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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W42
審判 全部申立て  登録を維持 W42
管理番号 1309800 
異議申立番号 異議2015-900086 
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-03-13 
確定日 2015-11-27 
分離された異議申立 有 
異議申立件数
事件の表示 登録第5724176号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5724176号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5724176号商標(以下「本件商標」という。)は,「MARKETINGCLOUD」の文字を標準文字で表してなり,平成24年6月22日に登録出願,同26年10月29日に登録査定,第42類「コンピュータハードウェア及びソフトウェアの設計及び開発,コンピュータソフトウェアの設計に関する助言,画像・リンク・映像・テキスト及びその他のブランドコンテンツの掲載、ユーザーが作成したコンテンツ及びオンライン通信の検索・並べ替え・フィルタリング・管理、ソーシャルメディア・ウェブサイト及びソーシャルネットワーク上のブランドコンテンツの管理、ブランドエンゲージメントの実績の分析・検索・管理のコンピュータシステムの設計及び開発,ウェブサイトの作成及び保守,コンピュータプログラム及びコンピュータデータの変換(媒体からの変換でないもの),コンピュータソフトウェアの保守,コンピュータシステムの遠隔監視,インターネットの検索用エンジンの提供,コンピュータソフトウェアの貸与,ソーシャルメディア・ウェブサイト及びその他のオンラインフォーラムにおけるユーザーのウェブサイトのオンラインコンテンツを作成・カスタマイズ・配置・スケジューリング・トラッキング・分析及び管理の目的でウェブサイトに埋め込むコードを作成するためのコンピュータソフトウェアの提供,ブランドエンゲージメントの実績を分析・モニター・管理するためのコンピュータソフトウェアの提供,ソーシャル・プロフィールにカスタマイズされたインタラクティブ・コンテンツを作成・配置するためのコンピュータソフトウェアの提供」を指定役務として,同年12月5日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
1 登録異議申立人である「アドビ システムズ,インコーポレイテッド」(以下「アドビ社」という。)の申立ての理由
本件商標は,その外観に特異性は一切なく,普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であることは明らかである。
本件商標は,「MARKETINGCLOUD」とスペースなく配してなるが,「Marketing」の英単語は,「マーケティング」のカタカナ語としても親まれ(甲3),「Cloud」は,「Cloud Computing」の略語として広く知られていることから,需要者は,「Marketing」と「Cloud Computing」の略語である「Cloud」の語が結合してなる商標と容易に理解できる(甲5ないし甲8)。
加えて,マーケティングに携わる者の間では,「Marketing Cloud」や「マーケティングクラウド」を使用する者は多く存在している(甲9ないし甲37)。
よって,本件商標をその指定役務に使用しても「マーケティング活動を効率化・円滑化するための手段であるクラウドコンピューティングを利用して提供されるマーケティングに関する役務」と認識されるにとどまり,当該役務の質,用途,効能などの内容を表示するにすぎず,自他役務の識別標識として機能を果たし得ない。また,該役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから,取り消されるべきである。
2 登録異議申立人である「オラクル・インターナショナル・コーポレーション(以下「オラクル社」といい,「アドビ社」と「オラクル社」を併せていうときは,以下「申立人ら」という。)の申立ての理由
本件商標は,「MARKETINGCLOUD」の欧文字よりなるところ,一見して「MARKETING」と「CLOUD」 の馴染まれた英単語を結合したものであることが明らかである。
そして,その構成中の「MARKETING」の文字部分が「商品の販売やサービスなどを促進するための活動。市場活動」の意味を有する語であり,「CLOUD」の文字が「インターネットを経由して,ソフトウェア,ハードウェア,データベース,サーバーなどの各種リソースを利用するサービスの総称。」を意味する「CLOUD COMPUTING(クラウドコンピューティング)」の略称として使用されていることも,すでに明らかである。
また,本件登録を肯定した拒絶審判2013-24010に係る審決においても同様に認定しているものであり,本件商標は,「MARKETING」「CLOUD」の欧文字を,単に連綴したにすぎないものであることは一見して明らかであり,全体として造語であるというべきでない。
さらに,インターネットにおいて「マーケティングクラウド」又は「marketing cloud」の語は,本件商標の審決前より,「インターネット上においてクラウドコンピューティングを利用して行う,商品やサービスなどの販売を促進するためのマーケティング活動」という意味合いで用いられていた(甲2ないし甲78等)。
以上から,本件商標は,「購買者のインターネット上の購買行動などのビッグデータを活用して,必要とされる情報を適切に提供していくマーケティングの手法」といった意味合いで広く使用していたことが明らかであり,その概念に照応する指定役務については特定の出所を識別することができず,また,一般に同業他社がその使用をする必要のある用語であり,独占に適さないものであることは明らかである。
そして,前記以外の指定役務については,役務の質について誤認を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから,取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 本件商標について
本件商標は,前記第1のとおり,「MARKETINGCLOUD」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成は,同一の書体,同一の大きさ,同一の間隔でまとまりよく表されているものであり,これより生ずる「マーケティングクラウド」の称呼も,よどみなく一連に称呼できるものである。
そして,本件商標は,その構成中の「MARKETING」の欧文字が,「市場戦略,マーケティング(宣伝から販売までの過程)」等の意味を有する英語として知られているものであり,また,「CLOUD」の欧文字が「従来はユーザー(企業,個人など)が自分のパソコンやスマートフォン,携帯電話のハードウェアにソフトウェアや作業データなどを保存・管理していたが,インターネットに接続できる環境さえあれば,自宅,会社,学校はもちろん,ネットカフェや交通機関での移動中など,さまざまな環境からでもデータを閲覧,編集,アップロードすることができること。」を意味する「クラウドコンピューティング」の略語として,IT(情報技術)関連の分野において知られているものである(アドビ社提出の甲5ないし甲8)から,「MARKETING CLOUD」の欧文字からは,「市場戦略のクラウドコンピューティング」程の意味合いを理解,認識させるものということができる。
2 申立人らが提出した証拠について
申立人らが提出した証拠等によれば,「用語解説辞典|NTTPCコミュニケーションズ」(オラクル社提出の甲79)の「【マーケティングクラウド】Marketing Cloud」の項には,「一般的には,あるいは広義では,モバイル機器向けアプリやソーシャルメディア(SNS),エンドユーザーの購買行動を記録したビッグデータなどを活用して,より顧客のニーズに合った情報や製品を提供していく,そのための情報システムをクラウドコンピューティング方式で提供する仕組みをマーケティングクラウドという。・・・ただし狭義では,セールスフォース・ドットコム社が提供しているExactTarget Marketing Cloudを指してマーケティングクラウドということが多い。」の記載がある。
(1)本件商標の登録出願前における「マーケティングクラウド」,「marketing cloud」の語の使用状況について
申立人らの提出した証拠(各項の括弧内に掲記。なお,アドビ社提出の証拠については,以下「甲A○」と,オラクル社提出の証拠については,以下「甲B○」と記載する。)。
ア 株式会社エニグモのニュースリリースには,「マーケティングクラウドソーシングプラットフォーム『みんなの企画会議室(仮)』サービス開始」の見出しのもと,「・・・本サービスを通じて,企業の商品開発やプロモーション開発に多様なクリエイティブクラスが参加することにより,新しいマーケティングの場を提供していきます。」の記載がある(甲A18,甲B2)。
イ 株式会社シャノンのニュースリリースには,「マーケティングクラウドをアピール!第15回データウェアハウス&CRM EXPO開催」の見出しのもと,「ブースでは,マーケティング活動の効率化や,それらを統合管理し,個人情報と履歴を管理するプラットフォーム構築,Salesforce CRMとの連携など,マーケティング活動を支援するシーン別ソリューションをご紹介。」の記載がある(甲B4)。
ウ 「NaviPlus」のウェブサイトには,「『ネット&モバイル通販ソリューションフェア2012in東京』に出展」の見出しのもと,「SBIナビの提供するマーケティングクラウド『InSense』は,訪問客とのきずなを育てるための3つの機能(レコメンド×検索×レビュー管理)をワンストップ提供します。」の記載がある(甲A17)。
エ NECの「マーケティング クラウドサービス」のウェブサイトには,「マーケティング関連のクラウドサービスなら,実績のNEC」,「NECのクラウドでは,お客様の業務に役立つ高品質なソリューションを,NECが運用管理する安心・安全なクラウド環境からご提供します。」の記載がある(甲A20)。
オ 「Teradata Universe Tokyo 2012」のウェブサイトには,「高度な金融マーケティングのノウハウとIT基盤を共有し,収益拡大を図るマーケティング・クラウド」の記載がある(甲A21)。
カ 「CTC クラウドDay 2012」のウェブサイトには,「展示」の項目の「業種共通業務」中の「SaaS」の「電子帳票」において,「帳票マーケティングクラウドサービス/ビジネスドキュメントを有効活用するサービスです。」の記載がある(甲A22)。
キ アドビ社関連
(ア)アドビ社のプレスリリースには,「Adobe Marketing Cloudの新規導入事例について」,「・・・Adobe Marketing Cloudは,デジタルマーケティングへの取り組みによってビジネス強化を目指す企業のために,データとコンテンツを最大限に活用した,マルチチャネルの分析基盤と広範な最適化のソリューションを提供します。」の記載がある(甲A10)。
(イ)「アメーバニュース」には,「アドビ,ソーシャルメディアのビジネス活用支援ツール『Adobe Social』公開」の見出しのもと,「『Adobe Social』は,『Marketing Cloud』を構成するソリューションのひとつ。・・・今回提供を開始する『Adobe Social』を含む『Adobe Marketing Cloud』について,広告・マーケティング活動における計測と管理,実行,そして最適化といった一連の活動を行う際の業界スタンダードを目指していく・・・」の記載がある(甲B9)。
(ウ)「in the looop」のウェブサイトには,「新しい『Adobe Marketing Cloud』は,管理者,マーケター,クリエイティブの壁を越えて」の見出しのもと,「・組織を横断したチームのプラットフォームになること・多様な端末に対応していること・多様なデジタル資産を蓄積していけること・広範囲にわたる機能のユーザーインターフェースが統合されていること」の記載がある(甲A24)。
(エ)「日本情報産業新聞」には,「マーケティングクラウドにモバイル対応機能追加」の見出しのもと,「米アドビシステムズ社は,・・・『アドビ・マーケティング・クラウド』に,モバイルマーケティングの新機能を追加した。マーケティング・クラウドが提供している『分析』『ソーシャルアプリケーションの開発』『スマートフォンやタブレットを対象としたコンテンツのターゲティング』『広告』『モバイルコンテンツの管理と配信』の全5領域で,新しいモバイル向けの機能が利用できるようになった。」の記載がある(甲B63)。
(オ)「Web担当者Forum」のウェブサイトには,「マーケで成果を出すために組織の壁を壊そうとする『Adobe Marketing Cloud』はスゴかった/Adobe Summit 2013レポート」の見出しのもと,「『Adobe Marketing Cloud』として統合された製品群には,シングルサインオンでアクセスでき,ログインするとまず表示されるダッシュボードには,あらゆるデータ・コンテンツ・情報がフィードされ,マーケティング施策の全体像がこのプラットフォーム把握できるようになっている。」の記載がある(甲B10)。
(カ)「東洋経済ONLINE」のウェブサイトの「マーケティングもアドビに任せろ/CEOが語る,“元”クリエーターソフト企業の新機軸」には,「・・・クリエーティブクラウドを使ってコンテンツを制作して,それを,マーケティングクラウド側に保存することで,紙でもウェブでもデジタルマガジンでもコンテンツが利用できるようになります。さらに,ウェブサイトに訪れたユーザーの行動を測定して,各ユーザーの好みに合わせて(別の商品を勧めて販売する)クロスセルを行ったり,広告を入れたりすることも可能になります。」の記載がある(甲B11)。
(キ)「DIAMOND ONLINE」のウェブサイトの「IT&ビジネス業界ウォッチ」には,「もはやデジタル・マーケティングではなく,マーケティングのデジタル化が現実 Adobe Summit 2014,現地レポート」の見出しのもと,「・・・アドビ・マーケティング・クラウド(以下,マーケティング・クラウド)は,デジタル・マーケティングのソリューションとはいいつつも,もはやウェブやソーシャルといったデジタル分野でのマーケティング活動を最適化するためのソリューションの位置づけにとどまらない。」の記載がある(甲A27,甲B31)。
(ク)「朝日新聞DIGITAL」のウェブサイトには,「[CNET Japan]新UI『Adobe Target Standard』を国内提供 全マーケターが最適化プロに」の見出しのもと,「アドビ システムズは4月15日,クラウド型ウェブマーケティング支援ツール『Adobe Marketing Cloud』のソリューションファミリーに,『Adobe Target Standard』を加えたことを発表した。・・・従来からあるAdobe Targetの一部機能のUIなどを刷新し,ウェブ製作者とマーケティング担当者らが情報を共有しながらウェブサイトを改善できる機能を備えたのが特徴。」の記載がある(甲B34)。
ク オラクル社関連
(ア)「ITpro by 日経コンピュータ」のニュースには,「OracleがEloquaを約8億7100万ドルで買収へ,マーケティングクラウド推進で」の見出しのもと,「Oracleは,Eloquaの技術を自社のCRM製品およびサービス群『Oracle Customer Experience』などと組み合わせ,マーケティングクラウド事業の推進を図る。」の記載がある(甲B8)。
(イ)「朝日新聞DIGITAL」のウェブサイトのニュースリリースには,「SHIFTのオープン・マーケティング・クラウドは,広告主上位20社中10社を含むグローバル・ブランドのソーシャル・マーケティング・キャンペーンの企画,広告,分析のためのソリューションを提供しています。」の記載がある(甲B32)。
(ウ)「クラウドWatch」のウェブサイトには,「日本オラクル株式会社は8月19日,顧客を中心とした効果的なマーケティング活動を実現する最新のクラウド型マーケティングプラットフォーム『Oracle Marketing Cloud』を発表した。・・・『Oracle Marketing Cloud』で提供される具体的なソリューションとしては,『Oracle Responsys』と『Oracle Eloqua』を活用し,Web,ソーシャル,モバイルやeメールなどを含むさまざまなチャネルを使って,個々にカスタマイズされた顧客体験を提供しながら,メッセージ,キャンペーンなどの一環性のあるマーケティング活動を実現する。」の記載がある(甲A25,同様の記事は,甲B46,甲B47)。
ケ 「ASCII.jp」のウェブサイトには,「ウフルは,SalesforceやGoogle Apps,Microsoftなどのクラウドの再販や導入支援を進めるほか,マーケティングクラウドを展開する。」の記載があり(甲B21),「BCN Bizline」には,「ただ単にクラウドを提供するだけでなく,顧客の先にいるユーザーを見据えて,企業のマーケティング活動を包括的に支援するというもの。」の記載がある(甲B30,甲B68)。
さらに,「ITmedia エンタープライズ」のウェブサイトには,「『マーケティング・クラウド』と呼ぶ新しい領域を開拓する。・・・例えば,CRM(顧客情報管理)やSFA(営業支援)ならSFDC,メールやスケジュール管理ならグーグル,大量データのアーカイブならAWS,Excelの共有ならマイクロソフトなどと,各社のクラウドの特性を生かした提案をする。」の記載がある(甲B41)。
コ 「クラウドWatch」のウェブサイトには,「日本IBM,柔軟なSaaSソリューションの提供を可能にするパートナー向けプログラム」の見出しのもと,「リアルタイムでの個客マーケティング展開を支援するマーケティングクラウド『IBM Marketing Center』,・・・」の記載がある(甲B23)。
サ 「朝日新聞DIGITAL」のウェブサイトのニュースリリースには,「NTTコム オンライン,米サトメトリックスと顧客ロイヤルティを向上させるネットプロモーター・ソリューションで日本市場における独占業務提携」の見出しのもと,「(1)マーケティングクラウドサービス『Satmetrix Pro』の提供 『Satmetrix Pro』は,米国のグローバル企業を中心に1000件を超える導入実績のある,顧客ロイヤルティ向上に向けたマーケティングクラウドサービスです。顧客ロイヤルティを向上させるために必要な各ステップをワンストップで提供します。」の記載がある(甲B24,同様の記事は,甲B25ないし甲B28,甲B66)。
また,「NTTコム オンライン,NPS(R)を活用したソリューションを提供開始」した旨及び「NPS(R)マーケティングクラウド『SatmetrixPro』NPS(R)を測定するためのアンケートの作成・収集から,プロモーターの把握・要因分析改善アクションまで,NPS(R)マーケティングクラウド『SatmetrixPro』がプロセスを自動化して実施します。」の記載がある(甲B48,甲B49)。
シ 「電波新聞」には,「JBCC 基幹業務システムのクラウド化に力」の見出しのもと,「JBCCは,1月にマーケティング クラウド事業部を設置して,独自開発のERP(統合基幹業務)システムをはじめとした業務システムのクラウド環境での運用や,クラウドによるシステム基盤構築を推進している。中でも基幹業務システムのクラウド化に注力。」の記載がある(甲B69,同様の記事は,甲B70,甲B72)。
ス 株式会社プラスアルファ・コンサルティングのニュースリリースには,「プラスアルファ・コンサルティングは,『見える化を基軸としたマーケティングクラウド専門会社』として,2006年の設立以来,・・・テキストマイニング技術を応用し,様々な情報を『見える化』することで,お客様のビジネスに+α(プラスアルファ)の価値を創造するための,ソフトウェアの開発・販売,コンサルティング,新規事業創出などを行っています。」の記載がある(甲B35)。
セ 「PC online」のウェブサイトには,「6つのサイトの訪問者を統合分析,ケン・コーポがクラウドで実現へ」の見出しのもと,「トライアックスとスペイシーズは2014年5月23日,共同で提供しているマーケティングクラウドサービス『SATORI』を,・・・SATORIは,2社が共同で提供しているクラウドサービス。複数サイトから集めたログ情報を,訪問者ごとに分析し,訪問者ごとにコンテンツを出し分けるといったことができる。」の記載がある(甲B37)。
(2)上記(1)によれば,「マーケティングクラウド」,「marketing cloud」の語については,「マーケティングのクラウドソーシングプラットフォームである『みんなの企画会議室(仮)』を開始」,「本サービスを通じて,企業の商品開発やプロモーション開発に多様なクリエイティブクラスが参加することにより,新しいマーケティングの場を提供」(甲A18,甲B2)の記載は,どのような意味合いをもって使用されているのか不明確といわざるを得ないものであり,アドビ社に関連する情報においても,例えば,「デジタルマーケティングへの取り組みによってビジネス強化を目指す企業のために,データとコンテンツを最大限に活用した,マルチチャネルの分析基盤と広範な最適化のソリューションを提供」(甲A10),「広告・マーケティング活動における計測と管理,実行,そして最適化といった一連の活動」(甲B9),「『分析』『ソーシャルアプリケーションの開発』『スマートフォンやタブレットを対象としたコンテンツのターゲティング』『広告』『モバイルコンテンツの管理と配信』の全5領域で,新しいモバイル向けの機能が利用できる」(甲B63)等のように様々な表現がなされ,また,オラクル社に関連する情報においても,例えば,「『Oracle Marketing Cloud』で提供される具体的なソリューションとしては,『Oracle Responsys』と『Oracle Eloqua』を活用し,Web,ソーシャル,モバイルやeメールなどを含むさまざまなチャネルを使って,個々にカスタマイズされた顧客体験を提供しながら,メッセージ,キャンペーンなどの一環性のあるマーケティング活動を実現する。」(甲B46,甲B47)のように記載されているものである。
その他,「マーケティング活動の効率化や,それらを統合管理し,個人情報と履歴を管理するプラットフォーム構築,Salesforce CRMとの連携など,マーケティング活動を支援するシーン別ソリューションをご紹介。」(甲B4),「高度な金融マーケティングのノウハウとIT基盤を共有し,収益拡大を図るマーケティング・クラウド」(甲A21),「帳票マーケティングクラウドサービス/ビジネスドキュメントを有効活用するサービスです。請求書・納品書等を帳票イメージとして生成し,Web化によるコスト削減や早期到着による顧客満足度UPを実現します。」(甲A22)などの記載からは,どのような意味合いをもって使用されているのか明確に把握することができないものである。
そうとすれば,申立人らが提出した証拠からは,「Marketing Cloud(マーケティングクラウド)」の文字が,申立人らが主張する「マーケティング活動を効率化・円滑化するための手段であるクラウドコンピューティングを利用して提供されるマーケティングに関する役務」,「購買者のインターネット上の購買行動などのビッグデータを活用して,必要とされる情報を適切に提供していくマーケティングの手法」程の意味合いを理解,認識させるものということができない。
3 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は,「MARKETINGCLOUD」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
そして,前記1に記載のとおり,本件商標からは,「市場戦略のクラウドコンピューティング」程の意味合いを理解,認識させるものということができるとしても,それにとどまるものであって,かかる意味合いが直ちに本件指定役務との関係において,その役務の質を直接的,かつ,具体的に表すものということができない。
また,上記2(2)に記載のとおり,申立人らが提出した証拠からは,「Marketing Cloud(マーケティングクラウド)」の文字が,申立人らが主張する意味合いを理解,認識させるものとはいえないものであり,本件商標の指定役務中には,「インターネット」を介して提供され,又は「オンラインフォーラム」における役務が含まれていること等を考慮しても,「MARKETINGCLOUD」の欧文字からなる本件商標が,これに接する取引者,需要者に直ちに申立人らが説示する意味合いを認識させ,特定の役務の質を表示するものとして理解させるものということもできない。
そうとすれば,本件商標は,これをその指定役務について使用しても,役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものであり,かつ,役務の質について誤認を生じさせるおそれもないものというのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきものとする。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-11-17 
出願番号 商願2012-50762(T2012-50762) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (W42)
T 1 651・ 13- Y (W42)
最終処分 維持  
前審関与審査官 海老名 友子榎本 政実 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 井出 英一郎
田中 亨子
登録日 2014-12-05 
登録番号 商標登録第5724176号(T5724176) 
権利者 セールスフォースドットコム インコーポレイテッド
商標の称呼 マーケティングクラウド 
代理人 柳生 征男 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 中田 和博 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 青木 博通 
代理人 辻居 幸一 
代理人 藤倉 大作 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 松尾 和子 
代理人 中村 稔 
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