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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
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管理番号 1298473 
異議申立番号 異議2014-900171 
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-04-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-06-12 
確定日 2015-02-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第5656476号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5656476号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5656476号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成25年9月13日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同26年2月18日に登録査定、同年3月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(5)に掲げるとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5442124号(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成23年4月27日
設定登録日:平成23年9月30日
指定商品:第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第3254598号(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成5年6月18日
設定登録日:平成9年1月31日
指定商品:第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(3)登録第4402831号(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:平成11年7月30日
設定登録日:平成12年7月21日
指定商品:第24類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(4)登録第4402830号(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲5のとおり
登録出願日:平成11年7月30日
設定登録日:平成12年7月21日
指定商品:第24類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(5)登録第3371367号(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:別掲6のとおり
登録出願日:平成5年6月18日
設定登録日:平成12年6月2日
指定商品:第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(以下、引用商標1ないし同5を一括して「引用商標」ということがある。)

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、その登録は取り消されるものである旨申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第26号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、1本の細い線で描かれた単純な楕円形とその中の欧文字2文字「CB」から構成されているところ、その文字部分は、デザイン化されているが、欧文字の「CB」2文字であると明確に判読できるから、本件商標からは「シービー」の称呼を生じる。
一方、引用商標1は、欧文字「CB」を図形化し横書きしたものであり、引用商標2及び同3は、優勝旗の左上と右下に標準的な書体の文字で同じ大きさの「C」と「B」が書かれているから、「シービー」という称呼が生じる。
引用商標4は、上記の引用商標3と同じデザインの優勝旗が中央に存在し、その上段に欧文字「CUTTER」及びその下段に「&BUCK」が記載されている。
引用商標5は、上記の引用商標3と同じデザインの優勝旗が中央に存在し、その上段欧文字「CUTTER」及びその下段に「&BUCK」が記載されており、その背景に白と黒の四角が交互に配列されている。
引用商標4及び同5については、欧文字「CUTTER&BUCK」の部分から「カッターアンドバック」という称呼が生じるが、「CB」の部分からは、「シービー」という称呼が生じる。
そうすると、本件商標と引用商標1は、称呼が同一であり、外観が類似する類似商標である。
また、本件商標と引用商標2ないし同5は、称呼が同一であり、類似商標である。
したがって、本件商標は、その登録出願日前の商標登録出願に係る申立人の引用商標に類似する商標であって、その指定商品と引用商標に係る指定商品とは同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第10号について
Cutter&Buckは、アメリカ合衆国ワシントン州シアトルで1989年に設立され、カジュアルウェアを20年以上に渡り、アメリカを始め世界各国で販売してきた。
日本においては、株式会社デサントにライセンスを許諾し、デサントがCutter&Buckの製品を2005年から独占的に製造販売している。
Cutter&Buckの製品の日本での売上高は、毎年、年間9億円以上あり、その製品の殆どに引用商標が使用されている。
Cutter&Buckの製品の取扱い店舗は、日本全国で、2013年8月の時点で400店舗以上、現在は500店舗以上の店舗で販売され、その他、インターネットを利用したオンラインショップであるAmazon.com、ゴルフダイジェスト・オンライン(BDO)又はデサントのホームページ上のショップでもCutter&Buckの製品の購入が可能である。
日本国内におけるCutter&Buckの広告販促費は、毎年、年間4000万円以上であり、雑誌広告、WEB広告、カタログ製作等に使用して、Cutter&Buck製品及びその製品に使用された「CB」ロゴは、日本において広く認知され、引用商標は、本件商標の出願前に需要者間で広く認識された商標になっている。
したがって、本件商標の出願時には引用商標は、申立人の商品を示すものとして需要者に広く認識されている商標であり、本件商標と引用商標は類似しており、両商標が使用される商品は同一又は類似であることは、前記(1)に記載のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。

(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、Cutter&Buckの商標として周知となっていること、本件商標と引用商標の指定商品は一部が同一で、その他の商品についても取引者及び需要者が共通していることからも、需要者が普通に用いる注意力を基準とすれば、出所の混同を生じるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標を指定商品に使用する場合には、これに接する取引者又は需要者は、引用商標を連想又は想起し、その商品が、申立人の商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反し登録されたものである。

(4)商標法第4条第1項第19号について
本件商標と引用商標1は類似しており、引用商標1は申立人が使用する商標として周知となっていること、申立人は被服の製造・販売を主な事業としており、本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品は類似していること、その商品の取引者及び需要者が共通していることからみれば、本件商標権者が引用商標1に類似した商標を選択し、これを使用すれば出所の混同が生じるおそれがあることは容易に想到し得る。
それにもかかわらず、消費者をしてCutter&Buckの製品であると誤解を生むおそれの大きい太字の黒字を基調とする商標を敢えて使用することは、本件商標権者には引用商標1の信用にフリーライドする意図があることが推認されるというべきである。
したがって、本件商標権者が引用商標1と類似する商標を選択し、指定商品に使用することには、本件商標権者に、引用商標の信用にフリーライドする目的があると推認されるというべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反し登録されたものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、一本の細い線で描かれた横長の楕円輪郭内に、太線で欧文字の「C」と「B」を描いたと思われる2文字を、「C」の最終点と「B」の中央の横線が重なり合うように結合して図案化したモノグラムを配した構成からなるものであるから、これよりは直ちに特定の称呼及び観念を生じないものである。

イ 引用商標
(ア)引用商標1について
引用商標1は、別掲2のとおり、直線による角張った2つの図形を(なお、これら2つの図形は、一見して直ちに「C」と「B」の字形を図案化したものであると看取される態様からなるものではない。)、その高さをそろえて、互いに接することなく左右に配した構成よりなるところ、その構成態様からは特定の事物・事象を想起させるとは認め難いものであって、商取引に資されるような特定の称呼及び観念は生じ得ないものというべきである。
(イ)引用商標2及び同3について
引用商標2及び同3は、別掲3及び同4のとおり、横長の長方形の右端を「く」の字に切り取った図形を中央に1本と斜めに2本の線で区切り、その区切った左上端の輪郭内に「C」の文字及び右下端の輪郭内に「B」の文字を配した構成よりなるものである。
そして、引用商標2及び同3の構成中、「C」と「B」の文字部分は、その書体は特殊な態様ではないこと、また、指定商品との関係において何らかの意味合いを表す記述的な語として認識されるものでもないことから、当該文字部分から全く称呼が生じないとまではいえず、各文字の配置関係からすれば、「シービー」と称呼され得るものと認める。
さらに、引用商標2及び同3は、構成全体からは、特定の観念は生じないものと認める。
そうすると、引用商標2及び同3からは、「シービー」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(ウ)引用商標4について
引用商標4は、別掲5のとおり、引用商標3を中央に小さく配し(以下、この部分を「引用商標4図形部分」という。)、その上段には円弧状に「CUTTER」の文字を、その下段には「&BUCK」の文字を横一連に配した構成よりなるものである。
該文字部分は、「CUTTER」の文字と「&BUCK」の文字とが上下に表されているとしても、これらの文字は同じ書体及び大きさで、バランスよく表されており、下段が「&」で始まることともあいまって、「CUTTER&BUCK」のように一体のものとして認識するというべきであるから、「CUTTER」と「&BUCK」とを分離して称呼するというよりは、「カッターアンドバック」と一連に称呼されるものと認めるのが相当である。
また、「CUTTER」の文字は「カッター(ナイフ)」等の意味を有し、「BUCK」の文字は「雄ジカ」等の意味を有する既成の英語であるところ、前者「CUTTER」の意味は、我が国でもよく知られているものと認められるが、後者「BUCK」の意味は、引用商標4の指定商品の分野における取引者、需要者を始め、一般の需要者の間でよく知られているものとは認め難いものであるから、これに接する取引者、需要者は、「CUTTER&BUCK」の文字部分を特定の意味を有することのない一種の造語として認識するとみるのが相当である。
そうすると、引用商標4は、その構成中の「CUTTER&BUCK」の文字部分に相応して、「カッターアンドバック」の称呼が生じるほか、引用商標3と同様の理由から、引用商標4図形部分から「シービー」の称呼が生じ、観念については特に生じないものと認める。
(エ)引用商標5について
引用商標5は、別掲6のとおり、やや太めの線で表した横長四角形の輪郭内を、枡目状に四等分し、その枡目を交互に白と黒で塗り分けた図形(左上と右下部分は白、右上と左下部分は黒っぽく表されている。)を背景にして、同図形内に引用商標4(ただし、引用商標4図形部分の外周部の輪郭線は、二重線で表してなる。)を配した構成よりなるものである。
引用商標5の背景図形からは、特段の称呼及び観念を生ずるものとはいえないことから、引用商標5についても、引用商標4と同様に、「カッターアンドバック」及び「シービー」の称呼が生じ、観念については特に生じないものと認める。

ウ 本件商標と引用商標との類否について
(ア)外観について
本件商標は、前記(1)アのとおり、一本の細い線で描かれた横長の楕円輪郭内に、太線で欧文字の「C」と「B」を描いたと思われる2文字を、「C」の最終点と「B」の中央の横線が重なり合うように結合して図案化したモノグラムを配した構成からなるものである。
他方、引用商標1は、前記(1)イ(ア)のとおり、直線による角張った2つの図形を(なお、これら2つの図形は、一見して直ちに「C」と「B」の字形を図案化したものであると看取される態様からなるものではない。)、その高さをそろえて、互いに接することなく左右に配した構成よりなるものであるから、本件商標と引用商標1とは、外観上、全く別異の構成態様からなるものというべきである。
また、引用商標2及び同3は、前記(1)イ(イ)のとおり、横長の長方形の右端を「く」の字に切り取った図形を配してなる等の特徴を有するものであるから、本件商標は、引用商標2及び同3とも、外観上、全く別異の構成態様からなるものというべきである。
さらに、引用商標4及び同5は、前記(1)イ(ウ)及び同(エ)のとおり、その構成中に「CUTTER」と「&BUCK」の文字を配してなる等の特徴を有するものであるから、本件商標は、引用商標4及び同5とも、外観上、全く別異の構成態様からなるものというべきである。
(イ)称呼について
本件商標からは、特定の称呼が生じるとはいえないから、称呼上、本件商標と引用商標を比較することはできない。
(ウ)観念について
本件商標と引用商標とは、両商標から格別の観念を生じないものと認められるから、観念上、両商標を比較することはできない。
(エ)取引の実情等
申立人が提出する全証拠によっても、引用商標は、本件商標のみならず、「CB」の文字を有し、「シービー」と称呼される他人の商標との関係でも、商品の出所につき混同を生じているといった事実は認められない。
(オ)小括
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において比較することができないものであるとしても、外観において明らかに差異を有するものであって、全く別異の構成態様からなる商標というべきあるから、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
申立人提出の証拠によれば、申立人は、引用商標1及び同4とは配色を異にする標章(以下、「申立人使用標章」という。)を商品(スポーツウェア、上着等)に付し又はインターネットの情報ページの背景等に配し、並びに、本件商標の出願以前に発行された雑誌等において申立人使用標章を商品の広告等に使用していることが認められる(甲第9号証、甲第11号証ないし甲第18号証、甲第20号証ないし甲第22号証)。
しかしながら、本件商標と引用商標とが類似の商標と認められないことは、前記(1)ウのとおりであって、申立人使用標章と引用商標1及び同4とは単に配色を異にするのみであるから、本件商標と申立人使用標章とは類似する商標ということはできない。
したがって、本件商標は、申立人使用標章との商品の類否を判断するまでもなく、商標法第4条第1項第10号に該当するものということはできない。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標と引用商標及び申立人使用標章とが類似の商標と認められないことは、前記(1)ウ及び(2)のとおりであって、申立人が提出する全証拠によっても、取引者、需要者が、本件商標と引用商標とで具体的に出所の混同が生じるおそれがあると認めるに足りる証拠はない。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者が引用商標を想起、連想して、当該商品を申立人の業務に係る商品、あるいは、同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤信するとは認められず、本件商標の出願時及び査定時において、商品の出所について混同するおそれがあるとすることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しない。

(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用商標及び申立人使用標章とが類似の商標と認められないことは、前記(1)ウ及び(2)のとおりであるから、本件商標が不正の目的をもって使用されるものであるか否かに論及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものとは認められない。

5 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1 本件商標(登録第5656476号)


2 引用商標1(登録第5442124号)


3 引用商標2(登録第3254598号)


4 引用商標3(登録第4402831号)


5 引用商標4(登録第4402830号)


6 引用商標5(登録3371367号)


異議決定日 2015-02-16 
出願番号 商願2013-72172(T2013-72172) 
審決分類 T 1 651・ 251- Y (W25)
T 1 651・ 222- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 252- Y (W25)
T 1 651・ 253- Y (W25)
T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 椎名 実神前 博斗 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 田村 正明
早川 文宏
登録日 2014-03-14 
登録番号 商標登録第5656476号(T5656476) 
権利者 チヨダ物産株式会社
商標の称呼 シイビイ 
復代理人 江黒 早耶香 
代理人 佐藤 恒雄 

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