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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X0914202528
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X0914202528
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X0914202528
管理番号 1297313 
審判番号 不服2015-977 
総通号数 183 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-03-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-01-19 
確定日 2015-02-20 
事件の表示 商願2013-72283拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「DeNA」の文字を標準文字で表してなり、第3類、第6類、第8類ないし第12類、第14類ないし第16類、第18類、第20類、第21類、第24類ないし第32類、第35類、第37類、第41類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、平成23年11月4日に登録出願された商願2011-79260に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同25年9月17日に登録出願されたものである。
そして、本願の指定商品及び指定役務については、当審における同27年1月19日付けの手続補正書により、第9類「運動用保護ヘルメット」、第14類「キーホルダー」、第20類「家具,スリーピングバッグ」、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」及び第28類「運動用具」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4535485号商標(以下「引用商標1」という。)は、「DENA」の文字を標準文字で表してなり、平成12年10月13日に登録出願、「ゴム製又はバルカンファイバー製の座金及びワッシャー,蹄鉄(金属製のものを除く。)」を含む第17類及び第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同14年1月11日に設定登録されたものであり、その後、同23年12月27日に商標権の存続期間の更新登録がされがされたものである。
(2)登録第4555669号商標(以下「引用商標2」という。)は、「DENA」の文字を標準文字で表してなり、平成13年1月22日に登録出願、「建具(金属製のものを除く。),飛び込み台(金属製のものを除く。)」を含む第19類及び第5類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同14年3月29日に設定登録されたものであり、その後、同24年3月27日に商標権の存続期間の更新登録がされがされたものである。
なお、これらをまとめて以下「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標
ア 本願商標の構成
本願商標は、「DeNA」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、「e」の文字のみアルファベットの小文字で表してなるものである。
イ 「株式会社ディー・エヌ・エー社」(以下「ディー・エヌ・エー社」という。)及び「DeNA」の表示の著名性
当審において請求人の提出した証拠(各項の括弧内に掲記)によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)ディー・エヌ・エー社は、1999年(平成11年)3月4日に設立された企業であり、設立当初は、インターネットオークションとショッピングモールの「ビッダーズ」を展開していた。その後、2004年(平成16年)3月に、携帯電話向けのオークション「モバオク」、2006年(平成18年)2月に、携帯電話向けのゲーム&ソーシャルネットワークサービス(SNS)サイトの「モバゲータウン」のサービスを開始し、「モバゲータウン」の会員数は、2008年(平成20年)4月には1、000万人を突破、2010年(平成22年)7月には2、000万人を突破するなど、ソーシャルメディア事業を展開する企業として急成長した。さらに、中国、米国、韓国、スウェーデン、シンガポールなど海外にも進出し、また、国内外の電気通信分野等の有名企業とも業務提携をし事業の拡大を図っている(甲1?甲5)。そして、上記事実は、ディー・エヌ・エー社の名称と共に「DeNA」の文字をもって、新聞、雑誌、書籍等で頻繁に取り上げられた(甲6)。
(イ)ディー・エヌ・エー社の、平成25年3月期における資本金は約103億9700万円、従業員数は2108名(連結)、売上高は1777億2800万円であった(甲1?甲2)。
(ウ)ディー・エヌ・エー社は、平成23年12月には、プロ野球球団の一つである横浜DeNAベイスターズのオーナー企業となった(甲4)。
その事実は、新聞、テレビ等を通じて報じられ(甲6)、ディー・エヌ・エー社及びそのハウスマーク的存在といえる「DeNA」の表示の知名度は一気に上がった。
(エ)ディー・エヌ・エー社は、その業務に係る役務について、「DeNA」と表示して、テレビ放映等を通して、数多くの広告をした(甲7?甲9)。
以上からすると、ディー・エヌ・エー社は、我が国のソーシャルメディア関連の事業を行う企業として、我が国の需要者の間に広く認識されているものであって、また、「DeNA」の文字は、該ディー・エヌ・エー社を表示するものとして、さらに、ディー・エヌ・エー社がオーナーであるプロ野球球団の横浜DeNAベイスターズの略称を表示するものとして、「ディーエヌエー」と称呼されて、我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることができる。
ウ 本願商標より生ずる称呼及び観念
上記イによれば、本願商標より生ずる自然の称呼は、「ディーエヌエー」ということができる。
また、本願商標は、上記イの取引の実情に照らしてみれば、これに接する需要者をして、「ディー・エヌ・エー社」及び「(プロ野球球団の一つである)横浜DeNAベイスターズ」を観念させるとみるのが相当である。
(2)引用商標
引用商標は、「DENA」の欧文字を書してなるところ、該文字は、特定の意味合いを有しない一種の造語といえるものであるから、特定の観念を生じないものである。
そして、特定の語義を有しない造語にあっては、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるから、「DENA」の文字からは、「デナ」の称呼を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との対比
ア 外観
本願商標と引用商標は,前記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、本願商標は、2文字目のみを小文字で表している点に特徴を有するのに対し、引用商標は、全て大文字で表しているものであり、その構成及び態様が相違するものであるから、外観上明確に区別できるものである。
イ 称呼
本願商標から生ずる「ディーエヌエー」の称呼と、引用商標から生ずる「デナ」の称呼とは、その構成音及び構成音数において明らかな差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼しても、語感、語調が相違し、互いに聴き誤るおそれはなく、両称呼は、明確に区別できるものである。
ウ 観念
本願商標は、「ディー・エヌ・エー社」及び「(プロ野球球団の一つである)横浜DeNAベイスターズ」の観念が生ずるのに対し、引用商標は、特定の観念を生じないものであり、互いに相紛れるおそれはないものといえる。
してみれば、本願商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても十分に区別することができる非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2015-02-09 
出願番号 商願2013-72283(T2013-72283) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X0914202528)
T 1 8・ 263- WY (X0914202528)
T 1 8・ 261- WY (X0914202528)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鹿児島 直人小田 明 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 大井手 正雄
田中 亨子
商標の称呼 ディーエヌエー、ディーエヌエイ、ディナ、デナ 
代理人 石塚 勝久 
代理人 古井 かや子 
代理人 川口 嘉之 

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