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審決分類 審判 全部無効 商4条1項16号品質の誤認 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W41
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W41
管理番号 1303084 
審判番号 無効2014-890014 
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2014-03-11 
確定日 2015-07-01 
事件の表示 上記当事者間の登録第5598871号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5598871号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5598871号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成25年2月1日に登録出願、第41類「ゴルフ施設及びゴルフ練習施設の提供,ゴルフ練習場の提供,運動施設の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,運動用具の貸与,スポーツの興行の企画・運営又は開催,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,セミナーの企画・運営又は開催」を指定役務として、同年6月6日に登録査定、同年7月12日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
1 請求の趣旨
本件審判請求人(以下「請求人」という)は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第22号証(枝番号を含む。)を提出している。
2 請求の理由
本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同項第19号、同項第7号及び同項第16号に該当し、同法第46条第1項第1号に基づき、無効にすべきものである。
3 具体的理由
(1)商標法第4条第1項第15号について
ア 請求人及び請求人の経営するゴルフクラブについて
「オーガスタ ナショナル インコーポレイテッド(Augusta National Inc.)」(以下「請求人」という。)は、アメリカ合衆国 ジョージア州 オーガスタ ワシントン ロード 2604に所在する「オーガスタ ナショナル ゴルフ クラブ(Augusta National Golf Club)」(以下「請求人ゴルフクラブ」という。)を経営する米国法人である。請求人ゴルフクラブは、いわゆる世界の4大ゴルフトーナメントの一つである「Masters Tournament(マスターズ・トーナメント)」が開催されるゴルフクラブとして世界中に知れ渡っている。
イ 「Masters Tournament」、「マスターズトーナメント」、「Masters」及び「マスターズ」(審判注:請求人の主張によれば、これらの語は全て同一のゴルフトーナメントの名称と解される。以下、これらの語及びこれらの語の正式名称である「The Masters Tournament」を総称して、「請求人マスターズ」という場合がある。)の著名性について
請求人ゴルフクラブは、1933年に開場され、1934年にここで「オーガスタ・ナショナル・インビテーショナル」としてトーナメントが発足した。そして、第6回目の1939年の大会から、現在の正式名称である「The Masters Tournament」と呼ばれるようになり、今日に至っている。
請求人マスターズは、男子プロゴルフ競技で格の高い世界4大メジャー大会の一つであるが、請求人ゴルフクラブで開催されるのは、請求人マスターズのみであり、この大会は、招待資格を有する限られた選手しか出場できない大会として「ゴルフの祭典」と呼ばれ、このトーナメントに出場を許されることは世界中の男子プロゴルフ・プレイヤ一にとって夢であり、憧れとなっている。その結果、請求人マスターズは、4大メジャー大会の中でも特に注目度が高く、日本でも最も評判の高いゴルフイベントである。
したがって、請求人が開催、運営する請求人マスターズが世界屈指の著名なゴルフトーナメントであることは周知の事実であり、「Masters」及び「マスターズ」の略称で古くから親しまれている(甲5の1ないし甲5の80、甲12の1ないし甲21の8)。
さらに、商標登録の無効審判2001-35236号の審決においても、請求人ゴルフクラブで開催される請求人マスターズは、わが国においては、遅くとも平成11年6月30日以前において、著名なものとなっていたと認定されており(甲6及び甲7)、請求人マスターズは、1934年に開催されて以来、ゴルフ界のいわゆる4大メジャートーナメントの一つとして、古くからゴルフの愛好者の間では著名なものとなっていたことは疑いない。
そして、同審決の前後から、請求人マスターズは、従来にもまして、日本を含む世界中のゴルフ愛好家を含む公衆の間においてその知名度は広く、かつ、深く浸透した。
プロゴルファーであるタイガー・ウッズの人気や、石川遼の活躍等もあって、請求人マスターズはメディアで頻繁に取り上げられ、「マスターズ」という名称は、ゴルフ愛好者にはよりいっそう、さらに、老若男女を問わず幅広い一般の人たちの間に、請求人が開催するゴルフトーナメントの名称として、広く知れ渡っているということができる。
また、請求人マスターズのテレビジョンによる放送は、1972年の開催から、TBSテレビジョンによるVTRによって開始され、1976年からは衛星生中継となり、今日に至るまで毎年放送されている(甲10)。
しかして、トーナメントの開催地が米国ジョージア州であることから時差があり、日本での放映時間は、通常午前5時から午前8時頃までであるところ、請求人マスターズの放送時間がこのように早朝であるにもかかわらず、甲第11号証のとおり高い平均視聴率を上げ、2001年から毎年ほとんどのラウンドにおいて最高視聴率は5%を超えている。特に、2009年は、4日間全てのラウンドにおいて最高視聴率が10%を超え、2010年においても4日間中2日間も10%を超え、最終日は9.9%である。このような高い平均視聴率及び最高視聴率を挙げているのは、いかに請求人マスターズの人気が高く、多くのゴルフ愛好者によって観戦が待ち望まれているトーナメントであることを示すものに他ならない。
したがって、請求人マスターズは、本件商標の登録出願日である平成25年2月1日以前において著名なものとなっていたことは、明らかな事実である。
そして、請求人マスターズは、請求人ゴルフクラブが毎年主催し、そのコースで行われることは、ゴルフに関心を持つ人々の間で知らない者がいないほどであるところ、「オーガスタ」も「オーガスタ ナショナル ゴルフクラブ」の略称として、各種の雑誌その他のメディアで広く用いられた結果、「オーガスタ」と「マスターズ」はしばしば同義語として雑誌その他のメディアで用いられている事実があり、「マスターズ」と「オーガスタゴルフクラブ」は極めて深く強い結びつきをもっている(甲12の1ないし甲22の2)。
よって、「マスターズ」といった場合、特にゴルフに関心を持つ人々は、常に請求人との関係で認識するということができる。
ウ 本件商標との類似性について
(ア)称呼上の類似性について
本件商標は、中央にシルエットで描かれた「木の図形」(以下「図形部分」という。)の左側に欧文字「Master」、その右側に欧文字「golf」を表した構成からなるところ、本件商標中の構成中の「Master」及び「golf」の欧文字は、中央にある図形部分により外観上分離されて認識されることから、「Master」の文字部分は他の構成要素から独立して単独で認識される。
さらに、本件商標は、「ゴルフ施設及びゴルフ練習施設の提供,ゴルフ練習場の提供」を指定役務とするものであるから、本件商標がこれらの役務について使用された場合、本件商標の構成中の「golf」の文字部分は、そこで提供される役務がゴルフに関係したものであること、すなわち、指定役務の質を直接表示するものである。
したがって、本件商標がゴルフに関係する役務について使用された場合は、本件商標の構成中の「golf」の文字部分が自他役務識別力を有しない語であるから、本件商標の主要部は、「Master」の文字部分と図形部分にある。
そして、本件商標の構成中の「Master」の文字部分と請求人の著名な「Masters」の商標とは、単に単数形か複数形かの相違にすぎないことは容易に認識でき、本件商標の構成中の「Master」の文字部分から生じる「マスター」の称呼と請求人の著名な「Masters」の商標から生じる「マスターズ」の称呼を比較すると、両者の相違は語尾音の「ズ」の有無にすぎないものである。
しかして、差異音の語尾音は複数形を表す「ズ」であるから、「マスター」に比べ極めて弱く発音される音であり、「マスターズ」の称呼に接するものは「マスター」の部分に強く印象付けられることは明らかである。
したがって、本件商標から生じる「マスター」の称呼と、請求人の商標から生じる「マスターズ」の称呼との差異は微差にすぎず、両称呼は実質的に同一であり、両商標は、称呼上類似するものである。
(イ)観念上の類似性について
本件商標の構成中の「Master」の文字部分は、「達人、名人」といった意味を有する語として広く一般に知られており、請求人の著名な「Masters」の商標は「Master」の語の複数形である。
しかして、日本語には単数形と複数形の区別はないから請求人の著名な「Masters」の商標からも「達人、名人」の観念が生じる。
したがって、本件商標と請求人の「Masters」の商標は、観念上類似する商標である。
エ 出所の混同について
(ア)本件商標は、その構成中に請求人の著名な「Masters」の単数形である「Master」の文字を含み、「Master」が単独で認識される請求人の「Masters」と類似する商標である。
(イ)本件商標は、その指定役務中に「ゴルフ施設及びゴルフ練習施設の提供、ゴルフ練習場の提供」及びその他ゴルフに関係する役務を含むものであり、需要者がゴルフを行う者であることから、請求人の「Masters」の著名性に照らせば、本件商標に接する需要者は、本件商標の構成中の「Master」の文字部分を請求人の著名な「Masters」と誤認、混同し、請求人と関連付けて認識するといえる。
(ウ)したがって、請求人の著名な「Masters」と類似する本件商標がその指定役務について使用された場合、本件商標の需要者は、当該役務が請求人と経済的あるいは資本的に何らかの関係がある者によって提供されているかの如く、役務の出所について誤認、混同することは明らかである。
(エ)さらに、請求人マスターズが世界4大ゴルフトーナメントのうちでも格別に世界的に著名なゴルフトーナメントとなったのは、該トーナメントが常に請求人ゴルフクラブで開催され、該ゴルフクラブが、そのコースの美しさ、コースの攻略の難しさがトーナメントに参加するプレイヤーや、これを観戦する者全てを魅了するからであり、トーナメントを開催するにあたり、すべてにおいて、最高のトーナメントを提供するという請求人による長年にわたる不断の努力の賜物である。
してみれば、本件商標の登録が維持され、請求人と何ら関係の無い者により、請求人の著名な「Masters」と類似する欧文字「Master」をその構成中に含む本件商標が、「ゴルフ練習場やゴルフ場等のゴルフに関係する役務」について使用されると、請求人が長年の努力により培ってきた「Masters」の名称に化体された業務上の信用が毀損されることは明らかであり、請求人が受ける損害は計り知れない。
(オ)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するというべきである。
(2)商標法第4条第1項第19号について
上記(1)のとおり、請求人が開催する請求人マスターズは、世界4大ゴルフトーナメントのうちでも格別に世界的に著名なゴルフトーナメントある。
そして、本件商標は「ゴルフ施設及びゴルフ練習施設の提供、ゴルフ練習場の提供」を指定役務とするものであるから、商標権者が「Masters」及び「マスターズ」について世界的に著名なゴルフトーナメントの略称であることを知らないはずはなく、商標権者は、ゴルフに関係した役務について使用する商標として、無数にある言葉の中から「Masters」と類似する「Master」を採択したのであり、「Masters」の商標のもつ顧客吸引力を利用し、不当に利益を上げることを目的として採用したに他ならない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するというべきである。
(3)商標法第4条第1項第7号について
上記(1)のとおり、請求人マスターズは、世界4大ゴルフトーナメントのうちでも格別に世界的に著名なゴルフトーナメントある。
そして、本件商標は「ゴルフ施設及びゴルフ練習施設の提供、ゴルフ練習場の提供」を指定役務とするものであるから、商標権者は、「Masters」及び「マスターズ」が世界的に著名なゴルフトーナメントの略称であることを知らないはずはなく、本件商標の採択にあたり、「Masters」の名声や顧客吸引力に便乗するものであることは明らかであり、さらに商標登録をすることは、その名声や顧客吸引力の希釈化を進めるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、公正な取引秩序を乱し、公の秩序を害するおそれがあるものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するというべきである。
(4)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、その構成中に「golf」の文字を含むから、本件商標がその指定役務に使用された場合、本件商標に接する需要者は、当該役務がゴルフに関係した役務であると認識するというべきである。
本件商標は、「スポーツ又は知識の教授、運動用具の貸与、スポーツの興行の企画・運営又は開催、娯楽施設の提供、興行場の座席の手配、セミナーの企画・運営又は開催」などのゴルフとは関係の無い役務も指定しているから、本件商標が、これらのゴルフと関係の無い役務について使用された場合、本件商標に接する需要者は、当該役務がゴルフに関係がある役務であるかのごとく、役務の質について誤認を生じるおそれがあるというべきである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するというべきである。
4 まとめ
以上述べた理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同項第19号、同項第7号及び同項第16号に該当するから、その登録は無効にされるべきである。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第13号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 被請求人における本件商標の使用業態(役務)の相違、表示商標の相違、ゴルフ練習場経営の企業志向及び信頼性並びにゴルフ界への発展貢献度等
(1)被請求人の母体である「ユニオンゴルフクラブ」(ゴルフ練習場及びショートコース)は、1969年にオープンし、その練習場・コースは一流プロが利用する千葉県下で屈指の練習場として知られ、今日に至っている(乙1の1ないし6及び乙2)。
(2)本件商標をゴルフ練習場の商標(名称)として現実に使用しているのは、本件商標の権利者の系列法人である株式会社マスタープランニング(以下「マスタープランニング」という。)であって、本件商標を使用し、練習場の設計や、経営方針等を定めるための準備は、本件商標の役務に係る練習場の実質的開場(2013年3月)の数年前から企画し、準備をしていたものである(乙3)。
マスタープランニングは、本件商標を自社ゴルフ練習場施設の看板(名称・商号)として、開業以来使用しており(乙5の1ないし11)、将来(次世代)のゴルフ発展を担うべきジュニアゴルファーの育成に努め、自社のゴルフ練習場を積極的に地域住民等に提供している。また、スペシャルオリンピックス(1962年6月にジョン・F・ケネディの妹のユーニス・ケネディ・シュライバーが設立)に支援を続け、2013年2月にはスペシャルオリンピックス日本・千葉から「感謝状」が授与される等の数々のボランティア活動を積極的かつ継続的に実施している企業である(乙6の1及び2)。
(3)上記(1)及び(2)における、被請求人の我が国のゴルフ界のゴルフ発展に努めるボランティア活動を考えても、被請求人は、請求人が主張するような、本件商標に係る役務が請求人と経済的あるいは資本的に何らかの関係がある者によって提供されているかの如く、役務の出所について誤認、混同を生じさせるような者ではない。しかも、請求人は、本件商標の使用が「マスターズ」の名称の顧客吸引力を利用し、不当に利益を上げることを目的に採用したと断じているが、かかる請求人の主張は不当な、根拠がない主張である。
2 本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当しないとする理由
(1)本件商標の類否性
本件商標は、「中央部位にORK樹(樫の樹の大樹のシルエット)」を描写した図形部分を配置し、その左側に欧文字「Master」と表示し、図形部分を挟んだ右側に「golf」の欧文字を表示した結合商標であり、これは、請求人が世界4大ゴルフトーナメントの内でも格別に世界的に著名なゴルフトーナメントの略称と主張する「マスターズ」、「Masters」とは、商標登録における「役務」の認識、解釈に関し、観念、称呼及び外観のいずれにおいても全く類似しないから、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。
(2)本件商標の構成
ア 本件商標は、その中央部位に、乙第6号証等に示す被請求人が経営するゴルフ練習場施設の広場に植樹立する樫の木・大樹原木を描写し、シルエット化した図形部分を配置してある。
さらに、この図形部分は、1999年(平成11年)4月9日に商標登録された登録第4259953号の商標(乙7)を構成する部分としても表示しており、被請求人が経営する米国フロリダ州サラソタのOak Ford GOLF COUNTRYを表示する各種の刊行物及び広告等においても使用されている(乙8の1ないし3)。
イ 図形部分の左側には、英文書体の特徴ある欧文字のスクリプト体で「Master」と表示している。
ウ 図形部分の右側には、英文書体の特徴ある欧文字のスクリフト体で「golf」と表示している。
エ 本件商標の結合構成の創作、選定にあたっては、全体結合の構成要素を構成する、実植するORK大樹のシルエット、このシルエットを挟んで左右に配置された、手書きによって生み出される流れるような筆跡で表現された欧文字のスクリプト体「Master golf」の表示は、その構成要素が結合した全体によって識別されるべきであって、みだりに、構成部分の一部を抽出し、その部分だけを商標の要部とすることは認めることができない。本件商標は、上述のアないしウの各構成要素の組合せによって結合商標として、役務の出所識別標識としての強い支配的な印象を与えるものである。
(3)「Master」と「Masters」及び「マスターズ」との称呼上の類似性
ア 請求人の「Masters」の商標は、ワンワードであり、構成自体は一つの事象を表していて一連一体不可分の商標と判断され、語尾の「s」は分断することに馴染まないから、本件商標の「Master」とは外観、称呼及び観念において非類似である。
イ 本件商標は、「ゴルフ施設及びゴルフ練習施設の提供、ゴルフ練習場の提供」を指定役務とするものであるから、本件商標がこれらの役務について使用された場合、本件商標の構成中の「golf」の文字部分は、「指定役務の質」を直接表示する言葉であり、自他役務識別力を有しない言葉であるから、これらの役務については、本件商標の主要部は「Master」とシルエットで描かれた木の図形部分にある。
ウ 本件商標の構成中の「Master」の文字部分は、請求人の「Masters」の商標に類似する商標ではなく、本件商標に接する需要者は「Master」の部分に特に印象付けられ、「Master」の文字部分から単に「マスター」の称呼が生じる。
エ 請求人は、本件商標の構成中の「Master」と、世界中に周知、著名であると主張する「オーガスタ・マスターズトーナメント」、「マスターズ」及び「Masters」と同義である「Masters」とは単に単数形か複数形かの相違にすぎないとしている。しかしながら、この種の英語構成からなる商標の称呼として、語尾に付された「ズ・s」がもたらす観念は、「?ども」という複数の意味か、あるいは「?の」という所有の意味かであり、現代の日本語は、必要のない限り複数を表示しないから、名詞の単数と複数とは観念的には同一に判断することも考えられるが、観念が称呼を左右する可能性もある。
特に、請求人が著名と主張する「オーガスタトーナメント」と同義である「Masters」の商標と対比した場合、本件商標は、特徴ある図形部分、独特の書体の「Master golf」の表示からなる構成要素全体から特定の観念が容易に想起できるのであり、本件商標である「Master」は請求人商標の「マスターズ」の称呼とは称呼上類似することはない。
(4)観念上の類似性・語義(意味)の相違
ア 本件商標における構成の一部をなす「Master」の英語の語義(意味)は、「棟梁、親方、主に建築、手工業で徒弟、職人を束ねる存在であり、親方となってようやく一人前とされた。ギルド、徒弟制度」等様々な語意を有する言葉である(乙9)。
イ そして、「マスターズ大会」とは、本来の語義(意味)での「マスターズ」が、その種目を「マスター」している者であるところから、それらの者の大会という意味であり、高い技術をマスターするには年月が掛かることから、年齢が一定以上の中高年のための大会を「マスターズ」と称して、いろいろな種目で試合が開かれており(乙12の3及び4)、本件商標の構成要素の一部をなす「Master」とは、その語義において全く異なっている。
ウ すなわち、請求人が周知、著名と主張する「オーガスタトーナメント」と同義である「Masters」の商標と対比した場合、本件商標は、特徴あるシルエット図形、独特の書体の「Master golf」の欧文字からなる構成要素全体から、単なる「master」から生じる観念とは異なる特定の観念が容易に想起できるのである。
エ 多くの審判決例にもあるとおり、本件商標のように図形と欧文字という異なる構成要素を有する商標においては、特段の事情がない限り、これを一体の商標として把握すべきであり、その一部を捨象したり、抽出したりして、「Master」の文字部分のみを抽出して、請求人主張の商標等と比較して類否判断することは許されないことである。
オ したがって、本件商標は、請求人が世界中で周知、著名であると主張する「オーガスタ・マスターズトーナメント」、「マスターズ」及び「Masters」と同義である「Masters」の商標とは、単に単数形か複数形かの相違にすぎないものではなく、請求人が著名と主張する「オーガスタトーナメント」と同義である「Masters」商標と対比した場合、本件商標の構成要素である特徴ある図形部分、独特の書体の「Master golf」の表示全体から、単なる「Masters」の観念とは異なる特定の観念が容易に想起できるから、請求人の商標と観念上類似することはない。
(5)出所の混同
ア 請求人が世界中に周知、著名であると主張する「オーガスタ・マスターズトーナメント」、「マスターズ」及び「Masters」と同義である「Masters」の名称は、国内外のスポーツ大会の大会名として、また、多数のゴルフ練習場の名称やゴルフコース等の名称として使用されているにもかかわらず、請求人は、これらの他人による使用を放置しており、請求人による使用防止やその対策、管理がなんら行われていない。
また、その名称の由来についても、米国ジョージア州オーガスタに所在する企業や個人がその名称として、所在地の名称を冠することは土地の名称を普通に使用することであり、何らの独創性も認められない。
イ 本件商標は、結合構成の創作、選定にあたっては、全体の結合の構成要素である図形部分、この図形部分を挟んで左右に配置した、手書きのような筆跡で表現された欧文字のスクリプト体による「Master golf」の表示は、その構成全体によって識別されるから、請求人商標「Masters」と外観、称呼及び観念のいずれにおいても混同が生じる理由はない。
したがって、本件商標をゴルフ練習場やその関連施設に使用した場合に、取引者、需要者が直ちに「マスターズ」、ましてや「マスターズ・トーナメント」を想起するものではないから、本件商標を使用することが請求人と何らかの関連があると誤認し、混同を生ずることもない。
ウ 以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものでないことは明らかである。
3 本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当しないとする理由
(1)請求人が周知、著名であると主張する「オーガスタ・マスターズトーナメント」、「マスターズ」及び「Masters」と同義である「Masters」の名称は、国内外のスポーツ大会の大会名として、また、多数のゴルフ練習場の名称やゴルフコース等の名称として使用されており、本件商標の指定役務と同一の区分である第41類にも「マスターズ」又は「Masters」の文字を含む登録商標が存在する。
(2)請求人は、上記(1)の他人の使用を放置し、使用防止対策も講じず、これらに対して何らの積極的管理をしたとも認められず、また、自己の商標の選択名称由来を考察しても、何らの独創性も認められず、そのため請求人の業務に係る標章とは認め得ないのが実態である。
(3)請求人が「オーガスタ・マスターズ。ゴルフ練習場」の名称で日本国内において業務を営んだ事実はない。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
4 本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当しないとする理由
(1)本件商標は、結合構成の創作、選定にあたっては、全体を構成する、図形部分、この図形部分を挟んで左右に配置した、手書きのような筆跡で表現された欧文字のスクリプ卜体による「Master golf」の表示は、その構成全体によって識別され、請求人商標「Masters」とは外観、称呼及び観念のいずれにおいても混同が生じないものであり、また、公序良俗に違反することはない。
(2)したがって、本件商標をゴルフ練習場やその関連施設に使用した場合に、取引者、需要者が直ちに「マスターズ」、加えて「マスターズ・トーナメント」を想起するものではないから、本件商標を使用することが請求人と何らかの関連があると誤認し、混同を生ずることはなく、これは「Masters」の文字を含む商標が多数登録されていることからも明白であり、多数の商標が、商標法第4条第1項第7号違反として無効とされ排除されることなく登録されている事実からも、商標の構成の一部に「マスターズ\masters」を含む商標の登録が公序良俗違反を理由として無効とされる理由はない。
(3)本件商標は、上記(1)及び(2)に記載のとおり、その指定役務について使用することが社会公共の利益、一般的道徳観念に反する事実は存在せず、他の法律によってその使用が禁止されているものでもなく、国際信義に反するものとも認められず、本件商標の構成文字及び図形部分は、矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような構成でないこと明らかであり、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
5 本件商標が商標法第4条第1項第16号に該当しないとする理由
(1)役務の質の誤認を生じさせるような役務であるか否かは、実際の商取引の事情を勘案して判断すべきであり、特に、近年のこの種の役務の提供は企業形態の多様化、他分野への進出が常態化しており、その際に標章態様がそのままでありながら、その表示態様中には含まれない各種の役務が提供されていることに需要者は何らの違和感も生じることなく、役務の提供を受けている。
(2)第41類に属する役務を指定し、商標の構成中に「ゴルフ」の文字を含みながら、ゴルフ関係役務に限定されずに商標登録されている例が多数存在することからすれば、本件商標の構成中に「golf」の文字を含むからといって、これとは異なる役務を指定しているとしても商標法第4条第1項第16号に違反するものではない。
(3)したがって、本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
6 結論
以上のとおり、本件商標は、請求人の主張する無効理由である商標法第4条第1項第15号、同項第19号、同項第7号及び同項第16号のいずれにも該当するものでないから、本件審判の請求は理由がない。

第4 当審の判断
1 「Masters」の著名性について
(1)請求人は、「Masters」の文字は、請求人が経営するアメリカ合衆国ジョージア州オーガスタに所在する請求人ゴルフクラブにおいて開催される、世界の4大ゴルフトーナメントの一つである「The Masters Tournament」の著名な略称であると主張し、甲第2号証ないし甲第22号証(枝番を含む。)を提出しているところ、請求人の主張及び提出に係る証拠によれば、次の事実を認めることができる。
ア 請求人は、米国法人であって、請求人が経営するアメリカ合衆国ジョージア州オーガスタ所在の請求人ゴルフクラブにおいて、世界の4大ゴルフトーナメントの一つである「The Masters Tournament(マスターズトーナメント)」を開催している(甲2ないし甲5)。
イ 請求人の提出した甲第5号証の各種辞典(事典)等(甲5の2ないし14)には、「マスターズ」の項目において「アメリカのジョージア州オーガスタで毎年四月に行われるゴルフ競技会。一九三四年、世界の名手の招待競技として発足。」(甲5の2及び3)、「ゴルフの世界四大競技会の一つ。招待された世界の有力選手によって、毎年アメリカのオーガスタで行われる。マスターズトーナメント」(甲5の4)等の記載があり、さらに、甲第5号証の4、5及び7においては、「マスターズ」の項目に「(Masters)」と併記されている。
ウ 2009年(平成21年)1月23日付け、同年4月9日付け、同月10日付け及び2010年(22年)1月16日付けの朝日新聞(甲5の15ないし18)並びに2009年(平成21年)1月23日付け、同年12月21日付け及び2010年(22年)3月17日付けの讀賣新聞(甲5の19ないし22)において、請求人マスターズ及びこれに出場する選手に関する記事などが掲載され、「マスターズ」の語が該トーナメントを表すものとして使用されている。
エ 本件商標の登録出願前までに継続して発行された一般紙及び女性週刊誌の「新潮45」、「週刊朝日」、「サンデー毎日」、「週刊文春」、「週刊新潮」、「週刊現代」、「週刊ポスト」、「アサヒ芸能」、「週刊プレイボーイ」、「THEMIS」、「週刊女性」、「女性自身」、「FRIDAY」、「FLASH」、「週刊ダイヤモンド」、「YomiuriWeekly」、「月刊バーサス」及び「週刊東洋経済」(甲5の23ないし80及び甲20の2ないし14、並びに甲20の16及び17)において、請求人マスターズ及び出場する選手の紹介記事などが掲載され、「マスターズ」の文字が、請求人マスターズを表すものとして使用されている。
オ 請求人マスターズの模様は、1972年から録画で、1976年以降は衛星生中継で、我が国においても毎年テレビで放映されており(甲10及び甲11)、例えば、2005年から2010年の中継時間帯の瞬間最高視聴率は、2005年9.9パーセント、2006年9.3パーセント、2007年7.4パーセント、2008年9.3パーセント、2009年14.6パーセント、2010年13.7パーセント(甲11の6)であり、そのテレビ放送のレポートにおいても冠詞を伴って「THE MASTERS」の表示が使用されている(甲11)
カ 本件商標の登録出願前に発行された、ゴルフ専門誌及びスポーツ雑誌である「週刊ゴルフダイジェスト」「ゴルフダイジェストチョイス」「月刊ゴルフダイジェスト」、「アルバトロス ビュー」、「Number」、SPORTSYeah!」及び「スポルティーバ」(甲12の2ないし34、39及び40、甲15の2、3及び5ないし10、甲17の2ないし6、甲17の8ないし14)において、例えば「総力特集マスターズ! マスターズ観戦ガイド」(甲12の12)、「マスターズ 渾身レポート3本立て!」(甲12の26)のように請求人マスターズの特集記事において「マスターズ」の文字が使用され、請求人ゴルフクラブで開催されるゴルフ大会である請求人マスターズは、「Masters」又は「マスターズ」の表示をもって、継続して多数紹介され、また、該トーナメントの開催時期以外においても、「マスターズ」の文字が請求人マスターズを表す語として、その紹介記事に使用されている。
キ 甲第19号証の2及び3において、「オーガスタのルーツは南アフリカにあり」の表題の書籍の広告に「ゴルフの聖地、マスターズ。」「1993年アメリカ・ジョージア州にオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブがオープンし、近代ゴルフコース時代の幕が切って落とされた。」などの記載がある。
ク 株式会社TBSテレビ作成のパンフレット(甲21の2ないし8)において、その表紙に「MASTERS」の文字が表示され、「マスターと呼ばれる世界のトッププレーヤーのみによって競われる最高のトーナメント、それがマスターズ」(甲21の8)」などの記載がある。
(2)上記(1)のアないしクにおいて認定した事実によれば、「マスターズ」の文字は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、米国ジョージア州オーガスタにある請求人ゴルフクラブにおいて開催される世界の4大ゴルフトーナメントの一つである「The Masters Tournament(マスターズトーナメント)」の略称として広く使用されており、さらに、該語の英語表記である「Masters」又は「MASTERS」の文字も、「マスターズ」と同様に、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、上記「マスターズトーナメント」の英語表記「The Masters Tournament」の略称として、また、当該ゴルフ場において提供される請求人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国のゴルフに関連する役務の取引者、需要者の間で広く認識されているということができる。
2 本件商標について
本件商標は、別掲のとおりの構成からなり、シルエット風に描かれた樹木の図形を中央に配し、該図形部分の約半分程度の高さで、その左側に「Master」の欧文字を、右側に「golf」の欧文字を配した構成からなるものであって、外観上、本件商標の図形部分と文字部分の結びつき、文字相互の結びつきは、それを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどに不可分的に結合しているとまではいえないものである。
そして、本件商標は、その構成中の「golf」の文字部分が、その指定役務中のゴルフに関連する役務との関係おいては、役務の質、用途等を表す語であり、自他役務の識別機能を有しないか、極めて弱いといえるものである。
そうすると、本件商標は、その構成中の「Master」の欧文字部分が独立して着目され得るものであり、該「Master」の文字部分から「マスター」の称呼及び「主人、雇主」(大修館書店「ベーシックジーニアス英和辞典」)の観念を生じるものである。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)「Masters」の文字は、上記1のとおり請求人ゴルフクラブにおいて開催される世界の4大ゴルフトーナメントの一つである「The Masters Tournament」の略称として、また、当該ゴルフ場において提供される請求人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国のゴルフに関連する役務の取引者・需要者の間で広く認識されるに至っていたものということができるものである。
そして、「Masters」の文字は、その構成文字に相応して「マスターズ」の称呼を生じ、「主人、雇主」の意味合いを有する英語として親しまれている「Master」の語の複数形であることから、やはり、「主人、雇主」の観念を生ずるものである。
(2)本件商標の構成中の「Master」の欧文字部分が独立して着目され得るものであることは、上記2のとおりであるところ、該「Master」の文字部分と「Masters」の文字とを比較してみると、まず、観念においては、「主人、雇主」の観念を共通にするものである。次に、本件商標から生ずる「マスター」の称呼と「Masters」から生ずる「マスターズ」の称呼とを対比すると、両称呼は、末尾音において「ズ」の音の有無を異にする点を除き、第4音までの「マスター」を共通にするものである。そして、該差異音「ズ」の音は、英語の単数形と複数形の違いによって生じている音であり、称呼の識別上聴取されにくい末尾に位置するものであるから、該差異音が両称呼の全体に与える影響は大きいということはできず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合、語調、語感が近似し彼此相紛らわしいものと判断するのが相当である。
また、本件商標の「Master」の文字と「Masters」の文字とは、末尾の「s」の文字の有無以外は綴りを共通にするものであるから、両者は、外観上、近似した印象を与えるものといえる。
しかも、本件商標の「Master」の文字の右側に配された「golf」の文字は、請求人が行う「Masters」と略称とされるトーナメントの競技の種類と一致するものであることから、本件商標に接した取引者、需要者は、一層、請求人又は請求人マスターズとの関係を連想するものといえる。
(3)本件商標の指定役務と請求人の業務に係る役務の関連性及び需要者等について
本件商標は、前記第1のとおりの役務を指定役務とするものであるところ、その指定役務中には、「ゴルフ施設及びゴルフ練習施設の提供,ゴルフ練習場の提供、ゴルフの教授,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,ゴルフに関するセミナーの企画・運営又は開催」を始め、ゴルフに関連する役務が種々含まれており、他方、請求人の業務に係る役務も、ゴルフに関連する役務であることから、これらは、役務の質(内容)、用途、提供の用に供する物等を共通にする、極めて関連性が高いものというべきであって、かつ、その取引者、需要者を共通にするものである。
(4)出所の混同のおそれ
「Masters」は、前記1のとおり、ゴルフに関連した分野においては、請求人が主催するゴルフ大会である「The Masters Tournament」の略称として、また、請求人の業務に係るゴルフに関連する役務を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されていると認められるものである。そして、上記(2)のとおり、本件商標は、「Masters」と近似した印象を与える「Master」の欧文字と、請求人が行うトーナメントの競技の種類と一致する「golf」の欧文字を有するものである。加えて、本件商標の指定役務と請求人の業務に係る役務とは、上記(3)のとおり関連性が高く、両者の取引者及び需要者も共通しているといい得るものである。
これらの事情を総合的に判断すれば、本件商標は、その指定役務中「ゴルフ施設及びゴルフ練習施設の提供,ゴルフ練習場の提供、ゴルフの教授,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,ゴルフに関するセミナーの企画・運営又は開催」等のゴルフに関連する役務について使用した場合、これに接する需要者は、著名なゴルフトーナメントの略称である「Masters」又は請求人を想起、連想し、請求人又は請求人と経済的、組織的に何等かの関係がある者の業務に係る役務であるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれがあるということができる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 商標法第4条第1項第16号該当性について
(1)本件商標は、前記第1のとおりの役務を指定役務とするものである。
そして、本件商標は、その構成が上記2のとおりであるところ、その構成中に、球技の名称である「ゴルフ」を表すものとして広く親しまれ使用されている「golf」の文字を有してなることから、その指定役務中、「ゴルフ施設及びゴルフ練習施設の提供,ゴルフ練習場の提供、ゴルフの教授,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,ゴルフに関するセミナーの企画・運営又は開催」」等のゴルフに関連する役務以外の役務に使用したときは、取引者、需要者をして、あたかも当該ゴルフに関係する役務であるかのように、その役務の質(内容)について誤認を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
なお、被請求人は、例を示して、本件商標が商標法第4条第1項第16号に違反するものではない旨を述べているが、無効理由の存否に関する判断は、個別、具体的になされるものであり、過去の審判決例等に直ちに拘束されるものではなく、さらに、本件商標と被請求人の挙げる審判決例とは、その構成態様や指定役務等が相違し、事案を異にするものであり、本件商標が商標法第4条第1項第16号に該当することは、上記のとおりであるから、この点被請求人の主張を採用することはできない。
5 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同項第16号に違反して登録されたものであるから、他の無効理由について論及するまでもなく、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)

審理終結日 2015-03-12 
結審通知日 2015-03-18 
審決日 2015-05-22 
出願番号 商願2013-6216(T2013-6216) 
審決分類 T 1 11・ 271- Z (W41)
T 1 11・ 272- Z (W41)
最終処分 成立  
前審関与審査官 海老名 友子 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 梶原 良子
中束 としえ
登録日 2013-07-12 
登録番号 商標登録第5598871号(T5598871) 
商標の称呼 マスターゴルフ、マスター 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 藤倉 大作 
代理人 原田 寛 
代理人 中村 稔 
代理人 辻居 幸一 
代理人 松尾 和子 
代理人 中村 政美 
代理人 井滝 裕敬 
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