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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y41
管理番号 1297246 
審判番号 取消2014-300116 
総通号数 183 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-03-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-02-18 
確定日 2015-01-14 
事件の表示 上記当事者間の登録第4996601号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4996601号商標の指定役務中、第41類「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),教育・文化・娯楽若しくはヨガ・健康法・ダイエット法・技芸・スポーツ・トレーニング・ストレッチ・スポーツ・体操・能力開発・健康増進のための身体運動・姿勢及び歩き方を含めた動作についての知識と技術に関する訓練・レッスン用ビデオ・コンパクトディスク・ミニディスク・DVD又はその他の記録媒体の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,オンラインによる映像の提供,放送番組の制作,映画の上映・制作又は配給,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープ・磁気ディスク・光ディスクの貸与」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4996601号商標(以下「本件商標」という。)は、「Breath of Fire」の欧文字を横書きしてなり、平成16年11月17日に登録出願、第41類「ヨガ・健康法・ダイエット法・トレーニング・ストレッチ・技芸・スポーツ・体操・健康増進のための身体運動・姿勢若しくは歩き方を含めた動作に関する知識の教授又はこれらに関する情報の提供,気功法の教授,能力開発法の教授,ヨガ・健康法・ダイエット法・トレーニング・ストレッチ・技芸・スポーツ・体操・能力開発・健康増進のための身体運動・姿勢若しくは歩き方を含めた動作に関する講演会・セミナー・シンポジウム・研究会の企画・運営又は開催,ヨガ・健康法・ダイエット・トレーニング・ストレッチ・スポーツ・体操・能力開発・健康増進のための身体運動・姿勢及び歩き方を含めた動作を実践するための運動施設の提供又はこれに関する情報の提供,ヨガの興行の企画・運営又は開催,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),教育・文化・娯楽若しくはヨガ・健康法・ダイエット法・技芸・スポーツ・トレーニング・ストレッチ・スポーツ・体操・能力開発・健康増進のための身体運動・姿勢及び歩き方を含めた動作についての知識と技術に関する訓練・レッスン用ビデオ・コンパクトディスク・ミニディスク・DVD又はその他の記録媒体の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,痩身や健康に関する講演会の企画・運営・開催,痩身や健康に関するシンポジウムの企画・運営・開催,痩身や健康に関するセミナーの企画・運営・開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,オンラインによる映像の提供,トレーニング・ストレッチ・体操・姿勢及び歩き方を含めた動作のための運動用具及び運動器具の貸与,その他の運動用具及び運動器具の貸与,書籍の制作,放送番組の制作,放送番組の制作における演出,映画の上映・制作又は配給,映写フィルムの貸与,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,ネガフィルムの貸与・ポジフィルムの貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープ・磁気ディスク・光ディスクの貸与」及び第44類「美容・痩身美容に関する指導・助言・相談又はコンサルティング及びこれらに関する情報の提供」を指定役務として、同18年10月20日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由、答弁に対する弁駁及び平成26年10月9日付け口頭審理陳述要領書による陳述において、次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中の「第41類 興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),教育・文化・娯楽若しくはヨガ・健康法・ダイエット法・技芸・スポーツ・トレーニング・ストレッチ・スポーツ・体操・能力開発・健康増進のための身体運動・姿勢及び歩き方を含めた動作についての知識と技術に関する訓練・レッスン用ビデオ・コンパクトディスク・ミニディスク・DVD又はその他の記録媒体の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,オンラインによる映像の提供,放送番組の制作,映画の上映・制作又は配給,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープ・磁気ディスク・光ディスクの貸与」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条1項の規定により、取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」に関する使用について
被請求人は、乙第7号証及び乙第8号証における商標の使用が上記役務への使用に該当する旨主張する。
しかし、上記証拠はいずれも「ヨガの講習会」、すなわち「ヨガの教授」にて使用する冊子及び講座申し込みのためのフォームであって、本件商標の上記役務への使用を示すものではない。
なお、講習会が合宿という形態を取り、伊勢神宮等の訪問を伴う場合もあるようだが、このような合宿ないし観光地等の訪問は「興行」にはあたらない。さらに、このような合宿の企画・運営等は「ヨガの教授」を前提として付随的に提供されるものであるため、独立した商取引の対象となっているとはいえない。
以上より、本件商標が出所標識として上記役務の提供に使用されていたとはいえない。
(2)「教育・文化・娯楽若しくはヨガ・健康法・ダイエット法・技芸・スポーツ・トレーニング・ストレッチ・スポーツ・体操・能力開発・健康増進のための身体運動・姿勢及び歩き方を含めた動作についての知識と技術に関する訓練・レッスン用ビデオ・コンパクトディスク・ミニディスク・DVD又はその他の記録媒体の制作」に関する使用について
被請求人は、乙第10号証、乙第13号証及び乙第14号証における商標の使用が上記役務への使用に該当する旨主張する。
しかし、上記各証拠における「Breath of Fire」の文字(以下「使用標章」という。)は、単に自身が販売するDVDの内容表示ないし教材の題号として使用されているにすぎず、商標権者が使用標章を出所標識として他人のために記録媒体の制作を提供していたことを示す証左とはなり得ない。
以上より、本件商標が出所標識として上記役務の提供に使用されていたとはいえない。
(3)「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営」に関する使用について
被請求人は、乙第11号証及び乙第15号証における商標の使用が上記役務への使用に該当する旨主張する。
しかし、乙第20号証に示すとおり、上記各証拠は、商標権者が提供するヨガ講習会において教材として放映されたDVDの映像を示すにすぎず、このような映像の放映は「映画の興行」にはあたらない。
また、使用標章も単にDVDの内容表示ないし題号として使用されているにすぎない。
以上より、本件商標が出所標識として上記役務の提供に使用されていたとはいえない。
(4)「電子出版物の提供」に関する使用について
被請求人は、乙第21号証及び乙第17号証ないし乙第19号証における商標の使用が上記役務への使用に該当する旨主張する。
しかし、乙第21号証は、「インターネット講座のお知らせ」の表示からも明らかなように、商標権者による「ヨガの教授」の提供を示すものであって、使用標章を出所標識として「電子出版物の提供」を行っている証左とはなり得ない。
また、乙第17号証ないし乙第19号証は、それぞれの3頁の「この度は火の呼吸入門編に受講申し込み頂きありがとうございます。」といった記述からも明らかなように、いずれも商標権者が提供する「ヨガ講習会」で使用する教材であるため、当該教材の提供がヨガ講習会を離れ市場において独立して提供されているとはいえない。
さらに、乙第17号証ないし乙第19号証における使用標章は、単に講座の内容表示ないし教材の題号として使用されているにすぎない。
よって、本件商標が出所標識として上記役務の提供に使用されていたとはいえない。
(5)「図書及び記録の供覧」に関する使用について
被請求人は、乙第1号証及び乙第17号証ないし乙第19号証における商標の使用が上記役務への使用に該当する旨主張する。
しかし、「図書及び記録の供覧」とは、「商品及び役務の区分解説」(特許庁商標課編集)によれば、「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供する施設(例えば、図書館)が提供するサービス」と解されている(甲1)。一方、被請求人が本件商標の使用があったと主張する「レッスンマニュアルの供覧」及び「メールマガジンの発行」は、いずれも自身の提供する「ヨガの教授」と関連した情報の提供にすぎず、上記定義に基づけば少なくとも「図書、記録その他必要な資料を収集」したとはいえないため、「図書及び記録の供覧」には該当しない。
さらに、乙第17号証ないし乙第19号証における使用標章は、単に講座の内容表示ないし教材の題号として使用されているにすぎない。
よって、本件商標が出所標識として上記役務の提供に使用されていたとはいえない。
(6)「録画済み磁気テープ・磁気ディスク・光ディスクの貸与」に関する使用について
被請求人は、乙第10号証、乙第13号証及び乙第14号証における商標の使用が上記役務への使用に該当する旨主張する。
しかし、被請求人も答弁の理由において自認するように、使用標章が使用されたDVDの貸与は、あくまでインストラクターがヨガ講習会を主催するにあたって教材として使用するために行われるものであるから、「ヨガの教授」に付随する行為であって独立した商取引の対象になっているとはいえない。
さらに、上記(2)のとおり、各証拠における使用標章は、単に自社が販売するDVDの内容表示ないし題号として使用されているにすぎない。
よって、本件商標が出所標識として上記役務の提供に使用されていたとはいえない。
(7)以上のとおり、乙各号証は、本件審判の請求の登録前3年以内の本件商標の日本国内における指定役務についての使用事実を立証するものではない。
3 平成26年10月9日付け口頭審理陳述要領書による陳述
被請求人提出の平成26年9月22日付け口頭審理陳述要領書による陳述に対して
(1)上記2のとおり、乙各号証に示された行為は、いずれも商標権者が行う「ヨガの教授」に付随して提供されているものであって、独立して商取引の対象となるものではない。
さらに「映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行」、「図書及び記録の供覧」を提供しているとの主張については役務の範囲を不当に拡大・歪曲した解釈に基づくものである。
(2)被請求人は、裁判例等を示して、乙第17号証ないし乙第19号証及び乙第21号証に示す商標の使用が電子出版物の提供に該当する旨主張するが、被請求人の主張する裁判例は侵害裁判の事例であって、本件と事案を異にする上、乙各号証に示す標章の使用は当該役務に関するものではない。
(3)したがって、乙各号証はいずれも本件請求に係る指定役務に関する本件商標の使用を示すものではないため、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に本件請求に係る指定役務に本件商標を使用していたとはいえない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由及び平成26年9月22日付け口頭審理陳述要領書による陳述において、次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第26号証を提出した(なお、乙第9号証及び乙第12号証については、平成26年10月23日開廷の第1回口頭審理において撤回した。)。
1 はじめに
商標権者の代表取締役である小山一夫(以下「小山」という。)は、「火の呼吸メソッド」と称するヨガの技法体系を独自に確立し、「クンダリーニJP」の屋号でヨガの講習会を主催する等して火の呼吸メソッドを世に広めてきた(乙1?乙4)。本件商標は、商標権者が行う各役務の提供者が商標権者又は公認インストラクターであることを識別するための標章として、極めて重要な意義を有している。
2 使用の事実
(1)「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」における使用
ア 商標権者は、平成24年ころまで毎月5回程度、火の呼吸メソッドに関する種々の講習会をそれぞれ企画、運営及び開催してきたが、同25年以降は、財団法人野萩青少年育成財団(以下「野萩財団」という。)がこれを承継し、商標権者から本件商標の通常使用権の許諾を得て講習会を行っている(乙1、乙5)。
また、商標権者及び野萩財団(これらを併せていうときは、以下「商標権者ら」という。)は、定期的に合宿を企画、運営及び開催をしており、例えば、平成25年9月14日から同16日まで、ヨガの講習及び伊勢神宮等の訪問を行う伊勢合宿を行い、参加者から参加料として2万円を徴収した(乙6)。
これらは、参加者から参加料を徴収して催事を企画、運営又は開催するものであり、上記役務に該当する。
イ 商標権者らは、講習会の資料として表紙上部に使用標章が付された冊子(乙7)を受講者に配布し、同冊子に基づいて講習会を行っており、これは商標法第2条第3項第4号の「使用」に該当する。
また、使用標章が付された商標権者のウェブサイト(乙1、以下「本件ウェブサイト」という。)の下部にある「参加資格限定講習」欄の「レベル-2」をクリックすると、講習会の申込フォームのウェブページに遷移する(乙8)。
よって、商標権者らは、指定役務の申込書類を内容とする情報に本件商標を付して電磁的方法により提供しているといえ、これは商標法第2条第3項第8号の「使用」に該当する。
(2)「教育・文化・娯楽若しくはヨガ・健康法・ダイエット法・技芸・スポーツ・トレーニング・ストレッチ・スポーツ・体操・能力開発・健康増進のための身体運動・姿勢及び歩き方を含めた動作についての知識と技術に関する訓練・レッスン用ビデオ・コンパクトディスク・ミニディスク・DVD又はその他の記録媒体の制作」における使用
ア 商標権者はこれまでに、火の呼吸メソッドの知識及び技術に関する訓練・レッスン用ビデオ又はDVDを多数制作しているが(乙4)、そのうち「火の呼吸BASIC」(乙10、乙11、以下「本件DVD1」という。)及び「火の呼吸CHAKRAS&BRAIN」(乙13?乙15、以下「本件DVD2」という。)は、商標権者が自主制作したDVDである。商標権者が本件DVD1及び本件DVD2を自主制作したことについては、本件DVD1及び本件DVD2に登場する男性(乙11、乙15)が、商標権者が講習会で配布している冊子(乙7)及び本件ウェブサイトにアップロードされたレッスンマニュアル(乙17?乙19、以下「本件レッスンマニュアル」という。)のモデルの男性と同一人物であることから明らかである。
よって、商標権者は、ヨガについての知識と技術に関する訓練・レッスン用DVDを制作し、上記役務を行っている。
イ 本件DVD1及び本件DVD2の盤面(乙10、乙14)及びパッケージ(乙13)には、それぞれ使用標章が付されており、これらはいずれも、顧客に譲渡するDVDの盤面及びパッケージに標章を付し、本件DVD1及び本件DVD2の制作主体を表示するものであるから、商標法第2条第3項第3号の「使用」に該当する。そして、商標権者は、本件DVD1を平成23年7月2日に顧客に販売したことから(乙16)、本件審判の請求の登録(平成26年3月10日)前3年以内に本件商標が使用されたことは明らかである。
(3)「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営」における使用
ア 商標権者は、平成23年10月30日、同24年1月21日及び同年6月2日に企画及び運営した各講習会において、また、野萩財団は、同25年4月28日及び同年5月25日に企画及び運営した各講習会において、それぞれ本件DVD1及び本件DVD2をはじめとするDVDを、スクリーンに映写して上映した(乙20)。これらは、映画の興行の企画又は運営であり、上記役務に該当する。
イ 講習会で上映された本件DVD1及び本件DVD2は、再生するとスクリーン上に使用標章が映写されるから(乙11、乙15)、商標権者らは、DVDの再生という電磁的方法による映像面を介した役務の提供に当たり、その映像面に標章を表示して役務を提供しているといえ、これは商標法第2条第3項第7号の「使用」に該当する。
(4)「電子出版物の提供」における使用
ア 商標権者は、「火の呼吸鍛脳塾入門」、「火の呼吸入門編」及び「火の呼吸アスリート入門編」と題する3つのインターネット講座(これらをまとめて、以下「本件講座」という。)を開設し、本件レッスンマニュアル(乙17?乙19)を本件ウェブサイト上で提供している。すなわち、顧客は、本件ウェブサイト上で本件講座の申込みをし(乙21)、商標権者に代金を支払った後、商標権者が伝えたID及びアクセスコード(乙16)を本件ウェブサイトに入力して、本件ウェブサイトにアップロードされた本件レッスンマニュアルを閲読し、ヨガを学習する。したがって、本件講座は、インターネット講座と銘打っているものの、その実質は本件レッスンマニュアルの販売である。
また、本件レッスンマニュアルは、A4で合計100頁を超え、火の呼吸メソッドの練習方法等を詳細に記述した文献であるから、これが「電子出版物」に当たるものであり、本件レッスンマニュアルを本件ウェブサイト上で販売する行為は、上記役務に該当する。
イ 本件講座は、使用標章が付された本件ウェブサイトの「インターネット講座のお知らせ」のページから申し込むことができる(乙21)から、商標権者は、指定役務の申込書類を内容とする情報に本件商標を付して電磁的方法により提供しているといえ、これは商標法第2条第3項第8項の「使用」に該当する。
また、商標権者は、本件レッスンマニュアルの各表紙(乙17?乙19の1頁)に使用標章を付しており、これは、インターネットにより行う役務の提供に当たりその映像面に本件商標を表示して役務を提供する行為であって、商標法第2条第3項第7号の「使用」に該当する。
(5)「図書及び記録の供覧」における使用
ア 万が一、本件レッスンマニュアルが「電子出版物」に当たらないとしても、本件レッスンマニュアルは、A4で合計100頁を超え、商標権者がこれまで少しずつ加除修正を加えて編集したものであるから、「図書又は記録」に該当する。
よって、対価を支払った者にIDとアクセスコードを発行してこれらを閲覧させる行為は、上記役務に該当する。
イ また、商標権者は、「火の呼吸で人生が変わる!」及び「ヨーガの奥義と指導の心得」と題する2種類の公式メールマガジンを発行しており(乙1)、「火の呼吸で人生が変わる!」は、平成17年1月25日以降、月に1回程度発行されており、同26年4月13日までに計319通の記事が発行された(乙22、乙23)。また、「ヨーガの奥義と指導の心得」も、平成23年1月1日以降、計12通の記事が発行された(乙24、乙25)。
このように商標権者は、本件ウェブサイト上で、公式メールマガジンを発行し、閲覧に供しているから、上記役務を行っているといえる。
ウ 上記(4)イのとおり、本件講座の申込ページの上部(乙21)及び本件レッスンマニュアルの各表紙(乙17?乙19)には使用標章が付されており、これらはそれぞれ、商標法第2条第3項第8号又は同第7号の「使用」に該当する。
そして、上記メールマガジンの申込みは、本件ウェブサイトのトップページ(乙1)にある「公式メルマガ」欄の「申込み」又は「新刊メルマガ?ヨーガの奥義と指導の心得」欄の「申込み」をクリックすることにより行うことができ、同ページの最上部には使用標章が付されているから、商標権者は、指定役務の申込書類を内容とする情報に本件商標を付して電磁的に提供しているといえ、これは商標法第2条第3項第8号の「使用」に該当する。また、同ページ同箇所の「バックナンバー」をクリックすると、メールマガジンの過去の全記事を閲覧することができる。
よって、商標権者は、電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たり、その映像面に本件商標を表示して役務を提供しているといえ、これは商標法第2条第3項第7号の「使用」に該当する。
(6)「録画済み磁気テープ・磁気ディスク・光ディスクの貸与」における使用
ア 商標権者は、一定の講習を受講して所定の認定試験に合格し、かつ、金30万円を支払った顧客を公認インストラクターと認定している(乙26)。公認インストラクターと認定された者は、自らの計算で火の呼吸メソッドの講習会を主催することが認められ、その際には、商標権者は、本件商標がパッケージ及び盤面に記載された本件DVD1及び本件DVD2を貸与し、当該DVDの内容に従って講習会を行うよう指導している。すなわち、本件DVD1及び本件DVD2は、公認インストラクターが講習会を行う際の指導要領として貸与されるものであるから、もし公認インストラクターがその資格を失ったときは、本件DVD1及び本件DVD2を商標権者に返還しなければならない。
以上のとおり、商標権者は、公認インストラクターに本件DVD1及び本件DVD2を貸与しており、これは上記役務に該当する。
イ 上記(2)イのとおり、本件DVD1及び本件DVD2の盤面(乙10、乙14)及びパッケージ(乙13)には、いずれも使用標章が付されており、これらは貸与を受ける者に対して貸し渡す物に本件商標を付する行為であって、商標法第2条第3項第3号の「使用」に該当する。
3 平成26年9月22日付け口頭審理陳述要領書による陳述
請求人提出の平成26年5月30日付けの弁駁書における弁駁に対して
(1)「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」における使用
請求人は、乙第7号証及び乙第8号証に示す使用標章は、「ヨガの教授」について使用されたものであって、「興行の企画・運営又は開催」について使用されたものとはいえないと主張するが、商標権者らが開催するヨガの講習会において、ヨガの技法が実演され、参加者はそれを観覧していたのであるから、当該講習会は「興行」に該当する。
(2)「教育・文化・娯楽若しくはヨガ・健康法・ダイエット法・技芸・スポーツ・トレーニング・ストレッチ・スポーツ・体操・能力開発・健康増進のための身体運動・姿勢及び歩き方を含めた動作についての知識と技術に関する訓練・レッスン用ビデオ・コンパクトディスク・ミニディスク・DVD又はその他の記録媒体の制作」における使用
上記役務の使用に関し、請求人は、乙第10号証、乙第13号証及び乙第14号証における使用標章は、単なるDVDの内容表示又は教材の題号であり、本件商標は出所標識として使用されていないと主張するが、以下のとおり、当該各証拠に付されている使用標章は、出所識別機能を有する商標として使用されている。
ア 本件DVD2について
本件DVD2の盤面及びパッケージ(乙13、乙14)には、使用標章以外の英字部分はいずれも大文字で強調されているのに対し、使用標章の部分だけは小文字混じりで表記され、また、文字の形状及び配置も、使用標章は、その下に表記された「火の呼吸 KUNDALINI YOGA CHAKRAS&BRAIN」の文字よりも明らかに小さく、字体も細く、目立たないように配置されているから、使用標章とそれ以外の部分とは、表記の形式が明確に異なっている。この違いを無視して、両者を一体として題号と捉えるのは妥当ではない。
加えて、パッケージの背表紙には「火の呼吸CHAKRAS&BRAIN」の表記があるだけで、使用標章はない(乙13)。一般に、パッケージの背表紙にはDVDの題号が記載されること、題号の一部をあえて省略して表記する理由はないことに照らすと、本件DVD2の内容表示又は題号は「火の呼吸CHAKRAS&BRAIN」の部分に限られ、使用標章は、DVD制作者の出所識別表示として付されていると考える他はない。
イ 本件DVD1について
本件DVD1(乙10)と本件DVD2の盤面及びパッケージ(乙13、乙14)とを比較すると、両者は最下段の表示(「BASIC」と「CHAKRAS&BRAIN」)が異なっている。この表示の差異は、各DVDの対象者のレベルの違いによるものにすぎないから、本件DVD1の内容表示又は題号として用いられている部分は、本件DVD2と同様、「火の呼吸KUNDALINI YOGA BASIC」の部分に限定され、使用標章は、内容表示又は題号としてではなく本件商標として付されているというべきである。
ウ そもそも、著作物の題号は、その内容を表示するものにすぎず、商品又は役務の出所を識別するという商標本来の機能を有しないから、その使用は商標法上の「使用」に該当しないと解される。よって翻れば、使用標章が出所識別表示として使用されている限り、当該使用は商標法上の「使用」に該当することになる。
上記1のとおり、「火の呼吸メソッド」は、小山が独自に考案した技法であり、一般に「火の呼吸」という呼称で需要者に広く認知されているものの(乙2?乙4、乙26)、「Breath of Fire(ブレスオブファイアないしブレスオブファイヤ)」の呼称は、国内で広く認知されているとはいえない。よって、DVDの内容表示又は題号としては「火の呼吸」だけで足り、本来であれば、使用標章を併記する必要はない(本件DVD2の背表紙に、使用標章が記載されていないのも、その証左である。)。にもかかわらず、商標権者があえて盤面及びパッケージに使用標章を付しているのは、「火の呼吸メソッド」の考案者である商標権者自らが当該各DVDの制作者であることを、需要者に表示するために他ならない。
需要者としても、商標権者のウェブサイト等に表記された使用標章と同様の表記が盤面及びパッケージ上になされていることから、本件DVD1及び本件DVD2は、「火の呼吸メソッド」の考案者である商標権者が制作した本家本元のDVDであると理解するものと解される。
仮に請求人が主張するように、使用標章が本件DVD1及び本件DVD2の題号であって出所識別表示ではないと理解した場合、本件DVD1及び本件DVD2は、DVDの制作主体の表示を全く欠くことになる。しかし、制作主体が全く明記されていないDVDなど通常はあり得ず、請求人の主張は一般の取引通念に反している。
また、商標権者は、火の呼吸メソッドが誤った手法で実践されてはならないという考えから、盤面及びパッケージ上に、使用標章を表記することにより、本件DVD1及び本件DVD2が商標権者の制作した公式DVDであることを需要者に明示することを企図しているのであるから、請求人の上記主張は、商標権者の意図に反するものといわざるを得ず、到底容認できない。
エ 以上より、乙第10号証、乙第13号証及び乙第14号証に付された使用標章は、いずれも出所識別機能という商標本来の機能を有しているから、商標法上の「使用」に該当する。
(3)「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営」における使用
ア 請求人は、商標権者がヨガの講習会において各DVDを上映したこと(乙20)は、「映画の興行」に該当しないと主張するが、講習会の参加者は、商標権者が上映したDVDを観ることを主たる目的としているため、商標権者がヨガの講習会において本件DVDl及び本件DVD2を含む各DVDを上映したことは、「映画の興行」に該当する。
イ 請求人は、乙第11号証及び乙第15号証における使用標章は、単にDVDの内容表示又は題号として使用されているにすぎないと主張するが、乙第11号証及び乙第15号証に付された使用標章は、本件DVD1及び本件DVD2の盤面及びパッケージ(乙10、乙13、乙14)に付された使用標章と同様、単なるDVDの内容表示又は題号ではなく、本件商標として付されているというべきである。
(4)「電子出版物の提供」における使用
ア 請求人は、本件ウェブサイト(乙21)に「インターネット講座のお知らせ」との記載があることを根拠に、使用標章は、「ヨガの教授」の提供を示すものであり、上記役務について使用されているとはいえないと主張する。
しかし、「インターネット講座のお知らせ」の記載があるからといって、直ちに使用標章が「ヨガの教授」の役務について使用されたことにはならない。
東京地判平成6年4月27日も、「気功術実践講座」と称するテキスト教材等の通信販売が、商標法上の「商品」としての書籍に該当する旨判示している。すなわち、同判決は、被告が提供する「気功術実践講座」の受講者は、テキスト教材及びビデオテープ教材の提供を受けるだけではなく、必要に応じて被告に疑問点を質問することができ、かつ指定された姿勢の写真を被告に送付し、正しいか否かの判定を受けることができることを認定した。その上で、同判決は、「被告の通信講座の内容は被告商品の販売のほかに、ビデオテープ教材の販売、通信指導という役務の提供も含まれているが・・・受講者がテキスト教材、ビデオテープ教材によって学習することが中心である」と判示し、結論として、当該通信講座を気功術の教授という役務の提供であるとは認めず、商標法上の「商品」としての書籍であると判断した。
以上からすれば、本件ウェブサイトに「インターネット講座のお知らせ」と表示されていることのみをもって、本件講座の提供が「ヨガの教授」であると即断する請求人の主張は誤りである。
イ 本件講座の主たるコンテンツは、電子書籍である本件レッスンマニュアル(乙17?乙19)以外には存在しない。そして、本件講座の唯一のコンテンツである本件レッスンマニュアルの内容のほとんどは、火の呼吸メソッドの練習メニューの紹介であることからすると(乙17?乙19)、本件講座は、購読者が本件レッスンマニュアルを読み進め、自学自習で火の呼吸メソッドを習得することを前提にしているのであって、商標権者からヨガの教授を受けることは基本的に予定されていない。
よって、本件講座は、上記裁判例の「気功術実践講座」と何ら異なるところはなく、本件レッスンマニュアルの提供は、「ヨガの教授」というよりも、むしろヨガの教本の提供と同視すべきものであるから、本件レッスンマニュアルをインターネット上で販売する行為は、「電子出版物の提供」に該当する。
ウ 請求人は、乙第17号証ないし乙第19号証の「この度は火の呼吸入門編に受講申し込み頂きありがとうございます」という記載を根拠に、本件レッスンマニュアルが、「ヨガ講習会」を離れ市場において独立して提供されているとはいえないと主張するが、「インターネット講座」という名称及び「遠方の方、多忙な方のために、下記の講座を開設しています」との記載(乙21)からも明らかなとおり、本件レッスンマニュアルは、商標権者が開催するヨガ講習会において使用される教材ではない。本件レッスンマニュアルは、講習会に参加できない者であっても本件レッスンマニュアルに基づいて自学自習できるよう、火の呼吸メソッドの練習方法等を詳細に記載した、いわばヨガの教本と同視すべき電子書籍であり、その内容も、基本的にはそれ自体で完結している。
エ 本件レッスンマニュアルは、商標権者のウェブサイトにおいて単体で販売されており、本件レッスンマニュアル自体に金10,000円という価格が設定されている(乙21)から、本件レッスンマニュアルが市場において独立して提供されていることは明らかである。
オ 請求人は、乙第17号証ないし乙第19号証における使用標章は、単に講座の内容表示又は教材の題号として使用されているにすぎないと主張するが、乙第17号証ないし乙第19号証の各1頁及び2頁の中央には男性モデルの画像が掲載され、その画像の上部又は下部に、「火の呼吸 鍛脳塾入門」、「火の呼吸入門」又は「火の呼吸アスリート講座」と、それぞれ大きく題号が表記されており、本件レッスンマニュアルの内容は、当該表記により明示されるのであって、これと離れた位置に配置されている使用標章が、本件講座の内容表示又は本件レッスンマニュアルの題号であると解する余地はない。特に、乙第17号証ないし乙第19号証の各1頁又は2頁において、使用標章と本件レッスンマニュアルの題号が記載された男性モデルの画像の間にはそれぞれ数行の文章が挿入されており、両者が明らかに別個のものとして配置されていることを考慮すると、使用標章が本件講座の内容表示又は教材の題号であると解することはなおさら困難である。
したがって、乙第17号証ないし乙第19号証に付されている使用標章は、本件講座の内容表示又は本件レッスンマニュアルの題号ではなく、本件商標であると解する他はない。
さらに、乙第17号証ないし乙第19号証の各1頁及び2頁に付されている使用標章は、商標権者のウェブサイトのトップページ最上段に掲示されている使用標章(乙1)と全く同一であるから、当該標章が出所識別表示として付されたものであることは明らかである。それゆえ、使用標章が、出所識別機能という商標本来の機能を有していることに疑いの余地はなく、同標章の使用は商標法上の「使用」に該当する。
(5)「図書及び記録の供覧」における使用
ア 請求人は、本件レッスンマニュアルの供覧及び本件メールマガジン(乙22?乙25)の発行は、「図書、記録その他必要な資料を収集」するという要件を欠き、「図書及び記録の供覧」には該当しないと主張する。
しかし、商品及び役務の区分解説(甲1)の記述は、「収集」、「整理」及び「保存」の全てを充足しない限り「図書及び記録の供覧」には当たらないとする趣旨であるとは解されないし、当該区分解説の定義を絶対視する必然性もない。また、少なくとも商標権者は、自らが執筆した資料を収集し、整理し、保存して、インターネットという一般公衆の利用に供する施設にて提供しているといい得るのであるから、本件レッスンマニュアルの供覧及び本件メールマガジンの発行は、上記役務に該当する。
イ 請求人は、乙第17号証ないし乙第19号証における使用標章は、単に講座の内容表示又は教材の題号として使用されているにすぎないと主張するが、上記(4)オのとおり、当該主張には理由がない。
(6)「録画済み磁気テープ・磁気ディスク・光ディスクの貸与」における使用
ア 請求人は、本件DVD1及び本件DVD2の貸与は「ヨガの教授」に付随する行為であり、独立した商取引の対象にはなっていないと主張するが、商標権者は、誤った技法により火の呼吸メソッドを行えば健康を害するおそれがあるという考えのもと、公認インストラクターに対し、本件DVD1及び本件DVD2に従って指導するよう求めているため、公認インストラクターとして活動するためには、本件DVD1及び本件DVD2の貸与を受けることが不可欠である。それゆえ、公認インストラクター認定に伴う金30万円の支払は、専ら本件DVD1及び本件DVD2の貸与に向けられたものであるといい得るから、本件DVD1及び本件DVD2の貸与が独立した商取引の対象となっていることは明らかである。
イ 請求人は、乙第10号証、乙第13号証及び乙第15号証における使用標章は、単に被請求人が販売するDVDの内容表示又は題号として使用されているにすぎない旨を主張するが、かかる請求人の主張に理由がないことは、上記(2)のとおりである。
4 むすび
以上のとおり、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において請求に係る指定役務について本件商標を使用している。

第4 当審の判断
1 使用の事実について
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項に規定により、被請求人において、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務について当該登録商標を使用していることを証明し又は使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないところである。
本件において、被請求人は、商標権者らが、請求に係る指定役務中の「(a)興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),(b)教育・文化・娯楽若しくはヨガ・健康法・ダイエット法・技芸・スポーツ・トレーニング・ストレッチ・スポーツ・体操・能力開発・健康増進のための身体運動・姿勢及び歩き方を含めた動作についての知識と技術に関する訓練・レッスン用ビデオ・コンパクトディスク・ミニディスク・DVD又はその他の記録媒体の制作,(c)映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,(d)電子出版物の提供,(e)図書及び記録の供覧,(f)録画済み磁気テープ・磁気ディスク・光ディスクの貸与」について、本件商標を本件審判の請求の登録(平成26年3月10日)前3年以内に使用していたと主張するので、以下検討する。
(1)被請求人は、上記「(a)興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」について、その使用の事実を明らかにする証拠として、乙第1号証、乙第5号証ないし乙第8号証を提出する。
ア 乙第1号証、乙第5号証ないし乙第8号証について
(ア)乙第1号証は、商標権者のウェブサイト(本件ウェブサイト)であるところ、その1枚目には、使用標章が大きく表示され、使用標章の下に、「火の呼吸 公式WEBサイト/2014-3-11」の文字が小さく表記され、その下の四角枠内の<ご連絡>欄には、「4?6月の予定は下記の通りです。」、「4月12日 マスタークラス/4月12日 火の呼吸(Breath of Fire)メソッド講習/4月26日 火の呼吸(Breath of Fire)メソッド講習」、「5月10日 マスタークラス/5月10日 火の呼吸(Breath of Fire)メソッド講習」、「6月7?8日 マスタークラス」などと記載されている。また、同2枚目には、「火の呼吸メソッドとはクンダリーニ・ヨーガとタントラに中国の叡智を組み合わせ日本に合うように改変した独特な技法体系です。」と記載され、その下部には、「講座スケジュール」、「受講&練習に際しての諸注意」などと記載されている。さらに、同3枚目には、「参加資格限定講習/レベル-2/マスタークラス」などと記載されている。なお、本件ウェブサイトの掲載日は明記されていないが、上記のとおり、1枚目の使用標章の下に、「火の呼吸 公式WEBサイト/2014-3-11」と記載されているところから、2014年(平成26年)3月11日に掲載されたものと推認することができ、したがって、上記「4?6月の予定」は、2014年(平成26年)4月から6月のものということができる。
(イ)乙第5号証は、講習会一覧表であるところ、ここには、2011年(平成23年)1月8日から2014年(平成26年)3月15日までの日程のほか、講習内容として「火の呼吸 Breath of Fire」等が記載され、「会場」欄には、それぞれの講習を行った東京や大阪の会場の名称が記載されている。また、講習会一覧表中の「財」の文字の記載があるものについては、通常使用権者である野萩財団が講習を行ったことが認められる(当事者間に争いのない事実)。
(ウ)乙第6号証は、「マスタークラス申し込みフォーム」との表題のあるウェブサイトであるところ、ここには、「マスタークラス新規募集のご案内はこちらへ」、「既にマスタークラス受講資格をお持ちの方はこちらへ」の各表示の下に、2011年(平成23年)5月2日から2014年(平成26年)6月8日までの日程、「渾身のクンダリーニ・ヨーガ・セミナー合宿」、「クンダリーニ・ヨーガと火の呼吸(Breath of Fire)メソッドの基礎と応用」などの講習内容、合宿先などが記載された一覧表が掲載されている。同一覧表には、「現地集合、宿泊代&食事代は不要」との記載は認められるものの、参加料の記載はない。
(エ)乙第7号証は、講習会において配布される「渾身のクンダリーニ・ヨーガ・セミナー」の冊子であるところ、冊子の表紙の最上段には使用標章が表示され、その内容は、「1 アウトライン」、「2 火の呼吸の練習環境、諸注意、練習に際して」、「3 当マニュアルの練習方法について」等15項目から構成されている。
(オ)乙第8号証は、「レベル-2 申し込みフォーム」のサイトであり、本件ウェブサイト(乙1)の3枚目の「参加資格限定講習/レベル-2/マスタークラス」の「レベル-2」をクリックすると、同サイトに移動することができる。当該申し込みフォームの1枚目には、「受講資格をお持ちの方のみ参加できます。」、「健康でない方及び手術経験者等の方にはクラス編成上現在受講をご遠慮頂いています。・・・『実践(&講座のお申込み)にあたっての諸注意』に同意された方のみお申し込み下さい。」などと記載され、同2枚目には、「Level-2について/下記の各講座を合計で24回受講された方はレベル-2の審査を受けることが出来ます。」などと記載されている。
イ 上記アで認定した事実によれば、商標権者らが、「火の呼吸/Breath of Fire」と称するヨガの知識の教授(合宿形式により行う場合も含む。以下同じ。)ないしヨガの講習会(セミナー)の企画・運営又は開催を行っている事実を認めることができるとしても、上記(a)の指定役務について、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標を使用したと認めることはできない。
この点について、被請求人は、商標権者らは、ヨガ講習に関連する合宿を定期的に企画、運営及び開催をしており、参加者から参加料を徴収したから、上記(a)の指定役務に該当する行為をした旨主張するところ、これを客観的に裏付ける証拠の提出はない。
ところで、「役務」とは、他人のためにする労務又は便益であって、独立して商取引の目的たり得るものをいうと解するのが相当であり、他の役務の提供又は商品の販売に伴う付随的な役務であって、それ自体独立して商取引の対象とならない役務は、商標法上の「役務」には該当しないというべきである。
そうすると、ヨガ講習に関連する合宿の企画、運営及び開催は、ヨガの知識の教授ないしヨガの講習会(セミナー)の企画・運営又は開催の提供に伴って付随的に提供される役務といわざるを得ず、それ自体独立して商取引の対象となるものとは認めることができない。
したがって、上記に関する被請求人の主張は理由がない。
また、冊子(乙7)は、ヨガの知識の教授ないしヨガの講習会(セミナー)の企画・運営又は開催に際し受講者に配布されるものであり、申し込みフォーム(乙8、使用標章が表示された本件ウェブサイト(乙1)から申し込みフォームのサイトに移動することができる。)のサイト提供にしても、ヨガの知識の教授を受講を希望する者に対して提供されるサービスであって、これらに、使用標章が表示されていたとしても、商標権者らの行う役務がヨガの知識の教授ないしヨガの講習会(セミナー)の企画・運営又は開催である以上、これをもって、商標権者らが上記(a)の指定役務について本件商標を使用していたと認めることはできない。
(2)被請求人は、上記「(b)教育・文化・娯楽若しくはヨガ・健康法・ダイエット法・技芸・スポーツ・トレーニング・ストレッチ・スポーツ・体操・能力開発・健康増進のための身体運動・姿勢及び歩き方を含めた動作についての知識と技術に関する訓練・レッスン用ビデオ・コンパクトディスク・ミニディスク・DVD又はその他の記録媒体の制作」について、その使用の事実を明らかにする証拠として、乙第10号証、乙第11号証、乙第13号証ないし乙第19号証を提出する。
ア 乙第10号証、乙第11号証、乙第13号証ないし乙第19号証について
(ア)乙第10号証は、本件DVD1の盤面であるところ、ここには、「火の呼吸」の文字が大きく表示され、その下に、「KUNDALINI YOGA」、「BASIC」の各文字が二段に表示され、使用標章は、「火の呼吸」の文字の上に小さく表示されている。また、本件DVD1の内容映像(乙11)にも、上記と同様の文字が表示されている。ただし、本件DVD1が制作された日付は明らかではない。
(イ)乙第13号証及び乙第14号証は、本件DVD2のパッケージ(乙13)及び盤面(乙14)であるところ、これらには、「火の呼吸」、「KUNDALINI YOGA」、「CHAKRAS&BRAIN」の各文字が三段に大きく表示され、使用標章は、「火の呼吸」の文字の上に小さく表示されている。また、上記パッケージ(乙13)の背表紙には、「火の呼吸 CHAKRAS&BRAIN」と記載されている。さらに、本件DVD2の内容映像(乙15)にも、上記と同様の文字が表示されている。ただし、本件DVD2が制作された日付は明らかではない。
(ウ)乙第16号証は、2011年(平成23年)7月2日を注文受付日とする受注メールであるところ、「注文内容」欄には、「クンダリーニJP 『火の呼吸・入門編』6ヶ月間のインターネット講座(特製DVD『火の呼吸BASIC』、DVD『火の呼吸ダイエットバイブル』、ムック本『ヨガビューティー(DVD付)』、書籍『悟りに到る十牛図瞑想法』、書籍『男を磨く火の呼吸エクササイズ』、書籍『ヨーガの極意』、書籍『スポーツ脳を鍛える』、光触媒シープスキン、パンクラス・バスタオル付)」と記載され、その他、「販売価格:30,000円」、「お支払い方法:代金引換」などと記載されている。
(エ)乙第17号証ないし乙第19号証は、それぞれ順に、「火の呼吸 鍛脳塾入門」(乙17)、「火の呼吸入門」(乙18)、「火の呼吸アスリート講座」(乙19)との表題が付された本件レッスンマニュアルであるところ、これらの表紙には、いずれも使用標章が最上段に表示され、また、ヨガのポーズを取った男性の写真が掲載されている。さらに、各表紙の中程には、「ご連絡したIDとパスワードを使って下記より入室下さい。/ENTER」の文字が記載され、「はじめに」の項目には、「この度は火の呼吸入門編に受講申し込み頂きありがとうございます。当講座は、インターネットを介して火の呼吸の素晴らしさを知って戴こうという趣旨で企画されました。教材として、書籍『火の呼吸で強くなる』、DVD『火の呼吸入門』を使用いたします。また、補習用のサポートプログラムとして、東京と大阪で無料復習会の開催を予定しています。・・・インターネット講座でわかりにくいところは復習会などでご確認下さい。」(乙17。乙18及び乙19もほぼ同様の記載がある。)などと記載されている。
イ ところで、「役務」とは、上記(1)イのとおり、他の役務の提供又は商品の販売に伴う付随的な役務であって、それ自体独立して商取引の対象とならない役務は、商標法上の「役務」には該当しないというべきであるところ、上記アで認定した事実によれば、商標権者が、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件DVD1及び本件DVD2を他人のために制作し、それ自体独立して商取引の対象となった事実を裏付ける証拠の提出はない。
被請求人は、本件DVD1及び本件DVD2の制作に関し、商標権者が行ったものであることについては、本件DVD1及び本件DVD2に登場する男性(乙11、乙15)が、商標権者が講習会で配布する冊子(乙7)及び本件レッスンマニュアル(乙17?乙19)のモデルの男性と同一人物であることから明らかである旨主張する。
しかし、本件DVD1及び本件DVD2に登場する男性と冊子(乙7)及び本件レッスンマニュアル(乙17?乙19)のモデルの男性とが同一人物であることをもって、本件DVD1及び本件DVD2が商標権者により制作されたものであると認めることができる合理的な根拠にならないことは明らかである。
また、被請求人は、商標権者は、本件DVD1を平成23年7月2日に顧客に販売したことから(乙16)、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標が使用されたことは明らかである旨主張するが、2011年(平成23年)7月2日を注文受付日とする受注メール(乙16)の注文内容の記載からすると、本件DVD1は、「『火の呼吸・入門編』6ヶ月間のインターネット講座」なる役務の提供を受けるための申込みに伴って、他のDVDや書籍と共に「代金30,000円」と引換えに受講申込者に届けられるものであり、本件DVD1の販売には、「『火の呼吸・入門編』6ヶ月間のインターネット講座」なる役務を受けるための申込みが前提となっているものである。したがって、本件DVD1は、「『火の呼吸・入門編』6ヶ月間のインターネット講座」なるヨガの教授の提供に伴って付随的に販売されたものというべきであるから、上記被請求人の主張は理由がない。その他、商標権者が、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件DVD1及び本件DVD2を他人の求めにより、その他人のために制作し、独立して商取引の対象となった事実を客観的に認めるに足りる証拠の提出はない。
以上によれば、商標権者が、本件審判の請求の登録前3年以内に、上記(b)の指定役務についてについて本件商標を使用していたと認めることはできない。
(3)被請求人は、上記「(c)映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営」について、その使用の事実を明らかにする証拠として、乙第20号証を提出する。
ア 乙第20号証について
乙第20号証は、DVD上映一覧表であるところ、ここには、「平成23年度10月30日」に行った「密教ヨーガの基本(講義)」の講習において、「火の呼吸BASIC」のDVD(本件DVD1)を使用し、「平成24年度1月21日」に行った「火の呼吸(Breath of Fire)の応用編」の講習において、「火の呼吸CHAKRAS&BRAIN」のDVD(本件DVD2)を使用し、その他、平成24年度や平成25年度に行った講習においても、「火の呼吸アスリートバイブル」や「火の呼吸CHAKRAS&BRAIN」のDVDを使用したことが記載されている。
イ 上記アで認定した事実によれば、乙第20号証には、使用DVDの題名が記載されているものの、これらの上映は、DVD上映一覧表の「講習名」にあるように、商標権者らが行うヨガの知識の教授ないしヨガの講習会(セミナー)の企画・運営又は開催の提供において、付随的に行われたものであって、上映自体が独立して商取引の対象となった事実を裏付ける、例えば、役務提供の対価として、DVD上映のための料金を徴収するなどをした事実を明らかにする証拠の提出は一切ない。
したがって、商標権者らが、本件審判の請求の登録前3年以内に、上記(c)の指定役務について本件商標を使用していたと認めることはできない。
(4)被請求人は、上記「(d)電子出版物の提供」について、その使用の事実を明らかにする証拠として、乙第17号証ないし乙第19号証、乙第21号証を提出する。
ア 乙第17号証ないし乙第19号証、乙第21号証について
(ア)乙第17号証ないし乙第19号証は、上記(2)ア(エ)のとおり、「火の呼吸 鍛脳塾入門」(乙17)、「火の呼吸入門」(乙18)、「火の呼吸アスリート講座」(乙19)との表題が付された本件レッスンマニュアルである。
(イ)乙第21号証は、「Breath of Fire/インターネット講座のお知らせ」のウェブサイトであり、ここには、「遠方の方、多忙な方のために、下記の講座を開設しています。」として、「Breath of Fire 火の呼吸」の「鍛脳塾入門」、「入門編」、「アスリート入門編」が各30,000円などと記載され、その下には、「この3種類の講座は、Webサイトを通じてのロング(長期間)カリキュラムです。通信講座のような形ですが、出来るだけわかり易いものにしてゆきたいと思います。」と記載されている。さらに、その下には、「すでに下記の各(付)をお持ちの方のために教材のないセットをご用意いたしました。」として「教材のないセット/Breath of Fire 火の呼吸」の「鍛脳塾入門」、「入門編」、「アスリート入門編」が各10,000円と記載されている。
イ 上記アで認定した事実によれば、本件レッスンマニュアルは、本件講座(「火の呼吸鍛脳塾入門」、「火の呼吸入門編」、「火の呼吸アスリート入門編」と題する3つのインターネット講座)において使用される教材であり、本件講座の受講希望者は、本件ウェブサイト上で本件講座の申込みをすることにより、本件ウェブサイト上の本件レッスンマニュアルを閲読することができるのであって、本件レッスンマニュアルの閲読は、本件講座の申込み(インターネットを利用したヨガの教授の提供を受けること)を前提とするものであるから、「インターネットを利用したヨガの教授」の提供に伴う付随的な役務として提供されるものであって、それ自体独立して商取引の対象となるものとは認めることができない。その他、本件レッスンマニュアルが、市場において単独で商取引の対象となった事実を明らかにする証拠の提出はない。
したがって、商標権者が、本件審判の請求の登録前3年以内に、上記(d)の指定役務について本件商標を使用していたと認めることはできない。
ウ 被請求人の主張について
(ア)被請求人は、本件レッスンマニュアルは、商標権者のウェブサイトにおいて単体で販売されており、本件レッスンマニュアル自体に金10,000円という価格が設定されている(乙21)から、本件レッスンマニュアルが市場において独立して提供されていることは明らかである旨主張する。
しかし、上記イ認定のとおり、本件レッスンマニュアルの閲読は、「インターネットを利用したヨガの教授」の提供に伴う付随的な役務として提供されるものであって、それ自体独立して商取引の対象となるものではないばかりか、「インターネット講座のお知らせ」(乙21)には、上記ア(イ)認定のとおり、「教材のないセット/Breath of Fire 火の呼吸」として「鍛脳塾入門」、「入門編」、「アスリート入門編」が各10,000円である旨の記載があるから、上記被請求人の主張は失当である。
(イ)被請求人は、本件講座は、インターネット講座と銘打っているものの、その実質は本件レッスンマニュアルの販売である旨主張する。
しかし、「Breath of Fire/インターネット講座のお知らせ」(乙21)を見た又は申し込んだ需要者は、その文言及び「遠方の方、多忙な方のために、下記の講座を開設しています。」などの文言から、これが本件レッスンマニュアルの販売であるとは理解、認識しないというべきであって、本件レッスンマニュアルの販売であるとする商標権者の意図によって左右されるものではない。
(ウ)被請求人は、「インターネット講座のお知らせ」(乙21)の記載があるからといって、本件講座が「ヨガの教授」であると即断できない旨主張し、東京地裁平成6年4月27日言い渡しの判決(平成4年(ワ)第3845号)を引用する。
しかし、「インターネット講座のお知らせ」の文言及び「遠方の方、多忙な方のために、下記の講座を開設しています。」などの文言、本件レッスンマニュアルに記載された「この度は火の呼吸入門編に受講申し込み頂きありがとうございます。当講座は、インターネットを介して火の呼吸の素晴らしさを知って戴こうという趣旨で企画されました。」等を総合し、被請求人の「顧客は、本件ウェブサイト上で本件講座の申込みをし(乙21)、商標権者に代金を支払った後、商標権者が伝えたID及びアクセスコード(乙16)を本件ウェブサイトに人力して、本件ウェブサイトにアップロードされた本件レッスンマニュアルを閲読し、ヨガを学習する」との主張を併せると、本件講座が「ヨガの教授」であることは明らかであり、本件レッスンマニュアルの販売のサイトであるとは到底認めることはできない。
なお、被請求人の引用する判決例は、「被告が主宰する気功術実践講座という通信講座は、受講者がテキスト教材、ビデオテープ教材によって学習することが中心であり、一回の上達度最終チェック表による判定以外には定期的な添削指導はなく、右通信講座の製作のための経費に占めるテキスト教材、ビデオテープ教材の割合は90%に達し、通信講座のための費用の割合は10%に過ぎず、被告の通信講座の実体は、被告商品及びビデオテープ教材の販売であって、その後の通信指導は、アフターサービスあるいはその販売を促進するための副次的なものに過ぎないものと認められるから、被告商品は、商標法上の商品と認めることができる。」と認定したものであり、本件においては、ヨガの知識の教授ないしヨガの講習会(セミナー)の企画・運営又は開催の提供とこれらの役務の提供に伴う付随的な役務という関係が明確に把握できる上、その他の諸事情が該判決とは異なるものであり、したがって、本件は、被請求人の引用する判決とは事案を異にするものというべきであるから、本件における上記認定が該判決の判断に左右されるものではない。
(エ)被請求人は、本件レッスンマニュアルは、火の呼吸メソッドの練習方法等を詳細に記載した、いわばヨガの教本と同視すべき電子書籍であり、その内容も、基本的にはそれ自体で完結している旨主張するが、本件レッスンマニュアルが火の呼吸メソッドの練習方法等について、それ自体で完結しているとしても、本件レッスンマニュアルの閲読が、「インターネットを利用したヨガの教授」の提供に伴う付随的な役務として提供されるものであることには何ら変わりがないというべきである。
したがって、被請求人の上記主張は理由がない。
(5)被請求人は、上記「(e)図書及び記録の供覧」について、その使用の事実を明らかにする証拠として、乙第17号証ないし乙第19号証、乙第22号証ないし乙第25号証を提出する。
ア 乙第17号証ないし乙第19号証、乙第22号証ないし乙第25号証について
(ア)乙第17号証ないし乙第19号証は、上記(4)のとおり、「火の呼吸 鍛脳塾入門」(乙17)、「火の呼吸入門」(乙18)、「火の呼吸アスリート講座」(乙19)との表題が付されたインターネット講座(本件講座)に使用する本件レッスンマニュアルである。
(イ)乙第22号証ないし乙第25号証は、「火の呼吸で人生が変わる[まぐまぐ!]」及び「ヨーガの奥義と指導の心得[まぐまぐ!]」と題する2種類の公式メールマガジンであり、同サイト上(乙22、乙23)には、「規約に同意して登録/解除」、「登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。」(乙24、乙25は「現在休刊中です」との記載がある。)と記載されており、また、本件ウェブサイト(乙1)の2枚目の下方には、「公式メルマガ(無料)/申込み&バックナンバー」、「新刊メルマガ?ヨーガの奥義と指導の心得(無料)/申込み&バックナンバー」と記載されている。なお、乙第22号証ないし乙第25号証には、使用標章の表示はない。
イ 「図書及び記録の供覧」とは、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供する施設(例えば、図書館)が提供するサービスと解される(甲1)ところ、本件レッスンマニュアル(乙17?乙19)は、被請求人の主張によれば、「顧客は、本件ウェブサイト上で本件講座の申込みをし(乙21)、商標権者に代金を支払った後、商標権者が伝えたID及びアクセスコード(乙16)を本件ウェブサイトに人力してから本件ウェブサイトにアップロードされた本件レッスンマニュアルを閲読することができる」のであるし、また、商標権者が発行する「火の呼吸で人生が変わる!」及び「ヨーガの奥義と指導の心得」と題する2種類の公式メールマガジン(乙22?乙25)にしても、希望者が自己のメールアドレスを入力した後、商標権者独自の規約に同意し登録された者のメールアドレスに無料で届けられるというものであるから、これらが一般公衆の利用に供する施設(例えば、図書館)において提供されるサービスであるとは認め難いし、また、これらが独立して商取引の対象となった事実を裏付ける証拠の提出はない。加えて、上記2種類の公式メールマガジン(乙22?乙25)には、使用標章が表示されていない。
したがって、商標権者が、本件審判の請求の登録前3年以内に、上記(e)の指定役務について本件商標を使用していたと認めることはできない。
(6)被請求人は、上記「(f)録画済み磁気テープ・磁気ディスク・光ディスクの貸与」について、その使用の事実を明らかにする証拠として、乙第26号証を提出する。
ア 乙第26号証について
乙第26号証は、「BREATH OF FIRE/クンダリーニ・ヨーガ/火の呼吸TOKYO」なるウェブサイトであるところ、ここには、商標権者の公認インストラクターが火の呼吸に関する講習会を平成23年1月16日に文京区で開催する旨のお知らせが掲載された。
イ 上記アで認定した事実によれば、商標権者の公認インストラクターが火の呼吸に関する講習会を開催したことが認められるものの、商標権者が、その認定に係る公認インストラクターに本件DVD1及び本件DVD2を貸与し、その対価を得たと客観的に裏付ける証拠の提出はない。
したがって、商標権者が、本件審判の請求の登録前3年以内に、上記(f)の指定役務について本件商標を使用していたと認めることはできない。
この点に関し、被請求人は、公認インストラクター認定に伴う30万円は、専ら本件DVD1及び本件DVD2の貸与に向けられたものであるといい得るから、本件DVD1及び本件DVD2の貸与が独立した商取引の対象となっていることは明らかである旨主張するが、これを客観的に裏付ける証拠の提出もない。したがって、上記被請求人の主張は理由がない。
(7)以上によれば、商標権者らは、本件審判の請求の登録(平成26年3月10日)前3年以内に日本国内において、本件請求に係る指定役務について本件商標を使用していたと認めることはできない。
2 むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成26年3月10日)前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件請求に係る指定役務のいずれかについて本件商標を使用した事実を証明し得なかったものといわなければならない。また、被請求人は、本件商標を本件請求に係る指定役務について使用していなかったことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定役務中、第41類「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),教育・文化・娯楽若しくはヨガ・健康法・ダイエット法・技芸・スポーツ・トレーニング・ストレッチ・スポーツ・体操・能力開発・健康増進のための身体運動・姿勢及び歩き方を含めた動作についての知識と技術に関する訓練・レッスン用ビデオ・コンパクトディスク・ミニディスク・DVD又はその他の記録媒体の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,オンラインによる映像の提供,放送番組の制作,映画の上映・制作又は配給,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープ・磁気ディスク・光ディスクの貸与」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2014-12-05 
出願番号 商願2004-109467(T2004-109467) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Y41)
最終処分 成立  
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 渡邉 健司
大森 健司
登録日 2006-10-20 
登録番号 商標登録第4996601号(T4996601) 
商標の称呼 ブレスオブファイア、ブレスオブファイヤ 
代理人 寺田 花子 
代理人 勝見 元博 
代理人 佐原 祥太 
代理人 鮫島 睦 
代理人 三山 裕三 
代理人 川本 真由美 
代理人 津島 一登 
代理人 小山 哲 
代理人 田中 光雄 
代理人 田中 慎一 
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