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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W29
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W29
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W29
管理番号 1307532 
審判番号 不服2015-650040 
総通号数 192 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-15 
確定日 2015-09-16 
事件の表示 国際登録第1200118号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、第29類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2013年(平成25年)12月19日に国際商標登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品については、原審における平成27年1月16日付け手続補正書により、第29類「Meat and processed meat products,including sausages,frankfurters,saveloys,wursts,salamis,charcuterie,kabana,ham,bacon,pork,beef,preserved meat,meat extracts,meat jellies,liver and liver pate;poultry and game;chicken-flavoured luncheon meat;frozen meat products and pre-cooked meat products in this class;salted meats.」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5565573号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成24年1月12日に登録出願され、第29類「ステーキ,ハンバーグ,冷凍ステーキ,調理前ステーキ,冷凍ハンバーグ,調理前ハンバーグ,調理済みステーキ,調理済みハンバーグ,食肉,肉製品」及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同25年3月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成からなるところ、その構成は、黄色で着色した略長方形内に、上下段に小さく表した「QUALITY GUARANTEED」及び「MADE SINCE 1960」の欧文字並びにそれらの間の中央に陰影を付けて大きく表した「HANS」の欧文字を配したものである。
本願商標の構成中の「QUALITY GUARANTEED」及び「MADE SINCE 1960」の文字は、それぞれ、「品質保証付き」及び「1960年以来製造」という程の意味合いを理解させる英語であって、本願の指定商品との関係においては、自他商品の識別標識としての機能が無いか弱いものであるから、本願商標の要部は、「HANS」の欧文字部分というのが相当である。
そして、「HANS」の欧文字は、英和辞書によると、「ハンス」という男性名を表す文字であることから、該文字に接する需要者が、該文字を男性名と理解する場合には、本願商標は、「ハンス」の称呼及び「『ハンス』という男性名」の観念が生ずるものである。
他方で、上記の男性名は、日本においてそれほど知られているとはいえないことから、該文字に接する需要者が、該文字を男性名と理解しない場合には、「HANS」の欧文字は、我が国において親しまれた英語読み風に、例えば、「cans」を「カンズ」、「fans」を「ファンズ」、「pans」を「パンズ」と発音することに倣い、「ハンズ」と称呼されるというのが相当である。
そうすると、本願商標は、「ハンス」及び「ハンズ」の称呼を生じ、また、「『ハンス』という男性名」という観念を生ずる場合と特定の観念を生ずることのない場合があるといえる。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲(2)のとおり、全体を薄い赤色で着色した「HAN’S」の欧文字をモチーフとして、両端の「H」及び「S」の文字上部を角状に図案化し、また、「A」の文字の中央に牛と思しき灰色の図形を配した構成からなるところ、その構成中の「HAN’S」の欧文字部分について、「HAN」の文字部分は、我が国において特定の意味合いを有する成語として一般に親しまれたものとはいい難いものである一方、「’S」の文字部分は、「?の(もの)」という意味の名詞の所有格語尾を表すものとして一般に親しまれた英語であることから、「HAN’S」の文字部分から、「ハンズ」の称呼を生じ、また、「HANの(もの)」という程度の意味合いを認識するといえる。
そうすると、引用商標は、「ハンズ」の称呼を生じ、また、特定の観念を生ずるものではないが、「HANの(もの)」という程度の意味合いを認識するというのが相当である。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記のとおりの構成であって、「H」、「A」、「N」及び「S」の4文字を共通にするものの、それらの字体及び図案化の有無において異なり、また、「’(アポストロフィー記号)」の有無及び全体の色彩も異なるなど明らかな差異を有することからすれば、外観上、判然と区別し得るものである。
次に、両商標から生ずる称呼についてみるに、本願商標は、「ハンス」及び「ハンズ」の称呼を生ずるものであるのに対し、引用商標は、「ハンズ」の称呼を生ずるものであるところ、両者は「ハンズ」の称呼を共通にする場合がある一方、「ハンス」及び「ハンズ」の称呼での比較においては、差異音は清音「ス」と濁音「ズ」で称呼上近似するが、両称呼は3音と短音であるから、語尾も明瞭に発音され、該差異音が称呼全体に与える影響は小さくないものであり、両称呼は、称呼上明確に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本願商標は、「『ハンス』という男性名」という観念を生ずる場合と特定の観念を生ずることのない場合があるのに対し、引用商標は、特定の観念を生ずることのないものではあるが、「HANの(もの)」という程度の意味合いを認識するものであるから、両商標は、相紛れるおそれのないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、称呼において共通にする場合があるとしても、外観においては、判然と区別し得るものであり、また、観念においても、相紛れるおそれはないものであるから、その外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標をそれぞれ同一又は類似の商品に使用しても、その出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当であり、両商標は、非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】


審決日 2015-09-07 
国際登録番号 1200118 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W29)
T 1 8・ 261- WY (W29)
T 1 8・ 263- WY (W29)
最終処分 成立  
前審関与審査官 阿曾 裕樹 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 藤田 和美
手塚 義明
商標の称呼 クオリティーギャランティードハンス、クオリティーギャランティードハンズ、クオリティーギャランティード、ギャランティード、ハンス、ハンズ 
代理人 青木 博通 
代理人 神蔵 初夏子 
代理人 中田 和博 
代理人 柳生 征男 

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