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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W35 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W35 審判 査定不服 観念類似 登録しない W35 |
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管理番号 | 1300695 |
審判番号 | 不服2014-22364 |
総通号数 | 186 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-06-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-11-04 |
確定日 | 2015-04-27 |
事件の表示 | 商願2013-83524拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「あさひ山」の文字を標準文字で表してなり,第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成25年10月25日に登録出願されたものであり,その後,原審における同26年3月27日付けの手続補正書により,第35類「菓子・パン・サンドイッチ・中華まんじゅう・ハンバーガー・ピザ・ホットドッグ・ミートパイの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第4828291号商標(以下「引用商標」という。)は,「旭山」の文字を標準文字で表してなり,平成16年5月13日に登録出願,第30類「菓子及びパン」を指定商品として,同年12月24日に設定登録されたものであり,その後,同26年7月29日に商標権の存続期間の更新登録がされ,現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について 本願商標は,前記1のとおり,「あさひ山」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中,「あさひ」の文字部分は,広辞苑第六版(株式会社岩波書店発行)の「あさひ【朝日・旭】」の項によれば,「朝昇る太陽。朝方の日。」等の記載があり,また,該文字は,一般によく知られている語であることからすれば,「朝日」又は「旭」の漢字の読みを平仮名で表したものと容易に理解,認識させるものである。 また,その構成中,「山」の文字部分は,「平地よりも高く隆起した地塊。谷と谷との間に挟まれた凸起部。」の意味を有するものであり,山の名称には,「○○山」という名称が付けられたものが一般的である。 そうとすれば,本願商標は,その構成文字に相応して「アサヒヤマ」の称呼を生じ,かつ,「あさひ山」という山の名称のほか,「あさひ」の文字から連想される「朝日」及び「旭」と「山」が結合した「朝日山」又は「旭山」という山の名称をも想起させるものといえる。 他方,引用商標は,「旭山」の文字を標準文字で表してなるところ,これは,「旭」と「山」の漢字を結合したものであるから,その構成文字に相応して「アサヒヤマ」の称呼を生じ,かつ,「旭山」という山の名称を想起させるものといえる。 そこで,本願商標と引用商標との類否について検討するに,外観においては,両商標は,その構成文字において,「あさひ」と「旭」の文字が平仮名と漢字の差異を有し,外観上相違するものであるが,称呼においては,両商標からは,いずれも「アサヒヤマ」の同一の称呼を生じるものである。 そして,本願商標と引用商標からは,いずれも「旭山」という山の名称を想起させるものであるから,山の名称としての「旭山」の共通の観念を生じるものである。 してみれば,本願商標と引用商標とは,外観において相違するとしても,同一の称呼を生じ,観念を共通にするものであるから,これらを総合して考察すれば,両者は,互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 そして,本願商標の指定役務は,引用商標の指定商品と類似するものである。 したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について 請求人は,「『あさひ山』と検索すると,請求人の関連会社『朝日商事株式会社』経営の清酒『朝日山』その他の商品(酒粕に漬け込んだ魚や肉,野菜の漬物等)を提供する飲食物販店舗『あさひ山』が検索結果の大半を占め,『朝日山』と『あさひ山』とは,同視別し得る。この検索結果から,引用商標と本願商標の観念が異なることは明らかといっても過言ではない。」旨を主張する。 しかしながら,請求人が提出した証拠によれば,草書体の筆文字にて書された「朝日山」の漢字が,請求人が製造する「清酒」の銘柄であることころ(甲41及び甲44),該「朝日山」の漢字と,標準文字で表された本願商標とは,その構成文字及び書体において異なるものである。 そして,「酒楽の里」の文字,デザイン化された「あさひ山」及び「ASAHIYAMA」の欧文字が,請求人の関連会社による,清酒,米,味噌,調味料,総菜,漬物等の商品を販売する「店舗の名称」(甲7及び甲45)であるとしても,該デザイン化された「あさひ山」と,標準文字で表された本願商標とは,そのデザイン化された表現において異なる印象を与えるものである。 さらに,本願商標の指定役務で取扱われる商品は,「菓子・パン・サンドイッチ・中華まんじゅう・ハンバーガー・ピザ・ホットドッグ・ミートパイ」であるから,デザイン化された「あさひ山」の標章が表示された店舗で販売される「清酒,米,総菜,漬物」等の商品との関連は,薄いものである。 そうとすれば,本願商標の指定役務の提供の場において,本願商標に接する需要者が,「あさひ山」の文字を清酒の銘柄である「朝日山」と関連付け,「朝日山」を表すものとのみ理解するということはできない。 その他,請求人は,商標の類否について登録例を挙げ主張するが,商標の類否の判断は,当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において,個別・具体的に判断すべきものであって,他の事例等の判断に拘束されることなく検討されるものである。 よって,請求人の主張は,いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-02-25 |
結審通知日 | 2015-02-26 |
審決日 | 2015-03-12 |
出願番号 | 商願2013-83524(T2013-83524) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W35)
T 1 8・ 262- Z (W35) T 1 8・ 263- Z (W35) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 加藤 百宇、下山 月菜、中束 としえ、早川 文宏 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
田中 亨子 大井手 正雄 |
商標の称呼 | アサヒヤマ、アサヒサン |
代理人 | 吉井 雅栄 |
代理人 | 吉井 剛 |