ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z09 |
---|---|
管理番号 | 1300690 |
審判番号 | 取消2014-300359 |
総通号数 | 186 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-06-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2014-05-16 |
確定日 | 2015-04-27 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4531717号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4531717号商標(以下「本件商標」という。)は、「HONEYCOM」の欧文字を標準文字により表してなり、平成11年8月12日に登録出願、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,映写フィルム,スライドフィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品として同13年12月21日に設定登録され、その後、同23年7月12日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。 なお、本件審判の請求の登録は、平成26年6月3日である。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項により、本件商標の指定商品中「電気通信機械器具」についての登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を以下のように述べた。 請求人は、本件請求に先立って職業的調査機関に依頼して当該商標権者の業務内容、取扱商品の範囲、本件商標の使用の実態、取引先に対する照会等を含め鋭意詳細に調査を実行したが、本件請求に係る指定商品に関する限り、本件商標が使用されたことを示す資料を発見することが出来なかった。また、本件商標については専用使用権または通常使用権の登録もされておらず、それらの存在を窺わせる資料も存在しない。 したがって、本件商標は、その指定商品中「電気通信機械器具」について、過去3年間にわたって日本国内では使用されなかったものと推認される。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。 被請求人は、要証期間内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、商品「デジタルカメラ」について使用している事実がある。その証拠として、乙第1号証及び乙第2号証を提出する。 1 使用の方法および商品について 被請求人は、2010年(平成22年)7月21日付けニュースリリースにおいてデジタルカメラ「FinePix F300EXR」を平成22年9月4日より発売する旨告知し、商品写真とともに商標「HONEYCOM」を掲載している(乙第1号証)。 また、被請求人は、デジタルカメラ「FinePix F300EXR」の使用説明書(乙第2号証)の表紙において商標「HONEYCOM」を使用している。 よって、被請求人は、本件商標を商品「デジタルカメラ」の広告及び取引書類に付して頒布し、電磁的方法により提供しているものであり、商標法第2条第3項第8号に規定されている商標の使用にあたる。 なお、「類似商品・役務審査基準」によると、商品「デジタルカメラ」は、第9類「電気通信機械器具」に属する商品であるから、商品「デジタルカメラ」への商標の使用は、第9類「電気通信機械器具」についての使用と認められるものである。 2 使用の時期について デジタルカメラ「FinePix F300EXR」のニュースリリース(乙第1号証)の発行日は、2010年(平成22年)7月21日付けであるが、該ニュースリリースはその後現在にいたるまで、被請求人のホームペー(http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0415.html)に掲載されているものである。 つぎに、デジタルカメラ「FinePix F300EXR」使用説明書(乙第2号証)には、その発行日が記載されていないが、2011年9月8日付け出荷指図書(乙第3号証)にあるとおり、該商品が被請求人からアマゾン・ドットコム・インターナショナルへ販売されている。 これら証拠によれば、被請求人が要証期間内に商品を広告宣伝し、あるいは、製造し、使用説明書を付して販売していたと捉えることは、充分に合理的であるものと考える。 なお、上記使用説明書は、被請求人のホームページより現在においてもダウンロード可能なものである。 以上より、被請求人が要証期間内に本件商標を商品「デジタルカメラ」に使用していたことは明らかである。 3 使用商標と登録商標の同一性について 乙第1号証及び乙第2号証において被請求人が使用している商標は、本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるから、両者は社会通念上同一と認められるものである。 なお、乙第1号証及び乙第2号証における「HONEYCOM」の文字は、「SUPER CCD」、「EXR」の文字とともに使用されているが、「SUPER」は、「極上の、非常によい、一流の、優れた、最も強力化超大型の」といった意味合いを持ち、「CCD」は、指定商品との関係において「CCDイメージセンサ」を意味する。 よって、「SUPER CCD」は、「優れたCCDイメージセンサ」程の意味合いを生じるものであり、指定商品「デジタルカメラ」に使用した場合には、「優れたCCDイメージセンサ」を搭載したデジタルカメラであることを説明するにすぎず、商標としての出所識別力を有さない。 また、「EXR」の文字は、「HONEYCOM」の文字とは書体や大きさが著しく異なるものであるため、「EXR」と「HONEYCOM」は分離して看取されるものと考える。 つまり、乙第1号証及び乙第2号証のような使用態様においては、「HONEYCOM」部分のみが抽出して看取されるものであり、これらは本件商標と社会通念上同一の商標の使用といえる。 4 出所識別標識としての使用について 本件商標は、商品「デジタルカメラ」との関係において、商品の品質等を示すものではないから、出所識別標識としての機能を有する。ところで、上述したように本件商標は、「SUPER CCD」の文字とともに使用されているものであるが、「SUPER CCD」より当該デジタルカメラが「優れたCCDイメージセンサ」を搭載した商品であることが認識されるとしても、「HONEYCOM」については何ら品質等を示すものでないことには変わりないから、その出所識別機能に影響を及ぼすものではない。 よって、被請求人は、本件商標を出所識別標識として商標的に使用しているものである。 第4 請求人の弁駁 請求人は、前記「第3」の被請求人の答弁に対して、弁駁していない。 第5 当審の判断 1 本件商標の使用について,被請求人の提出に係る証拠によれば,以下の事実が認められる。 (1)乙第1号証は、商標権者の商品である、デジタルカメラ「FinePix F300EXR」の2010年(平成22年)7月21日付けニュースリリース(http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0414.html)2014年6月27日紙出力であり、ここに、乙第1号証のニュースリリースが、現在も掲載されていることが確認できる。 そして、その最終頁には、デジタルカメラの写真が掲載され、その右側の商品の写真下部には、「SUPER」「CCD」の欧文字を配した黒塗り矩形が表示され、その右側に「SUPER CCD」及び「HONEYCOM」の欧文字が2段に表示され、さらにその右側に大きく「EXR」の欧文字が表示されている。 (2)乙第2号証は、デジタルカメラ「FinePix F300EXR(FINEPIX F300EXR)」の使用説明書であり、その表紙の下部には、前記(1)の最終頁と同様の構成で「HONEYCOM」の欧文字が表示されている。 (3)乙第3号証は、商標権者の2011年9月8日付け出荷指図書であるところ、日付の左側には、「商品販売」との記載があり、品名欄には、「FINEPIX F FX-F300EXR B ブラック」との記載があり、「お得意先名」欄には、「アマゾン・ドットコム・インターナショナル・セールス・イン堺フルフィルメントセンター」、「数量」の蘭には、「100」の記載がある。 2 本件商標の使用について (1)使用商標について 乙第1号証及び乙第2号証には、前記したように「HONEYCOM」の左部分に、黒塗り矩形内に「SUPER」「CCD」の欧文字が記載され、また、「HONEYCOM」の欧文字の上部には、「SUPER CCD」の欧文字が記載されているところ、このうち、「SUPER」の欧文字は、「極上の、優れた」等の意味を有する英語であり、また、「CCD」の欧文字は、「(charge-coupled device)光を電気信号に変換する半導体製の受光素子。イメージ‐スキャナー・ファクシミリ・デジタル‐カメラ・ビデオ-カメラなどに使用。電荷結合素子。」を意味する語である(広辞苑第六版)ことから、黒塗り矩形内の「SUPER」「CCD」及び「SUPER CCD」の欧文字は、自他商品の識別機能を果たし得ない表示というのが相当である。 そして、「HONEYCOM」の欧文字とその右側に表示された「EXR」の欧文字とは、その大きさと書体を異にすることから、「HONEYCOM」の欧文字と「EXR」の欧文字とは視覚的に分離して看取されるといえ、該「HONEYCOM」の欧文字は、自他商品の識別標識、すなわち、当該商品である「デジタルカメラ」の商標とみることができるものである。 そうとすると、乙第1号証及び乙第2号証に表示されている「HONEYCOM」の欧文字は、本件商標と文字綴りを同一にするものであって、本件商標と社会通念上同一と認められる。 (2)使用商品について 乙第1号証及び乙第2号証に示されている商品「デジタルカメラ」は、取消請求に係る商品「電気通信機械器具」に含まれるものである。 (3)使用時期について 乙第3号証によれば、「FINEPIX F FX-F300EXR B ブラック」との商品が、要証期間内である2011年9月8日に商標権者により、アマゾン・ドットコム・インターナショナル・セールス・イン堺フルフィルメントセンターに出荷(販売)されたことが認められるものである。 そして、「FINEPIX F FX-F300EXR B ブラック」との商品は、乙第1号証及び乙第2号証に示された商品であるデジタルカメラ「FINEPIX F300EXR」とみて差し支えないものといえる。 (4)本件商標の使用についての判断 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その請求に係る指定商品に含まれる「デジタルカメラ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものというべきである。 3 まとめ したがって、本件商標の指定商品中、「電気通信機械器具」についての登録は、商標法第50条により、取り消すことはできないものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2014-11-26 |
結審通知日 | 2014-12-01 |
審決日 | 2014-12-16 |
出願番号 | 商願平11-72815 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Z09)
|
最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
関根 文昭 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 寺光 幸子 |
登録日 | 2001-12-21 |
登録番号 | 商標登録第4531717号(T4531717) |
商標の称呼 | ハニカム、ハニコム、ハニ |
代理人 | 濱田 百合子 |
代理人 | 山下 彰子 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 神蔵 初夏子 |