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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W16 審判 査定不服 観念類似 登録しない W16 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W16 |
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管理番号 | 1303134 |
審判番号 | 不服2014-23290 |
総通号数 | 188 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-08-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-10-28 |
確定日 | 2015-07-08 |
事件の表示 | 商願2013-51821拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ECO-AIR PACKAGE」の欧文字を書してなり、第16類「ボトル詰めされた飲料水の収縮包装用プラスチック製包装材料,その他の包装用プラスチック材料(他の類に属するものを除く。),ボトル詰めされた飲料水の包装用厚紙製トレイ及び箱,その他の厚紙製包装用容器」を指定商品として、平成25年7月4日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5483569号商標(以下「引用商標」という。)は、「ECOAIR」の欧文字を標準文字で表してなり、平成23年6月17日に登録出願、第1類「原料プラスチック」及び第17類「プラスチック基礎製品,合成樹脂製包装用緩衝材,ゴム製又はプラスチック製の積荷用緩衝材,プラスチック製の包装用緩衝材,ゴム製又はプラスチック製の詰物用材料,包装用・梱包用粘着テープ」を指定商品として、同24年4月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、「ECO-AIR PACKAGE」の欧文字を書してなるところ、「ECO-AIR」の文字と「PACKAGE」の文字の間には間隔が空いており、その構成文字全体より生じる「エコエアーパッケージ」の称呼も冗長の感を否めないものである。しかも、本願商標は、その構成文字全体をもって特定の意味合いを看取させるというものではなく、一方で、その構成中の「PACKAGE」の文字は、「(荷造り用の)容器,箱;包装紙。パッケージ;荷造り,梱包,包装」(ランダムハウス英和大辞典 第2版 株式会社小学館発行)の意味で、例えば、以下の(ア)ないし(ク)のとおり、広く一般に用いられているものであって、本願指定商品との関係においては、指定商品又は指定商品の品質を表すものといえるから、自他商品の識別力を有しない部分といわざるを得ない。 (アンダーラインは当合議体が付与。) (ア)2014年10月16日付け「化学工業日報」に、「ジャパン・プラス、精密工業部品向け包材、ベトナム生産を検討」の見出しの下、「オルピタ通販Boxは、段ボール紙とポリウレタン(PU)フィルムによる独自設計のパッケージ。高い伸縮性を持つフィルムの性能を生かし、内容物へ負荷をかけずシュリンク包装が可能。」との記載がある。 (イ)2012年11月14日付け「京都新聞」(朝刊 13頁)に、「◎デザイン描ける紙商品 携帯電話カバーやハンガーも 日写が新技術 エコ&強度十分」の見だしの下、「日本写真印刷はこのほど、紙素材で表面にデザインが施された容器などを製作できる技術を開発した、と発表した。プラスチック樹脂製品並みの強度で、環境に優しく、包装材や携帯電話カバーなどに活用できるという。・・・日写は『例えば、通販会社が商品発送の緩衝材に自社ブランドのイメージを描くことで他社と違いを出せる。雑貨やパッケージ市場で国内外10億円の売上高を2014年度に目指す』としている。」との記載がある。 (ウ)2009年9月21日付け「京都新聞(朝刊 6頁)に、「躍進 京滋の中小企業 キョウホー(京都市山科区) 包装に最適資材を提案」の見だしの下、「別注トレーは、原材料の樹脂シートを熱で軟化させ、凹凸型で押さえる。樹脂と型の間の空気を吸い取って真空に近い状態を作り、型に樹脂を密着させて完成させる。・・・個食の時代に合わせた小分けの豆腐のパッケージや、高品質の自動車部品の容器を生産する。」との記載がある。 (エ)2007年4月9日付け「日本食糧新聞」に、「包装展『A-PACK』4月18?21日インテックス大阪で開催」の見だしの下、「【関西】西日本最大規模の包装展「A‐PACK 2007 OSAKA」と、食品の製造・包装・物流に関する専門展「’07関西食品産業展」が18?21日の4日間、インテックス大阪2?4号館で同時開催される。・・・パッケージ関連・環境関連の記念セミナーも数多く開催される。」との記載がある。 (オ)2003年2月11日付け「北国・富山新聞」に、「朝日印刷、生分解性の商品強化 環境にやさしく 容器や塗料加工品」の見だしの下、「同社はこれまでパッケージの緩衝材や段ボールシートを廃止し中仕切を設けて過剰包装を避けるなどでゴミの総量削減に貢献する商品や、脱塩ビで主力製品である透明容器をプラスチック素材からポリプロピレンなどに100%切り替えるなど環境対応に取り組んできた。」との記載がある。 (カ)2001年12月6日付け「化学工業日報」に、「ノバモント、アジアに生分解性プラ生産拠点構築を検討」の見だしの下、「生分解性プラスチックメーカーの伊ノバモントは、生産体制の強化に乗り出す。・・・『緩衝材のほかパッケージや紙おむつのバックシート向けの市場拡大』を期待しており、『日本企業との提携を目指していく』意向だ。」との記載がある。 (キ)千住金属工業株式会社のウェブサイトにおいて、「環境に配慮したパッケージの導入」の見だしの下、「環境に配慮した製品を世に送り出すだけに留まらず、リサイクル可能なパッケージ素材の導入にも力を入れています。」との記載がある(http://www.senju-m.co.jp/csr/environment/package/index.html)。 (ク)商栄株式会社のウェブサイトにおいて、「美粧紙ケース・各種ダンボール・プラスティック梱包材・緩衝材、パッケージのご用命は商栄株式会社へ」の記載がある(http://sho-pack.co.jp/shopack/quo05/)。 そうとすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、「ECO-AIR」の文字部分を自他商品の識別力を有する要部と認識し、この部分から生じる「エコエア」の称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないとみるのが相当である。 そして、該「ECO-AIR」の文字部分は、連結を表す符号であるハイフンをもって、「環境,自然」の意味を有する「ECO」と「空気,大気」の意味を有する「AIR」の文字を結合したものであるところ、一連の文字では特定の観念を生じない造語と認められるものである。 (2)引用商標について 引用商標は、「ECOAIR」の欧文字を書してなるところ、その一連の文字は既成の語ではないから、特定の観念を生じない造語と認められるものである。 そうすると、引用商標は、該文字に相応して、「エコエア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものといえる。 (3)本願商標の商標法第4条第1項第11号該当性について 本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標と引用商標とは、「エコエア」の称呼を共通にし、観念においては比較することができないものである。 また、外観については、本願商標と引用商標とは、その全体の構成において相違するものの、本願商標の構成中、要部として自他商品の識別標識として強く認識される「ECO-AIR」の文字部分と、「ECOAIR」の文字からなる引用商標とを対比すると、本願商標の4文字目に「-」(ハイフン)があるとしても、そのほかの文字を共通にするものであるから、外観上近似した印象を与えるものといえる。 そうとすると、本願商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観を総合的に考察するならば、互いに相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。 そして、本願商標の指定商品中の「ボトル詰めされた飲料水の収縮包装用プラスチック製包装材料,その他の包装用プラスチック材料(他の類に属するものを除く。)」は、引用商標の指定商品中の「合成樹脂製包装用緩衝材,ゴム製又はプラスチック製の積荷用緩衝材,プラスチック製の包装用緩衝材,ゴム製又はプラスチック製の詰物用材料」とは、同一又は類似の商品である。 してみれば、本願商標は、引用商標と類似の商標であって、かつ、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 なお、請求人は、「ECO-AIR PACKAGE」は一連一体として判断されるべきであって、引用商標とは非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号には該当しない旨主張する。 しかしながら、上述したとおり、本願商標は、その構成中の「PACKAGE」の文字が自他商品の識別力を有しないものであって、「ECO-AIR」の文字部分をもって、取引に資される場合も決して少なくないものというのが相当であるから、請求人の主張は、採用することができない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-02-03 |
結審通知日 | 2015-02-10 |
審決日 | 2015-02-24 |
出願番号 | 商願2013-51821(T2013-51821) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(W16)
T 1 8・ 261- Z (W16) T 1 8・ 263- Z (W16) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 村田 有香、椎名 実、神前 博斗 |
特許庁審判長 |
林 栄二 |
特許庁審判官 |
原田 信彦 内藤 順子 |
商標の称呼 | エコエアーパッケージ、エコエアー、パッケージ |
代理人 | 特許業務法人川口國際特許事務所 |