• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201410717 審決 商標
不服201414229 審決 商標
不服201414533 審決 商標
不服20146934 審決 商標
不服2014501 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W41
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W41
管理番号 1298365 
審判番号 不服2013-23351 
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-11-28 
確定日 2015-02-18 
事件の表示 商願2013- 5125拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「エレベーターピッチ」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),受託による文章の執筆(広告文を除く。)」を指定役務として、平成25年1月29日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『エレベーターピッチ』の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、その指定役務との関係において、『話やアイデアを短時間内に簡潔かつわかりやすく説明すること』程の意味合いを表し、セミナー等においては、『エレベーターピッチ』を用いたプレゼンテーションが行われている実情がある。そうすると、本願商標をその指定役務中『話やアイデアを短時間内に簡潔かつわかりやすく説明する技術に関する知識の教授,話やアイデアを短時間内に簡潔かつわかりやすく説明する技術に関するセミナーの企画・運営又は開催,話やアイデアを短時間内に簡潔かつわかりやすく説明する技術に関する電子出版物の提供,話やアイデアを短時間内に簡潔かつわかりやすく説明する技術に関する教育用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)』等、話やアイデアを短時間内に簡潔かつわかりやすく説明する技術に関する役務に使用したときには、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「エレベーターピッチ」の文字を横書きしてなるところ、該文字は、辞書等に成語としては記載されていないものの、インターネット情報によれば、「(話やアイデア等を簡潔かつわかりやすく説明する)1分前後の短い時間で行うプレゼンテーション」という程の意味合いを有する言葉として、一般に使用されているものである。
また、本願の指定役務を取り扱う業界においても、該「エレベーターピッチ」の文字が、例えば、セミナーの内容等の表示として普通に使用されているところである。
そして、上記の事実については、原審で示した事実のほか、以下に示すインターネット情報からも裏付けられるところである。

<インターネット情報>(下線は、合議体による。)
「エレベーターピッチ」の文字の使用例について
ア 「ひみつきちJ株式会社」の「コンサル大学」のウェブサイトにおいて、「一瞬で見込みクライアントのハートをつかむエレベーターピッチの作り方」の見出しの下、「エレベーターピッチというのは、忙しくて時間をとってもらえないエグゼクティブや重役に対して、こちらの無力を伝えるプレゼンテーションを重役室までのエレベーターの中というごく短時間の中で行なうこと、が語源です。」の記載がある。
(http://master-consultant.jp/%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%94%E3%83%83%E3%83%81%E3%81%AE%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9/)
イ 「LINE株式会社」のウェブサイトにおいて、「分かりやすくプレゼンをするコツ『エレベーターピッチ』とは?」の見出しの下、「アメリカ・シリコンバレーの起業家が発祥のプレゼンテーション方法『エレベーターピッチ』。30秒・約250字で相手に自社やサービス、自分自身のことを相手に説明する方法です。そしてこの『エレベーターピッチ』、プレゼンのみならず、上司への報告や就活・転職活動での自己アピールにも役立ちます。」の記載がある。
(http://matome.naver.jp/odai/2141167487774378901)
ウ 「カイロスマーケティング株式会社」のウェブサイトにおいて、「すんなりと聞き手の懐に入り込むエレベーターピッチとは?」の見出しの下、「エレベーターピッチとは」の項目に、「エレベーターピッチは20-40秒程度で、相手に興味を持ってもらうよう、簡潔で覚えやすく、エレベーターに乗っている間に説明し切るくらいのボリュームに絞り込む説明手法です。」の記載がある。
(http://blog.kairosmarketing.net/workhack/elevator-pitch-140408/)
エ 「こくちーず(告知’s)」のウェブサイトにおいて、「エレベーターピッチ研修?30秒で相手の心にメッセージを伝える」の見出しの下、「講座概要/■目的/・忙しく時間のない相手に対して、要点をまとめ、かつ相手に響く説明力の習得を目的とする。・概念的な学習ポイントの理解だけでなく、理解した学習ポイントを実務で活用できるように、ロールプレイなどの演習を通じて実践力の強化を目指す。」の記載がある。
(http://kokucheese.com/event/index/119294/)
オ 「ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング」のウェブサイトにおいて、「30秒をチャンスに変える方法?エレベーターピッチ(サニーベール)」の見出しの下、「『30秒以内で、あなたの仕事について話してください。』アメリカでは、エレベータピッチ(その語源は、エレベータ内でコネを持つべき人物に偶然会ったとき、降りるまでの短い時間に自分の会社や自分自身を説明するということ)は、ネットワーキングの重要なツールです。しかしながら、それはなかなか簡単にできることではありません。将来的にビジネスの顧客、投資家などの大切な繋がりとなるかもしれない人物に会ったときに備えて、あらかじめ練習をしておいた方が良いでしょう。自分が誰で、どんな仕事をしていて、なぜそれが重要で、相手に何を提供できるかを、相手の興味を引き出す形で説明する準備をしておくことは重要です。しかも、英語で30秒以内に、です。なんて難しいことでしょう!ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティングは、このたび、エレベータピッチについてのオープンセミナーを提供することになりました。」の記載がある。
(http://japanintercultural.com/ja/events/default.aspx?eventid=205)
カ 「フジサンケイビジネスアイ」の「イノベーションズアイ」のウェブサイトにおいて、「戦略的自社紹介セミナー」の見出しの下、「セミナー内容/・・・勉強家のあなたならば、エレベーターピッチという言葉を聞いたことがあるでしょう。 有力者とエレベーターでたまたま出くわしたときに、その場で相手のハートを掴めるようなトーク。それができれば、多くのチャンスを手にする 可能性が一気に高まります。・・・もしあなたが短く価値を伝える力を持てば、ほんの数十秒の自社紹介をしただけで「少しお話を聞きたいのですが」と名刺交換の行列ができることでしょう。120秒プレゼン大会で上位に入り、認知の機会を高めるかもしれません。・・・本セミナーでは自己紹介を一例にして「短い時間で価値を伝えきる方法」について学んでいただきます。・・・このように思うのであれば、今回のセミナーは自社の表現方法を見直す絶好の機会になるでしょう。」の記載がある。
(http://www.innovations-i.com/seminar/id/64.html)
キ 「フロンティアリンク株式会社」のウェブサイトにおいて、「セミナー詳細情報:ビジネスプラン実践講座」の項目に、「Excel&経営戦略 ビジネスプラン実践 一日速習講座(集合研修)」の見出しの下、「ビジネスプランの効果的なブラッシュアップ方法及び用途に応じた発表手法を演習を通じて実践的に学びます。企画立案の実効性や説得力に磨きをかけたい方にオススメ!/・・・カリキュラム概要/1.ビジネスプランの実践的な作り込み方法・・・4.発表・説明用の資料作成・・・エレベーターピッチ」の記載がある。
(https://www.frontier-link.jp/education_detail_bpjissen.php)
ク 「CHIKOあきんど」のウェブサイトにおいて、「NICe大阪無料セミナー&エレベーターピッチコンテスト」の見出しの下、「主な内容/◆第一部 ベーシックセミナー/・・・/◆第二部 1分間エレベーターピッチコンテスト/3名のコメンテーターが、あなたのプレゼンに一言。・・・(プレゼンテーションは希望者の中から抽選です。聞くだけでもOKです。)」の記載がある。
(http://www.chikoakindo.com/event/item_580.html)

そうとすれば、「エレベーターピッチ」の文字は、「(話やアイデア等を簡潔かつわかりやすく説明する)1分前後の短い時間で行うプレゼンテーション」程の意味合いを表すものとして、一般に理解され使用されている語というのが相当である。
してみれば、本願商標を、その指定役務中、「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」等に使用しても、取引者、需要者は、その役務がエレベーターピッチに関する役務であると認識し、「エレベーターピッチに関する知識の教授,エレベーターピッチに関するセミナーの企画・運営又は開催,エレベーターピッチに関する電子出版物の提供,エレベーターピッチに関する書籍の制作,エレベーターピッチに関するビデオの制作」等であることを表したものとして理解するにすぎないものであって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、本願商標は、その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、また、その指定役務中、前記した役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標であるから、同法第4条第1項第16号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、「『エレベーターピッチ』の語は、国語辞書等にも記載がなく、『ピッチ』が『説明する』の意味として我国では親しみのある語ではなく、そして、米国で主として使用されているもので、日本では米国で使用されている事実が紹介されている程度に過ぎず、むしろ、『エレベータートーク』、『エレベータースピーチ』の方が良く使用されていると考えられる。・・・また、本願商標は、『「セミナーの企画・運営又は開催」の役務提供者の会社スローガン』等の意味合い、あるいは、『「セミナーの企画・運営又は開催」の役務提供者がセミナー内容をエレベーターに乗っている30秒?1分程の短時間に説明することを実践する』程の意味合いを生じる場合も十分考えられ、本願商標が特定の意味合いを生じるとは認められず、・・・これに接する取引者、需要者をして、本願の指定役務についての質・内容等を直接的かつ具体的に表示したものとして理解されるとはいい難いものであり、むしろ、構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識されるものとみるのが相当である。また、出願人側において調査するも、本願商標が、その指定役務を取り扱う業界において、役務の質・内容等を表示するものとして、取引上、普通に採択、使用されている事実を発見できなかった。」旨主張している。
しかしながら、上記(1)のインターネット情報のとおり、「エレベーターピッチ」の文字は、請求人のいう「エレベータートーク」や「エレベータースピーチ」の語と同様に、「(話やアイデア等を簡潔かつわかりやすく説明する)1分前後の短い時間で行うプレゼンテーション」程の意味合いを表す語として、我が国においても一般に使用されており、本願商標が特定の意味合いを生じるとは認められないということはできない。また、該「エレベーターピッチ」の文字がセミナー等に関する役務の質、内容を表示する言葉としても、普通に採択、使用されていることは、上記したとおりである。
よって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2014-12-12 
結審通知日 2014-12-15 
審決日 2015-01-07 
出願番号 商願2013-5125(T2013-5125) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (W41)
T 1 8・ 13- Z (W41)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 亮山本 敦子 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 大井手 正雄
井出 英一郎
商標の称呼 エレベーターピッチ 
代理人 佐藤 富徳 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ