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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W36
審判 一部申立て  登録を維持 W36
審判 一部申立て  登録を維持 W36
審判 一部申立て  登録を維持 W36
管理番号 1309817 
異議申立番号 異議2015-900208 
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-06-22 
確定日 2016-01-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第5750245号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5750245号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5750245号商標(以下「本件商標」という。)は,「INFINITI」の文字を書してなり,平成25年4月3日に登録出願された商願2013-24178に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として平成25年10月4日に登録出願,第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,信用購入あっせん,クレジットカードの利用者に代わってする支払代金の清算,クレジットカードの発行及び利用に関する情報の提供,割賦販売斡旋業務,集金代行,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引,外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供」及び第38類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同27年2月13日に登録査定され,同年3月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標はその指定役務中,第36類「全指定役務」について,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)申立人が引用する商標
申立人が引用する登録第4325957号商標(以下「引用商標」という。)は,「INFINITE」の文字を標準文字で表してなり,平成9年12月16日に登録出願,第36類「クレジットカード利用者に代わってする支払代金の清算,電子による資金の送金,その他の内国為替取引,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,中古自動車の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金,紙幣・硬貨計算機の貸与,現金支払機・現金自動預け払い機の貸与」を指定役務として,同11年10月15日に設定登録されたものであり,その商標権は,現に有効に存続しているものである。
(2)具体的な理由
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,欧文字「INFINITI」を横書きしてなり,「インフィニティ」との称呼及び,その称呼から「無限」の観念が生じるものである(甲1)。
引用商標は,標準文字で欧文字「INFINITE」を書してなり,「インフィニット」との称呼及び「無限の」との観念が生じるものである(甲2)。
そこで,両商標を比較すると,両者は,欧文字8字のうち最後の1文字を除く,7文字が共通しており,外観上類似している。この共通性に伴い,称呼も類似するものとなっており,弱く聴覚される語尾音に軽微な差異があるにすぎない。さらには,両者は「無限」と「無限の」との観念が生じる点においても類似している。
したがって,本件商標と引用商標とは類似する。
また,両者の指定役務も同一又は類似する。
イ 商標法第4条第1項第15号について
申立人は,引用商標を広くその指定役務に使用し今日に至っており,日本の需要者の間でもそのことは広く知られている(甲3)。
したがって,本件商標がその指定役務について使用された場合には,申立人の業務に係る役務と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
ウ むすび
上記アのとおり,本件商標と引用商標とは類似する商標であり,また,その指定役務も同一又は類似のものである。したがって,本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
また,上記イのとおり,本件商標がその指定役務について使用された場合,需要者が申立人の業務に係る役務と出所について混同するおそれがある。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
申立人提出の証拠,同人の主張及び職権調査(ウェブサイト「http://www.visa.co.jp/infinite/index.shtml」ほか)によれば,申立人及びその関連会社(以下「申立人等」という。)は,我が国を含む世界各国において「クレジットカード利用者に代わってする支払代金の清算」などの業務を行っていること,当該業務について代表的な商標として「VISA」の文字からなる商標を使用していること,及び最上位に位置するカードとして「Visa infinite」カードをカード発行会社から発行していることが認められる。
しかしながら,同カードの発行開始時期,発行枚数などが確認できないばかりでなく,「INFINITE」の文字のみが単独で,引用商標のいずれかの指定役務について使用された事実も確認できないから,引用商標は,本件商標の登録出願時ないし登録査定時において,他人(申立人等)の業務に係る役務であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものということはできない。
なお,「infinite」の文字も同様に,他人の業務に係る役務であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものということはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は,「INFINITI」の文字からなるところ,該文字は,特定の意味合いを有しない造語と認められるものであって,これよりは,その構成文字に相応して,「インフィニティ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 他方,引用商標は,「INFINITE」の文字からなるところ,該文字は,「無限の,無限大」等の意味を有する語(「プログレッシブ英和中辞典(第4版)」株式会社小学館)であるから,これよりは,「インフィニット」の称呼を生じ,「無限の」程の観念を生じるものである。
ウ そこで,本件商標と引用商標を比較すると,外観においては,両者は,構成文字の書体に差異を有するものの,その文字構成をみると語頭を含む「INFINIT」の7文字を共通にし,語尾における「I」と「E」の文字に差異を有するのみであるから,それらの差異が両商標の構成全体の印象に与える影響は必ずしも大きいものとはいえず,外観上,やや似た印象を与えるものとみるのが相当である。
称呼においては,本件商標から生じる「インフィニティ」の称呼と引用商標から生じる「インフィニット」の称呼とは,それぞれ5音と6音で構成されており,語尾における「ティ」と「ット」(「ッ」は「ニ」の促音)の音の差異を有するものである。しかして,両称呼が5音又は6音という比較的短い称呼であることから,該差異音の称呼全体に及ぼす影響は決して少なくないものといえるものであって,両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは,両商標は,称呼において聴き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。
さらに,観念においては,本件商標は特定の観念を生じないものであるから,本願商標と引用商標とは,観念上,相紛れるおそれがあるということはできないものである。
そうすれば,本件商標と引用商標とは,外観においてやや似た印象を与えるものの,称呼及び観念において相紛れるおそれがないものであるから,両者の外観,称呼及び観念等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
その他,本件商標と引用商標とが類似するとすべき理由は見出せない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は,上記(2)のとおり,引用商標と非類似の商標であり,また,引用商標は,申立人の業務に係る役務であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
そうすると,本件商標は,商標権者がこれを申立てに係る指定役務について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想,想起させることはなく,その役務が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標は,その指定役務中,本件申立てに係る指定役務について,商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-12-18 
出願番号 商願2013-77897(T2013-77897) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W36)
T 1 652・ 263- Y (W36)
T 1 652・ 271- Y (W36)
T 1 652・ 262- Y (W36)
最終処分 維持  
前審関与審査官 安達 輝幸中束 としえ 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 井出 英一郎
榎本 政実
登録日 2015-03-20 
登録番号 商標登録第5750245号(T5750245) 
権利者 日産自動車株式会社
商標の称呼 インフィニティ 
代理人 森下 夏樹 
代理人 山本 秀策 
代理人 山本 健策 
代理人 飯田 貴敏 
代理人 長谷 玲子 
代理人 塚田 美佳子 
代理人 石川 大輔 
代理人 橋本 千賀子 

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