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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X3541 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X3541 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X3541 |
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管理番号 | 1297315 |
審判番号 | 不服2014-10851 |
総通号数 | 183 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-03-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-06-09 |
確定日 | 2015-02-20 |
事件の表示 | 商願2013-72285拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「DeNA」の文字を標準文字で表してなり,第35類「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第41類「教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),小型自動車競走の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与」を指定役務とし,平成23年11月4日に登録出願された商願2011-79260に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同25年9月17日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4535485号商標(以下「引用商標1」という。)は,「DENA」の文字を標準文字で表してなり,平成12年10月13日に登録出願,「試験紙」を含む第1類及び「コンデンサーペーパー,石綿紙,バルカンファイバー」を含む第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同14年1月11日に設定登録されたものであり,その後,同23年12月27日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 (2)登録第4555669号商標(以下「引用商標2」という。)は,「DENA」の文字を標準文字で表してなり,平成13年1月22日に登録出願,「防虫紙」を含む第5類及び第19類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同14年3月29日に設定登録されたものであり,その後,同24年3月27日に商標権の存続期間の更新登録がされがされたものである。 (3)登録第4887911号商標(以下「引用商標3」という。)は,「D-NA」,「ディーナ」の文字を上下2段に表してなり,平成16年11月24日に登録出願,「教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),小型自動車競走の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与」を含む第41類,第43類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として,同17年8月12日に設定登録されたものである。 なお,これらをまとめて以下「引用商標」という。 3 当審の判断 (1)本願商標 ア 本願商標の構成 本願商標は,「DeNA」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成は,「e」の文字のみアルファベットの小文字で表してなるものである。 イ 「株式会社ディー・エヌ・エー」(以下「ディー・エヌ・エー社」という。)及び「DeNA」の表示の著名性 請求人の提出した証拠(各項の括弧内に掲記)によれば,以下の事実を認めることができる。 (ア)ディー・エヌ・エー社は,1999年(平成11年)3月4日に設立された企業であり,設立当初は,インターネットオークションとショッピングモールの「ビッダーズ」を展開していた。その後,2004年(平成16年)3月に,携帯電話向けのオークション「モバオク」,2006年(平成18年)2月に,携帯電話向けのゲーム&ソーシャルネットワークサービス(SNS)サイトの「モバゲータウン」のサービスを開始し,「モバゲータウン」の会員数は,2008年(平成20年)4月には1,000万人を突破,2010年(平成22年)7月には2,000万人を突破するなど,ソーシャルメディア事業を展開する企業として急成長した。さらに,中国,米国,韓国,スウェーデン,シンガポールなど海外にも進出し,また,国内外の電気通信分野等の有名企業とも業務提携をし事業の拡大を図っている(甲1?甲5)。そして,上記事実は,ディー・エヌ・エー社の名称と共に「DeNA」の文字をもって,新聞,雑誌,書籍等で頻繁に取り上げられた(甲6)。 (イ)ディー・エヌ・エー社の,平成25年3月期における資本金は約103億9700万円,従業員数は2108名(連結),売上高は1777億2800万円であった(甲1?甲2)。 (ウ)ディー・エヌ・エー社は,平成23年12月には,プロ野球球団の一つである横浜DeNAベイスターズのオーナー企業となった(甲4)。 その事実は,新聞,テレビ等を通じて報じられ(甲6),ディー・エヌ・エー社及びそのハウスマーク的存在といえる「DeNA」の表示の知名度は一気に上がった。 (エ)ディー・エヌ・エー社は,その業務に係る役務について,「DeNA」と表示して,テレビ放映等を通して,数多くの広告をした(甲7?甲9)。 以上からすると,ディー・エヌ・エー社は,我が国のソーシャルメディア関連の事業を行う企業として,我が国の需要者の間に広く認識されているものであって,また,「DeNA」の文字は,該ディー・エヌ・エー社を表示するものとして,さらに,ディー・エヌ・エー社がオーナーであるプロ野球球団の横浜DeNAベイスターズの略称を表示するものとして,「ディーエヌエー」と称呼されて,我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることができる。 ウ 本願商標より生ずる称呼及び観念 上記イによれば,本願商標より生ずる自然の称呼は,「ディーエヌエー」ということができる。 また,本願商標は,上記イの取引の実情に照らしてみれば,これに接する需要者をして,「ディー・エヌ・エー社」及び「(プロ野球球団の一つである)横浜DeNAベイスターズ」を観念させるとみるのが相当である。 (2)引用商標 引用商標1及び2は,「DENA」の欧文字を書してなるところ,該文字は,特定の意味合いを有しない一種の造語といえるものであるから,特定の観念を生じないものである。 そして,特定の語義を有しない造語にあっては,我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるから,「DENA」の文字からは,「デナ」の称呼を生じるものである。 また,引用商標3は,「D-NA」及び「ディーナ」の文字を上下2段に書してなるところ,片仮名の文字部分は,上段の欧文字部分の読みを表すものとして,無理なく認識できるものであるから,その構成文字に相応して「ディーナ」の称呼を生じ,また,何らの意味合いを有しない一種の造語と認められるものであるから,特定の観念を生じないものである。 (3)本願商標と引用商標との対比 ア 外観 本願商標と引用商標1及び2は,前記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ,本願商標は,2文字目のみを小文字で表している点に特徴を有するのに対し,引用商標1及び2は,全て大文字で表しているものであり,その構成及び態様が相違するものであるから,外観上明確に区別できるものである。 また,本願商標と引用商標3は,前記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ,その構成及び態様が相違し,両商標は,外観上,明確に区別できるものである。 イ 称呼 本願商標から生ずる「ディーエヌエー」の称呼と,引用商標から生ずる「デナ」及び「ディーナ」の称呼とは,その構成音及び構成音数において明らかな差異を有するものであるから,それぞれを一連に称呼しても,語感,語調が相違し,互いに聴き誤るおそれはなく,両称呼は,明確に区別できるものである。 ウ 観念 本願商標は,「ディー・エヌ・エー社」及び「(プロ野球球団の一つである)横浜DeNAベイスターズ」の観念が生ずるのに対し,引用商標は,特定の観念を生じないものであるから,互いに相紛れるおそれはないものである。 してみれば,本願商標と引用商標とは,その外観,称呼及び観念のいずれの点からみても十分に区別することができる非類似の商標というべきである。 (4)まとめ したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2015-02-09 |
出願番号 | 商願2013-72285(T2013-72285) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(X3541)
T 1 8・ 263- WY (X3541) T 1 8・ 262- WY (X3541) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 矢澤 一幸、冨澤 美加 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
田中 亨子 大井手 正雄 |
商標の称呼 | ディーエヌエー、ディーエヌエイ、ディナ、デナ |
代理人 | 石塚 勝久 |
代理人 | 古井 かや子 |
代理人 | 川口 嘉之 |