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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201411133 審決 商標
不服20139242 審決 商標
不服201413821 審決 商標
異議2013900096 審決 商標
不服201513171 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W30
管理番号 1303163 
異議申立番号 異議2014-900050 
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-08-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-02-14 
確定日 2015-06-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第5630437号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5630437号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第5630437号商標(以下「本件商標」という。)は、「EXTRA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年5月21日に登録出願、第30類「チューインガム,その他の菓子及びパン」を指定商品として、同25年11月1日に登録査定、同月15日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 申立ての根拠
本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
仮に商標法第3条第1項第3号に該当しない場合であっても、本件商標は、同法第4条第1項第11号に該当するものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の2第1号により取消されるべきものである。
2 本件商標が商標法第3条第1項第3号に該当することについて
本件商標は、「特別上等の」の意味合いを有する英単語「EXTRA」のみから構成されており、かかる意味合いを有する「EXTRA」、「エクストラ」、「エキストラ」の各文字は様々な分野の商品につき、その品質等が特別上等のものであるということを誇称するために使用されることが少なくなく、本件商標の指定商品中の商品、特に「ガム等の菓子」についても例外ではない。また、特許庁の審査実務においても、食品分野につき「エクストラ」、「EXTRA」の文字が誇称として使用されていると解される商標の拒絶例は少なくない。
したがって、本件商標はその指定商品中、少なくとも「ガム等の菓子」については品質等が特別上等のものであるということを誇称表示したものと理解されるにすぎず、これをその指定商品に使用するときは、これに接する者に当該商品の品質を表示したものと理解されるにとどまるものである。
よって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから取り消されるべきである。
3 本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当することについて
本件商標が第3条第1項第3号に該当しない場合には、本件商標は「雪肌精/EXTRA」からなる登録第4888024号商標に類似するものである。
よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから取り消されるべきである。

第3 取消理由通知
当審において、平成26年7月17日付けで、商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
1 「EXTRA」及びその片仮名表記である「エクストラ」の語について
申立人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標を構成する「EXTRA」の欧文字は、「格外の、特別上等(優良)の、特別に」等の意味を有する英語であり、また、これに由来する「エクストラ」の片仮名が「特製料理、定食にはない皿、極上のぶどう酒やブランデー」を意味する外来語として知られており、飲食料品関係においては、例えば、「extra good wine」は「特別上等なワイン」を意味し、「オリーブの実を砕き、低温で絞ってつくるオリーブオイルの中で、酸度が1%以下の上質なもの」が「エクストラ・バージン・オリーブ・オイル(extra virgin olive oil)」と称され、「スパークリングワインの超極辛口のもの。シャンパンでは醸造過程での許容加糖量が1lあたり0-6gのもの」が「エクストラ・ブリュット(extra brut)」と称されている(甲2並びに甲3の1及び2)。
(2)本件商標の指定商品に係る菓子業界においては、「エクストラ」又は「EXTRA」の文字は、次のように、各メーカーによって商品名の一部として又は商品の特長等を端的に示す語として他の文字とともに使用されている。
ア 「Pocky」と称するチョコレート菓子(メーカー:グリコ)につき、包装容器に「エクストラホワイト」の表示とともに、「バニラシードを練りこんだホワイトチョコレートと香ばしいアーモンドの贅沢なポッキーです。」との説明がされ、同じく「エクストラショコラ」の表示とともに、「厳選されたココアを練りこんだチョコレートと香ばしいアーモンドの贅沢なポッキーです。」との説明がされている(甲7の1及び2)。
イ 「ガンダム総集編ウエファーチョコEXTRA」と称する菓子(メーカー:森永)につき、その包装容器の上方に「ガンダム総集編」、「EXTRA」及び「ウエファーチョコ」の文字が3段に表示されている(甲7の4)。
ウ 「エクストラドライグミ コーラ味」と称する袋キャンディ(メーカー:リボン)につき、その包装容器の中央部分に「クセになるドライな刺激」、「EXTRA」、「DRY」、「COLA」、「Gummy」及び「エクストラ ドライ グミ」の各文字が6段に併記されている(甲7の6)。
エ 「キシリッシュエクストラブルーミント」と称するガム(メーカー:明治)につき、その包装容器に「XYLISH」の文字が大きく表示され、その下段に「EXTRA BLUE MINT」の文字が小さく併記されている(甲7の7)。
オ 「こだわりショコラエクストラバニラ」と称するチョコレート(メーカー:ブルボン)につき、その包装容器に「こだわりショコラ」の文字が大きく表示され、その下部に「エクストラバニラ」の文字がやや小さく併記されている(甲7の10)。
カ 「ドラゴンソウル エクストラブルーミント」と称するキャンデー(メーカー:フレンテ)につき、その包装容器に「ドラゴンソウル」及び「DragonSoul」の文字の下段に「EXTRA BLUE MINT」の文字がやや小さく併記されている(甲7の12)。
キ 「ナゲット エクストラクリーミートフィー&アーモンド」と称するチョコレート(メーカー:鈴商)につき、その包装容器に「Nuggets」の文字が大きく表示され、その下部に「EXTRA CREAMY」の文字がやや小さく併記されている(甲7の13)。
ク 「フランエクストラ極みのカカオ」、「フラン エクストラ珈琲」、「フラン エクストラ抹茶」と称するチョコレート(メーカー:明治)につき、それぞれの包装容器の中央に「Fran」の文字が表示され、その下段に「Extra」の文字が小さく併記されている(甲7の14、16及び17)。
ケ 「フリスク エクストラミント」と称するキャンデー(メーカー:クラシエ)につき、その包装容器の中央に「FRISK」の文字が大きく表示され、その左上に「EXTRA MINT」の文字が小さく表示されている(甲7の18)。
コ 「ミンツエクストラブルー」と称するガム(メーカー:明治)につき、その包装容器の側面に「HYBRID MINT GUM」及び「EXTRA BLUE」の文字が表示されている(甲7の20)。
サ 「明治エクストラミルク」と称するチョコレート(メーカー:明治)につき、その包装容器の中央に「meiji」の文字が大きく表示され、その下段に「EXTRA MILK」及び「エクストラミルク」の文字が小さく併記されている(甲7の21)。
シ 「ルックエクストラ(ナポレオンブランデー)」と称するチョコレート(メーカー:不二家)につき、その包装容器の中央に「LOOK」及び「Extra」の文字が大きく2段に併記されている(甲7の23)。
ス その他、「エンジン エクストラスピード」と称するガム(メーカー:ロッテ)(甲7の5)、「クロレッツXPエクストラハイパー粒」と称するガム(メーカー:モンデリーズ・ジャパン)(甲7の8)、第3世界ショップのチョコレートとして「フェアトレードチョコレート(エクストラ)」(甲7の25)、エスポワールのイチゴデコレーションケーキとして「フレーズシャンティ エクストラ」(甲7の26)の各表示が見られる。
2 本件商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
前記1によれば、「EXTRA」の欧文字、又は、「エクストラ」の片仮名は、菓子等の食料品業界においては、商品の品質が優れていることを示す誇称表示として広く一般に使用されているものというべきである。
してみると、本件商標は、「EXTRA」の欧文字を普通に用いられる方法で表示してなるものであり、本件商標をその指定商品について使用しても、商品の品質の誇称表示として認識し理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

第4 商標権者の意見
前記第3の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。

第5 当審の判断
本件商標についてした前記第3の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、その指定商品について、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたといわざるを得ないから、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-02-06 
出願番号 商願2012-40013(T2012-40013) 
審決分類 T 1 651・ 13- Z (W30)
最終処分 取消  
前審関与審査官 矢澤 一幸冨澤 美加 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 関根 文昭
根岸 克弘
登録日 2013-11-15 
登録番号 商標登録第5630437号(T5630437) 
権利者 ウイリアム リグレイ ジュニア カンパニー
商標の称呼 エクストラ、エキストラ 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 浜田 廣士 
代理人 工藤 莞司 
代理人 小暮 君平 
代理人 特許業務法人 小笠原特許事務所 

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