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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1304227 
異議申立番号 異議2015-900030 
総通号数 189 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-09-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-01-23 
確定日 2015-08-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第5712065号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5712065号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5712065号商標(以下「本件商標」という。)は,「MARKETINGCLOUD」の文字を標準文字で表してなり,平成24年6月22日に登録出願,第35類「広告,テレビジョンによる広告,コンピュータネットワークにおけるオンラインによる広告,ラジオによる広告,通信販売を利用した広告,ビラ張り,印刷物による広告,インターネットによる広告,モバイルラジオ・ネットワークによる広告,携帯電話機のテレビによる広告,インターネットのホームページ上での広告,広告の代理,広報活動の計画・立案,インターネット及びその他のメディアによる企業の広告,試供品の配布,販売促進のための企画及び実行の代理,広報活動の企画,デジタルネットワーク上での市場調査,テレマーケティング,市場調査又は分析,広報活動等の広告の代理・媒介又は取次ぎ,インターネットにおける広告スペースの提供,広告を目的としたイベントの企画・運営又は開催,マルチメディア端末による広告の代理,広告・売上高調査・市場調査及び分析等の新商品の開発のための企画及び市場調査の代行,インターネットオークションの運営,商業又は広告のための商品展示会・商品見本市の企画又は運営,事業の管理に関する指導及び助言,広告及びマーケティングに関する指導及び助言,企業の経営管理及び事業の組織に関する助言,経営に関する指導及び助言,事業に関する指導及び助言,事業の運営及び企業経営戦略に関する助言,インターネット等における商品の売買契約の媒介又は取次ぎ,商品の売買契約の媒介又は取次ぎ,電子商取引に係る事業の管理又は運営の代行,商取引の受注管理,顧客向けの電話ホットライン(インターネットユーザーを対象としたコールセンターサービス)による商品及びクレームの管理・事務処理に関する指導及び助言,コンピュータデータベースによるファイルの管理,コンピュータデータベースの情報構築・編集,統計の編集,画像・音声・映像に関するデータベースの情報編集」を指定役務として,平成26年(2014年)9月1日に審決,同年10月24日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)である「アドビ システムズ,インコーポレイテッド」(以下「アドビ社」という。)の申立ての理由
本件商標は,その外観に特異性は一切なく,普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であることは明らかである。
そして,本件商標が「MARKETINGCLOUD」と一単語のように配されているが,「Marking」は,カタカナ語としても親しまれ,「Cloud」は,「Cloud Computing」の略語として知られていることから,「Marketing」と「Cloud」の語が結合してなる商標と容易に理解できる。
加えて,マーケティングに携わる者の間では,「Marketing Cloud」や「マーケティングクラウド」を使用する者は多く存在している(甲9ないし甲37)。
よって,本件商標は,「クラウドコンピューティングを利用したマーケティング」程度の意味合いで,実際に広く使用されているものであるから,これをその指定役務について使用しても,「マーケティング活動を効率化・円滑化するための手段であるクラウドコンピューティングを利用して提供されるマーケティングに関する役務」を表したと認識されるにとどまり,役務の質,用途,効能などの内容を表示するにすぎず,自他役務の識別機能を果たし得ない。また,本件商標は,該役務以外の役務について使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから,取り消されるべきである。
2 申立人である「オラクル・インターナショナル・コーポレーション(以下「オラクル社」といい,「アドビ社」と「オラクル社」を併せていうときは,以下「申立人ら」という。)の申立ての理由
本件商標は,一見して「MARKETING」と「CLOUD」の欧文字を結合したものであることが明らかである。
そして,その構成中の「MARKETING」の文字部分が「商品の販売やサービスなどを促進するための活動。市場活動」の意味を有する語であり,「CLOUD」の文字が「インターネットを経由して,ソフトウェア,ハードウェア,データベース,サーバーなどの各種リソースを利用するサービスの総称。」を意味する「CLOUD COMPUTING(クラウドコンピューティング)」の略称として使用されていることも,すでに明らかである。
また,本件登録を肯定した拒絶2013-24010に係る審決においても同様に認定しているものであり,本件商標は,これらの欧文字を,単に連綴したにすぎないものであることは一見して明らかであり,全体として造語であるというべきでない。
さらに,インターネットにおいて「マーケティングクラウド」又は「marketing cloud」の語は,本件商標の審決前より,「インターネット上においてクラウドコンピューティングを利用して行う,商品やサービスなどの販売を促進するためのマーケティング活動」という意味合いで用いられていた(甲2ないし甲61)。
以上から,本件商標は,「購買者のインターネット上の購買行動などのビッグデータを活用して,必要とされる情報を適切に提供していくマーケティングの手法」といった意味合いを表したと認識されるにとどまり,その概念に照応する役務については,自他役務の識別機能を果たし得ないものであり,また,同業他社がその使用をする必要のある用語であり,独占に適さないものである。
さらに,前記以外の役務について使用するときは,役務の質について誤認を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから,取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 本件商標について
本件商標は,前記第1のとおり,「MAKETINGCLOUD」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成は,同一の書体をもって,同一の大きさ,同一の間隔でまとまりよく表されているものであり,これより生ずる「マーケティングクラウド」の称呼も,よどみなく一連に称呼できるものである。
そして,本件商標は,その構成中,「MAKETING」の欧文字が,「「市場戦略,マーケティング(宣伝から販売までの過程)」等の意味を有する英語として知られているものであり,また,「CLOUD」の欧文字が「従来はユーザー(企業,個人など)が自分のパソコンやスマートフォン,携帯電話のハードウェアにソフトウェアや作業データなどを保存・管理していたが,インターネットに接続できる環境さえあれば,自宅,会社,学校はもちろん,ネットカフェや交通機関での移動中など,さまざまな環境からでもデータを閲覧,編集,アップロードすることができること。」を意味する「クラウドコンピューティング」の略語として,IT(情報技術)関連の分野において知られているものと認められる(アドビ社提出の甲5ないし甲8)から,「MAKETING CLOUD」の欧文字からは,「市場活動におけるクラウドコンピューティング」,進んで「市場活動におけるクラウドコンピューティングの活用」程の意味合いを理解,認識させるものということができる。
2 申立人らが提出した証拠について
申立人らが提出した証拠等によれば,「MAKETINGCLOUD」の語は,一般的な国語辞書には掲載されていない語であって,わずかに「用語解説辞典|NTTPCコミュニケーションズ」(オラクル社提出の甲79)において,「【マーケティングクラウド】Marketing Cloud」の項に掲載されているにすぎず,前段部において,「一般的には,あるいは広義では,モバイル機器向けアプリやソーシャルメディア(SNS),エンドユーザーの購買行動を記録したビッグデータなどを活用して,より顧客のニーズに合った情報や製品を提供していく,そのための情報システムをクラウドコンピューティング方式で提供する仕組みをマーケティングクラウドという。」と記載されているものの,後段部において,「ただし狭義では,セールスフォース・ドットコム社が提供しているExactTarget Marketing Cloudを指してマーケティングクラウドということが多い。・・・現在は,各企業がクラウド上で独自の情報システムを開発・運用するためのプラットフォームもPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)方式で提供している。」と記載されているものである。
(1)そこで,我が国のIT関連の分野における「マーケティングクラウド」,「marketing cloud」等の語の使用状況について検討する。
申立人らの提出した証拠(各項の括弧内に掲記。なお,アドビ社提出の証拠については,以下「甲A○」と,オラクル社提出の証拠については,以下「甲B○」と記載する。また,下記に示す証拠は,ほぼ年月日の古いものから記載し,かつ,掲載記事の多い企業については一つの項目にまとめて記載した。)。
ア 株式会社エニグモの2010年(平成22年)3月30日付けニュースリリースには,「マーケティングクラウドソーシングプラットフォーム『みんなの企画会議室(仮)』サービス開始」の見出しのもと,「インターネットビジネスの企画・開発・運営を手掛ける株式会社エニグモでは,このたび,マーケティングのクラウドソーシングプラットフォームである『みんなの企画会議室(仮)』を開始いたします。みんなの企画会議室(仮)は,デザイナーをはじめとした,クリエイティブクラスと呼ばれる創造性の高い仕事に携わる人々が集まるプラットフォームです。本サービスを通じて,企業の商品開発やプロモーション開発に多様なクリエイティブクラスが参加することにより,新しいマーケティングの場を提供していきます。」の記載がある(甲A18,甲B2)。
イ 株式会社シャノンの2010年(平成22年)6月9日付けニュースリリースには,「マーケティングクラウドをアピール!第15回データウェアハウス&CRM EXPO開催」の見出しのもと,「マーケティングクラウドがキーワードのシャノンブースにも,多くのお客様がお立ちよりいただきました。ブースでは,マーケティング活動の効率化や,それらを統合管理し,個人情報と履歴を管理するプラットフォーム構築,Salesforce CRMとの連携など,マーケティング活動を支援するシーン別ソリューションをご紹介。」の記載がある(甲B4)。
また,同社に関し,2013年(平成25年)8月20日付け日刊工業新聞には,「宮崎支社を新設/マーケティングクラウドシステム導入支援業務を行う。」の記載がある(甲B65)。
ウ 「NaviPlus」のウェブサイト(2012年(平成24年)2月6日)には,「『ネット&モバイル通販ソリューションフェア2012in東京」に出展」の見出しのもと,「SBIナビの提供するマーケティングクラウド『InSense』は,訪問客とのきずなを育てるための3つの機能(レコメンド×検索×レビュー管理)をワンストップ提供します。」の記載がある(甲A17)。
エ NECの「マーケティング クラウドサービス」のサイト(2012年(平成24年)10月22日にプリントアウトされたもの)には,「マーケティング関連のクラウドサービスなら,実績のNEC」,「NECの技術に裏打ちされた高品質なマーケティングソリューションをクラウドで。NECのクラウドでは,お客様の業務に役立つ高品質なソリューションを,NECが運用管理する安心・安全なクラウド環境からご提供します。」の記載がある(甲A20)。
オ 「Teradata Universe Tokyo 2012」のウェブページ(2012年(平成24年)10月22日にプリントアウトされたもの)には,「高度な金融マーケティングのノウハウとIT基盤を共有し,収益拡大を図るマーケティング・クラウド」,「横浜銀行と地方銀行5行は,NTTデータが提供するTeradataデータベースを核としたIT基盤をクラウドサービスとして利用することで,個人リテール分野における金融マーケティングの高度化,人材育成や業務ノウハウの共有実現を目指しています。」の記載がある(甲A21)。
カ 「CTC クラウドDay 2012」のウェブページ(2012年(平成24年)10月22日にプリントアウトされたもの)には,「展示」の項目の「業種共通業務」中の「SaaS」の「電子帳票」において,「帳票マーケティングクラウドサービス/ビジネスドキュメントを有効活用するサービスです。請求書・納品書等を帳票イメージとして生成し,Web化によるコスト削減や早期到着による顧客満足度UPを実現します。」の記載がある(甲A22)。
キ アドビ社関連
(ア)アドビ社の2012年(平成24年)11月30日付けプレスリリースには,「Adobe Marketing Cloudの新規導入事例について」,「アドビシステムズが任天堂のデジタルマーケティング強化を支援」との見出しのもと,「・・・Adobe Marketing Cloudは,デジタルマーケティングへの取り組みによってビジネス強化を目指す企業のために,データとコンテンツを最大限に活用した,マルチチャネルの分析基盤と広範な最適化のソリューションを提供します。Adobe Marketing Cloudによって,複数チャネルにおける顧客の動向を有機的に把握し,顧客セグメントやニーズを正しく理解することにより,それぞれの興味に合わせた最適なコンテンツを提供し,ブランド認知の促進,オンライン販売の強化,顧客満足度の向上などに役立てることができます。・・・同社デジタルマーケティング分野製品『Adobe Marketing Cloud』には,分析,ソーシャル,広告,ターゲティング,エクスペリエンスマネジメントといった包括的な5つのソリューションと,リアルタイムのダッシュボード機能が含まれており,デジタルマーケティングを活用しビジネスを促進する際に欠かせない機能を提供します。」の記載がある(甲A10)。
(イ)「アメーバニュース」(2013年(平成25年)1月18日)には,「アドビ,ソーシャルメディアのビジネス活用支援ツール『Adobe Social』公開」の見出しのもと,「アドビ システムズは,デジタルマーケティングソリューション製品群『Adobe Marketing Cloud』の新ソリューション『Adobe Social』について,日本での提供を開始した。『Adobe Social』は,『Marketing Cloud』を構成するソリューションのひとつ。・・今回提供を開始する『Adobe Social』を含む『Adobe Marketing Cloud』について,広告・マーケティング活動における計測と管理,実行,そして最適化といった一連の活動を行う際の業界スタンダードを目指していく・・」の記載がある(甲B9)。
(ウ)「in the looop」のウェブページ(2013年(平成25年)3月7日)の「新しい『Adobe Marketing Cloud』は,管理者,マーケター,クリエイティブの壁を越えて」の見出しのもと,「イベントで新しく発表された『Adobe Marketing Cloud』に関して,3月6日に発表された内容を総括し,次の4点にポイントを絞ってみました。・組織を横断したチームのプラットフォームになること・多様な端末に対応していること・多様なデジタル資産を蓄積していけること・広範囲にわたる機能のユーザーインターフェースが統合されていること」,「ちなみに米国では,ネットをベースにする小売業,グローバルに展開する金融業,マスメディアやネットメディアなどが主要顧客とのことです。『Adobe Marketing Cloud』は,月額で相応のコストが必要になりますので,デジタル・マーケティングを主戦場とする中堅以上の会社が対象になるでしょう。昨年9月にイベントにご招待いただいて記事に書いたSalesforce社のクラウドサービスは,高関与商材や企業向け商材を人的な営業が中心となって販売する企業に強みがあります。名前が似ているために混同する方も多いかもしれませんが,それぞれ業種で向き不向きがありますので,ご参考にしてください。」の記載がある(甲A24)。
(エ)2013年(平成25年)3月18日付け「日本情報産業新聞」には,「マーケティングクラウドにモバイル対応機能追加」の見出しのもと,「米アドビシステムズ社は,同社が提供するマーケティング担当者向けのクラウドサービス『アドビ・マーケティング・クラウド』に,モバイルマーケティングの新機能を追加した。マーケティング・クラウドが提供している『分析』『ソーシャルアプリケーションの開発』『スマートフォンやタブレットを対象としたコンテンツのターゲティング』『広告』『モバイルコンテンツの管理と配信』の全5領域で,新しいモバイル向けの機能が利用できるようになった。」の記載がある(甲B63)。
(オ)「Web担当者Forum」のウェブページ(2013年(平成25年)5月23日)には,「マーケで成果を出すために組織の壁を壊そうとする『Adobe Marketing Cloud』はスゴかった/Adobe Summit 2013レポート」と記載され,「『Adobe Marketing Cloud』として統合された製品群には,シングルサインオンでアクセスでき,ログインするとまず表示されるダッシュボードには,あらゆるデータ・コンテンツ・情報がフィードされ,マーケティング施策の全体像がこのプラットフォーム把握できるようになっている。ダッシュボードに表示されるのは,たとえば次のような情報などだ。アクセス解析レポート A/Bテストの設定状況 ソーシャルメディアでの発言状況 クリエイティブ編集過程 アドビでは,これを単なるダッシュボードではなく,Pinterestのボードのようなものだとして扱っているようだ。またクラウドサービス全体として,専門領域の担当者が組織の垣根を越えてコラボレーションするために工夫された機能(たとえばメール機能,ドラッグ&ドロップでのファイルのアップロード,ファイルのやりとり,修正指示のやりとりなど)が随所に盛り込まれている。そして,『Adobe Marketing Cloud』の各ツールが,管理画面も含めてマルチデバイスで運用管理できるようになっていることも特筆すべき点である。デモンストレーションでは,各担当者がタブレット(iPad mini)を片手に操作を進めていた。タッチパネル式の簡単操作で,適切な情報にアクセスし,編集も行える。これは便利だ。」の記載がある(甲B10)。
(カ)「東洋経済ONLINE」のウェブページ(2013年(平成25年)6月14日)の「マーケティングもアドビに任せろ/CEOが語る,“元”クリエーターソフト企業の新機軸」には,「・・・数年前から『クリエーティブクラウド』という新事業にも取り組んでいます。従来はパソコンにインストールされたアドビの『インデザイン』や『フォトショップ』などのソフトでコンテンツが作られてきましたが,サービスという形態で提供して,モバイルとともに,制作者のコミュニティを通した情報のシェアリングなどにも対応しています。・・・このような施策を採った結果,アドビは出版や小売り,金融サービス,旅行会社などさまざまな企業のマーケティング担当者にとって,より身近な存在になり,より大きなビジネス機会をつかめるようになりました。・・・たとえば米国のメディア企業のコンデナストは,紙媒体の雑誌と同時に,コンテンツをパソコンなどで閲覧できるようなウェブサイトも作っていて,グーグルやアマゾンのタブレット端末向けのデジタルマガジン(電子雑誌)も手掛けています。彼らはこれまで構築してきたコンテンツや,今まで確立したブランドにより,デジタル事業の収益化を図ろうと考えています。こうした企業が,クリエーティブクラウドを使ってコンテンツを制作して,それを,マーケティングクラウド側に保存することで,紙でもウェブでもデジタルマガジンでもコンテンツが利用できるようになります。さらに,ウェブサイトに訪れたユーザーの行動を測定して,各ユーザーの好みに合わせて(別の商品を勧めて販売する)クロスセルを行ったり,広告を入れたりすることも可能になります。」の記載がある(甲B11)。
(キ)「朝日新聞DIGITAL」のウェブページ(2014年(平成26年)3月19日)には,「[CNET Japan]アドビ,第1四半期決算を発表『Creative Cloud』が引き続き好調」の見出しのもと,「Adobeの最高経営責任者(CEO)であるShantanu Narayen氏は・・・多くのアナリストから業界トップの評価を受けているAdobeのマーケティングクラウド製品がますます好調なことを指摘した。・・・Adobeのマーケティングクラウド関連売上高は,前年同期比で24%増だった。」などと記載されている(甲B29)。
また,「DIAMOND ONLINE」のウェブページ(2014年(平成26年)4月2日)の「IT&ビジネス業界ウォッチ」には,「もはやデジタル・マーケティングではなく,マーケティングのデジタル化が現実 Adobe Summit 2014,現地レポート」の見出しのもと,「・・・アドビ・マーケティング・クラウド(以下,マーケティング・クラウド)は,デジタル・マーケティングのソリューションとはいいつつも,もはやウェブやソーシャルといったデジタル分野でのマーケティング活動を最適化するためのソリューションの位置づけにとどまらない。コールセンターやダイレクトメールなどオフラインのマーケティング・プロセスをもカバーするものになりつつある。」の記載がある(甲A27,甲B31)。
(ク)「朝日新聞DIGITAL」のウェブページ(2014年(平成26年)4月17日)には,「[CNET Japan]新UI『Adobe Target Standard』を国内提供 全マーケターが最適化プロに」の見出しのもと,「アドビ システムズは4月15日,クラウド型ウェブマーケティング支援ツール『Adobe Marketing Cloud』のソリューションファミリーに,『Adobe Target Standard』を加えたことを発表した。・・・従来からあるAdobe Targetの一部機能のUIなどを刷新し,ウェブ製作者とマーケティング担当者らが情報を共有しながらウェブサイトを改善できる機能を備えたのが特徴。」の記載がある(甲B34)。
ク オラクル社関連
(ア)「Blackstoneブログ」のウェブサイト(2012年(平成24年)12月)には,「BlackstoneのKen Allen,Oracleによるクラウドソフトウェア企業Eloquaの買収について語る」の見出しのもと,「・・・現在,企業ソフトウェアの世界では,マーケティング要素を積み上げ統合しようと,もしくはマーケティング・クラウドを構築しようと,熾烈な競争が繰り広げられています。この業界ではOracleやSalesforce.comといったCRMベンダーを巻き込んでM&Aが増加しています。・・・」の記載がある(甲B6)。
上記に関連した記事として,「CNET Japan」のニュース(2012年(平成24年)12月21日)には,「オラクル,Eloquaを買収へ マーケティングクラウドを強化」の見出しのもと,「Oracleの開発担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるThomas Kurian氏は,次のように述べている。『現代のマーケティング業務は増収の原動力となっており,現在,企業にとって重要な投資分野だ。Eloquaの優れたマーケティングオートメーション用クラウドは,Oracleのマーケティングクラウドの中核となる』」と記載され(甲B7),また,同日付け「ITpro by 日経コンピュータ」のニュースには,「OracleがEloquaを約8億7100万ドルで買収へ,マーケティングクラウド推進で」の見出しのもと,「Oracleは,Eloquaの技術を自社のCRM製品およびサービス群『Oracle Customer Experience』などと組み合わせ,マーケティングクラウド事業の推進を図る。」の記載がある(甲B8)。
(イ)「朝日新聞DIGITAL」のウェブページにおいて,2014年(平成26年)4月9日付けニュースリリースには,「『Oracle Social Cloud』は,高い柔軟性と業界をリードする専門能力を提供するオープンAPIベースのペイドメディア・ソリューションを発表しました。発足パートナーには,ソーシャル広告プラットフォームのリーダー企業であるKenshoo(ケンショー),Nanigans(ナニガンズ),SHIFT(シフト)が選ばれました。オラクルは,これらの業界トップのソーシャル広告プラットフォーム企業と協業することで,データ主導型で規模に応じたターゲット広告を成果報酬型で活用できるようにします。・・・2010年に設立されたSHIFTは,あらゆるデバイスを対象にFacebook,Twitter,LinkedInでブランド・マーケティングのROIを最大化できるように構築されたマーケティング・プラットフォームです。SHIFTのオープン・マーケティング・クラウドは,広告主上位20社中10社を含むグローバル・ブランドのソーシャル・マーケティング・キャンペーンの企画,広告,分析のためのソリューションを提供しています。」の記載がある(甲B32)。
(ウ)「クラウドWatch」のウェブページ(2014年(平成26年)8月20日)には,「日本オラクル株式会社は8月19日,顧客を中心とした効果的なマーケティング活動を実現する最新のクラウド型マーケティングプラットフォーム『Oracle Marketing Cloud』を発表した。・・・『Oracle Marketing Cloud』で提供される具体的なソリューションとしては,『Oracle Responsys』と『Oracle Eloqua』を活用し,Web,ソーシャル,モバイルやeメールなどを含むさまざまなチャネルを使って,個々にカスタマイズされた顧客体験を提供しながら,メッセージ,キャンペーンなどの一環性のあるマーケティング活動を実現する。また,『Oracle Social Cloud』によって,ソーシャルネットワーク上で行われる無数の議論や会話を聞き,分析し,そして顧客ごとに対話する関係を構築。ブランドのファンや商品・サービスへの思い入れの度合いが高い顧客には,企業が伝えたいメッセージ,販売促進したい製品やサービスを広めるプラットフォームを提供する。」の記載がある(甲A25)。同様の記事は,「ITmedia エンタープライズ」(2014年(平成26年)8月19日),「AduerTimes」(2014年(平成26年)8月25日)の各ウェブページにも掲載された(甲B46,甲B47)。
ケ 株式会社ウフルに関して,「ASCII.jp」のウェブページ(2014年2月18日)には,「スワヒリ語で自由を意味する社名を持つウフルは,SalesforceやGoogle Apps,Microsoftなどのクラウドの再販や導入支援を進めるほか,マーケティングクラウドを展開する。」と記載され(甲B21),そのホームページにも,「ウフルグループの重点事業であるマーケティングクラウド事業の拡大を促進する」などと記載され,「BCN Bizline」にも同様に記事が掲載され(甲B22,甲B30,甲B68),また,甲B30及び甲B68には,「ただ単にクラウドを提供するだけでなく,顧客の先にいるユーザーを見据えて,企業のマーケティング活動を包括的に支援するというもの。」の記載がある。
さらに,「ITmedia エンタープライズ」のウェブページ(2014年(平成26年)6月17日)には,「セールスフォース・ドットコム(SFDC)のサービスを始めとする5つのパブリッククラウドを扱うITベンチャーが現れた。機能を絞り込んだ小規模なシステムからスタートし,段階的に拡張していく,というクラウドの特性を生かしたシステムサービス事業を展開するウフルだ。『マーケティング・クラウド』と呼ぶ新しい領域を開拓する。・・・同社はこれでSFDC,アマゾン(Amazon Web Services),グーグル,マイクロソフトを含めた主要クラウドをすべて取り扱うことになった。例えば,CRM(顧客情報管理)やSFA(営業支援)ならSFDC,メールやスケジュール管理ならグーグル,大量データのアーカイブならAWS,Excelの共有ならマイクロソフトなどと,各社のクラウドの特性を生かした提案をする。・・・具体的には,FacebookやTwitterなどソーシャルメディアとCRMを連携し,販売促進などに生かす。例えば,ある商品の広告キャンペーンを展開した後,ソーシャルメディアから消費者の反応を収集し,分析する。その基盤にSFDCと別会社が開発した監視ツールを使って,分析結果をレポートにまとめる。このPDCAを回して,次のマーケティングや商品開発につなげていく。自社メディアで顧客に情報を発信するオウンドメディアも支援する。」の記載がある(甲B41)。
コ 「日経デジタルマーケティング」のウェブページ(2014年(平成26年)2月4日)には,「パソコンECサイトで離脱した顧客に,スマホでプッシュ通知を実現へ」の見出しのもと,「デジタルマーケティング支援の米レスポンシスは1月23日に,スマートフォンなどへのプッシュ通知技術を持つ米Push IOの買収を発表した。今後,Push IOの持つ技術をレスポンシスのマーケティング支援サービス『レスポンシス インタラクト マーケティング クラウド』に統合する。創業当初はメールマーケティング支援という単一機能だったレスポンシスのサービスだが,機能の強化や買収で総合的なマーケティングプラットフォームを目指す。」の記載がある(甲B20)。
サ 「クラウドWatch」のウェブページ(2014年(平成26年)3月10日)には,「日本IBM,柔軟なSaaSソリューションの提供を可能にするパートナー向けプログラム」の見出しのもと,「日本アイ・ビー・エム株式会社は10日,IBMの『スマーター・コマース・ソフトウェア』製品を活用し,企業のクラウド環境を構築するビジネスパートナー向けに,新プログラム『IBM SaaSソリューション・プロバイダー契約プログラム』を同日より提供すると発表した。このプログラムは,ビジネスパートナーが自社の持つノウハウと,IBMスマーター・コマース・ソフトウェアのSaaS製品を組み合わせたサービスを提供するためのもの。リアルタイムでの個客マーケティング展開を支援するマーケティングクラウド『IBM Marketing Center』,サプライチェーンの分析により購買や調達管理を支援するクラウドサービス『IBM Emptoris』,デジタルマーケティング分析最適化ソリューション『IBM Digital Analytics』,高速ファイル転送ソリューション『ASPERA』といった日本IBMのSaaSが対象になる。」の記載がある(甲B23)。
また,「ビジネス+IT」のウェブページ(2014年(平成26年)4月14日)には,「IBM,マーケティング・クラウドベンダーの『Silverpop』を買収 オムニチャネル支援」の見出しのもと,「米IBMは10日,米国ジョージア州アトランタに本拠地を置く非公開のソフトウェア会社で,マーケティング クラウド・ソリューションを手がけるSilverpopを買収すると発表した。・・・Silverpopの製品・サービスを利用すれば,取引の少ない企業間取引(B2B)のマーケティングシナリオに適用される高度なマーケティング・オートメーション機能を複雑な企業消費者間取引(B2C)の業態に拡大し,企業の業種業態を問わず,顧客のブランド体験を向上させることができるという。」の記載がある(甲B33)。
シ 「朝日新聞DIGITAL」のウェブページにおいて,2014年(平成26年)3月13日付けニュースリリースには,「NTTコム オンライン,米サトメトリックスと顧客ロイヤルティを向上させるネットプロモーター・ソリューションで日本市場における独占業務提携」の見出しのもと,「提携内容/サトメトリックスは,顧客ロイヤルティを向上させるネットプロモーター・ソリューションとして以下のサービスを展開しています。NTTコム オンラインは日本国内において,これらを独占的に提供します。(1)マーケティングクラウドサービス『Satmetrix Pro』の提供 『Satmetrix Pro』は,米国のグローバル企業を中心に1000件を超える導入実績のある,顧客ロイヤルティ向上に向けたマーケティングクラウドサービスです。顧客ロイヤルティを向上させるために必要な各ステップをワンストップで提供します。」の記載がある(甲B24)。同様の記事は,同日付け「Web担当者Forum」のウェブページ,2014年(平成26年)3月14日付けの「朝日新聞DIGITAL」のウェブページ,同日付け「ASCII.jp」のウェブページ,同日付け「日本経済新聞(Web刊)」,2014年(平成26年)3月17日付け「電経新聞」にも掲載された(甲B25?甲B28,甲B66)。
また,同社の2014年(平成26年)8月26日付けニュースリリース等には,「NTTコム オンライン,NPS(R)を活用したソリューションを提供開始」した旨及び「NPS(R)マーケテイングクラウド『SatmetrixPro』NPS(R)を測定するためのアンケートの作成・収集から,プロモーターの把握・要因分析改善アクションまで,NPS(R)マーケテイングクラウド『SatmetrixPro』がプロセスを自動化して実施します。」旨の記載がある(甲B48,甲B49)。
ス 2014年(平成26年)3月27日付け「電波新聞」には,「JBCC 基幹業務システムのクラウド化に力」の見出しのもと,「JBCCは,1月にマーケティング クラウド事業部を設置して,独自開発のERP(統合基幹業務)システムをはじめとした業務システムのクラウド環境での運用や,クラウドによるシステム基盤構築を推進している。中でも基幹業務システムのクラウド化に注力。」の記載がある(甲B69)。同様の記事は,2014年(平成26年)3月28日付けの同新聞にも掲載された(甲B70)。また,JBCCに,マーケティング クラウド事業部が存在することに関しては,「BCN(BUSINESS COMPUTER NEWS)」に記載がある(甲B72)。
セ 2014年(平成26年)4月23日付け「日経産業新聞」には,「米エヴィドン,社名を『ゴーステリー』に変更し,企業向けのマーケティングクラウド管理に参入」の記載がある(甲B71)。
ソ 株式会社プラスアルファ・コンサルティングの2014年(平成26年)5月14日付けニュースリリースには,「プラスアルファ・コンサルティングは,『見える化を基軸としたマーケティングクラウド専門会社』として,2006年の設立以来,顧客の声のように貴重であり,かつ膨大な量のテキスト情報を『見える化』し,気づきを与える力を持つ『テキストマイニング技術』を核とした『見える化ソリューション事業』を行っています。テキストマイニング技術を応用し,様々な情報を『見える化』することで,お客様のビジネスに+α(プラスアルファ)の価値を創造するための,ソフトウェアの開発・販売,コンサルティング,新規事業創出などを行っています。」の記載がある(甲B35)。
タ 「ZDNet Japan」のウェブページ(2014年(平成26年)5月21日)には,「SAP,行動マーケティングを手がけるSeeWhyを買収へ」の見出しのもと,「ドイツのエンタープライズソフトウェア大手SAPは現地時間5月20日,ボストンに拠点を置く行動マーケティング提供企業SeeWhyを買収する計画を発表し,マーケティングクラウドの強化に乗り出した。SeeWhyのマーケティングプラットフォームは,個々の顧客の行動に基づくデータを利用し,電子メールやデスクトップ広告,モバイルおよびソーシャルチャネルを使って,パーソナライズされたキャンペーンを展開する。」の記載がある(甲B36)。
チ 「PC online」のウェブページ(2014年(平成26年)5月26日)には,「6つのサイトの訪問者を統合分析,ケン・コーポがクラウドで実現へ」の見出しのもと,「トライアックスとスペイシーズは2014年5月23日,共同で提供しているマーケティングクラウドサービス『SATORI』を,不動産情報サイトを提供しているケン・コーポレーションが採用したと発表した。SATORIは,2社が共同で提供しているクラウドサービス。複数サイトから集めたログ情報を,訪問者ごとに分析し,訪問者ごとにコンテンツを出し分けるといったことができる。」の記載がある(甲B37)。
ツ その他,提出に係る証拠において,表示はあるものの,その内容等が明確でないものは,以下のとおりである。
(ア)「Marketing Cloud」の記載があるものは,甲B15,甲B16,甲B17及び甲B51である。
(イ)「Marketing Cloud Services」の記載があるものは,甲A16である。
(ウ)「Adobe Marketing Cloud」の記載があるものは,甲A9,甲A12,甲A24,甲B43,甲B55及び甲B61である。
(エ)「Oracle Marketing Cloud」の記載があるものは,甲A14,甲B44,甲B45及び甲B76である。
(オ)「マーケティングクラウド」の記載があるものは,甲A19,甲A26,甲B12,甲B14,甲B21,甲B29,甲B38,甲B39,甲B52,甲B54,甲B60,甲B71,甲B73ないし甲B75である。
(カ)「マーケティン・グクラウド」の記載があるものは,甲B53及び甲B67である。
(キ)「マーケティングクラウドサービス」の記載があるものは,甲A23及び甲B42である。
(ク)「アクティブコアマーケティングクラウド」の記載があるものは,甲A15である。
(ケ)「デジタルマーケティングクラウド」の記載があるものは,甲A28である。
(2)上記(1)によれば,株式会社エニグモの2010年(平成22年)3月30日付けニュースリリースで,「マーケティングのクラウドソーシングプラットフォームである『みんなの企画会議室(仮)』を開始」,「本サービスを通じて,企業の商品開発やプロモーション開発に多様なクリエイティブクラスが参加することにより,新しいマーケティングの場を提供」などと記載されている(甲A18,甲B2)が,該「マーケティングクラウド」の文字がどのような意味合いをもって使用されているのか不明確といわざるを得ないものであり,アドビ社に関連する情報においても,「Adobe Marketing Cloud」について,例えば,「デジタルマーケティングへの取り組みによってビジネス強化を目指す企業のために,データとコンテンツを最大限に活用した,マルチチャネルの分析基盤と広範な最適化のソリューションを提供」(甲A10),「広告・マーケティング活動における計測と管理,実行,そして最適化といった一連の活動」(甲B9),「『分析』『ソーシャルアプリケーションの開発』『スマートフォンやタブレットを対象としたコンテンツのターゲティング』『広告』『モバイルコンテンツの管理と配信』の全5領域で,新しいモバイル向けの機能が利用できる」(甲B63)等のように様々な表現がなされ,また,オラクル社に関連する情報においても,「Oracle Marketing Cloud」について,例えば,「『Oracle Responsys』と『Oracle Eloqua』を活用し,Web,ソーシャル,モバイルやeメールなどを含むさまざまなチャネルを使って,個々にカスタマイズされた顧客体験を提供しながら,メッセージ,キャンペーンなどの一環性のあるマーケティング活動を実現する。」(甲B46,甲B47)のように記載されているものである。
その他,「マーケティング活動の効率化や,それらを統合管理し,個人情報と履歴を管理するプラットフォーム構築,Salesforce CRMとの連携など,マーケティング活動を支援するシーン別ソリューションをご紹介。」(甲B4),「個人リテール分野における金融マーケティングの高度化,人材育成や業務ノウハウの共有実現を目指しています。」(甲A21),「マーケティングクラウドの企画提案営業」(甲A19),「高度な金融マーケティングのノウハウとIT基盤を共有し,収益拡大を図るマーケティング・クラウド」(甲A21),「帳票マーケティングクラウドサービス/ビジネスドキュメントを有効活用するサービスです。請求書・納品書等を帳票イメージとして生成し,Web化によるコスト削減や早期到着による顧客満足度UPを実現します。」(甲A22)などの記載からは,「マーケティングクラウド」,「marketing cloud」の文字がどのような意味合いをもって使用されているのか明確に把握することができないものである。
そうとすれば,申立人らが提出した証拠からは,「Marketing Cloud(マーケティングクラウド)」の文字が,申立人らが主張する「マーケティング活動を効率化・円滑化するための手段であるクラウドコンピューティングを利用して提供されるマーケティングに関する役務」,「購買者のインターネット上の購買行動などのビッグデータを活用して,必要とされる情報を適切に提供していくマーケティングの手法」程の意味合いを理解,認識させるものということができない。
(3)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は,「MARKETINGCLOUD」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
そして,上記1に記載のとおり,本件商標からは,「市場活動におけるクラウドコンピューティングの活用」程の意味合いを理解,認識させるものということができるとしても,それにとどまるものであって,かかる意味合いが直ちに本件指定役務との関係において,その役務の特定の質を直接的,かつ,具体的に表すものはいい難いところであるから,本件商標にかかる構成においては,特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として理解し,把握されるものとみるのが自然である。
また,上記(2)に記載のとおり,申立人らが提出した証拠からは,「Marketing Cloud(マーケティングクラウド)」の文字が,申立人らが主張する意味合いを理解,認識させるものとはいえないこと,本件商標の指定役務中には,「販売促進のための企画及び実行の代理,デジタルネットワーク上での市場調査,テレマーケティング,市場調査又は分析,広告・売上高調査・市場調査及び分析等の新商品の開発のための企画及び市場調査の代行,広告及びマーケティングに関する指導及び助言」のように「マーケティング」に関連する役務があること,「コンピュータネットワークにおけるオンライン」や「インターネット」を介して提供される役務が含まれていること等を考慮しても,「MARKETINGCLOUD」の欧文字からなる本件商標が,これに接する取引者,需要者に直ちに申立人らが説示する意味合いを認識させ,特定の役務の質を表示するものとして理解させるものということができない。
そうとすれば,本件商標は,これをその指定役務について使用しても,役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものであり,かつ,役務の質について誤認を生じさせるおそれもないものというのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきものとする。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-08-10 
出願番号 商願2012-50761(T2012-50761) 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (W35)
T 1 651・ 262- Y (W35)
最終処分 維持  
前審関与審査官 真鍋 伸行 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 榎本 政実
田中 亨子
登録日 2014-10-24 
登録番号 商標登録第5712065号(T5712065) 
権利者 セールスフォースドットコム インコーポレイテッド
商標の称呼 マーケティングクラウド、クラウド 
代理人 青木 博通 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 中村 稔 
代理人 柳生 征男 
代理人 松尾 和子 
代理人 中田 和博 
代理人 達野 大輔 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 藤倉 大作 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 辻居 幸一 
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