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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20156267 審決 商標
不服201421754 審決 商標
不服201417746 審決 商標
不服2015143 審決 商標
不服201426706 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W30
管理番号 1306463 
審判番号 不服2015-5750 
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-03-27 
確定日 2015-09-09 
事件の表示 商願2014-41296拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「食事と一緒」の文字を標準文字で表してなり、第30類「粉末茶,茶」を指定商品として、平成26年5月23日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同27年3月27日付け手続補正書により、第30類「粉末茶」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『食事と一緒』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、本願商標の指定商品『茶』との関係からすると、これは『食事と一緒に茶を飲む』程の意味合いを容易に看取させるものであり、インターネット情報によれば、食事と一緒に飲む商品の意味合いとして、『食事と一緒』の文字が使用されている。そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、『食事と一緒に飲む商品』であることを認識させるにすぎず、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「食事と一緒」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、「栄養をとるために、習慣的に毎日何度か物を食べること。また、その食べ物。」の意味を有する「食事」の文字と、「同時に行われること。」などの意味を有する「一緒」の文字(いずれも「大辞泉第一版<増補・新装板>」小学館)を、助詞の「と」を介して結合したものであって、全体としては、「食事(食べること)と同時に行われること」ほどの意味合いを表すものとして容易に認識し得るものである。
ところで、上記1に記載の補正後の指定商品「粉末茶」を含む「茶」については、湯を注いで用いたり、粉にして湯にまぜて用いるなど飲料として摂取することが一般的であって、食事の際に摂取されることが普通に行われているものである。そして、近時、別掲1のとおり、「茶」に関連する商品において、例えば、特定保健用食品に指定されたものなどには、血糖値の上昇や脂肪の吸収を抑える商品が多く製造、販売されており、また、該商品の摂取方法として、食事と同時に摂取することを推奨することが広く行われている実情も認められる。
さらに、補正後の指定商品「粉末茶」についても、別掲2のとおり、該商品を摂取するに際し、食事と同時に摂取することを推奨するために「食事と一緒」の文字が一般的に使用されている事実が認められる。
そうとすれば、本願商標は、その補正後の指定商品「粉末茶」に使用しても、その取引者、需要者には、「食事(食べること)と同時に摂取すること」、すなわち、食事と同時に摂取することを推奨するための宣伝、広告の文言であることを認識するにとどまるものといえる。
また、本願商標は、標準文字で表されたものであるから、その書体に特段の特徴があるということもできない。
したがって、本願商標は、何人かの業務に係る商品であることを容易に認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標の構成中の「食事」及び「一緒」の文字について、複数の意味を有する語であり、さらに、補正後の指定商品「粉末茶」は、「食べるお茶」として、取引者、需要者をして広く認識されていることから、「食事(食べ物)と同じ。」の意味合いを暗示させるにすぎず、原審説示のごとき意味合いを直ちに認識させるものとはいい難い旨主張する。
しかしながら、「食事」及び「一緒」の文字が複数の意味合いを有するものであるとしても、それをもって、「食事」の文字が「栄養をとるために、習慣的に毎日何度か物を食べること。」、「一緒」の文字が「同時に行われること。」の意味を有し、全体としては、取引者、需要者によって上記(1)のとおり「食事(食べること)と同時に摂取すること」と認識される場合があることが否定されるものではない。
また、「食事と一緒」の文字は、別掲1及び2のとおり、商品「茶」などの説明においては、その多くが食事と同時に摂取することを推奨するものとして使用されており、当審において職権をもって調査するも、請求人が主張する「食事(食べ物)と同じ」の意味を表すものとして、「食事と一緒」の文字が取引上一般的に使用されている事実を発見することはできなかった。
さらに、補正後の指定商品である「粉末茶」についても、飲料として摂取されることが一般的であり、本願商標が食事と同時に摂取することを推奨するための宣伝、広告の文言と認識されるにとどまることは上記(1)のとおりであって、本願商標の指定商品を補正したことをもって、先の拒絶理由が解消したということはできないから、上記請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 「茶」に関連する商品において、食事と同時に摂取することを推奨することを内容とする新聞記事及びウェブサイトの記載(下線は当合議体が付加。以下同じ。)
(1)2015年3月4日 日本食糧新聞
「『サントリー 黒烏龍茶(特定保健用食品)』発売(サントリー食品インターナショナル)」の見出しにて、「◆商品特徴=特定保健用食品。リニューアル。烏龍茶重合ポリフェノール(OTPP)を豊富に含み、脂肪の吸収を抑える。食事と一緒に摂取すると、食後の中性脂肪の上昇が約20%抑制され、脂肪排泄効果も約2倍に増加することが確認されている。爽やかな飲み口の茶葉を新たに配合。苦渋みを軽減し、さっぱりとした後口で普段の食事によく合い、毎日飲み続けられるおいしさを実現した。」の記載がある。
(2)2015年4月15日 日本食糧新聞
「三井農林、健康分野を強化 血糖値トクホ緑茶『健活緑茶』上市」の見出しにて、「今春から、特定保健用食品『健活緑茶』を自社通販サイト『ティーウェルネス』で発売した。独自技術により、食後の血糖値の上昇を緩和化する機能性と、毎日継続飲用できる高い味覚を両立した粉末緑茶で、“茶のフルラインメーカー”としてのノウハウ・技術力を活用した。・・・食事とともに摂取で、小腸での糖の吸収をおだやかにし、食後の血糖値の急激な上昇を抑える機能を果たす。」の記載がある。
(3)2014年5月12日 日本食糧新聞
「アサヒ飲料カルピス営業本部、トクホ『健茶王』戦略 効率的マーケティングを展開」の見出しにて、「アサヒ飲料カルピス営業本部が展開する、トクホ(特定保健用食品)茶ブランド『健茶王』の今期戦略は、健康価値とおいしさを兼ね備えた競合品と差別化された製品を展開し、効率的なマーケティングを行っていく。・・・『健茶王』ブランドは食後の血糖値が気になる人向けとして展開している。食物繊維の『難消化性デキストリン』を配合、糖(炭水化物)の吸収を穏やかにする作用を持つことから、食事とともに同品を飲用することで、血糖値の急激な上昇を抑えることができる。02年の発売以来、食後の血糖値が気になる人の食生活の改善に貢献している。」の記載がある。
(4)「関西化研工業株式会社」に係るウェブサイト
「黒の奇跡」の見出しにて、「4種の葉の力 1.黒烏龍茶(原産地:中国) 脂肪の吸収を抑制します。効能成分『ウーロン茶重合ポリフェノール』を含有し、食事と一緒に摂取することにより、食後の中性脂肪の上昇が約20%抑制されます。」の記載がある。
(http://www.kanasaken.co.jp/health/cate1/kiseki/index.html)
(5)「ショッブ北海道」に係るウェブサイト
「賢膳緑茶」の見出しにて、「■本品は、食物繊維(難消化性デキストリン)を含んでおり、糖の吸収をおだやかにするので、血糖値が気になりはじめた方の食生活の改善に役立ちます。」及び「難消化デキストリン(食物繊維)は、食事と一緒に摂取することで、ブドウ糖の小腸からの吸収を穏やかにし、血糖値の上昇を緩やかにします。茶カテキン・茶ポリフェノールのみの飲料よりも高い効果があります。」の記載がある。
(http://shophokkaido.com/products/detail.php?product_id=146)

別掲2 商品「粉末茶」において、「食事と一緒」の文字が、食事と同時に摂取することを推奨するために使用されている新聞記事及びウェブサイトの記載
(1)2015年5月6日 東京読売新聞
「 [情報ディスク]5月6日」の見出しにて、「◆急須の濃い味わい再現 粉末緑茶「グルコケア 粉末スティック 濃い茶」(大正製薬、希望小売価格3024円=30包)特定保健用食品。食物繊維の働きにより、食後の急激な血糖値上昇を抑えるという。茶葉の成分を濃縮し、急須でいれたような濃い味わいに仕上げた。1日3回、食事と一緒に1包を水や湯に溶かして飲む。」の記載がある。
(2))「森下仁丹ONLINE SHOP」に係るウェブサイト
「食物繊維入り粉末緑茶」の見出しにて、「食後の血糖値が気になる方に!『難消化性デキストリン』のチカラを食事と一緒にどうぞ」及び「普段のお茶のように食事とともに1杯飲むだけで、食事に含まれる糖分が小腸で吸収される早さを穏やかにし、血糖値の急激な上昇を抑えられます。」の記載がある。 (http://www.181109.com/item/00230/)
(3)「静岡・お茶の里 佐藤園」に係るウェブサイト
「【トクホのお茶】緑の力茶(血糖値)」の見出しにて、その商品説明として「お湯やお水にもサッと溶ける粉末タイプ」及び「●召し上がり方●1包を約100mlのお湯または水に溶かし、『食事と一緒に』お召し上がりください。毎食飲むことが大切です。食事のときにはお忘れなく。」の記載がある。
(http://www.satoen.co.jp/products/detail.php?product_id=745)
(4)「大正製薬ダイレクトオンラインショップ」に係るウェブサイト
「リビタ グルコケア『粉末スティック』」の見出しにて、「味・香り・色にこだわった粉末タイプの緑茶です。」及び「食事と一緒に飲んでいただくことが大切です。だから飲みやすく!緑茶風味の飲料に仕上げました。 血糖値は毎日の食事ケアが大切。食事とともにお飲みください。」の記載がある。
(http://www.taisho-direct.jp/products/livita/01820.html)
(5)「粉末茶専門店 お茶の仙波」に係るウェブサイト
「ごちそう番茶」の見出しにて、「『ごちそう番茶』のおいしさのヒミツ!・・・旨み 瞬間で旨みを粉末に凝縮」及び「美味しい番茶を飲むと、ご飯も美味しい。・・・サラッとしていて飲みやすいので、ご家族皆様でお食事と一緒にお楽しみいただけます。ご飯を美味しく感じていただけるようにこだわった『ごちそう番茶』を、ぜひ、お食事と一緒にお召し上がりください。」の記載がある。
(http://www.semba-chaya.com/products/detail.php?product_id=28)
(6)「静岡・お茶の市川園」に係るウェブサイト
「市川園のやわらぎ緑茶(6袋入)」 の見出しにて、「『市川園のやわらぎ緑茶』は難消化性デキストリンを配合したトクホのお茶。食事と一緒に飲んで血糖値を上手にケアしましょう。」 及び「携帯にも便利な小袋入り粉末タイプ」の記載がある。
(http://www.ichikawaen.co.jp/item0013000100020001.html)
(7)「まねきねこ北近畿」に係るウェブサイト
「京丹後ふるさと農園」の見出しにて、その商品一覧として「改桑茶 京丹後市網野町仲禅寺で安心無農薬桑の葉粉末100%。特許製法「特許第4665150号」にて約8秒で超微細パウダーにしました。食前又は食事と一緒に(ティースプーン1杯約1g)水、お湯等混ぜてお飲み下さい」の記載がある。
(http://www.manekineko-k.com/shops/food/hurusato/)
(8)「アーユルヴェーダ健康ボディオンラインショップ」に係るウェブサイト
「エステのお茶」の見だしにて、「エステのお茶は毎日の食事と一緒に飲むだけのダイエットサポート茶です。 煮出タイプのお茶と違い、エステのお茶は成分まるごと(粉末)を自然由来のブレンドで美味しく頂けます。7つの健康素材と、ほうじ茶のほのかな味わいを是非ご賞味ください!」及び「※1日あたり1包?3包までを目安に食事と一緒にお飲み頂くことをお勧めさせて頂いております。」の記載がある。
(http://kenko-body.com/product/)
(9)「お茶のはまきた園」に係るウェブサイト
「べにふうき緑茶1700」の見出しにて、「粉末スティック0.6g×30包」及び「べにふうき茶葉100%使用です。・・・一日3回食事と一緒にお飲みください。」の記載がある。」
(http://hamakitaen.com/beni/index-beni.html)
(10)「富士産業株式会社」に係るウェブサイト
「天の葉緑茶」の見出しにて、その特徴として「粉末タイプの緑茶」及び「難消化性デキストリンは食事と一緒に摂ることで効果を発揮するため、食中に飲むことが基本です。」の記載がある。
(http://www.fuji-sangyo.co.jp/personal/greentea/)

審理終結日 2015-06-29 
結審通知日 2015-07-06 
審決日 2015-07-23 
出願番号 商願2014-41296(T2014-41296) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 真鍋 伸行
原田 信彦
商標の称呼 ショクジトイッショ 
代理人 佐藤 富徳 

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