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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 登録しない W36 |
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管理番号 | 1308434 |
審判番号 | 不服2014-4145 |
総通号数 | 193 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2016-01-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-03-04 |
確定日 | 2015-12-14 |
事件の表示 | 商願2013-21337拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第36類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成25年3月25日に登録出願されたものであり、その後、本願の指定役務については、原審における同年9月5日付け手続補正書をもって、第36類「銀行業務,ミューチュアルファンド投資に関する助言,投資に関する管理,上場投資信託の分野における信託財産の運用指図,金融及び投資の分野における情報の提供,電子的手段による金融及び投資の分野における情報の提供,双方向ウェブサイト及びオンラインによるコンピュータデータベースを利用した金融に関する情報の提供,金融に関する助言,上場投資信託に関する受益証券の募集/売出し及び保護預り・収益分配金及び償還金の支払・管理及び引受け並びにこれらに関する情報の提供及び助言,投資に関するコンサルティング,事前に設定した基準に従って売出された有価証券に関する投資,投資,キャピタルインベストメントファンドの管理,ミューチュアルファンドに関する取引の取次ぎ,上場投資信託に関する取引の取次ぎ,上場投資信託に関する投資,商品投資顧問契約に基づく投資,金融又は財務に関する情報の提供,財務管理,金融又は財務に関する助言」と補正されたものである。 2 原査定における拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、商品や役務の品番、規格等を表示する記号、符号として普通に採択、使用されるローマ字1文字の一類型と認める「i」の文字を格別に特徴がある特殊な態様とはいえず、普通に用いられる方法を脱しない程度に緑色で書してなるにすぎないものであるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第5号該当性について 本願商標は、別掲に示すとおりの構成態様からなるところ、その構成態様に照らせば、看者をして、容易に「i」の欧文字1字として理解されるものであり、また、その書体も、「Memphis」と称するもののうちの「Extra Bold」によるもの(「Font Style Book 2009」(株式会社ワークスコーポレーション発行)及び「FFonts.net」のウェブサイトにおける「Memphis Extra Bold 商業フォント」の項目(http://jp.ffonts.net/commercial-fonts-242.html)参照。)に近似するものであり、さらに、該欧文字の彩色も,一般に広く用いられている緑色であることから、これらを総合勘案すれば、本願商標は、いまだ普通に用いられる方法の域を脱しない程度の方法をもって表してなるものとみるのが相当である。 そうとすると、本願商標は、「i」の欧文字1字を普通に用いられる方法をもって表してなるにすぎないものであるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわなければならない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標について、独創的で特異な態様からなるものであって、請求人により任意に採択されたものであるから、これに接する取引者、需要者は、かかる特徴的な形態を有する構成全体をもって、自他役務識別機能を発揮する商標として認識するというべきである旨主張する。 しかしながら、本願商標は、上記(1)のとおり、その構成態様に照らし、「i」の欧文字1字を普通に用いられる方法をもって表してなるにすぎず、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標に該当するものであるから、自他役務の識別標識として機能し得るとはいい難く、よって、上記請求人による主張を採用することはできない。 イ 請求人は、本願商標について、請求人が我が国を含む世界中で提供する「iShares」ブランドの上場投資信託及びその関連業務について広く使用されているものであり、また、既に広く知られ、世界各国で登録されている「iShares」関連商標を単に発展させたものであって、金融業界の取引者、需要者をして、該商標を連想させるものであるから、本願商標も登録されるべきである旨主張し、証拠方法として、甲第10号証ないし甲第21号証を提出している。 そこで、請求人の提出に係る甲各号証をみるに、請求人ないしその関連会社が「iShares(iシェアーズ)」と称する世界最大のシェアを持つ上場投資信託をアメリカ、カナダ、ヨーロッパのほか、我が国においても提供しており、また、我が国のほか、アメリカやヨーロッパ等において、第36類に属する役務について、「ISHARES」の文字からなる商標や図形と「iShares」の文字との組合せ等からなる商標の登録を有していることはうかがえるものの、本願商標の使用の事実を証明するとする請求人のウェブサイト情報及び新聞(1紙)又は経済雑誌(3誌)における広告(甲第13号証ないし甲第21号証)は、そのすべてが2013年(平成25年)の7月、8月及び10月に紙出力又は掲載されたものである上、その使用に係る商標も、専ら上記図形と「iShares」の文字との組合せに「by BLACKROCK」の文字を併記してなる商標及び「iShares」又は「iシェアーズ」の文字からなる商標であって、本願商標と同じ構成態様からなる標章が自他役務の識別標識として使用されているとはいい難い。 してみれば、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する需要者が請求人の業務に係る「iShares(iシェアーズ)」と称する上場投資信託ないしその関連商標を連想するとはいえず、よって、上記請求人による主張を採用することはできない。 ウ 請求人は、過去の審決例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張するが、本願商標と請求人の挙げる審決例に係る商標とは、その構成態様を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであり、同一に論ずることができないものであるから、上記請求人による主張を採用することはできない。 エ 請求人は、本願商標と同一又は実質的に同一の構成を有する商標が、アメリカを始め、アルファベットを日常的に使用する各国において、自他役務識別力を有する商標として登録されていることに鑑みれば、本願商標は、我が国においても自他役務識別力を有する商標として登録されるべきである旨主張し、証拠方法として、甲第23号証ないし甲第40号証を提出しているが、諸外国と我が国の商標保護に関する法制は、細部においては自ずと異なるものであり、よって、本願商標の登録の適否は、専ら我が国商標法の下において判断されるべきものであって、諸外国における登録状況等の事情をもって、上記(1)においてした本願商標についての判断が左右されるべきものではない。 したがって、上記請求人による主張を採用することはできない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 ![]() (色彩については、原本参照のこと。) |
審理終結日 | 2014-07-23 |
結審通知日 | 2014-07-30 |
審決日 | 2014-09-16 |
出願番号 | 商願2013-21337(T2013-21337) |
審決分類 |
T
1
8・
15-
Z
(W36)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高橋 謙司 |
特許庁審判長 |
今田 三男 |
特許庁審判官 |
谷村 浩幸 田中 敬規 |
商標の称呼 | アイ |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 田中 伸一郎 |
代理人 | 辻居 幸一 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 藤倉 大作 |
代理人 | 石戸 孝 |