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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W25 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W25 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W25 |
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管理番号 | 1299420 |
審判番号 | 不服2014-22297 |
総通号数 | 185 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-05-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-11-04 |
確定日 | 2015-04-06 |
事件の表示 | 商願2014-1465拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「BLACK ELK」の欧文字を標準文字で表してなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,下着,靴下,キャミソール,ティーシャツ,ネクタイ,バンダナ,えりまき,ショール,スカーフ,ネッカチーフ,マフラー,手袋,帽子,ベルト,靴類(靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具を除く。)」を指定商品として、平成26年1月10日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録商標は、次の(1)及び(2)のとおりであって(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 (1)登録第895292号商標(以下「引用商標1」という。) 引用商標1は、別掲のとおりの構成からなり、昭和42年8月1日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同46年4月2日に設定登録されたものである。その後、平成13年2月7日に、指定商品を第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされているものである。 (2)登録第4145547号商標(以下「引用商標2」という。) 引用商標2は、「ELK」の欧文字を横書きで表してなり、平成8年12月11日に登録出願、第25類「ワイシャツ類,寝巻き類,下着,エプロン,スカーフ」を指定商品として、同10年5月15日に設定登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について ア 外観 本願商標は、前記1のとおり、「BLACK ELK」の欧文字を標準文字で一連に横書きした構成からなる。 本願商標を構成する「BLACK」と「ELK」との各文字の間には、1文字分の空白が設けられているものの、それ自体は、欧文字表記における単語間の区切りとして理解されるにすぎないものであるから、殊更「BLACK」と「ELK」とに分けて観察される態様であるとまではいえず、むしろ、各文字は、同じ書体、同じ大きさ及び同じ間隔で、まとまりよく一体的に表記されているものといえる。また、全体の文字数も8文字にすぎず、特に冗長ではない。 イ 観念 本願商標の構成中、前半の「BLACK」の語は、形容詞として「黒い、黒色の」等の、名詞として「黒、黒色」等の意味を有する中学学習程度の基本英単語であり、また、後半の「ELK」の語は、シカの一種である「ヘラジカ」ないし「ワピチ」の意味を有する名詞の英単語である(株式会社大修館書店発行「ベーシック ジーニアス英和辞典」)。なお、「ELK」の語に関しては、「広辞苑第6版」にも、「エルク【elk】」の見出し語の下、「ヘラジカ。シカの一種ワピチのこと。」との説明がある。 そして、後半の「ELK」の語は、必ずしもなじみのある英単語であるとまではいえないとしても、上記した「BLACK」の語義に照らせば、本願商標の「BLACK」は、その後にある「ELK」を修飾する形容詞としての「黒い、黒色の」との意味で理解されるのが通常である。 そうすると、「ELK」の上記意味を知る者であれば、商標全体として「黒いヘラジカ(ワピチ)」の意味合いを想起するものと認めるが、その意味を知らない者であれば、「黒い『ELK』」といった程度の理解にとどまり、特定の意味合いは想起し得ないものと認める。 なお、たとえ、「BLACK」の英単語が、多くは、それ単体であれば、一般に商品の色彩を表示するための語として、取引上類型的に採択、使用されることがあるとしても、本願商標のように、「BLACK」が「ELK」の前側にあることに照らすならば、本願商標をその指定商品に使用しても、当該「BLACK」部分は、指定商品の色彩、その色彩が表す機能等を具体的に表示するものとして、取引者、需要者に認識されることはほとんどないと認めるのが相当である。 ウ 称呼 本願商標は、その構成全体から「ブラックエルク」との称呼を生じるものと認めるが、それ自体も7音にすぎず、一連によどみなく称呼できるものである。 エ 小括 以上によれば、本願商標は、その構成全体を一体不可分のものと認めるのが相当であり、「ブラックエルク」との称呼のみが生じ、その観念については、「ELK」の語義を知っている者においては、「黒いヘラジカ(ワピチ)」との観念を生じるものと認めるが、それを知らない者においては、特定の観念を生じないものと認める。 (2)引用商標について 引用商標1は、別掲のとおり、シカと思われる図形の下部に、「elk」の欧文字と「エルク」の片仮名とを上下二段に表示してなるものである。また、引用商標2は、前記2(2)のとおり、「ELK」の欧文字を横書きしてなるものである。 そうすると、引用商標は、いずれも「エルク」との称呼を生じるものと認める。また、それぞれの観念については、各文字部分からは、前記(1)イと同様に、「ELK(elk)」(エルク)の語義を知っている者においては、「ヘラジカ(ワピチ)」との観念を生じるものと認めるが、それを知らない者においては、特定の観念を生じないものと認める。 なお、引用商標1については、図形部分からは、「シカ」を想起するものといえるから、文字部分の語義を知らない者であっても、「シカ」程度の観念は生じ得るものと認める。 (3)本願商標と引用商標の類否 本願商標と引用商標とを対比すると、両者は、外観においては、「BLACK」の文字の有無、また、称呼においては、「ブラック」との称呼の有無という、いずれも明白な差異を有するものであり、さらに、観念についても、それぞれ、上述の観念が生じる場合であっても、あるいは生じない場合であっても、相紛れるおそれはないものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれはなく、その他、本願商標と引用商標とについて誤認混同を生じるおそれがあると認められる取引上の事情も見当たらないものであるから、非類似の商標というのが相当である。 (4)むすび したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(引用商標1) |
審決日 | 2015-03-24 |
出願番号 | 商願2014-1465(T2014-1465) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
WY
(W25)
T 1 8・ 261- WY (W25) T 1 8・ 262- WY (W25) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 齋藤 貴博 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
田村 正明 西田 芳子 |
商標の称呼 | ブラックエルク、エルク、イイエルケイ |
代理人 | 磯野 富彦 |