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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201421668 審決 商標
不服201322134 審決 商標
不服201411133 審決 商標
不服20143775 審決 商標
不服201417586 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない(当審拒絶理由) W09
管理番号 1300727 
審判番号 不服2014-3354 
総通号数 186 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-02-24 
確定日 2015-05-07 
事件の表示 商願2013-46293拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「スマート分電盤」の文字を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年6月17日に登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品については、原審における同年11月12日付けの手続補正書により、第9類「分電盤」と補正されたものである。

2 当審において通知した拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「スマート分電盤」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「スマート」の文字は、「賢い」「気が利く」などの意味から転じて、「コンピュータ化された」「高度な情報処理機能が加わった」の意味を有するものとして、例えば、「スマートフォン」「スマートカー(センサーやレーダーなどを使いコンピュータ制御で動く自動車)」のように、上記の機能を持たせた商品に用いられているものである。
そして、本願商標の指定商品「分電盤」に係る業界においては、オフィスやスマートハウス(情報通信技術を活用したエネルギーの需給量を最適に制御する次世代省エネ住宅)におけるエネルギーマネジメントシステム(EMS)のための商品として、スマートメーター(通信機能付き電力量計)や、別掲(1)のとおり、電力量の計測や通信機能を付加した分電盤が取り扱われている実情が認められるところ、一部の商品については、別掲(2)のとおり、「スマート分電盤」の文字が使用されている。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者をして、「電力量の計測や通信機能を付加した分電盤」程の意味合いを容易に認識させるというのが相当である。
したがって、本願商標を、その指定商品について使用するときは、単にその商品の品質を表示するものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 請求人の意見
前記2の拒絶の理由に対し、請求人は、何ら意見を述べていない。

4 当審の判断
本願商標は、前記2のとおり判断するのが相当である。すなわち、本願商標は、その構成中の「スマート」の語の意味合いに本願の指定商品を取り扱う業界における実情を併せみれば、これをその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、電力量の計測や通信機能を付加した商品であることを看取、理解させるにすぎないものであるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、本願は、この拒絶の理由によって拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)本願の指定商品を取り扱う分野において、電力量の計測や通信機能を付加した分電盤が取り扱われている実情
ア 2012年11月6日付け「日経産業新聞」(2頁)に、「スマートハウス、生活データ、節電のカギ??ソニー、積水化。」の見出しの下、「スマートハウス(次世代省エネ住宅)の節電効果を高めるため、家庭の生活実態データの把握に、企業が着目し始めた。・・・スマートハウスの分電盤には、リビングなど部屋ごとのほか、エアコンやIHクッキングヒーターなど機器ごとにセンサーを配置して、消費電力を計測できるようにしている。」との記載がある。
イ 2013年2月9日付け「日経産業新聞」(2頁)に、「グリーンハウス、ピーク電力10?15%抑制、機器ごとに監視、オフィスなど支援。」の見出しの下、「新サービス『スマートグリーン』はオフィスや店舗、工場の分電盤などにセンサーや通信装置を取り付け、照明や空調といった機器ごとに電流や電圧、積算電力量などを測り『見える化』する。・・・利用者はインターネット経由で設備別や時間帯別、日付別などのデータをグラフ形式で見られる。」との記載がある。
ウ 2013年4月8日付け「日経産業新聞」(9頁)に、「住宅・建材??パナホーム、LIXIL。」の見出しの下、「使用エネルギー見える化」として「LIXIL(・・・)の家庭内エネルギー管理システム『みるる』住宅で使用するエネルギーを見える化するHEMS(家庭内エネルギー管理システム)。システムは専用タブレット(多機能携帯端末)、センサーユニット、通信機器などで構成。分電盤に組み込んだセンサーでブレーカーごとの電力使用量を測定、通信機器を介してタブレットで使用状況を確認できる。」との記載がある。
エ 2013年8月20日付け「朝日新聞」(東京朝刊6頁)に、「省エネ管理機器、商戦メラメラ 『HEMS』補助減額前に各社売り込み」の見出しの下、「家庭内で電力がどう使われているかを管理する『HEMS(ヘムス)』の商戦が熱い。・・・<HEMS>ホーム・エネルギー・マネジメント・システムの略。家庭内の分電盤などにセンサーを取りつけ、どの部屋でどれだけの電力が使われているかを画面に表示することで、利用者の節電意識が高まる効果があるとされる。」との記載がある。
オ 2014年5月9日付け「日本経済新聞」(地方経済面 神奈川26頁)に、「アイフォーコム??省エネシステム提案、節電は東南アを重点開拓(神奈川のエンジン)」の見出しの下、「同社のシステム『エコプロ21』はビルや工場内の電力計や分電盤にセンサーを設置、計測データをクラウド管理してユーザーにメールや携帯電話でエネルギー調整の状況を知らせる。」との記載がある。
カ 「アイティメディア株式会社」のウェブサイトにおける「スマートジャパン」の項に、「2013年5月24日 キーワード解説:電力の見える化に欠かせない『分電盤』」の見出しの下、「家庭や店舗、オフィスビルや工場にも『分電盤』は設置されている。電線から送られてくる電力を空調や照明などの電気機器に分配する装置だが、最近は節電対策でも重要な役割を果たすようになってきた。電力の利用状況を『見える化』するためには分電盤を利用する方法が一般的だ。」「分電盤の中には各機器や各フロアに電力を配分するための分岐回路が組み込まれていて、内部は数多くのケーブルでつながっている。このケーブルにセンサーを取り付ければ、電力の使用量を測定できる。機器の種類別やビルのフロア別のスイッチにつながるケーブルにセンサーを取り付けると、それぞれの機器やフロアの電力使用量を測定することが可能になる。」との記載がある。
(http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1305/24/news019.html)
キ 「ミューハウスエンジニアリング株式会社」のウェブサイトにおいて、「HEMSと省エネ家電のある暮らし」の見出しの下、「スマートライフナビ 当社は、ミツワ電機(株)、フューチャーシティーソリューションズ(株)(・・・)及び河村電器産業(株)との協業により開発されたクラウド型HEMS「スマートライフナビ」をご提供いたします。」との記載があり、システムの全体構成として「1 電力測定器一体型分電盤(最大36点、CTクランプ不要)を接続 2 データ集約機器とLANケーブルで接続することにより、ネット回線から信頼性の高い通信方式(L2VPN)にてセンター?宅内間を同一ネットワーク化・・・」、システム構成機器として「電力測定器一体型分電盤(河村電器産業の計測機能内蔵型enステーションEcoEye)」との記載がある。
(http://www.mitsuwadenki.co.jp/mewhouse/sln/)
ク 「株式会社日新システムズ」のウェブサイトにおいて、「カスタムHeMS 分電盤パッケージ」の見出しの下、「カスタムHeMS『分電盤パッケージ』は、分電盤の系統毎の使用電力を測定することで、具体的かつ効率的な節電アシストをいたします。」との記載があり、パッケージ内容として「■適合分電盤…オプション販売 分電盤に関わる系統電力量や発電電力量、配電側の使用電力量の各種電力量測定を行う事ができ、各種計測データの”見える化”を実現します。」との記載がある。
(http://www.co-nss.co.jp/solution/bundenban.html)
(2)本願の指定商品を取り扱う分野における「スマート分電盤」の文字の使用例
ア 2011年6月16日付け「電気新聞」(4頁)に、「住友電工の小規模次世代網実証システム 製品の早期実用化推進」の見出しの下、「住友電気工業は15日、マイクロスマートグリッド(次世代送配電網)実証システムを大阪製作所(大阪市)内に設置し、実証試験を開始した。再生可能エネルギーの発電設備と蓄電池を直流電力ケーブルでつなぎ、商用電力系統とは独立して安定的・効率的な電力供給を可能にする。・・・需要側では、消費電力量の計測・通知や、遠隔オン・オフが可能なスマート分電盤、インテリジェント電源タップを使用。エネルギー・マネジメント・システム(EMS)で消費量と発電量、蓄電量のデータを収集し、リアルタイムに電力の流れを制御する。」との記載がある。
イ 2012年4月18日付け「日経産業新聞」(2頁)に、「NEC、分電盤、系統別に電力把握」の見出しの下、「NECはこのほど、店舗やオフィスでの消費電力量を電気系統別に計測できる分電盤機器の販売を開始した。空調設備、照明など回路ごとに電力量を把握できるのが特徴で、企業側は電力使用量の削減に活用することができる。NECは電力値上げの動きを背景に企業で使用電力をきめ細かく把握する需要が高まるとみており、5年間で関連製品も含め累計100億円の事業に育てる考えだ。機器の名称は『スマート分電盤』で昨年末に開発、16日に発売した。・・・分電盤に内蔵する計測機器『スマートコントローラ』の単体での販売も手掛ける。・・・インターネットの通信手段に準拠しているため、ネットを介して計測したデータを管理することが可能。」との記載がある。
ウ 「村田製作所」のウェブサイトにおいて、投稿記事として「エネルギー実証実験ハウス『横浜スマートセル』におけるムラタの取り組み/電波新聞『電子部品総合特集』2013年7月1日号」の見出しの下、「横浜スマートセルに導入したエネルギーシステムの概要と特長」「横浜スマートセルでは、『創る』『蓄える』『賢く使う』を一つのエネルギー単位として営む植物細胞からヒントを得て、自然エネルギー(太陽電池) 、蓄電池、系統電力の3種類の電力源を混合して使用するハイブリッド型のエネルギーシステムを設置し、系統アシストを目的とした家全体のエネルギー管理を行っている。スマートセルの全体システムは、当社が試作したエネルギーシステム(変換部)と、太陽光発電機、蓄電池、スマート分電盤から構成される。系統からの電力はスマート分電盤を介して家庭内の電化製品に供給され、またエネルギーシステムとやりとりされる。」との記載がある。
(http://www.murata.co.jp/products/article/ta1371/index.html)


審理終結日 2015-02-03 
結審通知日 2015-02-10 
審決日 2015-03-20 
出願番号 商願2013-46293(T2013-46293) 
審決分類 T 1 8・ 13- WZ (W09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 手塚 義明
浦辺 淑絵
商標の称呼 スマートブンデンバン、スマート 
代理人 野村 幸一 
代理人 徳田 佳昭 

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