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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y29 |
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管理番号 | 1307419 |
審判番号 | 取消2014-300828 |
総通号数 | 192 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-12-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2014-10-14 |
確定日 | 2015-10-21 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4881323号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4881323号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4881323号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成16年12月15日に登録出願、第29類「味付けのり・焼きのりその他の加工水産物」を指定商品として、同17年7月22日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求は、同26年10月29日に登録されている。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。 (1)請求の理由 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 (2)答弁に対する弁駁 被請求人は、「商品の包装に本件商標を付したものを個人輸入又は韓国食品問屋から購入し、販売、譲渡又は頒布する行為を、平成17年(2005年)7月22日に登録してから、現在に至るまで継続しておこなっている」と主張し、乙第1号証ないし乙第7号証を提出したが、これら乙各号証によっては、本件商標の使用に関する被請求人の主張事実は何ら立証されていない。 ア 乙第1号証 被請求人は、乙第1号証の第1葉目として、被請求人が運営しているとするショッピングサイト「ホンヘ JAPAN KOREA e_shop」の画面コピーを提出しているが、該コピーは非常に不鮮明で、本件商標を認識することができず、これにより「登録商標の商品がバーナーに表示掲載されている」事実を証明することはできない。一方、上記ショッピングサイトを確認したところ、「韓国海苔」の写真がバーナーに掲載されており、かろうじて当該パッケージに本件商標が表示されていると見受けられるものの、同ショッピングサイトで販売対象とされる「商品カテゴリー」には、この「韓国海苔」は含まれておらず、当該商品が実際に販売されているかどうかは不明である。したがって、該号証は、「販売、譲渡を目的として、広告宣伝している」という被請求人の主張を裏付ける客観的証拠にはなりえない。 また、乙第1号証の第2葉目は、「ペンション琵琶湖」のウェブサイトにおける通販ページの画面コピーであると推測されるところ、これはショッピングサイト「ホンヘ JAPAN KOREA e_shop」へのリンク先を表した画面にすぎないので、本件審判請求前3年以内(以下「要証期間内」という。)に被請求人により本件商標が使用されていた事実を客観的に証明するものではない。 さらに、乙第1号証の第3葉目は、「ペンション琵琶湖」のウェブサイトにおけるフロントページの画像コピーと推測されるところ、ペンションらしき建物が認識されるだけで、被請求人の主張する「韓国海苔(商標付)」が「譲渡」された事実は何ら証明されておらず、被請求人の主張を裏付ける客観的証拠にはなり得ないことは明らかである。 イ 乙第2号証及び乙第3号証 乙第2号証は、カンシネ食品カタログ2014年10月、11月号のコピーであり、乙第3号証は、被請求人自身が韓国海苔を当該カタログから注文している証拠とする2013年5月30日付の納品書であるが、該納品書によって2014年10月、11月号のカンシネ食品のカタログから購入したことを証明できるはずもなく、また、これらによって、被請求人による本件商標の使用事実が何ら証明されるものではない。 ウ 乙第4号証 乙第4号証は、ショッピングサイトobuja.comからの注文状況を印刷したもの、顧客からの注文メールのコピー及びゆうパック発送済伝票のコピーであるが、それぞれの日付、注文内容、送付先に全く整合性はなく、また、本件商標はどこにも表示されていない。 したがって、本号証は、被請求人が要証期間内に本件商標を使用していた事実を裏付ける客観的な証拠とはなり得ない。 エ 乙第5号証 乙第5号証は、韓国からの直輸入記録リスト及び商品写真であるが、当該リストからは、いつ、どこから、何が輸入されたのか全く不明であり、商品の写真は半分が切れており、製造年月日も表示されておらず、被請求人との関係も本号証からは全く明らかでない。 したがって、本号証からは、本件商標の使用事実が何ら証明されるものではない。 オ 乙第6号証 乙第6号証は、登録第5288108号に係る商標権が被請求人から金炳文氏に移転されたことを示す書類であるが、これらは、本件商標の使用の立証とは全く無関係である。 カ 乙第7号証 乙第7号証は、不使用取消審判(取消2009-300948)の審決内容を示す書類であるが、本件商標の使用の立証とは何ら関係がない。 (3)結語 以上述べてきたように、被請求人によって提出された乙各号証によっては、本件商標の使用事実は何ら証明されていないから、本件商標の登録は、取り消されるべきである。 3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証を提出した (1)答弁の理由 被請求人は、商品の包装に本件商標を付したものを個人輸入又は韓国食品問屋から購入し、販売、譲渡又は頒布する行為を、平成17年(2005年)7月22日に登録してから、現在に至るまで継続しておこなっている。 また、新規商標として、ホンヘサンブジャキムを登録し、日本にて製造販売の準備を現在もおこなっている。 (2)審尋に対する回答 被請求人は、下記4の審尋に対し、「本件商標について、約10年間使用してきたが、今後は別の商標にて営業活動をすることとなり、本件商標については更新手続をする予定もなく、使用していたことの主張も意味がないため、取り消しの審決を求める。」旨回答している。 4 当審における審尋 被請求人に対し、平成27年7月16日付けで送付した審尋は、下記のとおりである。 (1)商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについて当該商標を使用していることを証明し、又は使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 被請求人(以下「商標権者」ともいう。)は、商標権者が、商品の包装に本件商標を付したもの(以下「使用商品」という。)を輸入又は韓国食品問屋から購入し、販売、譲渡又は頒布する行為を本件商標の登録から現在まで継続して行っていると主張し、その証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出している。 しかしながら、被請求人提出の乙各号証によっては、次の理由により、被請求人が商標法第50条第2項に規定する証明をしたものと認めることはできない。 ア 乙第1号証は、「ホンヘJAPAN KOREA e_shop」のウェブサイトの写しであるところ、2頁目の「ホンヘ産直ショップobuja.com」の見出しの下「韓国のり」の記載が認められるが、該ウェブサイトに本件商標が表示されていることは確認できない。なお、被請求人は、「登録商標の商品がバーナーに表示掲載されている」旨述べているが、写真が不鮮明で、本件商標を確認できない。 また、該ウェブサイトが商標権者によって運営されていることを把握することもできない。 イ 乙第2号証は、2014年10月、11月号の「カンシネ食品」のカタログの写しであるところ、該カタログからは「のり」が取り扱われていることは認められるが、写真が不鮮明であることから、その商品に本件商標が付されていることの確認ができない。 また、「カンシネ食品」と商標権者との関係も明らかでないことから、乙第2号証をもって、商標権者又は使用権者が本件商標を使用したということもできない。 ウ 乙第3号証は、2013年5月30日付けの「ガンシネ韓国食品通信販売」から「キムチの有希商店」にあてた「納品書」であるところ、商標権者と「キムチの有希商店」との関係が不明確であることから、商標権者がカンシネ食品カタログから商品を注文したことを把握することができない。 また、「商品コード/商品名」の欄に記載された「【三父子】弁当海苔(BOX24)」が、使用商品であることの確認ができない。 なお、被請求人は、審判事件答弁書において、「カタログから注文している。」と述べているが、仮に、それが上記カンシネ食品のカタログを利用して、被請求人が顧客として商品の購入をしていることを意図しているならば、その購入行為をもっては、本件商標の使用をしたということはできない。 エ 被請求人は、現在も使用商品を取り扱っている証拠として、乙第5号証を提出したが、乙第5号証の「注文状況」のリストによっては、使用商品の注文に係るリストであること、注文者及び注文先等が不明であって、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内(平成23年10月29日ないし同26年10月28日)に使用商品を販売(使用商品の譲渡又は引渡し)しているといえるのか、その詳細の把握ができない。また、添付の写真は、味付海苔の商品の写真であることは認められるが、該商品が商標権者によって譲渡又は引渡しされていることが把握できない。 (2)被請求人は、上記(1)アないしエについての意見又は本件商標の使用を証明する新たな証拠方法があれば提出されたい。 5 当審の判断 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについて当該商標を使用していることを証明し、又は使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 そして、被請求人は、上記3のとおり、商標権者が、使用商品を輸入又は韓国食品問屋から購入し、販売、譲渡又は頒布する行為を行っていると主張し、その証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出しているが、提出された乙各号証からは、上記4のとおり、被請求人が商標法第50条第2項に規定する証明をしたものと認めることはできないことから、当審では、審尋で新たな証拠方法の提出を求めたものである。 しかしながら、被請求人は、取り消しの審決を求めると回答し、新たな証拠方法の提出はない。 してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本件商標) |
審理終結日 | 2015-08-21 |
結審通知日 | 2015-08-27 |
審決日 | 2015-09-10 |
出願番号 | 商願2004-119447(T2004-119447) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(Y29)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 藤平 良二 |
特許庁審判長 |
林 栄二 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 梶原 良子 |
登録日 | 2005-07-22 |
登録番号 | 商標登録第4881323号(T4881323) |
商標の称呼 | サンプチャ |
代理人 | 龍華国際特許業務法人 |