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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z09 |
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管理番号 | 1301700 |
審判番号 | 取消2014-300360 |
総通号数 | 187 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-07-31 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2014-05-16 |
確定日 | 2015-05-25 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4531718号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4531718号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハニカム」の片仮名を標準文字で表してなり、平成11年8月12日に登録出願、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,映写フィルム,スライドフィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品として、同13年12月21日に設定登録され、その後、同23年7月12日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中の第9類「電気通信機械器具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べた。 本件商標は、その指定商品中の第9類「電気通信機械器具」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。 商標権者は、以下のとおり、本件審判の請求の登録(平成26年6月3日)前3年以内(以下「本件要証期間内」という場合がある。)において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を商品「デジタルカメラ」について使用していた。 (1)使用の方法及び商品について ア 商標権者は、デジタルカメラ「FinePix F300EXR」(以下「本件商品」という。)のパッケージに商標「ハニカム」(以下「使用商標1」という。)を付している(乙1)。これは、商標法第2条第3項第1号にいう商標の使用に該当する。 イ 商標権者は、2010年(平成22年)7月21日付けニュースリリースにおいて、本件商品を平成22年9月4日より発売する旨告知し、商品写真とともに商標「HONEYCOM」(以下「使用商標2」という。)を掲載した(乙2)。さらに、商標権者は、本件商品の使用説明書(乙3)の表紙に使用商標2を使用している。 よって、商標権者は、使用商標2を本件商品の広告及び取引書類に付して頒布し、電磁的方法により提供しているものであり、これは、商標法第2条第3項第8号にいう商標の使用に該当する。 ウ 「類似商品・役務審査基準」によると、本件商品(デジタルカメラ)は、第9類「電気通信機械器具」に属する商品であるから、本件商品への商標の使用は、第9類「電気通信機械器具」についての使用と認められる。 (2)使用の時期について 本件商品のパッケージ(乙1)及びその使用説明書(乙3)には日付の記載がないが、2011年(平成23年)9月8日付け出荷指図書(乙4)にあるとおり、本件商品は、商標権者からアマゾン・ドットコム・インターナショナルへ販売された。 また、本件商品のニュースリリース(乙2)の発行日は2010年(平成22年)7月21日付けであるが、同ニュースリリースは、その後現在に至るまで、商標権者のホームページに掲載されているものである。 これらの証拠によれば、商標権者が本件商品を本件要証期間内に製造し、パッケージ・使用説明書とともに販売し、あるいは、広告宣伝していたと捉えることは、充分に合理的であると考える。 なお、上記使用説明書は、現在においても、商標権者のホームページよりダウンロード可能なものである。 以上により、商標権者が本件要証期間内に使用商標1及び同2を本件商品に使用していたことは、明らかである。 (3)使用商標と本件商標の同一性について ア 使用商標1は、「1200万画素 スーパーCCD」や「EXR」の文字とともに使用されている(乙1)。そして、「スーパー」は、「極上の、非常によい、一流の」等の意味合いを有する語であり、「CCD」は、本件商品との関係において、「CCDイメージセンサ」を意味する語である。 よって、「1200万画素 スーパーCCD」とは、「1200万画素の優れたCCDイメージセンサ」程の意味合いを生じるものであり、デジタルカメラについて、「1200万画素の優れたCCDイメージセンサ」を搭載した商品であることを説明するにすぎず、商標としての出所識別力を有しない。 また、「EXR」の文字は「ハニカム」の文字と間隔を空けて表記されているため、両文字は、分離されるものであり、「ハニカム」の文字のみが抽出して看取されるものと考える。 したがって、使用商標1は、登録商標と同一の商標の使用といえる。 イ 使用商標2(乙2,乙3)は、本件商標をローマ字により表示変更するものであって、同一の称呼及び観念を生ずる商標であるから、両者は、社会通念上同一と認められるものである。 なお、使用商標2は、「SUPER CCD」や「EXR」の文字とともに使用されているが、上述したように、「SUPER CCD」は、デジタルカメラについて、商標としての出所識別力を有しないものであり、また、「EXR」の文字は「HONEYCOM」の文字とは書体や大きさが著しく異なるものであるため、両文字は、分離して看取されるものと考える。 ウ 以上のとおり、使用商標1及び同2は、デジタルカメラの品質等を示すものではないから、出所識別標識としての機能を有するものである。 4 当審の判断 (1)乙第1号証ないし乙第4号証によれば、以下の事実を認めることができる。 ア 本件商品のパッケージ(乙1)の上面には、その左上隅部に横書きしてなる「FUJIFILM」の文字、その右上隅部に二段に横書きされた「SUPER」及び「CCD」の各文字を内包する正方形枠と「EXR」の文字とを並列してなるもの、その下方中央部に二段に横書きされた「FINEPIX」及び「F300 EXR」の各文字が、それぞれ配されており、さらに、上記「EXR」の文字の下方には、三段に横書きされた「1200万画素」、「スーパーCCD」及び「ハニカム EXR」の各文字を内包する横長長方形並びに二段に横書きされた「3.0型」及び「液晶モニター」の各文字を内包する横長長方形が配されている。そして、本件商品のパッケージの側面にも、同様の文字等からなる表示がされている。 イ 商標権者は、2010年(平成22年)7月21日付けニュースリリースにおいて、「富士フイルム株式会社は、瞬時に被写体との距離を測定する“位相差画素”を、世界で初めてイメージセンサーに組み込んだ独自の『スーパーCCDハニカムEXR』を搭載し、一眼レフ並みの最速0.158秒でフォーカスを合わせる『瞬速フォーカス』を実現したデジタルカメラ『FinePix F300EXR』を、平成22年9月4日より発売いたします。」などと掲載した(乙2)。 ウ 「FUJIFILM/DIGITAL CAMERA/FINEPIX F300EXR」に係る「使用説明書/ソフトウェア取扱ガイド」の表紙の下部には、「SUPER CCD」及び「HONEYCOM」の各文字が二段に横書きされ、その右方に大きく表された「EXR」の文字が横書きされている(乙3)。 エ 商標権者がアマゾン・ドットコム・インターナショナル・セールス・イン堺フルフィルメントセンター及びアマゾン・ドットコム・インターナショナル・セールス・イン市川フルフィルメントセンターにあてた2011年(平成23年)9月8日付け出荷指図書の「品名」欄には、いずれも「FINEPIX F FX-F300EXR B ブラック」と記載され、また、「数量」欄には、いずれも「100」と記載されている(乙4)。 (2)上記(1)で認定した事実によれば、商標権者は、本件審判の請求の登録(平成26年6月3日)前3年以内に日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「デジタルカメラ」(本件商品)について、その商品のパッケージ、使用説明書及びインターネット上の広告において、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標1及び同2を表示し、かつ、本件商品を販売していたものと認めることができ、その行為は、「商品又は商品の包装に標章を付する行為」、「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、・・する行為」、「商品又は役務に関する広告、定価表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報を付して電磁的方法により提供する行為」(商標法第2条第3項第1号、同項第2号及び同項第8号)に該当するものと認めることができる。 他方、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。 (3)むすび 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る指定商品中の「デジタルカメラ」について、本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をした事実を証明したものと認めることができる。 したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品「電気通信機械器具」について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2014-12-04 |
結審通知日 | 2014-12-09 |
審決日 | 2015-01-15 |
出願番号 | 商願平11-72816 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Z09)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
田中 敬規 手塚 義明 |
登録日 | 2001-12-21 |
登録番号 | 商標登録第4531718号(T4531718) |
商標の称呼 | ハニカム |
代理人 | 神蔵 初夏子 |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 山下 彰子 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 濱田 百合子 |
代理人 | 中田 和博 |