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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W14 審判 全部申立て 登録を維持 W14 審判 全部申立て 登録を維持 W14 審判 全部申立て 登録を維持 W14 |
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管理番号 | 1305207 |
異議申立番号 | 異議2015-900017 |
総通号数 | 190 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2015-10-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2015-01-19 |
確定日 | 2015-09-02 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5711327号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5711327号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5711327号商標(以下「本件商標」という。)は,「OGIMA」の文字を横書きしてなり,平成26年6月11日に登録出願され,第14類「目覚まし時計,時計側,時計用化粧箱,ストップウオッチ,クロノメーター,時計,電気時計,時計用計時機構,時計の文字盤,宝飾品,親時計,時計用ムーブメント,時計バンド,時計鎖,時計のガラス,時計のゼンマイ,腕時計」を指定商品として,同年9月29日に登録査定,同年10月17日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は,以下の1及び2に示すとおりであり,その商標権は,いずれも現に有効に存続しているものである。 1 登録第409366号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,昭和25年12月7日に登録出願,第21類「時計並にその各部及び附属品」を指定商品として同27年3月7日に設定登録され,その後,同47年6月10日,同57年4月30日,平成4年6月29日,同14年3月19日及び同24年2月28日の5回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ,さらに,同15年4月9日に指定商品を第14類「時計,時計の部品及び附属品」とする書換登録がされているものである。 2 登録第4715567号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成14年9月24日に登録出願,第14類「身飾品,宝玉及びその模造品」を指定商品として同15年10月3日に設定登録され,その後,同25年4月16日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。 上記引用商標1及び2を一括して単に「引用商標」ということがある。 第3 登録異議申立ての理由の要点 1 本件商標と引用商標の文字部分とは,外観上類似するものであり,かつ,両商標の指定商品も同一又は類似のものであるから,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 2 引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において既に需要者間に広く認識されており,本件商標と引用商標とは類似し,かつ,両者の指定商品が類似するものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当するものである。 3 本件商標は,「オギマ」の称呼のほか,「オジマ」の称呼が導き出され,「オジマ」の文字はありふれた氏を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから,本件商標は,商標法第3条第1項第4号に該当するものである。 第4 当審の判断 1 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標は,「OGIMA」の文字からなるものであって,親しまれた既成の観念を有する成語を表したものとは認められず,一種の造語として認識し把握されるというべきであるから,「オギマ」の称呼のみを生ずるものといえる。 他方,引用商標は,別掲1及び2のとおり,いずれもギリシャ文字の「Ω」と欧文字の「OMEGA」とを2段に表してなるものであり,構成中の「Ω」,「M」及び「G」の各文字の表現方法において若干の差異が見られるものの,ほとんど同一視し得るものである。そして,「OMEGA」の文字は,ギリシャ文字の「Ω」を欧文字で表したものといえるから,引用商標は,いずれも「オメガ」の称呼を生ずるものである。 (2)そこで,本件商標と引用商標とを対比するに,全体の外観においては,本件商標が欧文字のみであるのに対し,引用商標は「Ω」のギリシャ文字を有することにより,両者は判然と区別し得るものである。本件商標と引用商標の欧文字部分のみとを対比してみても,両者は,その構成中の「O」,「M」,「G」及び「A」の文字を共通にするとしても,各文字の配列順序が異なり,全体として看者に別異の印象を与えるものであるから,時と処を別にして離隔的に観察しても,外観上,相紛れるおそれはないものといえる。 また,本件商標から生ずる「オギマ」の称呼と,引用商標から生ずる「オメガ」の称呼とは,同音数からなるとはいえ,第1音を同じくするのみで,他の音をことごとく異にするものであり,しかも,相違する第2音の「ギ」,「メ」の音と,第3音の「マ」,「ガ」の音とは,50音図表の他行に属する音であって異質の音であるから,これらの差異がわずか3音の称呼全体に及ぼす影響は大きく,それぞれを一連に称呼するときは全体の音感,音調が著しく相違し,両称呼は,明瞭に区別することができるものである。 さらに,本件商標は,親しまれた既成の観念を有するものでない以上,観念上,引用商標と比較することはできない。 してみれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 (3)したがって,本件商標は,その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 2 本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性について 前示のとおり,本件商標と引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標である以上,引用商標が申立人の業務に係る商品,特に時計について使用する商標として取引者,需要者の間に広く認識されているとしても,また,一般に腕時計については商標が盤面に小さく表示される等の取引実情があることを考慮したとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当するものとはいえない。 3 本件商標の商標法第3条第1項第4号該当性について 本件商標は,前示のとおり,その構成文字に相応して「オギマ」の称呼を生ずるものである。 この点に関し,申立人は,本件商標はその構成中の「GI」の文字部分が「ジ」と称呼され全体として「オジマ」の称呼が生ずるとし,「オジマ」は「小島」,「尾島」,「小嶋」,「尾嶋」等のありふれた氏と認識される旨主張している。 しかしながら,例えば,文部科学省の「ローマ字のつづり方」(昭和29年12月9日,内閣告示第一号)によれば,ローマ字の表記については「GI」は「ギ」に相当し,「ジ」は「ZI」又は「JI」と表記され,また,「シ」は「SI」又は「SHI」と表記されるのであって,氏姓の「小島」,「尾島」,「小嶋」,「尾嶋」をローマ字で表すとすれば,「KOZIMA」,「KOJIMA」,「OZIMA」,「OJIMA」,「KOSIMA」,「KOSHIMA」,「OSIMA」又は「OSHIMA」と表記されるのが通例であり,当該氏姓が,「OGIMA」と表記されるようなことはないといわなければならない。 そうすると,「OGIMA」を「オジマ」と称呼し,さらに氏姓の「小島」,「尾島」,「小嶋」,「尾嶋」等と認識されるというのは不自然であるから,申立人の主張は採用することができない。 その他,本件商標が,ありふれた氏を普通に用いられる方法で表示したものであることを具体的に示す証左はない。 したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第4号に該当するものではない。 4 むすび 以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第4号,同法第4条第1項第10号及び同項第11号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項に基づき,その登録を維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(引用商標1)![]() 別掲2(引用商標2) ![]() |
異議決定日 | 2015-08-25 |
出願番号 | 商願2014-47872(T2014-47872) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(W14)
T 1 651・ 263- Y (W14) T 1 651・ 25- Y (W14) T 1 651・ 261- Y (W14) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 今田 尊恵 |
特許庁審判長 |
早川 文宏 |
特許庁審判官 |
田中 幸一 前山 るり子 |
登録日 | 2014-10-17 |
登録番号 | 商標登録第5711327号(T5711327) |
権利者 | スティングマース リミテッド |
商標の称呼 | オギマ |
代理人 | 山川 政樹 |
代理人 | 山川 茂樹 |