、中間部において半字程度の間隔を有するかの相違点などを有するほか、第4文字において、「R」と「K」の文字の顕著な差異をも有するものであるから、比較的簡潔な構成よりなる両商標において、上記相違点は、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上明らかに識別できるものといえる。
したがって、本件商標と引用商標は、外観上類似するものとはいえない。
(イ)称呼
本件商標より生ずる「エアーリング」の称呼と引用商標より生ずる「エアーキング」の称呼は、第4音において、「リ」と「キ」の音の差異を有し、他の5音を共通にするものであるところ、両称呼を全体として称呼するときは、「エアー」の音と「リング」又は「キング」の音との間に発音上の段落が生じ、その結果、「リ」又は「キ」の音は、いずれも力の入る音として発音されるばかりでなく、両音は、母音「i」を共通にするとはいえ、前者は、舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音「r」と母音「i」とを結合した音節であるのに対し、後者は、後舌面を軟口蓋に接し、破裂させて発する無声子音「k」と母音「i」とを結合した音節であるから、音質、音感等において著しい差異を有するものである。してみると、該差異音が比較的短い音構成よりなる両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず、両称呼は、これらをそれぞれ一連に称呼した場合においても、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないものということができる。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼上類似するものとはいえない。
(ウ)観念
前記のとおり、本件商標と引用商標は、構成全体をもって、特定の意味合いを有しない造語よりなるものであるから、観念上比較することはできない。しかし、両商標の構成中の「Ring」及び「KING」は、いずれも我が国において親しまれて使用されている英語といえるから、これらの語が「Air」又は「AIR」と結合して構成されるとしても、その意味上の相違は明確に把握、認識し得るといえる。
したがって、本件商標と引用商標は、観念上紛れるおそれはないものである。
エ 以上によれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
その他、本件商標が実際の取引の実情において、引用商標との間に誤認混同を生ずるような特段の事情は見いだせない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-12-18 
出願番号 商願2014-38675(T2014-38675) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W14)
T 1 652・ 263- Y (W14)
T 1 652・ 262- Y (W14)
最終処分 維持  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 前山 るり子
中束 としえ
登録日 2015-04-03 
登録番号 商標登録第5755350号(T5755350) 
権利者 株式会社リクルートホールディングス
商標の称呼 エアーリング、エアー、エイアイアアル 
代理人 齋藤 宗也 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 橘 哲男 
代理人 佐藤 大輔 
代理人 山崎 和香子 

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