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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W30
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W30
審判 査定不服 外観類似 登録しない W30
管理番号 1301723 
審判番号 不服2014-650008 
総通号数 187 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-01-14 
確定日 2015-02-26 
事件の表示 国際登録第1154238号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「CARAMELIA」の欧文字を横書きしてなり、第30類「Cocoa;pastry and confectionery;chocolate.」を指定商品として、2012年8月17日にフランスにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2013年(平成25年)2月8日に国際商標登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録第5272788号商標(以下「引用商標」という。)は、「仙台発 キャラメリア」の文字を標準文字で表してなり、平成21年2月23日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同年10月16日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「CARAMELIA」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、辞書等に掲載のないものであり、かつ、親しまれた意味を有するものとして一般に知られているとも認められないから、特定の意味を有しない一種の造語といえるものである。
そして、特定の意味を有しない欧文字にあっては、我が国において親しまれたローマ字又は英語風の読みに倣って発音されるというのが一般的であるから、本願商標は、その構成文字に相応して「キャラメリア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、「仙台発 キャラメリア」の文字を標準文字で表してなるところ、「仙台発」の文字部分と「キャラメリア」の文字部分は、その間に1文字程度のスペースを有し、異なる文字種で表されていることから、視覚上、分離して把握されるものである。
そして、その構成中の「仙台発」の文字部分は、その構成文字の語義から「仙台から出ること」あるいは「仙台から出すこと」ほどの意味合いを容易に理解させるものであるところ、食品を取り扱う業界においては、例えば、別掲のとおり、「仙台で生産、販売される商品」であることを表すために「仙台発」の文字が使用されている実情がある。
そうすると、「仙台発」の文字部分は、引用商標の指定商品を含む食品との関係においては、自他商品の識別標識としての機能が極めて弱い部分といえる。
してみれば、引用商標は、その構成中の「キャラメリア」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといえ、構成文字全体から生じる「センダイハツキャラメリア」の称呼のほか、該文字部分から「キャラメリア」の称呼をも生じるものというべきである。
また、「キャラメリア」の文字は、一般に親しまれた語とはいえないから、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否判断について
本願商標と引用商標を比較すると、本願商標と引用商標は、その全体の外観は相違するものであるが、その称呼においては、上記(1)及び(2)のとおり、「キャラメリア」の称呼を共通にするものであり、その観念においては、共に特定の観念を生じるものではないから比較できないものである。
そうとすれば、本願商標と引用商標は、外観において相違するとしても、称呼を共通にするものであり、観念において比較することができないから、これらを総合的に勘案すれば、両者は、全体として商品の出所について誤認混同を生じるおそれがある類似する商標と判断するのが相当である。
また、本願商標の指定商品には、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品が含まれるものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張
請求人は、引用商標は、一体不可分のものと捉えられ、「キャラメリア」と称呼されることはない旨主張している。
しかしながら、引用商標は、その構成中の「キャラメリア」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得ることは、上記(2)のとおりであるから、「キャラメリア」の文字部分から「キャラメリア」の称呼が生じるものである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして本願商標を拒絶した原査定は、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 「仙台発」の語が「仙台で生産、販売される商品」であることを表すものとして使用されていることについて(下線は、合議体が付記した。)
1 河北新報(2010年12月1日付け)には、
「ふんわり、コメの香り/杜の都版『ポルボローネ』誕生 仙台の産学官連携し商品化/授産施設が製造元に」の見出しの下、
「仙台市と市内のホテルと洋菓子店、宮城大が産学官連携で、スペイン生まれの伝統焼き菓子『ポルボローネ』を米粉を使って試作した。市内の授産施設も生産に携わり、来年1月の商品化を目指す。・・・・・ポルボローネは直径約3センチの球形で、本来は小麦粉にラード、砂糖を混ぜて作る。仙台発のポルボローネは主に米粉とショートニングを使い、とろけるような食感を再現。口の中にはコメの香りがふんわりと広がる。」の記載がある。
2 日本食糧新聞(2002年7月24日付け)には、
「ヨークベニマルが最適へ進化、出店攻勢 注目の最強店は南吉成店」の見出しの下、
「6月27日、仙台市青葉区の西部にオープンした南吉成店。21日には同規模の岩沼西店がオープンしており、仙台圏の南北にくさびを打ち込む形になった。・・・・・特徴の一つは仙台発の食品にこだわっていることだ。牛タン、味噌、駄菓子、豆腐、笹かまぼこなどが並び、一方、生鮮三品と惣菜デリカはもちろん定評のある同社であるから充実ぶりが発揮されている。」の記載がある。
3 「ことりっぷ」と称するウェブサイトにおいて、
「[宮城県] 『カズノリイケダ』が提案する仙台発のフランス菓子」の見出しの下、
「『カズノリイケダ』は、10年間のパリ滞在を経て、池田一紀さんが地元仙台で開いたパティスリー。『仙台から世界に通用するスイーツを』と、最高の素材でフランス菓子を作る人気のお店です。」の記載がある。(http://co-trip.jp/article/7756)
4 「楽天ICHIBA」の「FIVE-STAR FOOD SHOP DARMAN」のウェブサイトにおいて、
「元祖 ゆべしロール」の見出しの下、
「仙台発 震災復興応援商品第一弾! 仙台銘菓のゆべしをロールケーキに入れてみました♪ 元祖 仙台ゆべしロール【東北復興_宮城県】」の記載がある。(http://item.rakuten.co.jp/daruman/yubeshi/♯yubeshi)
審理終結日 2014-09-26 
結審通知日 2014-10-07 
審決日 2014-10-20 
国際登録番号 1154238 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W30)
T 1 8・ 263- Z (W30)
T 1 8・ 262- Z (W30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松本 はるみ 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 高野 和行
梶原 良子
商標の称呼 キャラメリア、カラメリア 
代理人 青木 篤 
代理人 田島 壽 

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