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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201615915 審決 商標
不服201512197 審決 商標
不服20162573 審決 商標
不服201812296 審決 商標
不服20147821 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W31
管理番号 1296194 
審判番号 不服2014-14528 
総通号数 182 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-07-25 
確定日 2015-01-21 
事件の表示 商願2013-54452拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「信玄桃」の漢字を標準文字で表してなり、第31類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年7月12日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同年12月3日受付の手続補正書により、第31類「桃,桃の種子類,桃の苗木,桃の花」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『信玄桃』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『信玄』の文字は、戦国時代の武将として著名な人物である『武田信玄』を容易に想起させるものである。『信玄』ゆかりの山梨県においても、『信玄』をテーマとした『信玄公祭り』の開催や観光施設の運営が行われている実情があり、『信玄』は、強い顧客吸引力を有するものであって、これに本願の指定商品そのもの、あるいは、指定商品の品質を表す『桃』の文字を組み合わせたにすぎない本願商標が登録されるときは、『信玄』ないし『武田信玄』の名称を活用した地域振興の施策などに係る商標の使用を制限するおそれがあるものである。さらに、『信玄』こと『武田信玄』は、戦国時代きっての名将であり全国的な有名人として、現在においても、山梨県民から敬愛されていることが、武田神社の祭神として祀られていることなどからみても優に推認することができる。そうすると、歴史上の著名な人物として広く認識されている『武田信玄』を直ちに認識させる『信玄』の文字を顕著に有する本願商標を、一私人である出願人の商標として登録することは、『武田信玄』の名称を活用した観光振興や地域おこしなどの施策の遂行を阻害するおそれがあり、また、『武田信玄』を祭神として祀る武田神社を崇敬する者をはじめとして『武田信玄』を敬愛する国民の感情を害するおそれがある。したがって、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標といえるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、「信玄桃」の漢字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同書、同大、等間隔をもってまとまりよく一連に表されており、その全体より生じる「シンゲンモモ」の称呼も淀みなく一連に称呼し得るものであるから、これに接する取引者、需要者は全体を一体のものとして認識、把握するとみるのが相当である。
そして、本願商標の構成中の「信玄」の文字は、戦国時代の武将である武田信玄を表すものであるところ、甲府市をはじめとする「信玄」ゆかりの地においては、「信玄」の文字を用いて、信玄に関する祭りの開催や観光施設の運営が行われていることは確認できるが、「信玄桃」の文字が、公益的な機関による観光振興や地域興し等の施策や活動に利用されている事実を見いだすことはできない。
そうすると、本願商標は、商標の一部に「信玄」の文字を有するものの、まとまりよく一体に「信玄桃」の文字を表したものであるから、直ちに、地方公共団体や商工会議所等の公益的な機関による「信玄」の文字を用いた観光振興や地域興し等の施策や活動を阻害したり、「武田信玄」を祭神として祀る武田神社を崇敬する者をはじめとして「武田信玄」を敬愛する国民の感情を害するおそれがあるとまではいえないものである。
また、請求人は、「信玄餅」及び「信玄桃」の名称を付した菓子を、永年にわたり販売しており(別掲参照)、本願商標を構成する「信玄桃」の文字は、請求人の営業に係るものとして、相応に知られる存在になっているといえるものである。
してみれば、本願商標は、その指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するとはいえないものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取り消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
請求人の営業に係る「信玄桃」について
(1)2014年3月25日付け「スポーツ報知」(22頁)
「[LadyLifeLove]プレゼント」の見出しの下、「◇桃のお菓子 甲州銘菓の信玄桃(6個入り525円)=写真=を5人に。ピーチゼリー入りの白あんを小麦粉生地で包み、色・形ともに山梨県特産の桃に似せた焼き菓子。桔梗信玄餅で有名な桔梗屋の商品だ。」の記載がある。
(2)2008年1月31日付け「静岡新聞」(夕刊 6頁)
「WOWじゃぱにーず・外国人が選ぶ土産(8)=信玄桃(桔梗屋・山梨)-台湾賞」の見出しの下、「山梨の特産品、桃。ピーチゼリー入りの黄身あんを包んだ小麦粉のまんじゅうを、色も形も本物の桃そっくりにかわいらしく仕上げた。しっとりとした口当たりで、桃の風味がふんわり広がる。 ▽本物の桃のよう。かわいくておいしそう。金額的にもお手ごろ。台湾のウーロン茶に合う(台湾)。」との記載がある。
(3)2006年10月25日付け「朝日新聞」(東京地方版/山梨 33頁)
「県産品、商機あり 食品10種が登場 東京「富士の国やまなし館」/山梨県」の見出しの下、「販売される県産品がワインに限定されて利用者から改善を求める声が多かった東京・日本橋にある県PR拠点『富士の国やまなし館』が、桃ジュースや菓子、『ほうとう』など10種類の県産品の販売を新たに始めた。・・・新たに販売しているのは、県を代表する土産品『信玄餅』『信玄桃』やほうとう、『鮑(あわび)の煮貝』など10種類だ。」の記載がある。
(4)請求人のホームページ
「桔梗屋のお菓子 銘菓(通年菓子)」の見出しの下、「信玄桃 ピーチゼリー入りの白餡を小麦粉生地で包み、色・形ともに山梨県特産の桃に似せた焼き菓子です。」の記載がある。
(http://www.kikyouya.co.jp/products/allyear/3.html)


審決日 2014-12-05 
出願番号 商願2013-54452(T2013-54452) 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (W31)
最終処分 成立  
前審関与審査官 齋藤 貴博清川 恵子 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 内藤 順子
原田 信彦
商標の称呼 シンゲンモモ、シンゲントー、シンゲン 
代理人 小林 弓子 
代理人 伊藤 將夫 

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