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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 登録しない W09 審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W09 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W09 審判 査定不服 外観類似 登録しない W09 |
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管理番号 | 1299538 |
審判番号 | 不服2014-13384 |
総通号数 | 185 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-05-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-07-10 |
確定日 | 2015-04-02 |
事件の表示 | 商願2013-71469拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類「アルコール検知器」を指定商品として、平成25年9月12日に登録出願、その後、本願の指定商品については、同26年2月3日受付の手続補正書をもって「アルコール濃度測定器」と補正されているものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は,いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第5515225号商標(以下「引用商標1」という。)は、「TWI」の文字を標準文字で表してなり、平成24年1月26日に登録出願、第9類「水漏れ警報器,漏水検出器,測定機械器具,理化学機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器」並びに第35類ないし第37類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同年8月17日に設定登録されたものである。 (2)登録第5546573号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成24年7月2日に登録出願、第9類「水漏れ警報器,漏水検出器,測定機械器具,理化学機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器」並びに第35類ないし第37類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同年12月28日に設定登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「TWI」の文字部分はすべて大文字で表されているに対し、「i-checker」の文字部分はすべて小文字で表されていることからすれば、本願商標は、視覚上、「TWI」の語と「i-checker」の語とを組み合わせてなるものと看取、把握され得るものである。 そして、本願商標の構成中の「TWI」の文字は、例えば、辞書類には「企業内で管理者を対象に行われる提携訓練」を意味する英語「training within industry」の略語として載録されている事実は認められるものの、本願の指定商品との関係においては、特定の意味合いを想起させるものとはいい難い。 他方、本願商標の構成中の「i-checker」の文字についてみるに、本願の指定商品である「アルコール濃度測定器」を含む測定用の器具ないし機械を取り扱う業界においては、別掲3に示すとおり、該商品が測定を用途とするものであることを示すべく、その商品名等に「チェックする人(もの、装置)」といった意味を有する英語として一般に広く知られた「checker」の語やその読みの片仮名表記である「チェッカー」の語を含めることが少なからず行われている実情があることに照らせば、該文字は、測定を用途とする商品であることを示したものとして看取され得るというのが相当である。 そうとすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、本願商標の構成中の「TWI」の文字部分について、特段の意味合いを想起することのない一種の造語として認識する一方、その構成中の「i-checker」の文字部分については、その商品が測定を用途とするものであることを示したものとして認識する場合も少なくないとみるのが相当である。 してみれば、本願商標は、その構成中の「TWI」の文字部分が取引者、需要者に対してより強い印象を与えるといえるから、該文字部分が独立して商品の出所識別標識として機能し得るものというべきである。 したがって、本願商標は、その構成全体から「ティーダブリュアイアイチェッカー」の称呼を生ずるほか、その構成中の「TWI」の文字部分に相応する「ティーダブリュアイ」の称呼をも生ずるものであり、また、その構成全体及び「TWI」の文字部分のいずれからも特定の観念を生ずることのないものである。 (2)引用商標 ア 引用商標1は、前記2(1)のとおり、「TWI」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、上述した意味を有する英語の略語とはいえるものの、引用商標1の指定商品又は指定役務との関係においては、特定の意味合いを想起させるものとはいい難い。 したがって、引用商標1は、その構成文字に相応する「ティーダブリュアイ」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生ずることのないものである。 イ 引用商標2は、別掲2のとおり、図形と文字との組合せからなるところ、その構成中の左方に位置する水色で彩色された図形部分は、それ自体、特定の事物を表したものとはいい難く、また、その構成中の右方に位置する青色で彩色された図形部分は、その内側に白抜きで表された「TWI」の文字を配してなるものの、その構成全体をもって特定の意味合いを想起させるものとはいい難い上、該文字についても、引用商標1における場合と同様、特定の意味合いを想起ものとはいい難い。 そうとすると、引用商標2をその指定商品又は指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「TWI」の文字部分に着目し、それをもって取引に当たる場合も少なくないとみるのが相当である。 してみれば、引用商標は、その構成中の「TWI」の文字部分に相応する「ティーダブリュアイ」の称呼を生ずるものであり、また、その構成全体及び「TWI」の文字部分のいずれからも特定の観念を生ずることのないものである。 (3)本願商標と引用商標との類否 ア 本願商標と引用商標1とは、それぞれ上記(1)及び(2)アのとおりの構成からなるものであり、その構成全体をもって比較するときは、外観上、区別し得る差異があるといえるものの、本願商標の構成中、独立して商品の出所識別標識たり得る「TWI」の文字部分と引用商標1とを比較するときは、両者は、その構成文字を同一とするものであり、外観上、類似するものである。 また、本願商標と引用商標2とは、それぞれ上記(1)及び(2)イのとおりの構成からなるものであり、その構成全体をもって、比較するときは、外観上、区別し得る差異があるといえるものの、本願商標及び引用商標2のそれぞれにおいて独立して商品の出所識別標識たり得る「TWI」の文字部分を比較するときは、両者は、その構成文字を同一とするものであり、外観上、類似するものである。 イ 本願商標と引用商標1及び引用商標2とは、いずれも「ティーダブリュアイ」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生ずることのないものであるから、両者は、称呼において同一のものであり、観念においては比較することのできないものである。 ウ 上記ア及びイによれば、本願商標と引用商標とは、観念においては比較することのできないものであるものの、外観において類似し、かつ、称呼において同一のものであるから、これらを総合勘案すれば、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 (4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否 本願の指定商品である「アルコール濃度測定器」とは、第9類に属する商品であって、アルコール濃度を測定するための器具であるところ、該商品は、その商品が属する区分及び用途を鑑みれば、同一の区分に属する商品の一である「測定機械器具」の範ちゅうに属するものとみるのが相当である。 そうすると、本願の指定商品は、引用商標の指定商品及び指定役務中に含まれる第9類「測定機械器具」と同一又は類似するものである。 (5)むすび 以上のとおり、本願商標と引用商標とは類似する商標であり、また、本願の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 1 本願商標 2 引用商標2(登録第5546573号商標) (色彩については、原本参照のこと。) 3 「checker」及び「チェッカー」の語の用例 (1)1987年(昭和62年)9月28日付け「日経産業新聞」(1頁)に、「安価な測定フィルム、巴川製紙、紫外線用を発売」の見出しの下、「巴川製紙所は色の変化で紫外線(UV)の量を簡単に測定できるフィルム『TOMY・UVチェッカー』を十月から売り出す。」との記載がある。 (2)2004年(平成16年)4月28日付け「日本経済新聞」(朝刊、15頁)に、「テクノスコープ、運転手のアルコール検知器、出退勤管理と兼用」の見出しの下、「『ディー・ディーアルコールチェッカー』は幅十九センチメートル、厚さ九・二センチ、高さ十三・八センチ。まずIDカードを読み取り、個人を特定。円すい形の吸い込み口に息を吹きかけると、半導体センサーがアルコール濃度を測定する。」との記載がある。 (3)2011年(平成23年)12月11日付け「日経MJ(流通新聞)」(13頁)に、「電池残量の目安を色分け、朝日電器(新製品)」の見出しの下、「朝日電器(大阪府大東市、072・871・1166)の電池残量を確認できる『エルパ バッテリーチェッカー』 所定の位置に電池を入れるだけで測定し、電池残量の目安を3色に色分けした3段階のインジケーターで知らせる。」との記載がある。 (4)「株式会社マルイ」のウェブサイトにおいて、「生コン単位水量計『W-Checker(ダブルチェッカー)』(NETIS登録品)」の見出しの下、「W-Checkerは生コンの単位水量を正確に測定することができるエアメーター方式単位水量計です。」との記載がある(http://www.marui-group.co.jp/products/items1_4/item1_4_16/)。 (5)「株式会社シロ産業」のウェブサイトにおいて、「加速度脈波計/品番 BC-Checker」の見出しの下、「●末梢血液循環の血流の機能状態を測定、評価するものです。」との記載がある(http://www.webshiro.com/syouhinsetumei/wpbcc-1.htm)。 (6)「ELSU ASIA」のウェブサイトにおいて、「プレッシャ&バキュームチェッカー PV-CHECKER」の見出しの下、「●本器1台でプレッシャフットの押圧力と吸引圧力、そしてブッシュの当たり方をすべて測定できます。」との記載がある(http://www.elsu.co.ihttp://www.elsu.co.in/files/documents/pv-pressure-and-vacum-checker.pdfn/files/documents/pv-pressure-and-vacum-checker.pdf)。 (7)「株式会社東陽テクニカ」のウェブサイトの「Webカタログ」(http://webcat.toyo.co.jp/)において、「液晶配向膜評価装置 PI-Checker」の見出しの下、「PI-Checkerは、FA-Scope技術を使用した液晶配向膜表面の光学異方性を測定するシステムです。」との記載がある。 (8)「太洋工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「TY-CHECKER HSM」の見出しの下、「・ミリオーム単位の低抵抗の測定が可能。」との記載がある(http://www.taiyo-xelcom.co.jp/testsystem/test_26.html)。 |
審理終結日 | 2015-01-30 |
結審通知日 | 2015-02-03 |
審決日 | 2015-02-16 |
出願番号 | 商願2013-71469(T2013-71469) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(W09)
T 1 8・ 261- Z (W09) T 1 8・ 264- Z (W09) T 1 8・ 263- Z (W09) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小出 浩子、岩崎 安子 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
手塚 義明 田中 敬規 |
商標の称呼 | テイダブイリュウアイアイチェッカー、テイダブイリュウアイアイ、テイダブイリュウアイ、アイチェッカー |
代理人 | 大西 正夫 |