• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない W03
審判 全部無効 観念類似 無効としない W03
審判 全部無効 称呼類似 無効としない W03
審判 全部無効 外観類似 無効としない W03
管理番号 1307433 
審判番号 無効2015-890004 
総通号数 192 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-12-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2015-01-07 
確定日 2015-10-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第5620981号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5620981号商標(以下「本件商標」という。)は、「エッセンシャルシャワー」の片仮名を標準文字で表してなり、平成25年4月5日に登録出願、第3類「かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同年7月17日に登録査定、同年10月11日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第76号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号に基づき、その登録は無効とされるべきである。
2 具体的な理由
(1)請求人が引用する商標
請求人が引用する商標は次のとおり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
ア 登録第2117987号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、昭和60年7月16日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年2月21日に設定登録され、その後、同21年4月22日に、指定商品を第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」とする指定商品の書換の登録がされたものである。
イ 登録第4168259号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成9年2月10日に登録出願、第3類「シャンプー,リンス,トリートメント」を指定商品として、同10年7月17日に設定登録されたものである。
ウ 登録第4530759号商標(以下「引用商標3」という。)は、「エッセンシャル」の片仮名を横書きしてなり、平成9年3月5日に登録出願、第3類「シャンプー,リンス,トリートメント」を指定商品として、同13年12月21日に設定登録されたものである。
エ 登録第4668079号商標(以下「引用商標4」という。)は、「エッセンシャル」の片仮名と「Essential」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成13年12月5日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」、第11類「化学物質を充てんした保温保冷具」及び第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」を指定商品として、同15年5月2日に設定登録されたものである。
(2)請求人の使用する引用商標の著名性
ア 引用商標を使用する製品の歴史
請求人は、1940(昭和15)年5月に設立され、化粧品、ヘアケア製品等の日用品を扱う(甲11)ほか、油脂関連製品等の工業用製品も扱い、幅広い事業を展開する巨大企業である。
請求人は、多様な業務の中でも、特に一般消費者層を対象とした価格設定が手頃な、ドラッグストアなどで購入できるシャンプー、リンス、トリートメントの販売に力を入れてきた。請求人は1976年より、「カオーフェザー エッセンシャル」の名称で、シャンプー及びリンスの発売を開始し、1980年からはブランド名を「エッセンシャル」と改め、シャンプー、リンス、トリートメントを現在でも販売している。なお、同製品の名称については、当初は「エッセンシャル」の片仮名が使用されていたが、1989年からは製品上に「Essential」と表示されるようになり、現在では、ホームページ等の製品紹介等においては「エッセンシャル」と「Essential」が併記して使用されることが多い。
請求人は、引用商標を使用するシャンプー、リンス、トリートメン(以下「請求人商品」という。)に関して、発売当初から「髪のキューティクルケア」を主なコンセプトとして掲げ、傷んだ髪をケアするという意味の「ダメージケア」という言葉をキーワードとして、成分の研究・開発を行ってきた。手ごろな価格設定がなされた請求人商品は、発売当初から、特に20歳から40歳前後の女性消費者の支持を受け、着実にその知名度を高めていった。請求人商品は、発売から40年近く経過した現在においても、請求人の主力製品として販売されるロングセラー商品である(甲13)。
請求人は、請求人商品の品質向上をめざし「ダメージケア」成分について日々研究を重ねており、商品のリニューアルを行い、定期的にシリーズの新製品を発売している。請求人商品の販売動向などについては業界新聞でも多数報道されている(甲14?甲27)。例えば、2011年には、経済産業省の化学工業統計において、シャンプー、リンス、トリートメントは15%超えまで伸長したことが報じられているが、その要因の一つとして、請求人商品の好調ぶりが挙げられている(甲26)。
イ 請求人商品の宣伝広告について
請求人は、請求人商品の発売当初から、イベントを開催したり、テレビコマーシャル、新聞雑誌などの媒体を利用して、以下のとおり宣伝広告を行っている。
(ア)テレビコマーシャル
請求人は、宣伝広告の中でも特に、テレビコマーシャルに力を入れており、請求人商品のテレビコマーシャルには、特に20代、30代女性に人気の高い女優、モデル、タレントが多数起用されている(甲28)。その事実は新聞記事などでも取り上げられている(甲29?甲31)。現在、テレビコマーシャルのキャラクターを務めるのは、男女問わず幅広い人気を誇る男性タレントである(甲32)。
なお、現在では、美しい髪にできる光の輪を意味する「天使の輪」の語は、1980年に請求人が請求人商品のテレビコマーシャルで用いたのが始まりである(甲28)。
上記のとおり、請求人はテレビコマーシャルを積極的に使用して、製品のイメージアップに努めた結果、請求人商品のテレビコマーシャルは企業別テレビコマーシャル好感度ランキングにおいて、2010年度7位、2011年度5位、2012年度4位となっていることが中国新聞で紹介されている(甲33、甲34)。請求人商品のテレビコマーシャルは、近年特に好感度が高いといえる。
(イ)雑誌記事
請求人は、主に20代から40代の女性を対象とした女性ファッション雑誌において、請求人商品の宣伝広告記事を掲載し、2012年には約10件、2013年には約30件、2014年には約20件の請求人商品の記事が掲載された(甲35)。
(ウ)イベント
請求人は、請求人商品のイメージ向上や宣伝広告のためにイベントを積極的に行っている。2010年には同製品のイメージキャラクターのグループ結成式を行ったり、同キャラクターが「東京ガールズコレクション」のステージに登場したことが新聞記事で紹介されている。翌年の2011年にも「東京ガールズコレクション」において、同製品のテレビコマーシャル・キャラクターを務めたタレントが登場し、同製品のイメージアップに努めた(甲36、甲37)。2013年にはおしゃれを楽しみたい女性を応援する、というコンセプトで、請求人商品についての「おしゃコン」という名称のイベントが東京都の表参道で開催された(甲38)。
(エ)宣伝広告費
株式会社博報堂が発行した、2006年から2013年までの広告出稿統計によれば、広告統計会社が公表した、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネット・交通6媒体の、請求人商品の広告費用を合算した金額は、毎年10.7億円ないし16.1億円である(甲39?甲42)。
以上のとおり、請求人は年間約10億円ないし15億円という多大な費用をかけて、請求人商品の宣伝広告を行っている。
ウ 請求人商品の販売高について
請求人商品は、以下のとおり女性用シャンプー、トリートメント製品の中でも高い販売高、販売シェアを誇っている。
(ア)販売金額シェア及び販売個数シェアについて
請求人商品は、数あるシャンプー、リンス、トリートメント製品の中でも、高い販売金額・個数を維持している。シャンプー、リンス部門の製品としては、2002年から2013年の統計によれば、販売金額のシェアは5%から6%台を、順位は5位から7位を維持している。販売個数のシェアは6%から8%台を、順位は3位から5位を維持している(甲43)。
(イ)新聞・雑誌記事で紹介されたランキング
業界雑誌チェーンストアエイジによれば、2009年10月ないし2010年3月のシャンプーの売り上げシェアで「エッセンシャル ダメージケア」製品が3.38%のシェアを占め、売り上げシェア第6位となったこと、2011年4月ないし2012年3月の「インバス ヘアケア」製品の金額シェアで「エッセンシャル」製品が6.85%のシェアを占め、売り上げシェア第5位となったことが紹介されている(甲44、甲46)。また、2010年11月18日付けFujiSankei Business iでは、頭髪用化粧品の新商品のランキングで、「エッセンシャル」製品が2位、5位、8位となったことが紹介されている(甲45)。
エ 請求人商品の認知度
上述のとおり、発売当初から現在にいたるまで約40年間、請求人が請求人商品を積極的に宣伝広告し、販売活動を行った結果、請求人商品は我が国のシャンプー、リンス、トリートメント製品の中でも高い認知率を誇るに至った。株式会社マーケティング・リサーチ・サービスにより、東京都庁を中心とする首都圏30kmにおいて、12才から69才の女性に対して行われたブランド認知率調査によれば、2013年11月の「エッセンシャル ダメージケア」の認知率は78.9%であった。2009年から2013年の期間中でも、ほぼ80%以上を維持しており(甲47)、シャンプー、リンス、トリートメント製品の中でも極めて高い認知率を維持している。
オ 小括
このように、請求人商品は、1976年に発売されてから現在に至る40年近くもの長期間、請求人による研究開発等の努力の結果、その販売高は我が国のシャンプー、リンス、トリートメント製品の中でも高いシェアを維持している稀有な商品である。また、請求人がテレビコマーシャルをはじめとした宣伝広告活動を積極的に行った結果、請求人商品は、シャンプー、リンス、トリートメント製品として、一般消費者の間で認知度の高いロングセラー商品となっている。このことを考慮すれば、本件商標の登録出願時には、引用商標は、請求人がシャンプー、リンス、トリートメントに使用する商標として、日本において極めて高い周知・著名性を有していたことは明らかである。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、「エッセンシャルシャワー」の片仮名からなるところ、その前半部を構成する「エッセンシャル」の文字は請求人に係る著名な商標「エッセンシャル」と同一の文字であって、指定商品との関係で自他商品識別力が比較的弱い後半部の文字「シャワー」とが結合した結合商標である。そして、かかる結合商標からなる本件商標からは、その構成全体で「エッセンシャルシャワー」との称呼、及び「エッセンシャルのシャワー」といった観念が生じるほか、その要部である前半の「エッセンシャル」の文字部分から「エッセンシャル」の称呼、及び請求人が「シャンプー、リンス、トリートメント」に使用して周知・著名な「エッセンシャル」との観念が生じる。
イ 引用商標の称呼・観念・外観について
引用商標1は、片仮名「エッセンシャル」と、請求人のハウスマーク「月のマーク」から構成される。引用商標2は、欧文字を図案化した「Essential」の文字からなり、引用商標3は片仮名「エッセンシャル」からなる。引用商標4は「エッセンシャル」の片仮名と「Essential」の欧文字を上下二段に書した構成からなるが、引用商標はその構成からいずれも「エッセンシャル」の称呼が生じ、請求人が商品「シャンプー、リンス、トリートメント」等に使用して周知・著名な「エッセンシャル」との観念が生じる。
結合商標における類否判断について
商標の類否判断に係る最高裁判決(昭和39年(行ツ)第110号。平成19年(行ヒ)第223号、甲48)に従えば、本件商標の前半の「エッセンシャル」の文字部分は、請求人の著名な標章と同一の文字からなり、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分であるので、当該「エッセンシャル」の文字部分を本件商標の要部として抽出し、引用商標との類否判断を行うべきものと考えられる。さらに、後半の「シャワー」の文字部分は、自他商品識別力が比較的に弱い語であるから、かかる点からしても、本件商標の前半の著名な「エッセンシャル」の文字部分を要部として抽出し、識別力の弱い後半の「シャワー」の文字部分を捨象して引用商標と比較することは当然許されるというべきである。
エ 本件商標と引用商標の称呼・観念・外観の対比
(ア)結合商標である本件商標の要部について
a 本件商標の前半の「エッセンシャル」の文字部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである
本件商標の前半部分の「エッセンシャル」の文字は、請求人が「シャンプー、リンス、トリートメント」に使用して周知・著名な引用商標と同一の文字からなるから、取引者、需要者に請求人の「シャンプー、リンス、トリートメント」を強く連想させる部分である。したがって、本件商標においては、前半の「エッセンシャル」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える要部となることは明白であり、本件商標においては、かかる要部の「エッセンシャル」の文字部分が他の商標との類否判断の対象となるというべきである。
かかる判断は審判決例(甲49?甲57)からも、より一層明らかなものとなる。
なお、特許庁の審査基準上でも、「指定商品又は指定役務について需要者の間に広く認識された他人の登録商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものを含め、原則として、その他人の登録商標と類似するものとする。」とされている。
以上より、本件商標においては、要部たる前半の「エッセンシャル」の文字部分が他の商標との類否判断の対象となるというべきである。
b 本件商標の後半の「シャワー」の文字部分は出所識別標識としての称呼、観念が生じない
本件商標の後半部分である「シャワー」の語は、「じょうろ状の噴出口から湯や水を注ぎかける装置」を意味する語であるが、化粧品について多用される言葉である。スプレー方式で細かい霧状の液状の化粧品を顔に吹き付ける方法は一般的に採用されており、霧状に液体が噴射される商品であることを表示するために、化粧品の名称に「シャワー」を付ける使用例は非常に多くみられる(甲58?甲62)。
さらに、2009年に「化粧品,せっけん類」を指定商品として登録出願された「寝グセ直しシャワー」について、「シャワー」の文字は商品の品質を表示するものであると判断され拒絶査定となっている(甲63)。
さらに、「化粧品」について、「シャワー」の語を含む商標登録は多数(約270件)存在する(甲64)。
以上より、「シャワー」の語は、化粧品業界においては霧状のスプレー方式で液体を顔や髪等に吹き付けることを意味することは、業界の取引者や需要者においては一般的な認識であるといえる。「シャワー」の語は化粧水については商品の品質を表示したにすぎず、自他商品識別機能は低く、出所識別標識としての称呼、観念は生じないといえる。このことは、特許庁での登録例・拒絶例を見る限りでも、明らかである。
加えて、本件商標が使用される化粧水について、被請求人のホームページにおいては、「肌になじみやすい生体親和水をベースにし、自らの力でうるおう肌に導く簡単ミストケア」と説明しており、本件商標はスプレー状で顔に吹き付ける化粧水について使用されるものであることは、その製品ウェブサイト上の説明からも明らかである。このことからも、本件商標における「シャワー」の文字部分は、商品の品質を表示したにすぎず、自他商品識別機能を発揮しないものであることは明白である(甲65)。
c 小括
以上に述べたとおり、a)本件商標前半の「エッセンシャル」部分については、請求人が「シャンプー、リンス、トリートメント」等に使用して周知・著名な引用商標と同一の文字からなることに加え、b)本件商標後半の「シャワー」の部分は、その指定商品との関係において自他商品識別機能が低く、出所識別標識としての称呼、観念は生じないことから、本件商標においては、前半の「エッセンシャル」部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える要部である。
よって、本件商標は前半の「エッセンシャル」の文字部分をその要部として他の商標との類否判断を行うべきである。
(イ)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標の類否について検討すると、引用商標は、その構成文字から「エッセンシャル」の称呼が生じ、請求人の周知・著名な「Essential」及び「エッセンシャル」との観念が生じる。
他方、本件商標は、片仮名の「エッセンシャルシャワー」からなり、上記で述べたとおり、構成中前半の「エッセンシャル」の文字部分が要部となるといえるから、かかる部分より「エッセンシャル」の称呼をも生じる。また、該文字は、請求人の周知・著名な引用商標と同一の文字からなることから、取引者、需要者に請求人の化粧品「エッセンシャル」を強く連想させる部分でもある。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼・観念においても類似するというべきである。
オ 小括
上述したとおり、結合商標である本件商標は、その構成中、前半の「エッセンシャル」部分が要部となり、そこから「エッセンシャル」の称呼、及び請求人の周知・著名な「エッセンシャル」との観念を生じることから、請求人の周知・著名な引用商標と称呼・観念において類似するものである。また、本件商標に係る指定商品中「化粧品,せっけん類」は、引用商標の指定商品と同一又は類似である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標の著名性
上記(2)で述べたとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時には我が国の取引者、需要者の間で周知・著名となっていた。
イ 本件商標と引用商標との類似性の程度
(ア)商標法第4条第1項第15号は、a)商標が同一又は類似で、商品、役務が非類似である場合のみならず、b)商標が非類似で、商品、役務が同一又は類似である場合、c)商標が非類似で商品、役務が非類似である場合の各類型において適用されうるものであって、同項第11号の意味で商標が非類似であっても、引用商標が著名である等のため広義の混同のおそれがある場合に本号に該当することがある(甲66)。
(イ)引用商標は、「エッセンシャル」の称呼、請求人の周知・著名な「エッセンシャル」の観念が生じる。他方、本件商標は、「エッセンシャルシャワー」の片仮名からなり、上記で述べたとおり、前半部分の「エッセンシャル」が要部となるといえるから、かかる部分より「エッセンシャル」の称呼をも生じ、該文字は請求人の周知・著名な引用商標と同一の文字からなることから、取引者、需要者に請求人商品を強く連想させる部分でもある。
したがって、本件商標は、請求人の周知・著名な引用商標と類似することは明らかであり、これに接した需要者は、請求人の周知・著名な引用商標を容易に想起し、請求人商品と関連のある商品であるかのごとく、その商品の出所について混同するおそれが極めて高い。
また、仮に、本件商標が引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号における類似の要件を満たすほどの類似性を有するものではないとしても、「エッセンシャル」の部分が共通するのであり、その類似性の程度は極めて高いというべきである。このことを前提として出所混同のおそれの存否を判断しなければならない。
なお、周知・著名な商標と同一の文字と自他商品識別機能を発揮しない文字との結合商標では、当該周知・著名商標との誤認・混同のおそれが高いということは、特許庁の審決例においても認められている(甲67?甲73)とおりであるから、本件商標と引用商標との混同のおそれについても、同様に是認されて然るべきである。
エ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との関連の程度等
本件商標に係る指定商品中「せっけん類,化粧品」と引用商標の指定商品中「シャンプー,リンス,トリートメント」とは、特許庁の類似商品・役務審査基準において類似する商品であるとされている。本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは非常に高い関連性を有することは明らかである。
オ 出所の混同の有無
以上アないしエを踏まえると、引用商標と称呼・観念において類似する本件商標をその指定商品について使用した場合には、これに接する取引者、需要者は周知・著名な引用商標と関連のある商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生じるおそれが極めて高いと考える。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
カ 引用商標に関する過去の審決・決定
過去、多くの審決・決定において、請求人の商標「エッセンシャル」「Essential」が取引者、需要者の間で周知であり、該文字を構成中に含む商標が本号に該当すると判断されている(甲72?甲76)。
これら審決等に照らしても、本件商標のように、「エッセンシャル」以外の部分が強い自他商品識別機能を有さない場合には、「エッセンシャル」部分が独立して出所表示機能を発揮する部分となり、引用商標との間で出所混同が生ずることは明らかである。
(5)まとめ
以上のことから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するというべきである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第33号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、「エッセンシャルシャワー」の片仮名を同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で一連に横書きしてなり、全体としてまとまりよく一体不可分に表されているものである。
そして、本件商標を構成する「エッセンシャル」の語と「シャワー」の語についてみると、いずれも英語の「essential」と「shower」の発音を片仮名で書したものである。
この英語の「essential」及び「shower」の語は、いずれも中学校で学ぶ基本的な単語であり、前者は「欠かすことのできない、本質的な。」の意味を有する形容詞として、後者は「にわか雨、シャワー」の意味を有する名詞として広く知られている(乙1、乙2)。
形容詞は、「品詞の一つ。事物の性質・状態・心情等を表す語。」(乙3)であり、本件商標については、「欠かすことのできないシャワー」等の意味合いを有する一連一体の造語と理解することが自然であるから、本件商標を構成する「エッセンシャルシャワー」の文字に相応して「エッセンシャルシャワー」の称呼のみを生ずるものである。
また、「エッセンシャル」の語及び「シャワー」の語について、それぞれ片仮名としての意味や用例についてみると、「エッセンシャル」の語については、「本質的、必須」の意味があり、用例としては「エッセンシャルオイル」のように「オイル(oil)」の語と組み合わされて「芳香のある揮発性の油。」と説明している(乙4)。
さらに、「シャワー」の語については、「如雨露のような口から水や湯を噴出させる装置。また、そこから出る水や湯。」と説明しており(乙5)、どちらも日常使用される語で広く知られている語である。
そして、カタカナ語辞典には「エッセンシャルシャワー」の語はないが、前半の「エッセンシャル」を形容詞とし、後半の「シャワー」を名詞として、全体から「本質的なシャワー」「必須のシャワー」等の意味合いを有する全体としてまとまりのある観念からなる語と理解することが自然である。
加えて、「広辞苑」でみても、「エッセンシャルシャワー」の語はないが、「エッセンシャル」と「シャワー」の語それぞれの意味(乙6、乙7)から、「本質的なシャワー」「必須のシャワー」「必須のにわか雨」等の意味合いを有する全体としてまとまりのある観念からなる語と理解することが自然である。
(2)化粧品業界における「エッセンシャル」及び「essential」の語の使用状況について
化粧品業界においては、「エッセンシャルオイル」、「エッセンシャルクリーム」及び「エッセンシャルローション」のように、「エッセンシャル」の語が他の語と結合され商品名として使用されている。
また、指定商品に「化粧品」を含む商標の登録例をみても、その商標の構成中に「エッセンシャル」又は「essential」の文字を含むものが多数登録され、現在も有効に存続している(乙8?乙13)。
そうとすれば、本件商標の構成中「エッセンシャル」の文字部分を分離して、この文字部分のみが独立して把握されるとすることは自然ではなく、無理があるというべきである。
(3)化粧品業界における「シャワー」の語の使用状況について
「シャワー」は、化粧品業界において「霧状に液体が出る商品」であることを直接的・具体的に示す語として取引上普通に使用されているものではない。
むしろ化粧品業界において「霧状に液体が出る商品」を直接的、具体的に表示するには、「ミスト」や「スプレー」の語を用いるのが通常である。
また、「シャワー」は、化粧品の品質等に関連する語と組み合わせることで、前者がにわか雨のように降り注ぐことを間接的に暗示するような造語表現となる。このような商標は「寝グセ直しシャワー」が拒絶査定となった以降にも、「ヒアルロンシャワー」(登録5423291号)、「アロマシャワー\AROMA SHOWER」(登録5438770号)、「Aqua Shower」(登録5474065号)など多数登録されている。
本件商標も「必須の」等を意味する「エッセンシャル」の語と「にわか雨」等を意味する「シャワー」の語とからなる構成を有している点で同様である。
したがって、本件商標はあくまでも「必須のシャワー」「必須のにわか雨」という一連一体の造語として把握されるのが自然であって、本件商標を構成する文字中の「シャワー」の文字部分を除外して、その他の文字部分である「エッセンシャル」のみが独立して把握されるとすることは自然ではなく、無理があるというべきである。
(4)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、前述のとおり、文字構成上から全体が一体のものとして把握されるものであって、かつ、全体で一体的な観念を有する商標であるから、本件商標と引用商標とを比較した場合であっても、外観においては明らかに相違し、称呼においても構成音数が大きく異なり、後半の「シャワー」の音の有無が異なるもので、さらに観念においても全く別異の意味合いを有するものである。
よって、本件商標と引用商標とは類似するものではないから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(5)審判決例等について
ア 請求人は、審判決例(甲49?甲57)を提示して、本件商標は、その構成中「エッセンシャル」の文字部分をその要部として類否判断を行うべきである旨主張している。
しかし、それら審判決例は、その引用商標が独創性のある造語又は識別性の高い語で構成されている等いずれも、一般的な語である「エッセンシャル」の語と「シャワー」の語とが一連一体に構成された本件とは事案が異なるものである。
また、特許庁の審査基準は、あくまでも原則として類似と判断される基準を示したものにすぎないし、そこに掲げられている引用商標の例は、本件とは異なりいずれも独創性のある造語で構成された商標であり、一般的な語である「エッセンシャル」の語と「シャワー」の語とが一連一体に構成された本件では、当然に類似と判断されるものではない。
さらに、「寝グセ直しシャワー」に係る拒絶査定(甲63)では、「シャワー」の文字が「霧状に液体が出る商品」を表すものとして使用されている実情があると記載されているが、あくまでも一出願の審査にすぎないのであって、他の案件を拘束するものではないし、商標全体として識別力を発揮するものについてまで登録を否定するものではないのは当然である。現に上記したように、当該拒絶査定の日以後でも、識別力がないか弱いと考えられる文字と「シャワー」の文字とを結合した商標について多数の商標登録が認められている。
イ 本件商標については、上記(1)のとおり、その構成中の「エッセンシャル」の語も「シャワー」の語も、いずれも広く知られている一般的な語の結合からなるものであり、「エッセンシャル」及び「シャワー」の語の意味や用例、さらには、化粧品業界においての商品名の使用例からは、請求人が主張する「エッセンシャル」の文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与える要部となるから類否判断の対象となるとの主張は成り立たない。
(6)小括
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるとの請求人の主張は、成り立たない。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)引用商標について
請求人は、引用商標が周知・著名商標であることを主張しているが、引用商標がいかに請求人の使用する商標として周知・著名であるとしても、それがために引用商標と本件商標との間の類否関係が変わるものではない。
(2)本件商標と引用商標について
ア 請求人提示の最高裁判決(平成10年(行ヒ)第85号)に掲げられている「混同を生ずるおそれ」の有無の判断基準のうち、本件商標と他人の表示との類似性の程度については、本件商標は、上記1で述べたとおり、「エッセンシャルシャワー」の称呼のみを生ずるのに対し、引用商標からは「エッセンシャル」の称呼のみを生ずるから、本件商標と引用商標とは、称呼上明らかに非類似である。
そして、本件商標は、上記1で述べたとおり、「本質的なシャワー」「不可欠なシャワー」等の意味合いを有するものであるから、引用商標の「本質的、必須」の意味合いとは明らかに観念上も互いに非類似の商標である。
さらに、外観においても、本件商標と引用商標とは、明らかに非類似である。
そうとすると、本件商標と、請求人の使用する引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からも互いに非類似の商標である。
イ 同判決の判断基準のうち、他人の表示の独創性の程度については、「エッセンシャル」及び「Essential」は、いずれも上記1で述べたとおり、「本質的、不可欠な」という意味を有する一般的な語であって造語ではなく、独創性がないものである。
したがって、商標同士で「エッセンシャル」という独創性のない文字部分がたまたま共通することは多々あるのであって、共通するからといって当然に商品の出所について混同を生じるものではない。
ウ なお、被請求人は、2008年3月1日より、会報誌「Vicafe」、「Vernalista」(乙14?乙16)やインターネットサイト(乙17)等を通じて「エッセンシャルシャワー」の商品を販売している。「エッセンシャルシャワー」の商品案内が掲載された会報誌「Vernalista」2012年1・2月号の印刷部数は36万部である(乙16)。
そして、テレビショッピングによる宣伝広告として、特に29分のコマーシャル番組が制作・放送されている(乙19)。コマーシャル番組の放送回数は、30か月で3,966回であって、月平均132.2回である(乙19)。放送されている地域についても、北は北海道から南は沖縄まで、全国にわたっている(乙20)。
電子メールマガジンによる宣伝広告も行っており(乙21)、平成27年3月7日のメルマガ配信数は33,173通である(乙22)。また、新聞広告も行っている(乙23)
さらに、被請求人の「エッセンシャルシャワー」は、雑誌に数多く掲載されている(乙24?乙28)。
これらの広告媒体における被請求人による本件商標の現実の使用状況からは、「エッセンシャルシャワー」はあくまでも「エッセンシャルシャワー」という一連一体のものとして取引者、需要者に把握されていると判断するのが自然である。本件商標に接した取引者、需要者において、当該「エッセンシャル」の文学部分から請求人の「エッセンシャル」を想起することは到底考えられない。
また、被請求人の商品と請求人の商品とが混同を生じているという事実は一切ない。
エ 以上より、本件商標は、これをその指定商品について使用した場合に、請求人又は請求人と何らかの経済的、組織的に関係のある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるとの請求人の主張は、成り立たない。
(3)審決例について
以上の被請求人の述べる結論は、「エッセンシャル」、「ESSENTIAL」の語を含む商標と、請求人の「エッセンシャル」、「essential」商標とは非類似であるとともに、商品の出所について混同を生じないと判断された審決・決定(乙29?乙33)に照らしても妥当であるといえる。
これらの審決・決定において審理の対象となった商標と本件商標とは、「エッセンシャル」の文字とその他の文字とで一連一体に構成された一つの造語と把握されるのが自然であるという点で共通している。
したがって、これらの審決・決定に鑑みて、本件商標と引用商標とが非類似であるとともに商品の出所について混同を生じないと判断したとしても、全く不都合はないといえる。
(4)請求人が引用した審決例について
請求人が引用した審決例(甲67?甲73)は、適用条文が異なるもの、引用商標が独創性の高い造語からなるもの、著名なブランドのハウスマークに係るもの、「essential」の文字に何らの文字も付加していないもの等、いずれも本件とは事案が異なるものである。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるとの請求人の主張は、まったく理由がないものである。

第4 当審の判断
1 本件商標と引用商標との類否について
(1)本件商標について
ア 本件商標は、上記第1のとおり、「エッセンシャルシャワー」の片仮名を標準文字で表してなり、その構成文字は、同書、同大、同間隔で、一連一体に表され、また、該文字に相応して生じる「エッセンシャルシャワー」の称呼はよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、該「エッセンシャルシャワー」の文字(語)は、「欠くことのできない、本質的、必須の」の意味を有する形容詞として親しまれている「エッセンシャル」の語と「じょうろ状の噴出口から湯や水を注ぎかける装置、シャワー」を意味する名詞として親しまれている「シャワー」の語を結合してなるものといえるところ、全体として容易に理解し得る意味合いを認識させるものとは言い難く、かつ、それを認識させるものと認め得る証拠は見いだせないから、本件商標は、特定の観念を生じないものというべきである。
してみれば、本件商標は、これに接する取引者、需要者をして、その構成文字全体が一体不可分のものであって、「エッセンシャルシャワー」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じない造語を表したものとして認識、把握させるものと判断するのが相当である。
イ なお、請求人は、本件商標の構成中「エッセンシャル」の文字部分は請求人がシャンプー、リンス、トリートメンに使用する周知・著名な引用商標と同一の文字であって、「シャワー」の文字(語)は化粧水について商品の品質を表示するものであるから、本件商標はその構成中「エッセンシャル」の文字部分が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分といえ、該文字部分を要部として抽出し引用商標と類否判断を行うべきものである旨主張している。
しかしながら、「エッセンシャル」の語は、「欠くことのできない、本質的、必須の」などの意味を有する形容詞であり(乙4、乙6)、化粧品やせっけん類について、例えば「エッセンシャルオイル」「エッセンシャルクリーム」「エッセンシャルローション」「エッセンシャルウォーター(ジェル)」「エッセンシャルソープ」などのように後ろに位置する他の名詞と結合し、一つの語として使用されることが少なくないこと(乙6、被請求人の主張、職権調査(Google検索、ウェブページ))、「シャワー」の語は化粧水等について多数使用されていること(甲58?甲63)からすれば、「エッセンシャルシャワー」の文字が一連一体に表わされている本件商標においては、「エッセンシャル」及び「シャワー」のいずれかの文字部分が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというより、むしろ、上述のとおり「エッセンシャルシャワー」の文字全体が一体不可分のものとして認識されると判断するのが相当である。
したがって、請求人のかかる主張は採用できない。
ウ よって、本件商標は、その構成文字全体が一体不可分のものであって、「エッセンシャルシャワー」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものというべきである。
(2)引用商標について
引用商標(4件)は、それぞれ上記第2 2(1)アないしエのとおりの構成からなり、いずれも、それらの構成中の「エッセンシャル」又は「Essential」の文字に相応し、「エッセンシャル」の称呼、「欠くことのできない、本質的、必須の」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 本件商標と引用商標3の類否
本件商標と引用商標3とを比較すると、外観について両者は、「エッセンシャルシャワー」と「エッセンシャル」の11文字と7文字という構成において、語尾に「シャワー」の4文字の有無という明らかな差異を有するから、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
次に称呼についてみると、本件商標の称呼「エッセンシャルシャワー」と引用商標3の称呼「エッセンシャル」は、8音と5音という称呼において、称呼の識別上重要な要素といえる語尾において「シャワー」の音の有無という差異を有するから、両者をそれぞれ一連に称呼してもかれこれ聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。
さらに、観念については、本件商標は特定の観念を生じないものであるから、引用商標3の観念と相紛れるおそれのないものである。
そうすると、本件商標と引用商標3とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
イ 本件商標と引用商標1、2及び4との類否について、
本件商標と引用商標1、2及び4とは、これら商標の外観、称呼及び観念が上記(1)及び(2)のとおりであり、両者の構成態様の差異及び本件商標と引用商標3を非類似の商標とした上記アの理由を勘案するならば、両者が非類似の商標であって別異の商標であることは、より明らかである。
ウ なお、被請求人は、平成20年3月から本件商標の登録査定日はもとより現在まで継続して、本件商標を化粧水の広告に使用していることが推認でき(乙14、乙21、乙23?乙28、職権調査(被請求人ホームページ))、その間、被請求人の商品が請求人の商品であるかのように出所の混同を生じたとの事実は確認できないし、また、他に本件商標と引用商標とが類似するというべき事情は見いだせない。
エ したがって、本件商標は、引用商標のいずれとも非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
2 商標法第4条第1項第11号について
上記1(3)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、仮に引用商標が他人(請求人)の業務に係る商品を表示するものとして我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
3 商標法第4条第1項第15号について
上記1(3)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であって別異の商標というべきものであるから、仮に、引用商標が他人(請求人)の業務に係る商品を表示するものとして我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているものであるとしても、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用した場合であっても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が請求人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない
4 むすび
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから、同法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効とすべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(引用商標1)




別掲2(引用商標2)






審理終結日 2015-08-07 
結審通知日 2015-08-11 
審決日 2015-09-10 
出願番号 商願2013-25479(T2013-25479) 
審決分類 T 1 11・ 262- Y (W03)
T 1 11・ 261- Y (W03)
T 1 11・ 271- Y (W03)
T 1 11・ 263- Y (W03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 中束 としえ
梶原 良子
登録日 2013-10-11 
登録番号 商標登録第5620981号(T5620981) 
商標の称呼 エッセンシャルシャワー、エッセンシャル 
代理人 遠坂 啓太 
代理人 田中 克郎 
代理人 久保山 隆 
代理人 南瀬 透 
代理人 森 博 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 中村 勝彦 
代理人 遠坂 啓太 
代理人 加藤 久 
代理人 山田 薫 
代理人 田代 茂夫 
代理人 加藤 久 
代理人 森 博 
代理人 田代 茂夫 
代理人 久保山 隆 
代理人 南瀬 透 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ