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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y25 |
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管理番号 | 1305049 |
審判番号 | 取消2014-300966 |
総通号数 | 190 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-10-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2014-12-02 |
確定日 | 2015-08-10 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4772324号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4772324号商標(以下「本件商標」という。)は、「FOR REAL」の欧文字を書してなり、平成15年9月22日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」及び第25類「洋服,コート,セーター類,Tシャツ,スポーツシャツ,靴下,手袋,ネッカチーフ,バンダナ,マフラー,帽子,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同16年5月21日に設定登録されたものである。 そして、本件審判請求の登録日は、平成26年12月22日である。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,Tシャツ,スポーツシャツ,その他の被服」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品中、上記商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張し、証拠方法として、甲第1号証を提出した。 なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何らの意見も述べていない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、審判事件答弁書において、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 答弁の理由 本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、審判請求に係る指定商品「被服」に含まれる商品について、本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していた。 (1)本件商標の使用の事実 ア 乙第1号証の1ないし3は、品番143-1357の商品「パジャマ」の商品写真3点、乙第2号証は、「御手合書(仕入先様控)」の写し、乙第3号証は、当該品番が記載されている「納品連絡書(仕入先様専用)」の写しであり、少なくとも平成26年2月18日及び同年10月8日における本件商標の商標権者による使用を立証する。 イ 商品「パジャマ」のパッケージ写真(乙1の1ないし3)のとおり、商標権者により、商品のネックタグ(襟ネーム)に本件商標が付され、商品タグには型番「143-1357-A」、「143-1357-B」及び「143-1357-C」並びに商品名「NIGHT WEAR」の文字が記されている。 ウ 「御手合書(仕入先様控)」(乙2)は、発注書に近い位置づけの文書であり、発注者である卸売会社「八木兵」(以下「八木兵」という。)から商標権者である「帝人フロンティア」あてに、「平成26年2月18日」に「品番 143-1357」の商品を、納期を「9月21日」、「10月21日」及び「11月21日」として注文されたことが認識される。 エ 「納品連絡書(仕入先様専用)」(乙3)は、10月8日に、型番「143-1357-1」等の商品を名古屋貨物の倉庫にコンテナ便で入庫することにより、商標権者から八木兵へ納品する予定である、との納品前にFAXされた連絡書に、実際に10月8日に連絡書のとおりに納品があったことを示す受取人である名古屋貨物運輸倉庫の受領印が押印されている名古屋運輸倉庫から八木兵へのFAXの写しである。ここには「仕入先様名」として商標権者である「帝人フロンティア」の記載、納品予定日の欄には「2014年10月8日」、仕入先様型番の欄には、その明細6行目に「143-1357」及び明細7行目に「143-1357-1」とあり、それぞれの商品名の欄に「PAJAMA」の記載がある。 なお、「御手合書(仕入先様控)」(乙2)と「納品連絡書(仕入先様専用)」(乙3)とは一対一で対応している訳ではなく、「品番」で特定される。また、商品型番「143-1357-A」、「143-1357-B」、「143-1357-C」のアルファベット枝番は、商品の柄の種別を示すものであり、納入するケースの中に複数柄が混在している状態で取引するため、御手合書及び納品連絡書にはアルファベット枝番を記載しない。さらに、納品連絡書に型番「143-1357」と「143-1357-1」の2種類あるのは、仕入れ価格が2種類となり枝番が必要となったためである。商品タグの記載「NIGHT WEAR」と「納品連絡書(仕入先様専用)」の「PAJAMA」とは同一商品名を表す。 (2)小括 上記(1)のとおり、本件商標は、少なくとも平成26年2月18日及び同年10月8日に、日本国内で、商標権者である「帝人フロンティア」が商品区分第25類「被服」に含まれる商品「パジャマ」に使用している。乙号証には、日付とともに本件商標の商標権者による本件商標の指定商品についての使用が明確に表示されている。 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の「継続して三年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないとき」の要件に該当するものではない。 2 まとめ 以上のとおり、本件商標は、日本国内において継続して3年以内に商標権者又は使用権者が商品「パジャマ」に使用しており、商標法第50条第1項の規定に該当しない。 第4 当審の判断 1 被請求人の主張及び提出された証拠によれば、以下の事実が認められる。 (1)乙第1号証の1ないし3の写真は、パッケージ入りの「パジャマ」(以下、「使用商品」という。)の写真であるところ、パジャマの襟ネームには、横長矩形内に「FOR REAL」の欧文字が表示され(以下、「使用商標」という。)、同封の商品タグには、それぞれ「No.143-1357-A」、「No.143-1357-B」、「No.143-1357-C」の表示、及びその下方に「NIGHT WEAR」の表示が認められる。 (2)乙第2号証は、平成26年2月18日付けの「御手合書(仕入先様控)」であるところ、上部には、「メーカーNo.」の欄に「2258」、「住所」の欄に「大阪」、「社名」の欄に「帝人フロンティア殿」の記載及び右下に「YAGIHYO」の記載が認められる。 そして、該取引書類の、「品番」の欄に「143-1357」、「品名」の欄に「婦人綿混シャギー前面 プリントボーダーPA」、「納期」の欄に「9/21」、「10/21」及び「11/21」の記載の他、単価、入数、セット数等の記載が認められる。 (3)乙第3号証は、2014年10月8日(水)付けの「納品連絡書(コンテナ・トラック)【仕入先様専用】」であるところ、該書類には、「担当者が『御手合書』未提出の場合は無効です。」の文字が大きく表示されている。 そして、該書類には、「仕入先コード」の欄に「02258」、「仕入先様名」の欄に「帝人フロンティア」、「納品予定倉庫」の欄に「名古屋貨物」、「納品予定日」の欄に「10月8日」、「仕入先様型番」の欄に「143-1357」及び「商品名」の欄に「PAJAMA」等の記載が認められる。 また、該書類の下部には、「帝人フロンティア(株)」から「八木兵(株)」に宛てたものを理解させる「矢印」があり、「26.10.-8」が表示された名古屋貨物運輸倉庫KKの受領印が押されている。 2 上記1で認定した事実を総合すれば、次のとおり認めることができる。 (1)平成26年2月18日付けの「御手合書(仕入先様控)」によれば、商標権者は、八木兵から、品番を「143-1357」とする婦人用の「パジャマ」について、納品日を9月21日、10月21日及び11月21日とする発注を受けたこと、2014年10月8日(水)付けの「納品連絡書(コンテナ・トラック)【仕入先様専用】」によれば、仕入先様型番「143-1357」、商品名「PAJAMA」とする商品が、平成26年10月8日に商標権者から名古屋貨物運輸倉庫に納品されたことが認められる。 (2)商標権者が製造した型番「143-1357」の商品「パジャマ」の襟ネームには、横長矩形内に「FOR REAL」の欧文字が表示されている。 (3)上記(1)及び(2)によれば、商標権者は、八木兵から、平成26年2月18日に、品番を「143-1357」とする使用商品の発注を受け、同年10月8日に同品番の使用商品を倉庫に納品したものといえる。そして、品番を「143-1357」とする使用商品には、襟ネームに使用商標が表示されているものである。 3 判断 (1)使用商品について 上記2のとおり、商標権者が八木兵から発注を受けた使用商品「パジャマ」は、請求に係る指定商品中の「被服」の範ちゅうに属するものといえる。 (2)使用商標について 本件商標は、前記第1のとおり、「FOR REAL」の欧文字からなるものであり、使用商標は、上記2(2)のとおり、欧文字部分においては本件商標と同一のものと認められる。 そうとすれば、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標といえるものである。 (3)使用時期について 上記2のとおり、商標権者が、使用商標を付した使用商品を八木兵から発注を受けた平成26年2月18日及び使用商標を付した使用商品を名古屋貨物運輸倉庫に納品した2014年10月8日は、いずれも本件審判請求の登録(平成26年12月22日)前3年以内である。 (4)上記(1)ないし(3)によれば、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内にその請求に係る指定商品中「被服」の範ちゅうに含まれる「パジャマ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した(商標法第2条第3項第1号)ものと認めることができる。 4 まとめ 以上のとおりであるから、被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者がその請求に係る指定商品の範ちゅうに属する商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したといわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-06-11 |
結審通知日 | 2015-06-16 |
審決日 | 2015-06-30 |
出願番号 | 商願2003-81948(T2003-81948) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Y25)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
土井 敬子 |
特許庁審判官 |
梶原 良子 中束 としえ |
登録日 | 2004-05-21 |
登録番号 | 商標登録第4772324号(T4772324) |
商標の称呼 | フォーリアル |
代理人 | 城村 邦彦 |
代理人 | 熊野 剛 |
代理人 | 田中 秀佳 |