ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 登録しない X0910 審判 査定不服 外観類似 登録しない X0910 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X0910 |
---|---|
管理番号 | 1301718 |
審判番号 | 不服2013-650004 |
総通号数 | 187 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-07-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-01-18 |
確定日 | 2015-03-04 |
事件の表示 | 国際登録第1050055号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第9類「Software,sensors.」及び第10類「Medical and surgical apparatus and instruments;sensors for medical applications.」を指定商品として、2010年1月18日にベネルクス知的財産庁においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2010年(平成22年)7月12日に国際商標登録出願されたものである。その後、第9類の指定商品については、原審における平成23年5月27日付けの手続補正書により、「Computer software;sensors.」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1315879号商標は、「RENAI」の欧文字と「ルネ」の片仮名を二段に書してなり、昭和49年11月13日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同52年12月9日に設定登録され、その後、平成20年4月16日に指定商品を第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (2)登録第4500839号商標は、「Rene of Paris」(4文字目の「e」には、アクサンテギュが付されている。以下同じ。)の欧文字を横書きしてなり、平成12年9月29日に登録出願、「医療用腕環」を含む第5類並びに第3類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同13年8月24日に設定登録され、その後、登録異議の申立てにより、指定商品及び指定役務中、第3類「育毛料,その他の化粧品,せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,但し,フランス製のものを除く。」についての登録を取り消す旨の決定がされ、同16年7月27日にその確定が登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、別掲のとおり、「RENE」(4文字目の「E」には、アクサンテギュが付されている。以下同じ。)の欧文字よりなるところ、その構成文字に相応して「ルネ」の称呼を生じ、該文字は、「男子の名」の意味を有する語(株式会社小学館発行「ランダムハウス英和大辞典第二版」)であるものの、我が国における該語の普及度からすれば、取引者、需要者をして、上記意味を有する語として直ちに理解するものとはいえないから、本願商標は、何らの意味合いも生じない一種の造語と認識されるというのが相当である。 (2)引用商標について ア 引用商標1は、前記2(1)のとおり、「RENAI」の欧文字と「ルネ」の片仮名を二段に書してなるところ、その構成文字に相応して「ルネ」の称呼を生じ、また、「RENAI」及び「ルネ」の語は、辞書等に掲載のないものであり、かつ、親しまれた意味を有するものとして一般に知られているとは認められないから、特定の観念は生じないものである。 イ 引用商標2は、前記2(2)のとおり、「Rene of Paris」の欧文字よりなるところ、その構成中の「of Paris」の文字は、「パリの」ほどの意味合いを理解させ、引用商標2の指定商品及び指定役務との関係においては、「パリ製の」等の商品の品質又は役務の質を表示したものと認識させるから、自他商品又は役務の識別標識としての機能を有しない若しくは極めて弱い部分といえる。 そうとすれば、引用商標2は、「Rene」の文字部分が取引者、需要者に対して強く支配的な印象を与えるものと認められ、該文字に相応して「ルネ」の称呼をも生じ、特定の観念は生じないものである。 以下、上記、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。 (3)本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標の類否について検討するに、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりであるから、その全体の外観は相違するものといえる。 そして、称呼及び観念においては、「ルネ」の称呼を共通にし、共に特定の観念を生じさせるものではないから比較できないものである。 そうとすれば、本願商標と引用商標は、外観において相違するとしても、称呼を共通にするものであり、観念においては比較できず区別することができないから、これらを総合的に勘案すれば、両者は、全体として商品の出所について誤認混同を生じるおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。 また、本願商標の指定商品には、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品が含まれるものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 なお、請求人は、平成25年1月18日付け審判請求書(同25年3月4日付け手続補正書により、「請求の理由」を補正)において、「本願が登録となるよう協力を依頼するため、引用商標の権利者と交渉を開始した。」旨述べ、審理の猶予を申し出ていたことから、譲渡交渉の具体的な進捗を確認するため、請求人に対し、同25年12月4日付け審尋をしたところ、請求人は、同26年1月6日付け回答書において、「商標権者と交渉を重ねている。」旨述べた。その後、相当の期間が経過するも、引用商標について、譲渡交渉の進捗状況に関する何らの具体的な書面も提出されず、引用商標が譲渡された事実も認められなかった。そこで、同26年6月26日付けで、請求人に対し、「最初の審理の猶予の申出から1年以上経過した現在においても、何らの手続きがなされていないから、平成26年7月末までに、何らかの手続が確認できない場合は、本件の審理を終結する。」旨の審尋をしたが、これに対しても請求人から何ら応答はなく、また、未だ引用商標が請求人へ移転された等の事実も認められないことから、これ以上、本件の審理を遅滞させるべき理由はないものと判断し、審理を終結することとした。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 したがって、本願商標が同号に該当するとして本願商標を拒絶した原査定は、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
【別記】 |
審理終結日 | 2014-09-30 |
結審通知日 | 2014-10-10 |
審決日 | 2014-10-21 |
国際登録番号 | 1050055 |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(X0910)
T 1 8・ 261- Z (X0910) T 1 8・ 263- Z (X0910) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 荻野 瑞樹、薩摩 純一 |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
梶原 良子 高野 和行 |
商標の称呼 | ルネ、レネ |
代理人 | 津軽 進 |
代理人 | 笛田 秀仙 |