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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y25 |
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管理番号 | 1300670 |
審判番号 | 取消2013-300995 |
総通号数 | 186 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-06-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2013-11-14 |
確定日 | 2015-04-21 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第1008353号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第1008353号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、昭和39年11月13日に登録出願、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、同48年4月9日に設定登録、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成16年5月12日に指定商品を第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とする指定商品の書換登録がされたものである。 本件審判の請求の登録は、平成25年12月2日にされている。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」(以下「本件審判の請求に係る商品」という場合がある。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べている。 1 請求の理由 請求人の調査によると、本件商標は商標権者である株式会社ベルコットによって本件審判の請求に係る商品について日本国内で継続して3年以上使用されていない。 また、本件商標の商標権には専用使用権は設定されておらず、通常使用権も登録されていないことから、本件商標権には通常使用権者も存在しないことが推認し得る。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取消を免れないと確信する。 2 答弁に対する弁駁 (1)被請求人は、本件商標が審判の請求の登録前3年以内にその請求に係る商品中の「下着(ベビー肌着)」(以下「使用商品」という場合がある。)について使用していた旨主張し、証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証を提出している。 しかしながら、これらの証拠によっては、以下のとおり、いずれも本件商標の審判の請求の登録前3年以内の使用の事実を証明するに足るものではない。 (2)乙第1号証ないし乙第7号証について 乙第1号証ないし乙第7号証の写真について、撮影年月日を平成26年2月5日と記載しているが、写真自体に日付が印字されておらず、いつ撮られたものか明らかではない。よって、これら証拠として提出された写真は、本件審判の請求の登録日前3年以内に、日本国内において、商標権者により使用されていることを証明するものとは認められるべきではない。 また、被請求人は、「被請求人の使用商品は、被請求人が委託している株式会社ニューウェイ(千葉県市川市原木3027番地所在)の倉庫で被請求人会社社員により管理されている。」旨述べているが、乙第3号証ないし乙第5号証の写真は、被請求人の会社内で撮影されたものであり、上記の主張と矛盾する。 (3)乙第8号証ないし乙第12号証について 被請求人は、被請求人商品が百貨店へ納品されるまでの流れとして「百貨店から商品の注文を被請求人会社本社が受けると、本社は出荷依頼書(出荷指図書)を作成して、被請求人会社社員が待機している委託倉庫(株式会社ニューウェイ)ヘファックスし、このファックスを受信した被請求人会社社員が『出荷、値付け、梱包』までを委託倉庫で行い、被請求人より連絡を受けた株式会社ワールド・サプライ(納品代行業者)が集荷し、店舗へ納品する。」と説明する。 さらに、被請求人は、「出荷依頼書」(乙8)及び「出荷指図書」(乙9?乙12)について、被請求人の委託倉庫(株式会社ニューウェイ)が被請求人会社本社からファックス送信されたものを受信した写しである旨説明するが、「出荷依頼書」及び「出荷指図書」を受け取るのは、被請求人会社社員であり、取引の相手方等の第三者の関与なく作成されたものであるから、当該証拠書類は、客観性に乏しく、本件商標が使用された商品の取引書類としての証明力は非常に低いというべきである。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証を提出した。 1 本件審判の請求に係る商品中の「下着」について使用していること (1)本件商標が審判の請求の登録前3年以内にその請求に係る商品中の「下着(ベビー肌着)」(使用商品)に使用していたことは、提出する商品写真と出荷依頼書(「出荷指図書」ともいう。)から明らかである。 被請求人は、育児雑貨・ベビー肌着・ベビーアウター・ベビー服飾雑貨・マタニティグッズを主な商品として小売・卸売する会社であり、またミッフィーなどの有名ブランドや自社ブランドを使用し、赤ちゃんのライフスタイルに合わせた商品開発をもモットーとしている。 証拠として提出する商品は、ベビー肌着であり、小物との5点セット、SX(サックス)とPK(ピンク)の2種類である。サックスはブルーの淡い色である。 (2)乙第1号証は、ベビー肌着と小物の5点セットSX(サックス)とPK(ピンク)の表面写真を示し、正面右側がPK(ピンク)、左側がSX(サックス)である。どちらの商品包装の上部左側にも、内容物を示す説明図が付してある。また、商品包装の下部には本件商標「マーベル」及び「mabell」の商標が印刷されている。 乙第2号証は、ベビー肌着と小物の5点セットSX(サックス)とPK(ピンク)の裏面写真を示し、中央に被請求人の会社名と住所が印刷されており、これらの商品が被請求人の製造及び販売するものであることが明らかである。 乙第3号証及び乙第4号証は、商品PK(ピンク)の在庫写真である。乙第5号証及び乙第6号証は、商品SX(サックス)の在庫写真である。乙第7号証に示す商品包装に付されているように、ベビー肌着と小物の5点セットSX(サックス)とPK(ピンク)の品番はB90083である。 2 本件商標の使用に係る商品が卸売りされていること 被請求人の上記商品が複数の百貨店に卸売されている。 被請求人の上記商品は、被請求人が委託している株式会社ニューウェイ(株式会社ニューウェイ所在地:千葉県市川市原木3027番地)の倉庫で被請求人会社社員により管理されている。また、被請求人は株式会社ワールドサプライ(株式会社ワールドサプライ本社住所:東京都江東区有明1-2-22)に当社の商品の百貨店への納品代行を委託している。 流れを説明すると、百貨店から商品の注文を被請求人会社本社が受けると、本社は出荷依頼書(出荷指図書)を作成して、被請求人会社社員が待機している委託倉庫(株式会社ニューウェイ)ヘファックスし、このファックスを受信した被請求人会社社員が「出荷、値付け、梱包」までを委託倉庫で行い、被請求人より連絡を受けた株式会社ワールド・サプライ(納品代行業者)が集荷し、店舗へ納品する。 乙第8号証は出荷依頼書(「出荷指図書」ともいう。)である。上記委託倉庫が被請求人会社本社から2013年9月25日にファックス送信された出荷依頼書を受信した写しで(上記委託倉庫に保存。以下同じ。)、9月30日に出荷、百貨店そごうの千葉店の6Fベビー用品売り場に、マーベル肌着5点セットPKとSXをそれぞれ5点納品するよう指示されている。 乙第9号証も同様に出荷指図書であり、被請求人会社本社から上記委託倉庫へ2013年10月28日にファックスしたもので、10月30日に出荷、百貨店そごうの横浜店の8階ベビー売り場に、マーベル肌着5点セットPKとSXをそれぞれ10点納品するよう指示されている。 乙第10号証も同様に出荷指図書であり、被請求人会社から上記委託倉庫へ2013年10月23日にファックスしたもので、同月30日に百貨店小田急の町田店の野津田センターに、マーベル肌着5点セットPKとSXがそれぞれ5点納品するよう指示されている。 乙第11号証も同様に出荷指図書であり、被請求人会社本社から上記委託倉庫へ2013年11月1日にファックスしたもので、同月12日に百貨店小田急の新宿店の9Fベビー用品に、マーベル肌着5点セットPKとSXがそれぞれ10点納品するよう指示されている。 乙第12号証も同様に出荷指図書であり、被請求人会社から上記委託倉庫へ2013年11月1日にファックスしたもので、同月12日に百貨店伊勢丹の立川店の7F催事場に、マーベル肌着5点セットPKとSXをそれぞれ10点納品するよう指示されている。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、指定商品中の「下着」の包装に本件商標を使用(現在も使用中)しているというべきである。 第4 当審の判断 1 被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内にその請求に係る商品中の「下着(ベビー肌着)」(使用商品)について使用していると主張するところ、被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。 (1)乙第1号証ないし乙第3号証及び乙第7号証は、いずれも写真が貼付されているものであって、撮影年月日を「平成26年2月5日」、撮影者住所を「東京都台東区台東1丁目28番7号(IZu6 2F)株式会社ベルコット内」及び撮影者氏名を「土田 和幸」とするものである。 乙第1号証は、包装された状態の使用商品(2種類)の表面写真であって、左が「SX(サックス(ブルーの淡い色))」、右が「PK(ピンク)」とするものであり、各商品の包装の下方部分に「マーベル」の片仮名及び「mabell」の欧文字が表されている。 乙第2号証は、乙第1号証の使用商品の裏面の写真とするものであり、その中央部分には、商標権者(被請求人)の名称等が表されている。そして、使用商品包装写真であるとする乙第7号証には、バーコードの表示の上部に「B90083」及び「肌着セット PK」の文字等が確認できる。 乙第3号証は、使用商品の在庫写真とするものであり、商品を保管するケースの左上部に貼られた用紙には、それぞれ、「棚カード」、「ベルコット様」、「品番 B90083」、「サイズ/カラー PK」の文字等が記載されていることが認められる。そして、乙第3号証の商品を保管するケースの中には、商品が包装された状態のものが10数個存在し、「マーベル」の片仮名及び「mabell」の欧文字が表されている商品の包装が3個確認できる。 (2)乙第8号証ないし乙第12号証は、出荷依頼書又は出荷指図書とするものであり、乙第8号証には、下方に「2013年9月25日」及び「(株)ベルベット」の記載があり、上方から「出荷依頼書」の表題の下、「百貨店名 そごう」、「店名 千葉店」、「出荷日 9/30(月)」、「納品場所 6Fベビー用品売場」、「ワールドサプライ・消化仕入・SALE札」の記載があり、「品番」欄に「B90083」、「品名」欄に「マーベル肌着5点セット」、「カラー」欄に「PK」、「税抜売価」欄に「¥1,800」、「納品数量」欄に「5」とそれぞれ記載されていることが認められる。 同じく乙第9号証には、下方に「2013年10月28日」及び「(株)ベルベット」の記載があり、上方から、「百貨店名 そごう」、「店名 横浜」、「希望出荷日 10/30(水)」、「納品場所 8Fベビー売場」、「ワールドサプライ・消化仕入」の記載があり、「品番」欄に「B90083」、「品名」欄に「マーベル肌着セット」、「カラー」欄に「PK」、「売価」欄に「1800」、「納品数量」欄に「10」とそれぞれ記載されていることが認められる。 同じく乙第10号証には、下方に「2013年10月23日」及び「(株)ベルベット」の記載があり、上方から、「百貨店名 小田急」、「店名 町田店」、「納品日 10/30(水)」、「納品場所:野津田センター止」、「ワールドサプライ・消化仕入」の記載があり、「品番」欄に「B90083」、「品名」欄に「マーベル肌着5点セット」、「カラー」欄に「PK」、「税抜売価」欄に「¥1,800」、「納品数量」欄に「5」とそれぞれ記載されていることが認められる。 同じく乙第11号証には、下方に「2013年11月1日」及び「(株)ベルベット」の記載があり、上方から、「百貨店名 小田急」、「店名 新宿店」、「納品日 11/12(火)」、「納品場所:9Fベビー用品」、「ワールドサプライ・消化仕入」の記載があり、「品番」欄に「B90083」、「品名」欄に「マーベル肌着5点セット」、「カラー」欄に「PK」、「税抜売価」欄に「¥1,800」、「納品数量」欄に「10」とそれぞれ記載されていることが認められる。 同じく乙第12号証には、下方に「2013年11月1日」及び「(株)ベルベット」の記載があり、上方から、「百貨店名 伊勢丹」、「店名 立川店」、「納品日 11/12(火)」、「納品場所:7F催事場」、「ワールドサプライ・消化仕入」の記載があり、「品番」欄に「B90083」、「品名」欄に「マーベル肌着5点セット」、「カラー」欄に「PK」、「税抜売価」欄に「¥1,800」、「納品数量」欄に「10」とそれぞれ記載されていることが認められる。 (3)上記(1)によれば、平成26年2月5日時点において、商標権者(被請求人)の製造に係る使用商品が、在庫として、「東京都台東区台東1丁目28番7号」在の商標権者(被請求人)の社内に存在したことが認められる。その中には、本件商標の使用と認められる「マーベル」の片仮名及び「mabell」の欧文字が表示され、品番が「B90083」、カラーを「PK」とするものが存在した。 また、上記(2)によれば、2013年(平成25年)9月25日ないし同年11月1日において、カラーが「PK」であって、品名が「マーベル肌着5点セット」又は「マーベル肌着セット」である商品を、「そごう 千葉店」、「そごう 横浜」、「小田急 町田店」、「小田急 新宿店」又は「伊勢丹 立川店」に出荷する旨の依頼又は指図を商標権者(被請求人)が行ったことが認められる。 そして、平成26年2月5日に商標権者(被請求人)の社内に存在した使用商品の品番「B90083」、カラー「PK」の表示は、上記出荷依頼書又は出荷指図書に記載の品番及びカラーと符合する。 2 上記1の事実によれば、本件商標が付されている商標権者(被請求人)の製造に係る使用商品が、2013年(平成25年)9月25日ないし同年11月1日の出荷の依頼又は指図により、「そごう 千葉店」、「そごう 横浜」、「小田急 町田店」、「小田急 新宿店」及び「伊勢丹 立川店」に出荷されたことが推認される。そして、その時期は、本件審判の請求の登録前3年以内(平成22年12月2日から同25年12月1日まで)に含まれていると認められる。 3 請求人は、被請求人が「被請求人の使用商品は、被請求人が委託している株式会社ニューウェイの倉庫で被請求人会社社員により管理されている。」旨述べているが、乙第3号証ないし乙第5号証の写真は、被請求人の会社内で撮影されたものであり、矛盾する旨主張している。また、請求人は、被請求人が「出荷依頼書」(乙8)及び「出荷指図書」(乙9?乙12)について、被請求人の委託倉庫(株式会社ニューウェイ)が被請求人会社本社からファックス送信されたものを受信した写しである旨説明するが、「出荷依頼書」及び「出荷指図書」を受け取るのは、被請求人会社社員であり、取引の相手方等の第三者の関与なく作成されたものであるから、当該証拠書類は、客観性に乏しく、本件商標が使用された商品の取引書類としての証明力は非常に低いというべきである旨主張している。 しかしながら、被請求人が説明する使用商品が百貨店へ納品されるまでの流れとして、「百貨店から商品の注文を被請求人会社本社が受けると、本社は出荷依頼書(出荷指図書)を作成して、被請求人会社社員が待機している委託倉庫(株式会社ニューウェイ)ヘファックスし、このファックスを受信した被請求人会社社員が『出荷、値付け、梱包』までを委託倉庫で行い、被請求人より連絡を受けた株式会社ワールド・サプライ(納品代行業者)が集荷し、店舗へ納品する。」とするシステム自体に不自然なところはなく、また、「出荷依頼書」(乙8)及び「出荷指図書」(乙9?乙12)について、偽造したとするような点も見いだすことはできない。さらに、乙第3号証ないし乙第5号証の写真について、被請求人の主張との矛盾を指摘するが、使用商品が平成25年秋に「そごう」等の百貨店に出荷されたことと平成26年2月5日に使用商品の在庫が請求人会社内に存在したこととは、時期が相違し別問題であり、また、使用商品が双方に存在したとしても、そのことをもって矛盾とすることはできない。 そして、請求人は、上記のとおり主張するも、抽象的な可能性を指摘するにとどまり、これを疑わせる具体的な主張立証はない。 したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。 4 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中、第25類「下着」について商標権者が本件商標を使用していたことを証明したと認められる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、請求に係る指定商品について取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 ![]() |
審理終結日 | 2014-11-13 |
結審通知日 | 2014-11-18 |
審決日 | 2014-12-12 |
出願番号 | 商願昭39-51879 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Y25)
|
最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
関根 文昭 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 手塚 義明 |
登録日 | 1973-04-09 |
登録番号 | 商標登録第1008353号(T1008353) |
商標の称呼 | マーベル |
代理人 | 廣中 健 |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 森川 正仁 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 伊藤 亮介 |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 西垣 康雄 |
代理人 | 神蔵 初夏子 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 春田まり子 |